山口敏太郎の沖縄プロレス見聞録

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 「オカルト雑誌アトランティアの次号は沖縄の妖怪スポット、心霊スポットの記事にしましょう!」。相棒の編集者Mさんがさりげなく言った。

 全員が取材に散っている今、結局沖縄に編集長である山口敏太郎が乗り込むなった。昼間はキジムナーやシーサー、ハンドバック幽霊、石投げ幽霊などの取材に走り廻ったが夜は密かな楽しみがあった。沖縄プロレスの観戦である。みちのくから大阪と常に地域密着プロレスと関わってきたデルフィンの生き方をこの目で見たかったのだ。

 国際通りを歩いているとミル・マングースが呼び込みをやっていた。1月20日夜8時、普通の日の定期戦の幕が開いた。
09.1.20okinawa2.jpg わくわくしながら会場にはいる。ウチナー〈沖縄県民〉は割引があるらしい。

 会場ではレフェリーの島らっきょう氏が忙しく動き廻っている。観客の中には関西弁も聞こえ、大阪プロレス時代のファンも来ているようだ。筆者も含めスペル・デルフィンの生き様を支持するファンもいるようで嬉しくなる。
 まず最初はメンソーレ親父、シーサー王、カンムリワシ用高ら三人組〈おやじ倶楽部〉による三線の演奏と歌の披露、意外にメンソーレ親父は歌が上手い。

 第一試合のゴールデンパイン対シーサー王が始まった。お姉キャラのパイン選手のおさわり攻撃にシーサー王選手も苦戦するが、最後は高い位置からのパワーボムからシーサー王選手がフォール勝ち。
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 第二試合はミル・マングース、メンソーレ親父、怪人ハブ男三選手による変則マッチ。パワーに勝るハブ男選手に対し、メンソーレ親父、ミル・マングース両選手が結託、ダブルドロップキックなどで仕掛けていく。だが隙を見てはミル・マングース選手はメンソーレ親父選手からピンフォールを奪おうとする。
 最後はハブ男選手が場外で気を取られている間隙をつき、メンソーレ親父が得意技の〈親父ぬい…しらぬいの親父バージョン〉からピンフォール。
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 メインはゴーヤーマスク、アグー、カンムリワシ用高 対 スペルデルフィン、キジムナー、キャプテン美ら海パイレーツザックという組み合わせ。
 アグー選手とゴーヤーマスク選手の間に連携の乱れがみえるがどうにか修復しながら試合が続いていく。カンムリワシ用高選手のパンチ、キジムナー選手のトリッキーファイトは噂どおりである。キャプテン美ら海パイレーツザック選手は地味だが丁寧な試合運びが印象的であった。

 勿論スペルデルフィン選手はあの時のままである。コーナーを使ったスウィング式DDTの切れ味も健在であった。衝撃的に新日マットに登場し、ライガーが絶賛し、目のこえた新日本信者が舌を巻いたあの時のデルフィンが南の島にいた。男は今も夢に生きている。

くまき由佳 乙女半ば、ファイト・いっぷわぁ~つ①
くまき由佳 乙女半ば、ファイト・いっぷわぁ~つ②
みかめゆきよみ 歴史オタク的プロレス史
山口敏太郎 格闘技・スポーツ都市伝説
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