インディの聖地・新宿FACEにやって参りました。あの未確認生物レスラー・雪男選手(ネパール出身)と、ビッグ・フット選手(米国出身)が最強タッグを結成したのだ。
これに対し、IWA最強タッグ(維新力、松田慶三)が立ちはだかる。まさに、人類対UMAの夢のタッグ対決がここに展開されるのである。
因みにメインイベントのこの試合「カベジェラ・コントラ・ケムクジャラ」という趣向が施されており、松田慶三 維新力組が負ければ維新力が髪を切り、ビッグフット組が負ければケムクジャラのUMAたちが体毛を剃るという。前代未聞の試合である。さぁ未確認ワールド全開のIWAジャパンの世界を紹介しよう。
第一試合西山秀紘VS小部卓真
若手らしい、荒々しさとガッツが全面に出たファイトであった。小部がバックドロップから体固めで西山から勝利を奪ったが、納得いかない西山は試合後もレフェリーに突っかかる様子を見せた。
第二試合ウルトラセブンVS河童小僧
河童小僧が愛嬌たっぷりに入場、会場人気はなかなかのもの。ウルトラセブンのテーマに乗ってセブンが入場。ウルトラセブンと河童小僧が向かい合った瞬間。ウルトラセブンVSテペトの名勝負を思い出した。40歳以上の読者なら、泣かせる絵面である。
試合は、セブンの繰り出す力技に対し、河童小僧が空中殺法やトリッキーな動きで応戦するが、最後は豪快なキャメルクラッチ絞り上げられ、セブンがギブアップ勝ちを拾った。
第三試合GOEMON VS TA☆KU
往年のFMWファンならお馴染みのGOEMON選手が落ち着いたファイトを展開。GOEMONは、弓矢固めやインディアンデスロックからカマ固めへのコンビネーションなどクラシックな技を多用した。技のセレクトから判断するに猪木の影響が大きいのかもしれない。
新宿の住民に何故か大人気のTA☆KUは、軽快な空中殺法を展開するが、体格に勝るGOEMONがTA☆KU封じ込め、ダブルアームの体制からパイルドライバー気味に投げ捨てフォール勝ち。
第4試合ジャガー横田 加藤まこと VS ラ・マルクリアーダ 神威
加藤まことがキャリアの無さを露呈するが、その段取りの悪さが加藤のキャラクターになって奇妙な人気を得ている。北海道の団体で活躍する神威は、なかなか巧者であり、パートナーのラ・マルクリアーダも悪女ぶりが板についている。エロスと悪が共存する女性ヒールは昭和の香りがして、池下ユミを喚起させた。因みに、ラ・マルクリアーダはキャットファイトで活躍しており、グラビアアイドルを蹂躙する姿は真に絵になる。正体はいうまでもなく、あの人である。
加藤の拙さをジャガー横田が、見事にカバー。最後は、ローリングクラッチホールドを切り返してジャガー横田がラ・マルクリアーダからフォール勝ち。デビル雅美が引退した今、全女全盛期の残像はジャガー横田にこそある。
第5試合グレートタケル 矢野啓太 VS 末吉利啓 竹田誠志
末吉と竹田のチームプレイが光った。タッグチームとしては、ずるくて強い邪道・外道の方向性でいけるのではないか。タケルと組んだ矢野は一見女性に見えるぐらい華奢なビジュアルだが、なかなか巧者、プロレス少年がそのままプロになった器用な選手といった感じである。
最後は、ラッシュをかけた末吉がタケルをダブルアームの体制から前方に投げ捨て見事フォール勝ち。末吉はタケルのタイトルに挑戦表明した。5月のIWAジャパンの15周年のビックマッチでタイトル戦が実現するのであろうか。なにやら名勝負の予感がするのは筆者だけであろうか。
メイン松田慶三 維新力 VS ビッグフット 雪男
観客に丁寧にサービスする好感・松田慶三、善戦するがビックフットと雪男の攻撃の前に苦戦する。維新力が張り手、ぶちかましで果敢に攻めるがこれまた与えたダメージが薄い。最後は、決死の覚悟の松田慶三がトップロープからドロップキックでビッグフットの後頭部にぶち込む。乱戦となるリング上、その隙に維新力がビックフットの顔面をえぐるラリアットからフォール勝ち。
髪切りマッチだった為、ビックフットの体毛が剃られるはずだったが、ハリウッドでのビックビジネスの為、マネージャーのハル女史が代わりに髪を切った。女の命の髪を潔く切ったハル女史はなかなかの女傑ぶりであった。
未確認生物レスラーVS人類 IWAジャパン新宿FACE大会
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