ファイティングロードpresents DEEP 39 IMPACT 2008年12月10日(水) 後楽園ホール 帯谷はダブルビジョンのハンデで衝撃のKO勝利。

 10日、東京・後楽園ホールで開催された「DEEP 39IMPACT」、特に後半戦はいずれも今後の日本総合格闘技界に大きな影響を与えるだろう重要なカードが目白押し、会場も熱気に包まれていた。

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<第11試合 メインイベント ライト級 5分3R>
○帯谷信弘(2R 2分35秒 TKO)Barbaro44●

 会場が爆発したのはやっぱりメインだった。試合後のマイクアピールで判明した事実だが、帯谷は最初のBarbaro44の一発で左目が二重に見える状態になっていたそうだ。そう、あの先日のK-1GPの決勝戦で、バダ・ハリの反則でレミーが陥ったダブル・ビジョンだ。しかし、それを悟られない様に積極的に前に出る帯谷、激しく応戦するBarbaro44、と熱気溢れる打ち合いを演じたが、決着をつけたのは帯谷の右フックだった。2R、左フック、ストレートとラッシュでBarbaro44をコーナーまで追い込み、最後は右フックを叩き込みKO、そのまま追撃する帯谷をレフリーが制止し、約2年ぶりの復帰戦を劇的な勝利で飾った。

 会場に詰め掛けたファンは立ち上がり、帯谷を祝福。帯谷は感極まって涙声の中
「今まで格闘技で強くなることは自分が強くなることだと思っていたんですけど、色々な人に会えて支えてもらって、そういう仲間が出来たことが自分の財産だなと思います。」
とそれまで自分が強ければいいとしていたが、今は仲間がいたからここまでこれたと分かったと、主催者や仲間、ファンに感謝を述べてリングを後にした。

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約2年ぶりのリングへ向かう帯谷
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激しい打撃戦、この時点で帯谷は2重に見えていた。
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帯谷のKO、レフリーが止めた
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総立ちになる観客達。
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涙のマイクアピール、そして木口先生と仲間たちに囲まれて。

<第10試合 セミファイナル ミドル級 5分3R>
○白井祐矢(判定 3-0)中西裕一●
 DEEPミドル級王者の中西に、トーナメントで僅差の判定に泣かされた白井。実力者同士の対戦だけあってDJ taikiでは無いが何故、これがノン・タイトルマッチなのか?と疑問も出てしまう好カード。しかし試合は中西のローブロー2回、バッティング1回、白井のローブロー1回とアクシデントが重なりだれた試合展開になってしまった。ローブローで中西にはイエローカードが出され、白井が倒れこみ、1分間インターバルを取ったりしたが、何とか最後まで戦い抜き、3Rの最後には白井がギロチンチョークでキャッチも入り、判定は白井。白井は王者を破り実力を証明した。

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ローブローでうずくまる白井。
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判定で白井が勝利した。

<第9試合 フェザー級 5分3R>
○大塚隆史(判定 3-0)昇侍●
 メジャー団体DREAMに参戦した実績もあり、マイナーなDEEPへの差参戦に難色を示していた昇侍だが、“メジャー”昇侍にDEEPの水はあまりにも苦かった。対する大塚はDEEPや海外のマイナー大会で実績を積んできた叩き上げの選手。徹底的なテイクダウン狙いの大塚は打撃を混ぜながらタックルで昇侍を倒して上をキープ。上四方、マウントポジションと上をキープして押さえ込む大塚のレスリング技術に昇侍は攻めあぐねる。なんとかスイープなどで上を取る事もある昇侍だが、試合が後半になりスタミナが切れるにつれて、大塚が試合のほとんど上を制し、3Rの最後は大塚がチョークスリーパーで捕らえるも惜しくも時間切れ。3-0で大塚が判定勝ちした。

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マウントで押さえ込む大塚。この体勢が後半は多かった。

<第8試合 63.7kg契約 5分3R>
○DJ.taiki(1R 2分30秒 TKO)植松直哉●
 前回、植松の怪我で流れており、DJ.taikiがそれに激怒、挑発を繰り返していた因縁カードが遂に実現。入場からDJ.taikiが植松を氷室京介の真似をしながら挑発。一触即発だったが、決着はすぐだった。テイクダウンを狙う植松を押し倒して上を取るDJ.taiki。そのままパンチをぶち込むが、そこを植松が下からの腕十字。あわやという場面だったがDJ.taikiが凌ぐ。そしてそのままDJ.taikiのバウンドで植松の動きが止まった所で植松陣営からタオルが投げ込まれて、DJ.taikiがTKO勝利を飾ったのだった。
 試合後、DJ.taikiはマイクを持ち絶叫
「何っすっか? あのチャンピオンのワンマッチって! ワンマッチじゃチケット売れないでしょ? 何でワンマッチをするか理由が分からない。それは何?負けても、現チャンピオンとしてDREAMとか行きたいって事? じゃあDREAMでもなんでもとっとと行ってくれよ! こっちは防衛戦が出来なくて、困ってんだよ! ワンマッチなんかやられたら!という訳でもしDEEPのベルト持ち続けるんだったら、最初の防衛戦はオレとやれ! 中西裕一!」
とDEEPは踏み台、メジャーだDREAMだと浮き足立つ最近の選手達の風潮を痛烈に皮肉るも、自分の階級では無く、何故か今日のセミの中西を挑発、マイクをリングに叩きつけて去っていった。

 微妙な空気が流れる中、リングアナが「後ほどマイク代は請求させて頂きます」とすかさずフォローを入れ会場を和ませた。
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植松渾身の腕十字、しかしDJ.taikiが凌いだ。
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勝利の雄たけびをあげるDJ.taiki

 他に衝撃的だったのは孫煌進とジョン・チャン・ソンの韓国人対決。ソンがわずか17秒でKO勝利を納め会場がどよめいた。
 今回も熱戦が多く、会場も満員でDEEPの底力、層の厚さを見せ付ける大会であった。
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17秒KOのジョン・チャン・ソン。恐ろしい逸材だ。

<第7試合 ライト級 5分2R>
○菊野克紀(判定3-0)キム・ジャンヨン●

<第6試合 65kg契約 5分2R>
○ジョン・チャンソン(1R 0分17秒 KO)孫煌進●

<第5試合 ライト級 5分2R>
○井上誠午(判定3-0)ISE●

<第4試合 無差別級 5分2R>
△井上俊介(ドロー)田澤和久△

<第3試合 DEEP対和術慧舟會対抗戦 ミドル級 5分2R>
○内藤征弥(1R 1分25秒 TKO)渡辺悠太●

<第2試合 DEEP対和術慧舟會対抗戦 ウェルター級 5分2R>
○九十九優作(1R 終了時 TKO)小池秀信●

<第1試合 DEEP対和術慧舟會対抗戦 ライト級 5分2R>
○LUIZ(判定 2-0 )三浦忍●