壮絶実験LIVE! 10・6マッスル坂井自主興行【3】

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 またまた瞬間移動で新木場に戻った坂井。
「おいどうなってんだよ亜門よぉ!? なんで海賊ばっかり乱入してくんだよぉ!? これがオマエの書いた台本かよ!?」
と問い詰める坂井に、亜門はこう冷たく言い放つ。
「オマエ…俺が台本書いてるって今まで思ってたの?」
 亜門いわく、マッスルには“総監督”が存在し、その総監督が台本を書いているのだという。「プロレスの裏と表を知り尽くしている」「同時に、ベストセラー作家でもある」というその人物は、はたして誰なのか!?
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 観客揃って固唾を呑む場内に響き渡る調べは…『ジャイアント・プレス』! 花道から長袖ポロシャツの中年男が現れる。しかし、不自然なまでに隆起した、その胸板と両肩。その姿は紛れもなく、昭和新日本の名レフェリー…否、かつて禁断の書『流血の魔術 最強の演技』を上梓して業界の生態系を破壊した、プロレス界最強のブラックリスト・ミスター高橋その人である。
 
「こ、この人はプロレスラーが見てはいけない人なんだ~~~!!」
と、高橋に視線を合わせずに狼狽する坂井。そんな坂井に高橋は、ピーターパワー(トレーニング用チューブ)と親友アンドレ・ザ・ジャイアントの18文シューズを披露し、自らの存在を否応なく認めさせる。追い打ちに亜門から、
「俺のアフロも、オマエのアフロも、鶴見五郎じゃなくてアンドレに似せるようこの人から指示されたんだよ!」
と衝撃の告白! この告白ですべてを観念した(?)坂井は初めて高橋を受け入れ、大喜利(なぜ!?)での対決を申し込んだ!
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「ぬりかべ」に「セメント」、「道場破り」に「ケッヘイ(ケーフェイ)」…表情一つ変えず、物騒な単語を連発するピーター。やはり坂井の敵う相手ではなかったようだ。大喜利でアッという間に3連敗を喫した坂井は、「プロレスで勝負しましょう!」と高橋氏に飛びつくが、ピーターはアントニオ猪木がアンドレからギブアップを奪った(86・6・17/愛知県体育館)伝説の腕固めで応戦! 坂井は昭和の凄みに、手も足も出ない。
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 このタイミングで現れたのが、今大会を引っかき回し続けた海賊男。海賊とピーター、二人リングに並ぶ姿を見て、オールドファンはすべて納得した。やはり海賊男は、この“総監督”が書いた台本によって動かされていたのだ――。
 しかし海賊男はこともあろうに、ピーターに手錠をかけ、ピーターもろとも会場から失踪。高橋“総監督”は「高木、やめろ!」という意味深な叫びをあげたが、アッという間の出来事ゆえ、会場の誰もが、その真意を確認することができなかった。
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 海賊&ピーターの失踪後、リング上で坂井と亜門が“アフター高橋本”の時代を生きるプロレス界について、クソ真面目にディスカッション開始。この日会場につめかけたプロレスファンも共有する重厚なテーマだけに、409人超満員の観客は、息を呑んで坂井の言葉に耳を傾けた。
 いろいろ考えたがやはり、「お客さんと常に真剣勝負で臨む」ことにバカ正直に取り組むしかないという基本中の基本の答えに落ち着いた坂井一同。
「1週間前から緊張して、全っ然寝れませんでした! でも、皆さんの笑い声、これが答えです! 『プロレスは面白い』って、胸張ってください!」
と坂井が笑顔で叫んで大団円。あくまで「自主興行」なのでマッスルポーズはなかったものの、最後はインタレスティングタケシの「Let It Be」弾き語りでシメ。エンドロールでは本家ビートルズの「Let It Be」が流れたが、アウトロが鳴り終わったあとの鳴りやまぬ拍手が、坂井の壮絶な実験の成功を、何よりも雄弁に物語っていた。
【完】

■『マッスル坂井自主興行』
日時:2008年10月6日(月)開始:19:30
会場:東京・新木場1st RING

<特別試合 大喜利ルール>
●マッスル坂井
(2分05秒 3-0)
○ミスター高橋

<メインイベント スペシャルタッグマッチ 延長戦 大喜利ルール>
大喜利ルール
-バッファロー吾郎(木村明浩、竹若元博)
(2分53秒 海賊男乱入→ノーコンテスト)
-マッスル坂井、インタレスティングタケシ

<メインイベント スペシャルタッグマッチ 大喜利ルール>
△バッファロー吾郎(木村明浩、竹若元博)
(5分時間切れ引き分け)
△マッスル坂井、インタレスティングタケシ

<セミファイナル IMGP6人タッグ初代王座決定戦>
趙雲子龍、●パイレーツオブカリビアンコム、村田晴郎
(2分28秒 右ストレート→レフェリーストップ)
諸橋晴也、佐野直、○タノムサク鳥羽

<第2試合 タッグマッチ 延長戦>
-大家健、ヤス・ウラノ
(8分16秒 海賊男乱入→ノーコンテスト)
-趙雲子龍、村田晴郎

<第2試合 タッグマッチ>
-大家健、ヤス・ウラノ
(7分40秒 海賊男乱入→ノーコンテスト)
-アントーニオ本多、趙雲子龍

<第1試合 インサイダールール 60分2R>
-ペドロ高石 with Mr.マジック
(11分22秒 海賊男乱入→ノーコンテスト)
-男色ディーノ with 726

■『鶴見亜門自主興行』
日時:2008年10月6日(月)開始:17:00
会場:東京・新木場1st RING
<メインイベント ニューvs.ナウ 新旧リーダー対決 8人タッグマッチ>
-マッスル坂井、男色ディーノ、趙雲子龍、ペドロ高石
(9分09秒 海賊男乱入→ノーコンテスト)
-佐野直、ヤス・ウラノ、Mr.マジック、726

<セミファイナル 夢☆買います>
○アントーニオ本多
(6分57秒 ダイビング・フィストドロップ→体固め)
●大家健

<第2試合 アイアンマンヘビーメタル級60分アイアンマン戦>
[王者]△アーノルド・スケスケジャネーカー
(60分 0-0 ドロー)
[挑戦者△酒井一圭]
※第766代王者が防衛に成功

<第1試合 60分アイアンマン戦>
△藤岡典一
(60分 2-2 ドロー)
△パトリック・スケスケジャネーカー(デビュー戦)