王者ジャガーにスカされた!? 富豪2夢路、怒りの頭突き合戦で憂さ晴らし! 11・24地下プロレス『EXIT』

 7・21に世界屈指のゲイタウン・新宿二丁目で産声をあげた禁断の地下プロレス興行『EXIT』。
 過去3度にわたる、危険極まりない闘いの数々。
 鎖をロープに見立て“地下闘技場”の様相を呈する、漆黒のリング。
 
 噂が噂を呼び、専門誌のワクを超えた多数のメディアが、このアングラ格闘イベントを追跡してきた。そして今回の11・24大会では、なんと国営放送・NHKのクルーが、このゲイタウン二丁目のライヴハウス『EXIT』に潜入していた(!)という未確認情報が流れている。
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噂の地下プロレスを見ようと、この行列! 白昼の二丁目でこの人だかり、異様な光景だ…
 今興行最大の注目は、“地下の帝王”こと、第21代WUW(World Underground Wrestling)王者ジャガー・ロゴフスキーの対戦相手。前回10・5大会では、タッグながら日本人エース・富豪2夢路を絞め落とし、その“地下無敵”ぶりで観客に戦慄を与えたばかり。
 シングル戦での復讐を誓う夢路は、「11・24でチャンプとシングルでやらせろ」と、主催組織WUWにメールを送ったが、WUW会長イワノフ・ロゴスキーJr.(『空手バカ一代』に登場の地下プロレス帝王・イワノフ・ロゴスキーの息子)が今興行で組んだマッチメイクは、ジャガーと吉川祐太のタイトルマッチ。夢路の熱情はスカされる形となった。
 
 今興行のセミで組まれたWUW選手権は、体格で劣るジャガーが下の体勢から柔術系のムーヴを仕掛け、パワーの差を活かすべく打撃に活路を見出したい吉川が上のポジションを取る、猪木―アリ状態中心の試合展開。あたかも90年代バーリトゥード草創期の「プロレスラーvs格闘家」の対決を彷彿させる、究極の異種格闘技戦の様相を呈した。
 しかし両者の実力差は歴然。またしてもジャガーが、高い水準の打撃と寝技で挑戦者を圧倒し、最後は夢路を絞め落とした10・5血戦と同じチョークスリーパー葬。由緒正しき木製の“地下ベルト”を抱き、暗黒界の絶対王者は、悠然と雨の二丁目へ消えていった。
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もはや“ストップ・ザ・ジャガー”は誰をもってしても不可能なのか…!?
 WUW会長イワノフ・ロゴスキーJr.の策略(?)に、まんまと肩透かしを喰らう形となった『EXIT』の日本人エース夢路は、入場時から怒り心頭。恒例の掛け軸パフォーマンスでも、何も書かれていない白紙の掛け軸を広げ、そしてビリビリに破り捨てる激憤モードで、やり場のない衝動を表現した。
 そんな夢路の激情を受け止めたのが、メインのタッグ戦で激突の地下初参戦・梅沢菊次郎。体重120キロの巨躯を揺すりながらの夢路との攻防はド迫力。95キロの夢路は、梅沢のパワフルな攻めに何度も追いつめられたが、頭突き合戦を制し形勢逆転。以降は他の3選手にも頭突き熱(?)が連鎖し大乱戦。最後は磯英弥の足関節技に屈した梅沢だが、初参戦ながら残したインパクトは絶大。地下ニューカマーとの初邂逅に、日本人エース夢路も
「“頭応え”のある相手だったよ。楽しかったね」
と、頭にできたコブをさすりながらニヤリ。これで超ヘビー級地下戦士の定期参戦が実現しそうだ。
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ふざけんじゃねぇ! のっけから夢路の怒りが大爆発!
しかしその夢路との真っ向勝負に応じた梅沢も光った
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試合はいつしか、全選手入れ乱れての“頭突き大戦争”に!
もちろん“地下名物”夢路vs澤のバチバチ合戦も健在
 そして先日の告知では、まだ不明な点の多かった次回12・10大会、次々回1・4大会の輪郭が、おぼろげながら形になってきたようだ。その詳細は、別掲記事のアップを待たれたし!
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今興行の指定演舞人・ヌンチャクアーティストの宏樹。スリル満点の鎖鎌パフォーマンスで大喝采を浴びた。しかしWUW会長イワノフ・ロゴスキーJr.が、なぜ彼を“指定演舞人”に選んだのかは、今もって謎のままなのだ…
■『UNDERGROUND WRESTLING EXIT-4 EMERGENCY』
2008年11月24日(月・祝)開始:14:00
会場:東京・新宿二丁目「BAR EXIT」
<第1試合>
○ロス・フェイス(8分29秒 アームロック)●加藤誠
<第2試合>
○日龍(5分26秒 流転固め)●JOM
<第3試合>
○矢野啓太(9分40秒 REVERSE BOSTON CRAB)●三州ツバ吉
<第4試合 WUW(World Underground Wrestling)選手権試合>
○ジャガー・ロゴフスキー(第21代WUW王者)(7分05秒 胴締めスリーパーホールド)●吉川祐太(挑戦者)
※王者ジャガーが防衛
<第5試合>
富豪2夢路、○磯英弥
(13分06秒 ヒールホールド)
澤宗紀、●梅沢菊次郎