浅草ファイト倶楽部を常打ちとするローカルインディー団体・下町プロレスを中心に活躍するどインディー戦士・ドラゴンソルジャーLAW(通称DSL)が年内いっぱいでの無期限休養を宣言。記念のラストマッチとして、23日に自主興行『(め)組主催興行 ~DSLフォーエバー~』を、数々の思い出が刻み込まれた浅草のマットにて開催した。
DSLは、05年11月23日のAXKICK興行でデビュー。その後埼玉プロレスで火炎攻撃を浴び話題を呼び、大阪のFU★CK!などの全国ローカルインディーを転戦。そして06年頃より下町プロレスに定着するが、肉体的コンディションなどの理由により、今年8月に年内いっぱいでの事実上の引退=無期限休業を宣言。自らがプロデュースする今回のラストマッチ興行に、並々ならぬ思い入れをもって臨んだ。
(PHOTO/藤島健)
浅草ファイトクラブとしては大入り超満員となる32人の観客を集めて行われたDSL自主興行は、ダークエッシ(ダークマッチ)からメインエッシ(メインイベント)まで、DSLが一人出ずっぱりの大車輪。メインエッシ“DSLランブル”では、インディーの猛者5人を、ダーク含めた3エッシ(3試合)闘い抜いた満身創痍の肉体で迎え撃つが、連戦のダメージは明らか。10分間、終始やられっ放しの展開が続く。特に戸田秀雄とペドロ高石の攻めはエゲツなく厳しく、客席のあちこちから悲鳴が上がる。
(PHOTO/藤島健)
ボロボロになりながらも10分タイムアップでDSLのキャリア完走…と思われた直後、リングに飛び込んできたのが、DSLと最も長い期間闘い続けてきた下町プロレスの面々。日頃DSLいじり(いじめ?)に余念のない下町の面々も、最後は彼を救いに来たんだな…と観る者が心温まったのも束の間、案の定下町勢は途中からDSLに集中攻撃を浴びせる狼藉三昧。最後はレフェリーのデューク佐渡までがDSL集中砲火に加わり、1 vs 10のハンディキャップ状態となる場面も見られた大乱戦の最後は、DSLを業界に招いた恩人・ペドロが自ら、寝技でDSLを仕留めフィニッシュ。ボロ雑巾状態で3年間のどインディー生活に幕を引いた。
マイクを掴み、ひと通りファンへの感謝の念を述べたDSLは、シメにいつもの「1、2、3、イナバウア~!」。しかしその直後にまた「ご起立ください!」とイナバウア~!をやり始めるDSL。メインエッシ、ボーナスエッシで喰らったハードヒットの数々で、記憶が飛んでいたのだ。意識が朦朧となるほどに、ラストマッチでプロレスの痛みを胸いっぱい腹いっぱいに満喫したDSL。思い残すことのないサヨナラ興行となったことだろう。
ドラゴンソルジャーLAW、3年間おつかれエッシ!
(PHOTO/藤島健)
※エッシ…DSLがチョップ、キック、パンチなどを繰り出す際の定番の掛け声。DSLと一緒に「エッシ!」と叫ぶのが観客のお約束。
■『(め)組主催興行 ~DSLフォーエバー~』
2008年12月23日(火・祝)開始:14:00
会場:東京・浅草ファイト倶楽部
<ダークエッシ>
○ドラゴンソルジャーLAW
(7分45秒 ラ・マヒストラル)
●シャドーDSL
<第1エッシ>
ドラゴンソルジャーLAW、○THE OUKA
(11分08秒 ジャックハマー→片エビ固め)
前田明日、●蟹K☆ING
<第2エッシ>
○小塩よしお、小島いける
(8分52秒 スーパーオメガドライバー→片エビ固め)
マンモス半田、●エレファント全田
<メインエッシ・DSLランブル>
ドラゴンソルジャーLAW(2分00秒 引き分け)ササメ
ドラゴンソルジャーLAW(2分00秒 引き分け)吉田充宏
ドラゴンソルジャーLAW(2分00秒 引き分け)安部健治
ドラゴンソルジャーLAW(2分00秒 引き分け)ペドロ高石
ドラゴンソルジャーLAW(2分00秒 引き分け)戸田秀雄
<ボーナスエッシ>
戸田秀雄、○ペドロ高石、吉田充宏、安部健治、ササメ
(16分47秒 腕ひしぎ逆十字固め)
バカボンのパパ、バカ殿、車下次郎、ベサメムーチョ神田、●ドラゴンソルジャーLAW