「ある極悪レスラーの懺悔(ZAN-GE)」配信開始!

b1-249x345.jpg解説 美城丈二
 プロレスラーという特殊なジャンルに従事した者、まして“悪役日本人レスラー”として文字通り全米を股にかけ辿ってきた者の織り成す、人生の綾・・・・・・実際に著者であるミスター・ポーゴ氏が一字一句、携帯のメール文として自叙伝を綴り編集部に送られることによって編まれたものだということを聞き及ぶ段において、筆者にはこの配信作に込められた著者の思いがふつふつと伝わってきたようで、感慨を抱かずにはおれなかった。
 物語はプロレスラーとして歩むことになる以前、生い立ちから始まり、新日本プロレス入団に至った経緯、そうしてはからずも退団せざるをえなかった事情を、これまで関係各位によって歪められてきた風聞ではなく著者自らが覆す形で綴られている。
 また全米サーキットにおける様々な往年の名だたるレスラーとの交友録や今は無き国際プロレス参戦時のエピソード等、昭和のプロレス者を自認してやまぬ者にとっては誠に興を起こさせる内容のものばかりであった。
 凡庸なる言い方ではあろうが、やはり“事実は小説より奇なり”なのであって、そうしたエピソードに混じって時折、覗い知ることが出来る著者のプロレスラーとしての自負心が見てとれ、読み物としても好悪の感情を抜きにした面白さがあったと思う。
b2-249x345.jpg 私事を記し恐縮だが、筆者は18歳上京折り、幾度か上野毛にある新日本プロレス道場を訪れている。
 著者の記述にもある新日本プロレス誕生の際にA・猪木氏が自宅を改造し建てた道場とのことで、様々な関心を抱いて、練習風景を覗かせていただいた次第だが、あの真夏の最中、閉め切った室内空間に選手が流した汗が湯気になって、まるで陽炎のように立ち込めていた、異様なる情景・・・・著者も短い期間ながら、あの情景の只中のひとであったのか?と鑑みてみれば、思いもまた格別である。
 
 その後、単身、全米エリアを転々と回り、メーンエベンターとしてその名を轟かせた著者の積年に渡る、秘めたる思いが、つぶさに読み綴っていく中で筆者の心根にいまも巣くう、あの道場での情景におぶさってきたようで、少しセンチな気分に至ってしまった。
 著者が自ら書き綴っているという事実を踏まえ、本音が垣間見える自叙伝として僭越なる物言いではあろうが、上級に値する読み物ではないだろうか? 私もいくつもの思い出を思い起こしながら、最後までじっくりと読ませていただいた。後ろを振り返ることがけして無碍にいけないことではないと改めて感じられただけでも筆者は氏に賛辞を送らねばなるまい。
b3-250x345.jpg 是非、昭和プロレス愛好家の方々以外にも通読して読んでいただきたい。長編作の中編は、海外で一匹狼として生きる日本人レスラーの生活実態がしのばれ、後編にはFMW、W☆INGの栄枯盛衰の舞台裏が生々しい。
 プロレスラーは、まして“極悪レスラー”だからこその愛惜をこの配信作は何よりも雄弁に物語っていよう代物だと思うゆえ。リング上の格闘絵巻。ミスター・ポーゴという一プロレスラーの、その背にもやはり“人生の綾”が深く刻まれていたのかと、私なりに恐れ多くも思う次第である。
 なお、今回のプロジェクトに私は編集部の一員として参加させていただいております。
   
   ⇒【ミスターポーゴ、ミルホンネット配信作】  
   ⇒【筆者・美城丈二、ミルホンネット配信作】
   
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