咆哮、そして破顔一笑! 7・18修斗 BJ会見

「ウォ~ッ! シャァ~ッ!」
 控室の奥から、試合後しばらく経った後も興奮さめやらぬBJの彷徨が響き渡る。叫びに叫んでアドレナリンを放出し切ってから、修斗世界バンタム級王者は、満面の笑みをたずさえてコメントブースに現れた。
――まずは、勝利の感想をお願いします。
「自分を信じることができたのが、よかったですね。フェザー級で連敗して、自分に対する自信を失いかけてたこともあったし。それにマモルさんの目つきが、今までにないぐらいに鋭かったんで、自分を信じながらも『こりゃヤバいな』というのは、正直ありました。でも最後まで自分を信じて、悔いのないように闘って結果を出せたんで、とにかく嬉しいです。逆転で勝てたのも嬉しいですね」
――途中までマモル選手が打撃でリードする展開でしたが…
「やっぱり巧いですね。マモルさんはバンタム級の中でも、本物の部類の人なんで、肌合わせて本当に強いと、改めて思いました」
――フィニッシュのフロントチョークは、決め技として用意してたんですか?
「そうですね、締め技はもともと得意なんで。ガッチリ入った瞬間マモルさんが『ウゲッ』って言うのがわかったんで、イケると思いました」
――マモル選手とは3度目の対戦ですが、試合前に対策は…
「今まで僕は試合前に対戦相手のビデオを見るということは、あまりやらなかったんです。それがフェザー級で連敗してから、やっぱり対戦相手の研究はきっちりやらなきゃダメだなと思うようになって。『マモルさんはこう来るな』という自分の認識と照らし合わせながら、対策を立てました。でもやっぱり、マモルさんは本当に強いです。マモルさんが尊敬する選手であることは、僕の中では死ぬまで変わらないです」
――フェザー級で苦戦した経験は、今回活きましたか?
「活きましたねぇ! 『調子こいちゃダメだよ』って、(膝に置いたベルトに目をやりながら)このベルトが教えてくれたんだと思います」
――次に、是非とも闘ってみたいチャレンジャーを指名していただきたいんですが…
「できることなら、この間引退された井口摂さんと闘ってみたいと思ってたんですけどね。無敗で修斗を勝ち上がってた頃の、万全の状態の井口さんとはやってみたかったです。でも、強い選手となら誰とでも闘いますよ。僕は無茶をしたいタイプなんで、対戦相手を選ぶなんてことはしません。僕なんかが全然歯が立たないような、ムッチャクチャに強い奴とやってみたいんですよ。キックボクシングだったら、タイのチャンピオンのような。世界のどっかにいると思うんですよ、そんなトンデモない奴が」
――防衛回数は、どこまで増やしていきたいですか?
「(ベルトに目をやり)コイツが、僕から離れたくないと思っている限りは防衛し続けたいですね。今日の試合中も、コイツの声が聴こえてきたんですよ。『アナタ、ワタシと離れるの?』って(笑)。結局コイツがまだ僕から離れたくないから、今回も勝利を収めることができたと思うんです。コイツに見放されることのないよう、僕自身がいつまでも『魅力のある男』でい続けたいと思いますね」
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