KEI山宮が金原弘光を下しパンクラス3連勝、 “オッさん世代”の U戦士にエール

 1日、パンクラス後楽園ホール大会のメインイベントにて、KEI山宮が金原弘光を下し、パンクラスでの連勝を「3」に伸ばした。
 前日計量ではコンディションの良好ぶりをアピールする金原に対し、今回のミドル級挑戦のために短期間で7キロの減量を強いられた上に、パンクラス・坂本靖常務から「ウチの近藤(有己)に勝つとはKY」と、強烈なジャブを受けた山宮。戦前は「金原、悲願のパンクラス初勝利目前!?」のムードが高まった。
 試合は1Rから予想通り、両者得意の打撃で牽制し合う展開に。サウスポーの山宮が足を使ってリングを大きく回り、オーソドックスの金原がそれを追う。山宮ペースの間合いを打破したい金原は、右ロー、右ミドルと蹴り中心の組み立てで踏み込むが、山宮もカウンターのフックにボディブローと、得意のパンチで応戦。大きなダメージを与えるには至らないものの、ラウンド終盤には、両者の顔面に赤いアザが目立ち始める。
 2Rでは山宮がバックブロー、金原がカカト落としを見せて場内を沸かすも、「パンチの山宮」vs「キックの金原」の“激しくも静かな追いかけっこ”の展開は変わらず。
 迎えた最終の3Rも、序盤は右ロー、右ミドルで追う金原を、山宮がショートフックで追い払う展開。激しいド突き合いを期待する観客からの、金原コールと山宮コールが交差する。
 
 ラウンド終盤、思いもよらぬきっかけで試合が大きく動く。変わらぬ展開に業を煮やした金原側セコンドの滑川康仁が「プロレスラー魂見せろ!」と金原に大きな声を飛ばすと、何とその檄が山宮にも伝染! お互いに踏み込み、試合展開は足を止めた打ち合いに急遽変貌した。
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 しかしここで、パンクラス4連敗中の金原に、またしても不運が訪れてしまう。打ち合いの最中に、自軍コーナー側で足を滑らせてしまったのだ。労せずテイクダウンの幸運に恵まれた山宮は、すぐさま上に覆い被さり、パウンド、鉄槌を金原の顔面に叩きつける。
 終了間際にも、立ち上がった金原にトドメのフックを叩き込み、山宮が3-0のフルマークで判定勝利。川村亮、近藤有己に続く“大物食い”でパンクラス復帰後3連勝を飾った。
 試合後、山宮はマイクを取り、
「Uインター、リングス、パンクラスで頑張ってきた人たちはオッさんになってしまったけど、まだまだ一緒に頑張っていきましょう」
 と、同世代の“U戦士”に向けてエールを送った。
 セミファイナルではミドル級王者・竹内出がシュートボクセ19歳の新鋭・ジュニオールと対戦。開始早々ジュニオールが、シュートボクセ戦士らしいダイナミックな飛びヒザを見せて場内を沸かすも、テイクダウンを取ってからは竹内の独壇場。インサイドガードからコツコツとパンチを上下に打ち分けて、ジュニオールにペースを握らせない。
 このままフルタイム地獄が続くか…と思いきや、ラウンド残り1分で竹内が一気にアキレス腱固めに! 動きに乗じて立ち上がったジュニオールが真上から強烈なパウンドを叩きつけるが、粘る竹内はヒールホールドに移行し、ジュニオールはたまらずタップアウト。ラウンド終了残り11秒で、竹内がパンクラス初の一本勝ちを決めた。
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YUZURU GIRLに囲まれて勝利インタビューを受ける竹内
 セミ前の第6試合には、山宮と同じ72年生まれの35歳・伊藤崇文が、79年生まれの28歳・小路伸亮と対戦したが、若さとナチュラルパワーに勝る小路に打撃、レスリングともに圧倒され、最後はバックからのパンチを被弾し続けKO負け。同じ“オッさん仲間”の山宮と明暗を分けた。
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 第3試合には坂口ファミリーの人気者・坂口征夫が登場。首相撲からのヒザ、踏みつけ、サッカーボールキックと得意の打撃で倉持昌和を圧倒、大流血の顔面破壊に追い込み派手なKO勝利。リング上で喜びを爆発させている。
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笑顔が素敵な坂口征夫
パンクラス
『PANCRASE 2008 SHINING TOUR』
2008年6月1日(日)開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第8試合) ミドル級 5分3R
○KEI山宮(GRABAKA/同級1位)
判定3-0 ※三者とも30-29
●金原弘光(U.K.R.)
▼セミファイナル(第7試合) ミドル級戦 5分3R
○竹内 出(SKアブソリュート/第7代ミドル級王者)
一本 1R4分49秒 ※ヒールホールド
●ジュニオール(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
▼第6試合 ライト級戦 5分3R
○小路伸亮(KRAZY BEE/同級7位)
TKO 2R4分1秒 ※パウンドでレフェリーストップ
●伊藤崇文(パンクラスism/同級4位)
▼志田幹、島田賢二引退セレモニー
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今大会では志田幹、島田賢二両選手の引退セレモニーが行われ、志田には所英男から花束が贈呈された。
▼第5試合 ライト級戦 5分3R
○ラファエル・ドス・アンジョス(ブラジル/グレイシーフュージョン)
一本 1R1分25秒 ※アームロック
●平山貴一(和術慧舟会千葉支部)
▼第4試合 バンタム級戦 5分2R
○川原誠也(パンクラスP’sLAB横浜)
KO 1R0分41秒 ※パウンド
●柳澤雅樹(パラエストラ東京)
▼第3試合 ライト級戦 5分2R
○坂口征夫(坂口道場 横浜)
KO 1R2分1秒 ※グラウンドでのキック
●倉持昌和(CORE)
▼第2試合 バンタム級戦 5分2R
○川名蘭輝(ロデオスタイル/チームZST)
テクニカル一本 1R2分17秒 ※腕ひしぎ十字固めでレフェリーストップ
●村山トモキ(AJ/全日本キックボクシング連盟)
▼第1試合 バンタム級戦 5分2R
○裕希斗(U-FILE CAMP.com)
一本 1R0分31秒 ※フロントチョーク
●清水俊裕 (宇留野道場/チームZST)
▼パンクラスゲート ライト級戦 5分2R
△八島勇気(P’sLAB東京)
ドロー 時間切れ
△好川 統(和術慧舟會A-3)