格闘人生10年目の奇跡!マイケル・ビスピンがKO勝ちで新王者『UFC199』

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(C)Photo Courtesy of UFC

 6月4日(現地時間)にカリフォルニア州ロサンゼルスで『UFC 199: Rockhold vs. Bisping 2』が開催された。
 今回の“UFC 199 ロックホールド VS. ビスピン”では、UFC世界ミドル級王者のルーク・ロックホールド(アメリカ 15勝2敗)がマイケル・ビスピン(イギリス 29勝7敗)と対戦することになっている。ロックホールドはクリス・ワイドマンを破ってミドル級王者になって以来、初の防衛戦。しかも、ビスピンは先ごろ地元ロンドンで開催された大会で元ミドル級王者であるアンデウソン・シウバを判定で破り、今回のタイトルマッチの挑戦権を得ただけに、とりわけ多くの注目を集めている。試合は下馬評を覆し、ビスピンが右ボディから左フックでロックホールドからダウンを奪い、なんとか立ち上がったロックホールドにビスピンが追撃の左フックが炸裂。なんとビスピンがKO勝ちで新王者となった。

 さらに、セミメインイベントではUFCバンタム級王者のドミニク・クルーズ(アメリカ 21勝1敗)が同2位のユライア・フェイバー・(アメリカ 33勝8敗)とタイトルマッチを行う予定。1月にT.J.ディラショーを破って王座奪還を果たしたクルーズが長年の“因縁の相手”であり、唯一の黒星を喫した相手であるフェイバーとの防衛戦に挑むとあって、メインイベントと同様に注目の一戦となっている。試合は1Rこそ肉薄したフェイバーだが、2R以降は、王者クルーズにペースを握られ、判定でクルーズが王座防衛となった。

 さらに古豪ダン・ヘンダーソンがヘクター・ロンバートと対戦。かつてのトップ選手だが、流石に45歳という年齢もあり衰えが目立つヘンダーソン。下馬評でも不利で、1Rはロンバートの打撃でKO寸前まで追い込まれたものの、2Rにロンバートがヘンダーソンのキックを掴んだ瞬間、ヘンダーソンの肘がロンバートに炸裂。この一発でロンバートは意識が飛び、ヘンダーソンが逆転のKO勝ち。会場は老兵の逆転勝ちに湧きかえった。
 そして、UFC殿堂入りとして新たに元UFC王者(トーナメント王者)であるドン・“プレデター”・フライが発表された。

ビスピン試合後のインタビュー
「いつも、僕には挑戦者の資格がないと、パンチ力がないと言われる。でもこれを見ろ!左フックで1 ラウンドKO だ!(コーチの)ジェイソン・ペレロ、ありがとう!僕にとって生涯最高の日だ!みんなありがとう!」

クルーズ試合後のインタビュー
「彼は以前王者だったし、タフな男だ。このオクタゴンにいる選手はみんなタフだよ。リングラスト(長期欠場の悪影響)なんて存在しないんだ。試合をする者はそんなことに惑わされてはならないよ。君の頭の中にだけ存在するものなんだ。またこうして戦えて本当に気分がいいよ」

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■ UFC 199: Rockhold vs. Bisping 2
日時:2016年6月4日(現地時間)
場所:アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス

<ミドル級王座タイトルマッチ/5分5R>
○マイケル・ビスピン(英国/挑戦者)
 1R 3分36秒 KO
●ルーク・ロックホールド(米国/王者)

<バンタム級王座タイトルマッチ/5分5R>
○ドミニク・クルーズ(米国/王者)
 判定 3-0
●ユライア・フェイバー(米国/挑戦者)

<フェザー級/5分3R>
○マックス・ホロウェイ(米国)
 判定 3-0
●リカルド・ラマス(米国)

<ミドル級/5分3R>
○ダン・ヘンダーソン(米国)
 2R 1分27秒 KO
●ヘクター・ロンバート(キューバ/豪州)

<ライト級/5分3R>
○ダスティン・ポイリエ(米国)
 1R 2分53秒 TKO
●ボビー・グリーン(米国)

プレミアムカード
<フェザー級/5分3R>
○ブライアン・オルテガ(米国)
 3R 4分40秒 KO
●クレイ・グイダ(米国)

<ライト級/5分3R>
○ベニール・ダリウシュ(イラン/米国)
 1R 4分16秒 KO
●ジェイムス・ヴィック(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
○ジェシカ・アンドラジ(ブラジル)
 2R 2分56秒 TKO
●ジェシカ・ペネ(米国)

<フェザー級/5分3R>
○アレックス・カサレス(米国)
 判定 3-0
●コール・ミラー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
○ショーン・ストリックランド(米国)
 判定 2-1
●トム・ブリーズ(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
○ルイス・エンリケ・ダ・シウバ(ブラジル)
 2R 4分11秒 TKO
●ジョナサン・ウィルソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
△ケビン・ケイシー(米国)
 ドロー
△エルビス・ムタプチッチ(米国/ボスニア)

<ライト級/5分3R>
○マルコ・ポロ・レイエス(メキシコ)
 3R 1分52秒 KO
●“マエストロ”キム・ドンヒョン(韓国)

電子書籍版は金曜10日発売『週刊ファイト6月16日号』に収録されました。
週刊ファイト6月16日号アリ神新日W-1全日BレスナーUFCダンヘン最後キンボ死ラウェイ

wf038Chirashi-718週刊ファイト6月9日号リコシェ-オスプレイ踏絵IGF解散勧告UFC巌流島T-98ラジャ王者
▼6・4 UFC199 Wタイトル戦展望
 Text by 稲垣 收
・ワイドマンをKO、リョートに一本勝ちした王者ロックホールドに
・アンデウソンを破ったビスピンが挑む! またもニコ生無料放送!
・無敗のワイドマンを圧倒TKOしたロックホールド
・前回対戦時はビスピンを圧倒ギロチンで決めたロックホールド
・バンタム王ドミニクは唯一黒星喫したフェイバーとラバーマッチ
・ダンヘンは”キューバの柔道王”ロンバードと激突!
 稲垣收のUFC情報~6月4日(日本時間5日)、カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで開催されるUFC199のメインでは、ミドル級王者ルーク・ロックホールドがマイケル・ビスピンを相手に初防衛戦を行なう。両者は再戦だ。また、セミではフェザー級王者ドミニク・クルーズが挑戦者に”宿敵”ユライア・フェイバーを迎え防衛戦。こちらは1勝1敗で迎えるラバーマッチだ。Wタイトルマッチの豪華大会に、PRIDE二階級制覇のダン・ヘンダーソンも出陣!