『悪夢DREAM 戦極激突!』美城丈二・書評の頁“読み手研鑽”

 Act・1『タダシ☆タナカ+シュート活字委員会・悪夢DREAM 戦極激突!』
 “シュート活字”なる造語を編み出し、活字プロレスの世界に新たなる切り口を開いたタダシ☆タナカ氏の電子書籍最新作、『タダシ☆タナカ+シュート活字委員会・悪夢DREAM 戦極激突!』をダウンロ-ドし、読ませていただいた。
 
 毎回、氏の編まれたものを読ませていただいて感じることは、氏の独特なる、その卓越した識見が惜しげも無く披瀝されている、点。精力的な取材活動を原動力に、時に繊細に時に大胆な切り口でまさに今現在の格闘技事情をいくつもの取材活動から得た実数・実態・実績なるものを提示なされたうえで、果敢に今回も“謎解き”をきっちり“謎解き”として紐解いておられる。
 検証物には得てして実態だけを準えることに終始してしまいかねないパブリシティの段階で“大見得もの”も多々見受けられるが、氏の著作物にはいわゆる“はずれ”が無く、氏の“意見”もしっかり披瀝なされており、今回も読み手として深読みしたくなる案件の宝庫であった。
 3・5『戦極』と3・15『DREAM』は日々流動する日本格闘技界にあって、まさしくいま現在、リアルタイムで活写できうる対象としては好事案のひとつなのだが、そこだけに留まらず北米の格闘事象への稿も進められ、こちら側が“思案に暮れる”には最適な書籍物のひとつであろうかと思われる。
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  “勝利の方程式より優先されるスポンサー”
  “ボクシング内藤大助防衛戦に見え隠れするマット界の疑問”
  “悪夢となった大連立イベントDREAMのトリ”
  “553日ぶりの日本復帰 ミルコ・クロコップは101kg”
  “エメリヤーエンコ・ヒョードルのM-1離脱”
  “プロエリートとCBS契約の盲点とは?”
 深読みしたくなる、刺激的な“柱”章題が並ぶ。
 筆者も含め、思案事項のひとつのテキストとして、是非、“手元”に所有して損は無い、一作でもあろうかと考える。
 プロレス・格闘技事象に関し、“読まずに嫌う”著作者の代表のごとく、氏の編まれたものを忌み嫌う方々も、諸氏多いと聞き及ぶが、ダウンロードなされ、お読みくださることを筆者としてここに改めて記載しておきたいと思う。
 “読み手研鑽”
 筆者もまた過去のノスタルジーに耽溺するだけでなく、この未来(先)もささやかなれど自身なりの深慮を具現化したいが為に、今後も氏の旺盛なる執筆活動にも“読み手”として応じていきたいと考えている。いま現在未来を窺い知ることがまたかつての憂い、感銘を呼び込むことでもあろうと思慮するゆえに。
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 ⇒『タダシ☆タナカ+シュート活字委員会・悪夢DREAM 戦極激突!』 
美城丈二・ファンタジープロレスの愉悦、シュート活字の鮮烈「本年のご教示に感謝しつつ・・・」