ピーター・グラハム、怪力世界一男に勝利!ポーランド『KSW32』英国ウェンブリー進出

(C)KSW

 10月31日(現地時間)にイギリス・ウェンブリーで『KSW 32 Road to Wembley』が開催された。
 欧州最大のMMA団体として地元ポーランドで大きな大会を定期的に開催しているKSWだが、今回はなんとイギリスに初進出した。もともと、ポーランド国内だけでなく欧州各国では生放送されているのだが、今回は欧州の中心であるイギリスで大会を開催する事になった。これがUFCファイトナイトだと、地元選手をずらりと並べて地区予選的な大会となるのだが、KSWは敢えて、そうしたスケールダウンはせず、団体最高のエースであるマリウス・プジアノフスキーをメインにもってきてポーランドで行っている豪華な大会そのまま行う事になった。ファンというものは、どうせ進出してくるなら、本場そのままのが見たいので、これは素晴らしい英断だ。例えばWWE日本公演だって、日本向けだからとWWEスーパースターではなく、普段WWEの登場人物ではない日本の選手ばかり抜擢したらファンはがっかりしてしまうだろう。
 プジアノフスキーはワールド・ストロングマン・コンテスト5連覇という輝かしい記録を持つ、ポーランドの国民的英雄。ガチガチの競技的な考えなら、ヘビー級王者であるカロル・ベドルフの王座戦なのだろうが、王座より上に位置して団体を支えているスーパースターだ。そのプジアノフスキーの対戦相手も爆裂カラテ野郎としてK-1ではバダ・ハリを、MMAではヒョードル弟ことエメリヤエンコ・アレキサンダーをKOで仕留めたピーター・グラハムというこれまた豪華な相手が用意され、とことんKSWの世界を楽しめるカードとなった。試合はいつも通り突っ込んでいくプジアノフスキーがグラハムを捕まえてテイクダウン、そして上からパウンドを落とす展開。しかし、ラウンド終了寸前にブレイクされ、逆にグラハムの打撃を浴び、次のラウンドに不安を感じさせた。そして2Rは、やはりスタミナが切れたプジアノフスキーのタックル失敗で引きこみ、グランドでグラハムが上になる。しかし、グラハムは暫くすると自ら立ち上がり、スタンドでの展開を要求した。スタンドではスタミナの切れたプジアノフスキーは空手家のグラハムの前になすすべなく右アッパーでダウンを奪われ、グラハムの追撃のパウンドでレフェリーがストップ。グラハムが怪力世界一男にTKO勝利した。

 また2大タイトルマッチも行われ、ウェルター級王座戦はポーランド人王者ボリス・マンコフスキーが、アメリカの元UFCファイター、ジェシー・テイラーを迎え撃つKSWらしい一戦。試合は、両者がグランドで激しくポジションを奪いあう展開の中、グランドで反則の膝蹴りを放ってしまったマンコフスキー。故意ではなくテイラーのダメージも少なかったので、ブレイク後、再開したのだが、再開直後、マンコフスキーが電光石火のギロチンチョーク!これが極まり一本勝ち。マンコフスキーが一本勝ちで王座防衛を果たした。

 ライトヘビー級王座戦はクロアチア人王者で元UFCファイターのゴラン・レルジッチにポーランド人トマス・ナルクンが挑戦するという、これまたKSWらしいカード。この敗者が大晦日のRIZINに派遣されるという噂もある。試合は、右フックでダウンを奪ったナルクンが追撃で強烈なパウンド連打。これでレルジッチの意識が飛び、レフェリーがストップ。衝撃的なTKO勝利でナルクンが新王者に輝いた。

 更にスーパーカードとして、モヒカン、全身入れ墨といういかにも喧嘩屋というポーランドの暴れん坊マルチン・ロザルスキーと地元英国出身で元UFC戦士であるジェイムス・マックスウィーニーが対戦するというど迫力カードも行われた。試合は、期待通り、ヘビー級の大型ファイターが殴り合うという展開で、マックスウィーニーがロザルスキーを金網に追い込んで膝蹴り、そしてテイクダウン。グランドで上をとったマックスウィーニーがバックマウントを奪いチョークを極めて一本勝ちとなった。

 また、現在、日本のIGFのヘビー級トーナメントで決勝まで進んだオリ・トンプソンも前座で登場。ポーランドのミハウ・ホダレクと対戦し、試合序盤はペースを握っていたものの、後半にホダレクにテイクダウンを奪われ劣勢になった。しかし、そのグランド状態で反則の膝蹴りをホダレクがしてしまった為、反則でトンプソンが勝利となった。

■ KSW 32 Road to Wembley
日時:2015年10月31日(現地時間)
場所:イギリス・ウェンブリー

<ヘビー級/5分3R>
○ピーター・グラハム(オーストラリア)
 2R 2分00秒 TKO
●マリウス・プジアノフスキー(ポーランド)

<ウェルター級王座タイトルマッチ/5分3R>
○ボリス・マンコフスキー(ポーランド/王者)
 1R 3分02秒 ギロチンチョーク
●ジェシー・テイラー(米国/挑戦者)

<ヘビー級/5分3R>
○ジェイムス・マックスウィーニー(英国)
 1R 2分16秒 リアネイキドチョーク
●マルチン・ロザルスキー(ポーランド)

<ライトヘビー級王座タイトルマッチ/5分3R>
○トマス・ナルクン(ポーランド/挑戦者)
 1R TKO
●ゴラン・レルジッチ(クロアチア/王者)

<ライト級/5分3R>
○マテウス・ガムロ(ポーランド)
 2R 3分22秒 TKO
●マリフ・ピラエフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
○ジム・ウォルヘッド(英国)
 2R 2分27秒 TKO
●ラファル・モクス(ポーランド)

<ヘビー級/5分3R>
○オリ・トンプソン(英国)
 3R 反則
●ミハウ・ホダレク(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
○マイケル・ファルカォン(ブラジル)
 1R 0分59秒 KO
●ブレッド・クーパー(米国)

<ライト級/5分3R>
○レシェク・クラコフスキー(ポーランド)
 判定 3-0
●アンドレ・ウィナー(英国)

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