一部のマニアには絶大なカルト的人気を誇るFU☆CK!プロモーションがますます突き抜けた楽しいイベントと化している。
開始前そして休憩時間中には、あちこちでいくつかのグループが選手や関係者も交えプロレス談義などでもりあがっているのもよく見られる風景だ。
5月25日、J2K道場にて開催された「ナチュラルハラスメント」大会。10分遅れでの開始は、まあご愛嬌で誰も文句は言わない。有料入場者数は31人は開催地を思えば健闘に値する。
先だっての和歌山大会で大日本プロレスを主戦場とする3バカ外人にひけをとらない危険な暴れっぷりをみせつけた〇吹本賢児対、いまや666興行でもおなじみ小仲ペールワン×で幕が開け、〇ユーエング・サミー、THE・ZACK対244、ザ・ニンジャ×の3本勝負は久しぶりに今や懐かしZACK様が帰ってきていた。
先だっての和歌山大会を盛り上げた吹本と小仲ペールワンのハイタッチ(中)、リングアナ席兼売店のポスター(上)、泉州力の道場に長州の弟子・元WJの高智が観戦に。長州力と出会ってからは一段と体がごつくなった。
〇川口佳宏、むかでの錦三対内田祥一、キラー”トーア”マスター×では、ヤーさんキャラ錦三の凄みに、たじろいだキラー”トーア”マスター(以下キラマス)にむかって、通な女性客からはいいタイミングで「有り金出せ!」と、すかさず合いの手が飛んだ。
結局キラマスは試合中にもかかわらず、すぐ近くのジュース自販機に自腹で飲み物を買いに行かされる始末である。
・これが噂の244様。白鳥代表が目をかけた逸材だ。(左)
・ジュースを買いに行かされてしまったトホホなキラマス。FU☆CK!ではいじりがいのある男として絶大人気。背景のテントのようなのが控室。冨宅さん、岸和田からFU☆CK!所属のレスラーまでがいっしょくたに同席している。冨宅さんはまじめな顔で結構染まってきているのだ。(中)
・泉州力のJ2K道場のトイレの壁に貼られたポスターはWJのが目立つ(右)
なお某マニアが若き日の小林旭が歌う「地獄のキラー」収録のCD-Rを、事前にリングアナに渡しており、キラマスがリングインするときにはきちんとそれを流した。観客参加型プロレスは依然健在である。
ちなみに小林旭の日活映画渡り鳥シリーズ、流れ者シリーズなどの映画のくさ(いが)かっこいい台詞はネタの宝庫なのかもしれない。
FU☆CK!プロといえば、ちょいと挙動不審のキラマスのように、とかくところどころはずしまくって、ガクンとさせられ楽しませるのがお約束となっている反面、インディーマット界のマスクをつけた小さな巨人と言えるであろうユーエング・サミー、小仲ペールワン、そして関西では最も姿を見かけることが多いハンサムガイ、内田祥一の脇をしっかり固める職人ぶりは評価されよう。FU☆CK!プロを一見プロレスごっこの延長に見えるには終わらせない懐の深いものに昇華させている。これもある種の、底が丸見えの底なし沼なのであろうか。
そしてメインでは、3分10ラウンド制にて異色の好カードが何気に実現した。
1993年シュート革命推進の立役者の一人で、現在発売中のkamipuro123号の鈴木みのると獣神サンダーライガーの対談記事で、鈴木みのるが「FU☆CK!」という団体で局地的に受けている怪しいお笑いレスラーになっている」と口を滑らせているのが冨宅飛駈である。
対するはインディーの末端から現在の位置まで上りつめ、先だってノアマットで金丸義信と屈指の好勝負を披露したマグニチュード岸和田(元・ビッグボスMAGMA。以前は秘す)だ。
FU☆CK!プロのマットでは別格の二人の勝負は冨宅の片羽締めで決着がついた。すごい試合だった。そしていよいよ第二部のボーナストラックである、東海プロレス対FU☆CK!プロの3対3の全面対抗戦へとなだれ込む。
(続く)