どうなるサムライTV? スカパーが救済吸収後は社員4人

 ㈱スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(仁藤雅夫社長)の完全子会社である㈱ペイ・パー・ビュー・ジャパン(田中晃社長)と㈱サムライティービー(清水敏邦社長)が、6月12日の取締役会においてサムライTVが事実上は清算されることが決議され、㈱ペイ・パー・ビュー・ジャパンを存続会社とする形で吸収合併されたことは株主総会でも発表された。
 サムライTVは、これまで何度も危機に瀕してきた。数年前までは、芸能人など多数のキャスターがいて賑やかだったが、現在起用されているのは“便利屋”の三田佐代子ひとり。解説もギャラが交通費程度ですむ、マスコミ記者ばかりとなっている。
 余りに表のメディアで報道されていないのは、サムライTVの放送は当面継続されるが 本体の会社が解散し無くなるという事実の方だろう。
 ㈱サムライ・ティービーは一昨年、大幅な規模縮小と 半数以上の社員のリストラを行った。同時に 渋谷の社屋をひきはらい、同じスカパー傘下の㈱ペイ・パー・ビュー・ジャパンに間借りをする事になり、今回の帳簿上の変更は、すでに実態となっていたものの追認でしかない。
 ただし、業績不振が続いたままで、今度は会社組織自体の解散が決定し、サムライTVは7月から文字通り㈱ペイ・パー・ビュー・ジャパンの「一部門」になったことを意味する。
 サムライTVの「残党社員」は僅か4人になってしまったそうで、歓迎されざる形で吸収されたため、社内で今後も肩身の狭い思いをしてゆく事になるようだ。
 「PPVと月極め契約(フラット)チャンネルの相互連動によるシナジー効果」は、設立当初から宣伝されてきたお題目であるが、株主総会でも仁藤雅夫社長が「PRIDEがなくなったためPPV収益が落ち込んだ」と数回繰り返していたのが印象に残る。マット界を取り巻く状況は厳しさを増しているのが現状だ。