トライアングルリボン王者・清水愛、その人気の秘密

■ アイスリボン『札幌リボン2016』
日時:10月9日(日)12:00
会場:札幌マルスジム 観衆:275人(満員)

<第3試合 トライアングルリボン選手権試合15分1本勝負>
○[王者]清水愛
 7分27秒 ラ・マヒストラル
●[挑戦者]松本都
※第23代王者2度目の防衛戦に成功。
※もう一人は弓李

 7・3後楽園ホールのアイスリボン初参戦でトライアングルリボン選手権に挑戦、いきなりベルトを奪取した現役声優で兼業レスラーの清水愛。9・19関内・ラジアントホールでの初防衛後に松本都に挑発され、「私のだんなさんも来るんで、かっこ悪いところ見せられないんで、どこで挑戦されようが絶対に勝ちます」と宣言し、帯同した北海道3連戦の札幌で防衛戦に挑んだ。

 ロープに固定されて都&弓李の2人から「ご結婚おめでとうございます」とチョップでの手荒い祝福を受け、「羨ましくなんかない」「結婚したからって調子にのってんじゃねえ」との叫びを伴う攻撃を耐えると、コーナーポスト上で弓希に都が卍固めを仕掛ける隙を突き、2人まとめて担ぐとカミカゼを敢行。
 関内で「私は負けてない」と主張していた都をダイビングクロスボディーからラ・マヒストラルでガッチリ押さえ込んで王座を防衛した。

 選手権試合では勝敗に絡まなかった弓李も翌日の函館にて同じくラ・マヒストラルで葬り、キャリア3年、アイスリボン参戦3ヶ月の未だ新人ながら長期王者の風格さえ漂っている。そんな清水ではあるが、「誰だかわからないヤツにベルトを持たせておくわけにはいかない! 」と挑発した松本都同様に、清水愛とは誰なのか、何故チャンピオンになっているのか解らないプロレス者も多いだろうと思うので、若干補足しておくと、清水愛は声優歴15年、数多の作品で主要キャラクターを演じ、アニメ&声優ファンならば検索するまでもなく、知らぬ者はいない存在だ。

 声優村の掟で、表立って年齢が記される事はあまり無いが、35歳は中堅の域、紅白にも出場した水樹奈々と同世代。声優の専門学校の卒業生である尾崎妹加、世羅りさが夢叶わずレスラーとしてアイスリボンのリングに上がっている様に、なるのに凄まじい競争を勝ち抜く必要があり、かつ、毎年多数の新人がデビューする中で生き残り続けるのにも困難が伴うのが声優なのである。そこで15年のキャリアを重ねるのが並大抵の事ではないのは想像に難くない。作品における演技力はもちろんの事、イベントやラジオ番組でのトーク力、ライブでの歌唱力なども含めたタレント性を兼ね備えていないと、アッと云う間に忘れ去られていくのだ。
161021Shimizu
 清水愛がフィニッシュに多用するフィッシャーマンズスープレックスを釣りガール式ばくだん固めと呼ぶのも、趣味が高じてルアーを発売、ファンを集めて釣りのイベントも行うほどの釣り好きであるところからだが、他にもサバイバルゲームなど多趣味で、プロレスもその中の1つだった。つまりプライベートのオフでも恋愛などにうつつをぬかす事なく、趣味さえも仕事に結びつける熱意も声優に要求される資質なのであるが、そうした玄人はだしのサブカル女子である事に加え、新人に埋もれる事無く清水が存在感を放っている理由が、2006年に放送されたTVアニメ『ストロベリー・パニック』のエンディング曲『秘密ドールズ』を、共演した同世代の声優、中原麻衣と唄った事にある。

 そのMVにおいて2人は濃厚なキスをしてみせ、声優ファンの度胆を抜いたのだが、多数の作品で共演した清水と中原麻衣との親密ぶりは、女性声優同士の宝塚的関係に萌えを見出す声優ファンに支持され、それから10年の時を経た今も、『秘密ドールズ』はある種神格化されているのだ。清水愛が結婚を報告した時は、祝福と同時にお相手が中原麻衣ではない事への嘆きがTwitter上に溢れたのはその証拠であろう。

 また、アイスリボンの創始者さくらえみが9月に上海で対戦相手に清水愛を指名した時には、現地からの問合わせが殺到、連絡事項が清水のことについてばかりになったと云う程で、ネット全盛の時代、その人気は国内に留まらない。現状の女子プロレス界にあって規格外とも言える清水愛のそんな人気を生かすためにはやはり、男色ディーノの女子版を登場させ、旦那さんの前でセクハラをしてみせる方向こそが正解ではなかろうか。


秘密ドールズ

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