キンボに勝った男 ショーン・“ザ・キャノン”・ギャノン

キンボに勝った男 ショーン・“ザ・キャノン”・ギャノン
すっかり下火になっている日本の格闘技界を尻目に空前のブームを見せる全米の総合格闘技界。
その中で本家『UFC』に先んじて地上波TVを勝ち取った新興団体『エリートXC』のエースはなんと言ってもキンボ・スライスだ。
このキンボ・スライス、いかにも凶暴そうな筋骨隆々の黒人選手で、フロリダの地下ファイトで全勝(あくまで本人の申告)。ポルノ会社の用心棒をする傍ら自分の喧嘩、ストリート・ファイトのビデオをネットで配信して一躍有名になり、プロデビュー。タンク・アボットなど有名選手に勝利して現在『エリートXC』のエースとして君臨している。
次戦は日本でも御馴染みで、アメリカでは絶大な知名度を誇るケン・シャムロックとの一騎打ちが全米で放送される事が決定しており、更に、あのヒョードルとも戦うという噂まで出ている話題の選手だ。
いかにもワル、喧嘩屋という風貌が、競技化する総合格闘技の流れに逆行し魅力的なのであろう。
そんな今をときめくキンボ・スライスだが、彼に勝利した選手がいるのを知っているだろうか?
その男はショーン・“ザ・キャノン”・ギャノンという選手で、なんとボストンの現役警官だ。
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これは、キンボが自分の喧嘩をネットで公開し、俺に挑戦する奴がいれば誰とでも戦ってやるからかかってこい!と挑発した所、名乗り上げたのがこのボストンの現役警官で総合格闘技の経験もある”大砲”ギャノンだった。
したがって試合は何かの大会で組まれたのでは無く、どこかの体育館で仲間が集まって勝手に行った野試合だ。2003年9月に行われ、勿論、素手での殴りあい。
試合は、まさに喧嘩という感じで壮絶な殴り合いだったが、終盤は両者スタミナ切れでぐだぐだになり、体格にまさるギャノンが殴り勝ち、キンボが大の字になって終了。試合後、両者は病院に直行したらしい。
ただ、キンボ陣営は元々、ベアナックルで殴るだけの約束だったのにギャノンはギロチン・チョークや膝蹴りを使ったので無効だと抗議している。
しかし、正式な大会で組まれたものではなく、ルールに関してはお互いに別の主張をしてる喧嘩なので第三者には判断しかねる。
ちなみにこの試合もネットで公開され、現在でも大の字で倒れるキンボの姿が確認出来るので一見の価値があるだろう。
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