クリーブランド強力型戦闘隊スティぺ・ミオシッチKO新王者『UFC198』+『ベラトール154』

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(C)Photo Courtesy of UFC

 5月14日(現地時間)にブラジル・クリチバで『UFC 198: Werdum vs. Miocic』が開催された。
 今回の『UFC 198:ヴェウドゥム vs. ミオシッチ』では、UFC世界ヘビー級タイトルマッチが行われ、現王者ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル 20勝5敗1分)に、同ランキング3位のスティペ・ミオシッチ(アメリカ 14勝2敗)が挑戦する。もともとはUFC 196でヴェウドゥムと、同ランキング1位のケイン・ヴェラスケス(アメリカ 13勝2敗)がタイトルマッチに挑むことになっていたが、ヴェラスケスが欠場することになり、ミオシッチが代わりの対戦相手としてカードが組まれものの、結局ヴェウドゥムもケガで欠場することになり、この対戦は実現しなかった。ミオシッチは最近2連勝して力をつけており、昨年6月以来となる防衛戦を戦うヴェウドゥムにとっても手強い相手になると予想される。試合は、スタンドでラッシュをかけるヴェウドゥムに対し、ミオシッチが下がりながらカウンターで右フックを決めた。これが見事に命中し、ヴェウドゥムは崩れ落ち、ミオシッチがヘビー級らしい豪快な一発で見事にKO勝利で新王者に輝いた。
ミオシッチ試合後のインタビュー
「ヴェウドゥムはタフで、俺は手探りだった。とにかく、俺はハードにトレーニングをしたんだ。彼は予想以上に素早く、ガードを潜り抜けて当ててきた。いいパンチだったよ。クリーブランド、俺たちはチャンピオンを手に入れたんだ」

 セミファイナルでは、UFC初期から常にトップで活躍している天才・ヴィトー・ベウフォートが王座に最も近い男、ホナウド“ジャカレ”ソウザと対戦。飛び膝蹴りを見せるベウフォートをしつこいテイクダウンでグランドに引き込んだジャカレが、肘打ちでベウフォートをカットする。そのままパウンドでジャカレがTKO勝利で世代交代を果たした。
 さらに、女子バンタム級では世界最強の女性ファイターとして注目を集めるクリスチャン・サイボーグ(ブラジル 15勝1敗)がUFCに初参戦し、先日のUFCファイトナイト・ブリスベンで日本の中井りんを判定で下したレスリー・スミス(アメリカ 8勝6敗1分)との対戦。サイボーグが期待通りのKO勝ちで会場が爆発した。
サイボーグ試合後のインタビュー
「来てくれたみんなに御礼を言いたいです。夢が叶いました。クリチバでの初めての試合で、対戦相手のレスリーにも感謝を。私はインヴィクタの王者だからそのベルトも防衛したいし、UFC でも試合をしたいと思います」

 また、今大会はブラジルで行う大きな大会という事もあり、デミアン・マイア、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラという大物が前座で参戦しており、それぞれ勝利している。

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■ UFC 198: Werdum vs. Miocic
日時:2016年5月14日(現地時間)
場所:ブラジル・クリチバ

<ヘビー級タイトルマッチ>
○スティペ・ミオシッチ(米国/挑戦者)
 1R 2分47秒 KO
●ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/王者)

<ミドル級/5分3R>
○ホナウド“ジャカレ”ソウザ(ブラジル)
 1R 4分38秒 TKO
●ヴィトー・ベウフォート(ブラジル)

<140ポンド(キャッチウェイト)/5分3R>
○クリス・サイボーグ(ブラジル)
 1R 1分21秒 TKO
●レスリー・スミス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
○マウリシオ“ショーグン”フア(ブラジル)
 判定 2-1
●コーリー・アンダーソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
○ブライアン・バーバリーナ(米国)
 判定 3-0
●ワーレイ・アウヴェス(ブラジル)

Prelims
<ウェルター級/5分3R>
○デミアン・マイア(ブラジル)
 3R 4分31秒 リアネイキドチョーク
●マット・ブラウン(米国)

<ミドル級/5分3R>
○チアゴ・サントス(ブラジル)
 1R 3分39秒 KO
●ネイト・マーコート(米国)

<ライト級/5分3R>
○フランシスコ・トリナウド(ブラジル)
 判定 3-0
●ンシー・メディロス(米国)

<バンタム級/5分3R>
○ジョン・リネカー(ブラジル)
 判定 3-0
●ロブ・フォント(米国)

