10日、東京・JCBホールにて、プロフェッショナル修斗20周年興行『修斗伝承 ROAD TO 20th ANNIVERSARY FINAL』が開催された。
記念セレモニーでは、山本“KID”郁徳、青木真也、宇野薫、桜井“マッハ”速人ら日本総合格闘技界隆盛の立役者となったスター達の他にも、エンセン井上、中井祐樹ら修斗中興の祖、そして草創期の初代シューターといった「レジェンド」達が続々とリング上に登場。日本総合格闘技のパイオニアとして20年、業界を牽引し続けてきた底力を見せつけた。今大会は“火の玉ボーイ”五味隆典の6年ぶりの修斗復帰、“月狼”佐藤ルミナの世界タイトル挑戦、石田光洋vs.廣田瑞人の「DREAM vs.戦極の代理戦争」などフレッシュな話題が相次ぎ、チケットの売上も絶好調(なんとも、実券で2,500枚サバけたとか…)。当日券を求めるファンが長蛇の列をなし、JCBホールは4階席まで立見客がズラリと並ぶ大盛況。3,600人(主催者発表)超満員札止めの動員となった。
初代シューターも、黄金期の立役者も…。20年の誇りが詰まった記念の一枚。代表スピーチは初代ライトヘビー級王者・川口健次だ!
今大会最大の注目、元ウェルター級世界王者・五味と現役王者・中蔵隆志のメンツを懸けた一戦は、開始前の煽りVが流れる最中から大盛り上がり。地の底から沸きあがるような歓声が、JCBホールを包み込む。修斗の会場でこのような歓声を聞くのは、90年代末期・修斗黄金期のNKホール大会以来か――!?
試合でも息詰まる激しい打撃戦が展開され、観客の熱狂度も最高潮。1R終盤には「五味」コールと「中蔵」コールが真っ向からぶつかり合い、JCBホールの高い天井にこだまする。中蔵の効果的な左のパンチに苦しみ、2R中盤までリードを許していた状態の五味だったが、ラウンド終盤に右ボディから左右のフックと、神がかり的な集中力で“大砲”を立て続けに中蔵にぶち込む! コーナー際、ついに崩れ落ちた中蔵に、さらに五味は渾身の力でパウンドを連打すると、たちまちレフェリーは試合をストップ! 五味隆典、久々のスカ勝ちで自身も観客も大興奮! 飛び跳ねるようにコーナーポストに駆け登り、バック宙で歓喜を表現する五味。スタンディングオベーションで熱狂する超満員の観客。かつてPRIDEで見慣れた光景が、2009年の修斗のリングで蘇った。
「帰ってきたぞー!」
確かに五味は、そう叫んだ。火の玉ボーイの次のリングは、噂の魔裟斗戦か、海外の舞台か、それとも修斗継続参戦か――。ただ一つ言えるのは、2009年5月10日、修斗のリングに、一番強くて一番ヤバい五味隆典が帰ってきたということだ。
ぶん殴り、ぶっ倒し、跳ね回る五味隆典! あの熱狂が帰ってきた!
「今日は俺がMVPだしね。だからいっぱい喋らなきゃぁ」
「いや~嬉しい! ホント嬉しいなぁ。クーッ!」
コメントブースでもご覧の通り破顔一笑!
メインは、10年来修斗を牽引し続けたカリスマ・佐藤ルミナが、ルミナに憧れ修斗の門を叩いた現役王者・リオン武に挑む、まさに文字通りの「修斗伝承」マッチ。結果から言うと、またしても敗れたルミナではあったが、先にスピード感溢れるラッシュを仕掛け、王者リオンをグラつかせ、観客を熱狂させたのは、さすがは「This is Shooto!」の“ルミナ様”。「まだまだやれる」の印象を、満天下の観客に与えたその存在感は、今も修斗のリングで際立っている。ルミナに憧れた第8代王者が真に“伝承”したいのは、やはりこの唯一無二のカリスマ性なのであろう。
シュートボクシング「武志道-bushido-其の壱」佐藤ルミナ快勝
倒し、倒され…。リスクを背負っても変えられない。それが、佐藤ルミナという生き方。
念願のルミナ超えを果たした王者・リオン武。
そして「人気のセ・リーグ、実力のパ・リーグ」MMA版ともいえる結果となった、廣田瑞人の戦慄KOによる石田光洋狩り、新たなる外敵・修斗南米王者の日本デビュー、秒殺女王・フジメグの貫禄勝利など、オールスターキャストで繰り広げられた20周年記念興行の全貌を、ミルホンネットでは15日発売の『マット界舞台裏』5月21日号で完全詳報の予定。是非お買い求めください!
■プロフェッショナル修斗公式戦『修斗伝承 ROAD TO 20th ANNIVERSARY FINAL』
2009年5月10日(日)開始:16:00
会場:東京・JCBホール
<第1試合 78・4キロ契約 5分2R>
久米鷹介(日本/ALIVE)
(試合中止)※ソル・ポ・ギョンが計量失敗で脱水症状に陥ったため。
ソル・ポ・ギョン(韓国/パラエストラ大邸)
<第2試合 女子フライ級 5分2R>
○藤井惠(日本/AACC)
(1R 52秒 V1アームロック)
●チェ・ウンブン(韓国/ジョング・パイト・ジム)
<第3試合 ライト級 5分2R>
○西浦“ウィッキー”聡生(日本/STGY/環太平洋ライト級9位)
(判定 2-0)※20-18、20-18、20-17
●太田拓己(日本/SHOOTO JAM WATER)
<第4試合 ウェルター級 5分3R>
○朴光哲(日本/KRAZY BEE/世界9位・初代環太平洋同級王者)
(1R 4分56秒 TKO)
●ウエタユウ(日本/PUREBRED京都/同級環太平洋4位)
<第5試合 ウェルター級 5分3R>
○冨樫健一郎(日本/パラエストラ広島)
(判定 2-0)※30-29、29-29、29-28
●加藤鉄史(日本/TRENCH TECH)
<第6試合 ウェルター級 5分3R>
○廣田瑞人(日本/GUTSMAN・修斗道場)
(1R 1分33秒 TKO)
●石田光洋(日本/T-BLOOD/第2代同級環太平洋王者)
<第7試合 ウェルター級 5分3R>
○ヴィリアミー・チケリム(ブラジル/ノックアウチ・ファイト/同級南米王者)
(1R 5分00秒 フロントチョークスリーパー)
●遠藤雄介(日本/GOKITA GYM/同級環太平洋王者・同級世界1位)
<セミファイナル 第8試合 ウェルター級 5分3R>
○五味隆典(日本/久我山ラスカルジム/第5代同級世界王者)
(1R 4分42秒 KO)
●中蔵隆志(日本/シューティングジム大阪/同級世界王者)
<メインイベント 第9試合 世界ライト級チャンピオンシップ 5分3R>
○[王者]リオン武(日本/シューティングジム横浜)
(1R 4分41秒 TKO)
●[挑戦者]佐藤ルミナ(日本/roots)
※第8代王者が初防衛に成功。
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