ボビー・ラシュリーが王座防衛!TNA「バウンド・フォー・グローリー2016」

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 10月3日(現地時間・放送日)にフロリダ州オーランドで『TNA BOUND FOR GLORY2016』が開催された。
 TNA年間最大大会である「バウンド・フォー・グローリー」が聖地フロリダ州オーランドのユニバーサルスタジオで開催された。
 今大会のメインは当然、TNA世界ヘビー級王座戦で王者ボビー・ラシュリーにイーサン・カーター3世が挑戦した。ラシュリーは1年間休業を宣言したレジェンドであるカート・アングルを襲いヒールに転向、MMAでも活躍しているだけにまともに1対1で戦ったら誰も勝てない最強キャラで、次々とTNAのロースターをなぎ倒し、2016年3月にドリュー・ギャロウェイを下して王座を奪取し、絶対王者として君臨している。イーサンは、そのファミリーネームの通り、TNAオーナーであるディクシー・カーターの甥という設定(ギミック)で、悪の体制側であったが、ディクシーが番組から姿を消すのと前後してベビーフェイスに転向を果たし、王座を取り戻すべくBFGシリーズを勝ち上がり、遂に王座挑戦権を手に入れた。そしてこの王座戦はラシュリーの要求でHNBマッチ(何でもあり)となった為、熾烈を極めた。ラシュリーは凶器使用可能なルールの為、椅子を持ち出してイーサンを滅多打ち。イーサンも反撃するも、最後はラシュリーのコーナーからのスピアーを食らい、遂に力尽きる。ラシュリーがフォール勝ちで王座防衛を果たした。
 また注目されていたハーディ兄弟が、現TNA世界タッグ王者のザ・ディケイと対戦。ブロークンと名乗る通り、完全に狂人と化したマット・ハーディは、暗黒の力を身につけ弟ジェフも洗脳。同じく怪奇派であるディケイと抗争を繰り広げており、戦いはリングを離れ、マットの屋敷で、まるでホラー映画の様なプロレスの範疇を超えた戦いを行っていた。そして最終決着戦となったこの王座戦では、マットの妻であるレビー・スカイ、ディケイのマネージャーであるローズマリーも巻き込んで大乱戦。最後はジェフがラダー最上段からスワントーン・ボムを決め、ハーディ兄弟が王座を奪い返した。
 更に、2016年TNA殿堂入りのゲイル・キムはマリア・ケネリスを下し、ノックアウツ王座を奪い返した。これに対し、マリアの夫であるザ・ミラクルは逆切れして、こんな大会はここで終わらせてやると暴挙を行おうとしたが、そこに現れたのはWWEを離脱したコーディ・ローデスだった。コーディは妻のブランディと共に現れ、ザ・ミラクル夫妻と乱闘。最後はコーディがディザスター・キックをザ・ミラクルに決め、リングから追い出してしまったのだった。

■ TNA BOUND FOR GLORY 2016
日時:2016年10月3日(現地時間・放送日)
場所:アメリカ・フロリダ州オーランド

<TNA世界ヘビー級王座NHBマッチ>
○ボビー・ラシュリー(王者)
 ピンフォール
●イーサン・カーター3世(挑戦者)

<TNAノックアウト王座タイトルマッチ>
○ゲイル・キム(挑戦者)
 ピンフォール
●マリア・ケネリス(王者)

<TNAタッグ王座タイトルマッチ>
○ハーディ兄弟(ブロークン・マット・ハーディ、ブラザー・ネロ(ジェフ・ハーディ)
 ピンフォール
●ザ・ディケイ(アビス、クレイジー・スティーブ)(王者)

<TNAインパクトグランド王座決定戦3本勝負>
○アーロン・レックス
 2-1
●エディ・エドワーズ

<シングルマッチ>
○ムース
 ピンフォール
●マイケル・ベネット

<次期TNA王座挑戦者決定ガントレットマッチ>
勝者 イーライ・ドレイク

<Xディビジョン王座タイトルマッチ>
○DJZ(王者)
 ピンフォール
●トレヴァー・リー(挑戦者)

電子書籍版は週刊ファイト10月13日号NHK虎伝説阪神バース魔王Pan日曜ゴールデン巌流島アパッチに収録されました。

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