リングでバチバチ、会場はユルユルでクセになる!? 7・10グレプロ雑感

 10日のグレートプロレスリング新木場1st RING大会は、「ここ、ホントにグレプロ!?」な、まさかの大入り(主催者発表=130人)で選手も白熱、ある意味“グレプロらしからぬ”バチバチファイトの連続で盛況に終わったが、リングの外はというと、そこはやっぱり相変わらずのグレプロ。ミルホンネットでは初紹介となる、グレプロ会場のユル~い世界観を少しだけ紹介させていただきたい。
 まず記者を驚かせたのが、リングサイド最前列に陣取る、顔に刻み込まれたシワが非常に印象的な、貫禄たっぷりのオバアちゃん。もしかしたらこの日の、陰のMVPかもしれない(言いすぎ?)。
 今興行で初めての本格的な場外乱闘が始まった第3試合・長瀬館長 VS 戸井克成のWMWタイトル戦での話。目の前で「バッキャーン!」という凄まじい音とともに繰り広げられる、戸井のハードなイス攻撃に、遂にこのおバアちゃんの義憤が大爆発!
「館長~! お前男だろ!? 気合見せて闘え~! 館長~、立て~!」
「コラ~、お前反則ばっかりしてんじゃねえぞぉ~! 男なら正々堂々、タ・タ・カ・エ~!」
 時計の針を力道山 VS ブラッシーのWWA世界タイトル戦まで戻したかのような、おバアちゃんの正義の怒りに、新木場の狭いハコはどっと沸きに沸く。そしておバアちゃんの目にはブラッシー、はたまたディック・ザ・ブルーザー同等の大ヒールに見えているに違いない戸井の攻撃が、おバアちゃんの怒りを浴びてさらにヒートアップ! 弱りきった長瀬館長に、リング上からラダーまで投げつけるやりたい放題。以降の興行の流れを、ハードコア一色に染めあげた。ひょっとすると、この日の流れを決めたのは、あのおバアちゃんの檄だったのかも!?
 第3試合を上回る血生臭い攻防となった、第5試合の画鋲デスマッチのあとに休憩が入る。休憩に入った途端、試合出場レスラーであるジパング・ザ・グレートや長瀬館長が、せっせとリング上に散らばった画鋲を片付ける。会場隅では「ハマノ商店」のドリンク、ガッツワールドのちゃんこが出店され、場内弛緩しきった実にイイ空気。仕事で来てなけりゃ、ビール飲みたいんだけどなぁ。
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後片付けは、大切です!?
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大人気のガッツワールドちゃんこ。もう売り切れ寸前!
 セミの3Bと書いて“サンバカ”と読む3Bトリオ選手権は、まさに「正調グレプロ」(?)とでも言うべき、王道のグダグダ空間。休憩前にハードコアないじめられっぷりで観客を凍りつかせたJOM太郎が「立会人」として、額から血をタラタラ流しながら認定宣言を読みあげる。しかし案の定噛む。
 勝利した桂ヤスヒロJr.が勇ましいマイクアピールをするも、腰に巻かれたベルトはエロDVD。桂がマイクでガッツワールド勢を挑発するも、ガッツ勢は完全無視。会場は失笑と「え~」の定番リアクションに包まれた。
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3バカ選手権立会人JOM太郎(左)に、由緒正しき(?)エロDVDベルト(右)。なんだかなぁ
 リング外は相変わらずの空気を醸しながらも、試合のクオリティは急上昇。生観戦したファンのブログでも、おおむね好評の今興行。ただ、記者の近くの席で観戦していたマニアからは、
「不思議だなぁ。なんかグレプロっぽさがなくなってきてる気がするなぁ…」
と、あくまでグダグダ継続を望む声も聞こえてきた。
 試合のクオリティを上げていきたいレスラー(やる側)のモチベーションと、グダグダを楽しみたいすれっからしマニア勢(見る側)のニーズを、次回以降どう折り合いをつけるのか? グレプロ首脳陣の手腕に注目だ。
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