「ちょっと一息ブレークタイム」昭和プロレス望郷の旅 byプロレス美術館

第二週は、とあるリングシューズ。当美術館最大のお宝グッズは大巨人アンドレ・ザ・ジャイアント実使用のリングシューズだが、敢えてそれをさておき、是非、紹介したい「珍リングシューズ」がある。来場者の多くの方々に興味を示して頂き、質問攻めにあうことも・・・。
まずは写真から。
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ご覧の通り、本来の靴ヒモの代わりに、本当に超強力なマジックテープとファスナーが使用されている。
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読者の方の中にはヒモのないリングシューズをはじめて目にする方もおられるかもしれない。敢えて説明する必要もないことだが、リングシューズの左右それぞれ、ヒモを15段から20 段に通すには早くて5分、ゆっくりと、念入りに締めねば7分以上はかかってしまう。試合やイベントのためなら、この時間は仕方がないが、技の開発や練習など、非公開のリング上では無駄な時間。ベテランレスラーならば付き人がシューズのヒモを通すが、若手選手などはそうはいかない。さらに入門志望者をリングに上げて入団テストを行う場合もリングシューズが必要となる。
そこで考案されたのがこのシューズである。まさに若手専用の道場シューズといえ、靴底は実践用と同じゴム素材、そして従来のリングシューズ(ヒモ式)と比べても、違和感のないほど強力なマジックテープを使用しており、サイズは28センチであった。
現在のビッグネームも使っていた可能性は大。だがその詳細は不明。もっとも入手経路だけは判明しており、発見されたのは浅草の鳥越。この辺りは靴問屋の多い地域で、靴問屋の主人に尋ねたところ、世田谷の靴職人が初期の全日本プロレスから発注を受けたとのこと。技術的には、ひたすら特殊なキワ縫いや特注のミシンを使用し、材質もクロムと渋なめしを使用。また靴底の厚い渋の革も一級品とのことだった。
このシューズの写真をみてピンときた方は是非情報をお願いいたします。
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プロレス美術館「憩いのリング」
ある極悪レスラーの懺悔④誰にも言わなかった新日退団の真実~家族旅行にもプロレスのリングシューズを着用