Early Prelims
<ライトヘビー級/5分3R>
○アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル)
 1R 4分52秒 TKO
●パトリック・カミンズ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
△セルジオ・モラエス(ブラジル)
 ドロー
△ルアン・シャガス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
○ヘナト・モイカノ (ブラジル)  
 判定 2-1
●ズバイラ・トゥフゴフ(ロシア)

 5月14日(現地時間)にカリフォルニア州サンノゼで『Bellator 154: Davis vs. King Mo』が開催された。
 UFCに次ぐ世界2番目のMMA団体であるベラトールだが、今大会は鳴り物入りでベラトール入りして、ベラトール代表として日本のRIZINに参戦し、見事に優勝したキング・モーが、UFCから移籍してきたフィル・デイヴィスと一騎打ちを行った。これは次期ライトヘビー級王座への挑戦者決定戦となる。試合はテイクダウンを仕掛けるデイヴィスのタックルを切り、打撃を当ててポイントを稼ぐモーだったが、3Rにはデイヴィスが右フックでモーをぐらつかせたところでテイクダウンに成功。そのままパウンド、更にキムラ、そして腕十字と仕掛け続けデイヴィスが圧倒。この結果、デイヴィスが判定勝ちとなった。これでデイヴィスが王者リアム・マギリーに挑む事が決定した。

 また、あのセルゲイ・ハリトーノフがベラトールデビュー戦を行う予定だったが欠場となり、代わりにエヴァンゲリスタ・サイボーグが参戦、サッド・アワッドと対戦した。試合は足関節を狙ったサイボーグだが、逆にグランドでしたになりアワッドのパウンドでTKO負けとなった。

■ Bellator 154: Davis vs. King Mo
日時:2016年5月14日(現地時間)
場所:アメリカ・カリフォルニア州サンノゼ

<ライトヘビー級>
○フィル・デイヴィス(米国)
 判定 3-0
●キング・モー(米国)

<ウェルター級>
○サッド・アワッド(米国)
 1R 4分31秒 TKO
●エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル)

<バンタム級>
○ジョシュ・サンディエゴ(米国)
 判定 3-0
●ジェレミア・ラビアノ(米国)

<ライト級>
○アダム・ピコロッティ(米国)
 1R 3分17秒 リアネイキドチョーク
●レイ・ウッド(米国)

<ウェルター級>
○アンドレ・フィリョ(ポルトガル)
 1R 2分11秒 KO
●リック・レガー(米国)

電子書籍版は金曜20日発売『週刊ファイト5月26日号』に収録されました。
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▼ “格闘王国ブラジル”復活なるか? UFCでブラジル人の
 防衛戦や、王座挑戦が続く!
 Text by稲垣 收
・UFC 198でヘビー級ヴェウドゥム防衛戦。アンデウソン再起戦
・エヴァンスを秒殺したテイシェイラがAジョンソンと対戦
・ヴェウドゥムは真価が問われる、正王者としての初防衛戦
・コルデイロのもとで打撃、特にヒザを向上させたヴェウドゥム
・UFC198の開催地は、またも高地。ヴェウドゥム有利か?
・ミドル級2位ジャカレイと3位ヴィトーがブラジル人対決で
・次期挑戦者の座を競う
・復帰後2試合で不満の残るアンデウソン、完全復活なるか?
・5月には元バンタム級王者バラオンがフェザー級で復帰戦
・TUF決勝大会でクラウディア、UFC 200でアマンダが王座挑戦
・アルドも暫定王座戦、ドス・アンジョスは防衛戦
・堀口、五味、KID、憂流迦の試合も!

 稲垣收のUFC情報~かつて”格闘王国”と呼ばれたブラジル。しかし”ブラジルの太陽”と呼ばれた元リングス&PRIDE王者でUFCヘビー級暫定王者にもなったノゲイラは昨年引退した。10年間無敗で”UFCフェザー級絶対王者”と呼ばれたジョゼ・アルドも、アイルランドのマクレガーに13秒でKOされ王座陥落。現在UFC王座に就いているブラジル人は、ヘビー級のヴェウドゥムとライト級のドス・アンジョスの2人だけだ。この2人が5月と7月に防衛戦を行い、ブラジル人女子2人も7月に王座に挑戦する。さらに、アンデウソンの再起戦、アルドによる暫定王座戦も行われるので、ブラジルの誇りをかけた戦いが続く。そして日本も……