約5年ぶりとなるマーク・ハントのK-1復帰、極真現役世界王者、エヴェルトン・テイシェイラのK-1デビュー戦、そして日本人頂上対決、武蔵vs澤屋敷純一と見所満載の大会。
昨日の記者会見でもしきりに「世代交代」が叫ばれ、選手もそれに応えた中、唯一、意地を見せたのは武蔵だった。
「うおーーーー、もっとこーいー!」
試合後、コーナーポストに登った武蔵が絶叫した。
この前の試合、バダ・ハリが一方的に、あのレイ・セフォーを衝撃の1RKO勝利。日本期待の若手、野田貢はピーター・ボンドラチェックと真っ向勝負で打ち合い壮絶なKO勝利。前田慶次郎は足を使い、モーのスタミナ切れを狙う作戦で判定勝利とまさに「世代交代」、会場の雰囲気は澤屋敷が武蔵を破り新しい時代を確立させる事に期待感一色だった。
その会場の空気を変えたのが武蔵だ。試合が動いたのは2R、武蔵の左ハイキックが炸裂し、澤屋敷が衝撃的なダウンをした時だった!それまでほぼ互角の展開だったが、この一発で完全に試合を決めた。なんとか立ち上がる澤屋敷だが、すでにダメージで立っているのがやっと。
そこに武蔵が更にラッシュでダウンを奪い、3度のダウンでKO勝利。感極まって雄たけびを上げた。
リングでマイクアピールする武蔵。
「もう僕は95年にデビューして、突っ走ってきましたけど。あっという間に新しい選手が増えて、まだまだ頑張らないとどんどん追い抜かされて、居る場所が無くなると思い一生懸命練習してきました。まだまだ自分の居場所はあると思ってます。皆さん応援、よろしくお願いします。もう年齢はおっさんかもしれませんけど、おっさんパワー見せるぞ!ありがとうございました!」
会場は武蔵祝福一色に包まれた。まだ世代交代はさせない、ずっと一人で日本勢を背負ってきたという武蔵の意地が見えた一戦だった。
メインのハント復帰戦はあまりに厳しい試合結果だった。1Rから離れては前蹴り、近づけば膝蹴りと一方的に攻めるシュルトにハントは防戦一方。1R終盤に後ろ回し蹴りが炸裂。マットに大の字に倒れるハント、KO決着だ。
もうハントのブランクどうこう以前にあまりにシュルトが強すぎた。この覚醒した怪物を誰が止められるのだろうか?
また極真世界王者のエヴェルトン・テイシェイラは強烈なローキックなど怪物の片鱗は見せたものの初のK-1ルールに戸惑い、距離を掴めず攻めあぐね、戸惑っていた印象だった。
第9試合 K-1スーパーヘビー級タイトルマッチ 3分3R(最大延長2R)
○セーム・シュルト(1R KO)マーク・ハント×
第8試合 3分3R(最大延長2R)
○エヴェルトン・テイシェイラ(延長2R KO)藤本祐介×
第7試合 3分3R(最大延長2R)
○武蔵(2R KO)澤屋敷純一×
第6試合 3分3R(最大延長2R)
○バダ・ハリ(1R KO)レイ・セフォー×
第5試合 3分3R(最大延長2R)
○グラウベ・フェイトーザ(2R KO)アレックス・ロバーツ×
第4試合 3分3R(最大延長2R)
○前田慶次郎(延長1R 判定)マイティ・モー×
第3試合 3分3R(最大延長2R)
○野田 貢(2R KO)ピーター・ボンドラチェック×
第2試合 3分3R(最大延長2R)
○アレキサンダー・ピチュクノフ(延長2R 判定)ハリッド・“ディ・ファウスト”×
第1試合 3分3R
○榎田洸之(1R KO)立川隆史×