15日、天龍源一郎引退興行となる両国国技館大会が当日券なし、前売ソールドアウトの大観衆のもとに開催された。パブリックビューイング、インターネット配信含む映像でも全国のプロレスファンが楽しんだ大会となった。
主役の天龍は現IWGPヘビー級王者であるオカダ・カズチカ(新日本プロレス)とシングル対決。かつての得意技を万全の状態で繰り出せないほどのコンディション低下は明らか。DDTはかろうじて放っていったものの、延髄斬りは中腰のオカダに低速で放つのがやっと。WARスペシャルもクラッチしてから腰を下ろすことができない。パワーボムもコーナーを背に支えられた状態でしか出せなかった。
それでも、せいいっぱいであることをさらけ出して闘う天龍の男気が観客を魅了する。オカダの高角度ドロップキック、あるいはジョン・ウー形式のドロップキックを一方的に食らいまくった末に、レインメーカーで敗北。3カウントが入った瞬間、やりきった天龍に万雷の拍手が降り注いだ。一方のオカダも、天龍を介抱する側近レスラーズをあえて蹴散らして大の字となった天龍に深々と一礼。天龍の相手を完遂するとともに、ミスター・プロレスへのリスペクトとプロレス魂継承を表明した格好となった。
天龍「本当に腹一杯のプロレス人生でした。もうこれ以上望むものは何もありません」。
セミファイナルでは諏訪魔と藤田和之がタッグ対決。なかなか組み合わない展開に観客はブーイング。タッグパートナーとなった大日本プロレスの関本大介と岡林裕二ががっぷりのプロレスを見せることでヤンヤの歓声を浴びる。試合後に藤田が改めて諏訪魔に対戦をマイクで迫ろうとするも、観客は「ダイニッポン」コールで遮断。藤田独特のアプローチは、両国では明確に観客に拒否されたことになる。
なお、オープニングでは高中正義さんが天龍入場テーマ『サンダーストーム』をギターで生演奏。引退に華を添えた。
■~天龍源一郎 引退~ 革命終焉 Revolution FINAL
日時:2015年11月15日(日)15:00
会場:東京・両国国技館
観衆:10,522人(超満員札止め)
<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○リッキー・フジ&高木三四郎
8分41秒 9999 ⇒ 片エビ固め
●菊タロー&ジ・ウインガー
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
里村明衣子&●カサンドラ宮城
9分29秒 フロッグスプラッシュ ⇒ 体固め
DASH・チサコ&○仙台幸子
<第3試合 10人タッグマッチ 30分1本勝負>
獣神サンダー・ライガー&筑前りょう太&グルクンマスク&シマ重野&●ドラゴンJOKER
11分16秒 SAYONARA ⇒ 体固め
怨霊&空牙&TARU&○FUJITA&ヤス久保田
<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
ザ・グレート・カブキ&○KAI&舞牙
8分57秒 スプラッシュプランチャ ⇒ 片エビ固め
グレート小鹿&葛西純&●杉浦透
<第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○小川良成&ケンドー・カシン
12分47秒 首固め
●NOSAWA論外&新井健一郎
<第6試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
北原光騎&土方隆司&●那須晃太郎
13分8秒 腕ひしぎ逆十字固め
中嶋勝彦&○佐藤光留&橋本和樹
<第7試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
越中詩郎&○嵐
9分54秒 パワーボム ⇒ エビ固め
太陽ケア&●相島勇人
<第8試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○藤原喜明&高山善廣
13分10秒 ワキ固め
鈴木みのる&●村上和成
<第9試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
長州力&○石井智宏
13分46秒 垂直落下式ブレーンバスター ⇒ 片エビ固め
斉藤彰俊&●河上隆一
<第10試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
諏訪魔&○岡林裕二
18分54秒 ゴーレムスプラッシュ ⇒ 片エビ固め
藤田和之&●関本大介
<第11試合 天龍源一郎引退試合 シングルマッチ 60分1本勝負>
●天龍源一郎
17分27秒 レインメーカー ⇒ 片エビ固め
○オカダ・カズチカ
大会の徹底追及特集は週刊ファイト11月26日号ロンダ黒星天龍引退Nボックウィンクル全日現象志田光新日キックに収録されました。