マッスル坂井、「もうやりたくない」と吐露するバッドエンド! マッスルはこの先何処へ向かう? 5・4『マッスルハウス8』

鶴見亜門 ところでさ、坂井よ。お前はこの先、どういうマッスルをやりたいの? 何がやりたいの?
マッスル坂井 ……………(しばし沈黙)。…僕には何もありません。僕は空っぽの人間です。僕はこのマッスルを小さい会場からやって来て…(涙声に)。
亜門 ホントに、何がやりたいの? お前らレギュラー組はどう思うの?
男色ディーノ どうももこうもも、“このパート”、いらないと思いますよ(ぶっきらぼうに)。お客さんに見せるモノじゃない。
坂井 “この間”はいらないです! 正直もうしんどい、やめたい! オチが全然思いつかないんです!
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突如始まった、亜門と坂井のガチな押し問答! 観客が重苦しく押し黙り、後楽園ホールは放送事故的な不穏な雰囲気に……
 後楽園ホールを埋め尽くした1,666人の観客が、重苦しく押し黙ったまま、唐突に始まったエンタテインメント性ゼロのシュートなやり取りを、為す術もなく見守り続ける。
 これまでにも、マッスル戦士・726の愛妻の死をアングルに盛り込む“掟破り”を見せるなど(08・1・3『マッスルハウス5』)、爆笑とサプライズゲストのカタルシスに留まらない仰天演出で、プロレスの枠を超えた支持を集めてきたマッスル。そのマッスルの頭脳・マッスル坂井が、満天下の衆目の中、「もうオチがない」と悲痛すぎる告白。創造主は、ここまで苦しんでいたのだ。
 4日、東京・後楽園ホールにて、『マッスルハウス8』が開催された。
「不況の中生き残るには、スポンサーの獲得が急務!」ということで、新スポンサー・パチンコメーカー・SMS(スーパー・メガネワールド・スポーツ。オーナーは“メガネ”藤岡典一!)を獲得した記念に、後楽園ホールを巨大パチンコホールに変身させる演出、サプライズゲストに大森隆男、リング上で『クイズ・ミリオネア』と『ザ・イロモネア』、伝説の鈴木みのるvs.メカマミーの再戦が実現…等々、今回も年2回のマッスル本場所「ハウス」にふさわしいサービスてんこ盛りの展開が続いていた。
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CRマッスルハウス! 今回の大ネタはパチンコだった。
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ミリオネアが一転して、イロモネアに…!? ファイナルアンサー!
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鈴木みのるvs.メカマミー、因縁の迷勝負ふたたび!
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サプライズゲストに大森隆男! 正直、ゼロワン退団報道の時、大森がマッスルのリングに上がるなんて夢にも思わなかった!
 …が、ブラジル(!)でのメカマミー戦の決着をつけ、「昴」のBGMが流れる中、血と泥にまみれながら生還した鈴木みのるを迎え入れたあと、それからの展開が続かない。その後唐突に、リング上の亜門と、今大会は試合をせずインカムを付けて裏方に徹していた本部席の坂井とで、冒頭の押し問答が観客不在状態で延々と続く展開に陥ってしまう。
 見かねた亜門が、観客に週プロモバイルで「今までで一番面白かったマッスルは?」のアンケートを採ることを提案。結果は断トツで鈴木みのる初登場の『マッスルハウス4』(07・5・4)。マッスルメンバーは、この大会をピークに、マッスルがおかしな方向に転がっていったと分析。その結果を踏まえ、今後のマッスルの展開を模索すべく、亜門は再度坂井に「どうする?」と問いかけ、男色ディーノも、
「マッスルというのは、マッスル坂井の周りに人が集まって生まれたものだから…」
と「坂井=マッスル」を強調。亜門が改めて
「だから決めて欲しいんだよ、坂井に!」
と強く叫びかけると、やっと坂井が本部席を離れリングイン。
 苦し紛れに坂井は観客に、大会前半で使われた大量のゴムボール(パチンコ玉)をリングに向かって投げ返してくれと呼びかける。ボールの的になることで、オチなし興行に終わった責任を取る気のようだ。
「皆さんの不満、イライラ、ストレス、全部俺にぶつけてください!」
と坂井が叫んだあと、キメのマッスルポーズを経て、観客が一斉にボールをリング上の坂井たちに投げ返す! そして、そのボールをまたまた全力で投げ返す選手たちの表情は、やり場のない苛立ちが籠もっているようにも見える。フルスピードでリング上を飛び交う無数のボール。まるで、選手と観客が喧嘩をし始めたかのようにも見える、なんとも収まりの悪い風景である…!
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 終演後の客出しで、新藤力也リングアナは
「次回、マッスルが開催されれば、その時にまたお会いしましょう…」
と連呼。本当に、本当に、マッスルは何処に向かおうとしているのだろうか……!?
※そしてミルホンネットでは、セメント問答(?)という前代未聞のエンディングで、近年のプロレス興行で類を見ぬ混沌を見せつけた、この伝説の一夜「5・4」の模様の全容を、またまた近日発売『別冊ミルホンネット ~マッスルハウス編~(タイトル未定)』で大々的に公開予定。是非お買い求めください!