「DREAMのグランプリに、DEEP勢送り込むのが夢」 佐伯代表囲み会見

 25日DEEP会見の締め括りは、佐伯代表の囲み会見。先日TBS系で放送された『バース・デイ』の青木真也特集の話題を皮切りに、今後のDEEPの展望、現在の総合格闘技界への要望まで話が及んだ。
――ところで、何で慧舟會と仲が悪いんですか?(笑)。
「知らないよ! 俺が聞きたいよ(笑)。でもまぁ、ん~…、多分ね、ウチが初期にやってきたルチャ路線とかね、慧舟會はきっと理解できないと思うんですよ。慧舟會っていうのは、格闘技に対して、ホントに真面目に取り組んでいるから。それがウチときたら、マスクマン連れてきたらそいつが試合で金的やったりだとか、そんなんばっかりだったから(笑)。そういう部分での方向性の違い、っていうのはありますよね。…って、また電話かよ、忙しいのに(苦笑)」
(電話に出る佐伯代表。一瞬だけ会見中断)
「今の、写真撮らなくていいからね(笑)。しかし僕がこの間のDREAM見て思ったのは、ファイナルに残った3人が皆修斗、修斗、修斗! 修斗勢ばっかりですよ。それに関してはジェラシーを感じますね。ウチは今年で8年目、真面目な路線に転向してから4年目で、修斗と比べりゃまだまだ歴史が浅いんですけど、5年後の総合格闘技の中心に、ウチ出身の選手がいるといいな、とは思いますね。ただ、ウチと修斗は、多少方向性は違うとは思うんですよ。修斗はあくまで競技性を重視しているし、僕は単純にお客さんに面白いモノを見せたいし」
 話題はやがて、佐伯代表が求める「プロ論」に集中。やはり、昨今の現役選手たちに、色々と物申したいことが多いようだ。
「ただ、プロフェッショナリズムを含めたあらゆる意味で、DREAMで通用する選手を育てるには、ルールは多少変えなくちゃいかないとは思いますね。ウチの後楽園大会に来るお客さんっていうのは、格闘技を見る目が本当に肥えた人たちだけれど、DREAMの場合そういうお客さんばかりではないこともある。
 こないだの弘中(邦佳)選手も試合後、『アメリカでは自分の試合は沸くのに、日本では沸かなかった』と言ってたけど、あの試合をアメリカでやってお客さんが沸いたかというと、僕はそうじゃないと思う。DREAMのお客さんは初めて見る選手にはあまり優しくないところがあるけれど、いい試合をすればちゃんと評価するんです。エディ(・アルバレス)がいい例でしょ。ほんの数試合だけで、あれだけの支持を集めてるんだから。本当のスターってそういうモンでしょ?」
――具体的に、ルールを変えるというのは…?
「ブレイクを遅くすることと、ドントムーブを導入すること。ウチは今、多分ZSTよりブレイク早いですよね。この間の修斗の遠藤(雄介)選手と冨樫(健一郎)選手の試合とかね、僕だったら10回ぐらいブレイク入れてますよ(笑)。ブレイクに関しては、各団体まちまちですけど、それは個性だからいいと思うんです。
 でもブレイクが早かろうが遅かろうが、極めて勝つことができるヤツは、どんなルールでも極められるんです。そういう意味では、この間の修斗のメインで勝ったBJ選手なんかは、絶対にウチ向きだと思うなぁ。それにウチの桜井隆多なんて、1Rからガーッといくから、どの試合も面白いでしょ? この間のM-1チャレンジだって、ボコボコのKOで決着する試合が多かったから面白かったじゃないですか? だから、プロモーターの意図を汲んでくれる選手がもっと増えてくれると、こっちも嬉しいんですけどねぇ」
080725_saeki.jpg
2時間にわたる会見を終え、ひと安心ついてリラックスの佐伯代表