井上克也がライト級王座の初防衛に成功した。試合後のインタビューでは、「ベルトを守るプレッシャーだったので、嬉しいというより、ほっとしている」とも。「外人並に圧力があった」という花澤選手だが、「手ごたえもあったけど、もうちょいだった」と反省する。
終わってみれば、いつもの井上克也だったかも。スロスターターで1R目にはRJW=リアルレスリングのチームなのに花澤大介13から2度もテイクダウンを奪われる。ロープ際に持って行くのはコブラ会の作戦通り。グラウンドで上になれば、肩パンチを落とす。このラウンドは、大介がとった。ただし、大介がベルトを巻くとするなら、この1Rに速効で勝負をつけているなら可能性はあったように思う。その意味では、ラウンドを取ったからといって、何も喜んではいけなかったのだ。
2Rは、大介のスーパーマンパンチが決まるところからだったが、井上克也のグラウンド&パウンドが決まりだすと、なんだか見なれたいつもの展開に。大介はあとの記者会見で、「スタミナ切らさない練習はしてきたはずなのに、息は上がってないが、足がついていかない」とも。コーナー際のテイクダウンにせよ、「体の芯が抜けてしまう」感覚だったという。「アンダーから打たれた左からのフックが効いた」そうだ。
これがアンダーから打たれた左からのフックの瞬間
3Rは、そのロープ際の攻防で鉄槌を何度も打たれてしまい、止められてもおかしくない場面も・・・。グラウンドで井上が顔面にヒザを入れてしまい、一時中断。大介は思わずレフェリーに「ちょっとキツイですわぁ」と、長めのタイムストップを要求。これである程度は助かったかも。この中断がなければ、大介はKO負けしていたかもしれない。
鉄槌攻撃が決まりだす。危ないところだった大介
ゴングが鳴ると、大介はセコンドに「すんませんでした」。負けを自覚していたようだ。一方の井上克也だが「相手の打撃に対応できる感じになり、大丈夫かと」。「自分も疲れていたが、相手が疲れていたのがわかった」という。リング上では「花澤選手に勝ってランキングの人もあんまりいなくなっちゃったんで、今年はパンクラスと他の団体、2冠、3冠を目指して頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」とアピールしたが、試合後はズバリ戦極の名を口にした。
ただし、「ベルトは欲しいが、その人(北岡悟)には興味はない。前に負けた人とやりたい」とも。どうやら五味隆典と廣田瑞人に興味があるようだ。なんでも廣田とは、同じ長崎県出身で、しかも隣町なんだという。
「けががなければ、このペースで防衛戦もしたい」と意欲満々だが、坂口征夫とかよりは、外部の未知の強豪を迎え撃つ腹積もりらしい。「もっと打撃強くなって、盛り上がる試合をやりたい」と抱負を述べていた。
最後に会見に現れた大介だが、「3年前から成長していない。試合展開も同じ。負けるべくして負けた。自分の不甲斐なさが悔しい。情けない。(前回の試合から課題を)克服できてない」と、反省することしきり。途中から、手塚コーチに「なんでこんな試合をやっているんだろう」と、未熟さを謝ったという。
「これまで地元・大阪での試合も見に来なかった母親が遥々来てくれたのに、この上なく親不孝者だ」と話す大介。「アメリカで4試合やって最後に負けて、もう一回でも負けたら格闘技第一の生活から考え直すつもりだった」というが、今回の敗北で第一線から退くニュアンスのことを口走っていたのが気にかかる。
2・1パンクラス、ディファ有明大会の詳細は、4名の記者が取材しており、それぞれの視点からの徹底ルポを、豊富な写真満載にてマット界舞台裏2月12日号にて収録いたします。ご期待下さい。
井上克也がライト級王座防衛、花澤大介13は「第一線から退く」!?
未分類