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ACA(Absolute Championship Akhmat)は10月30日、タジキスタンの首都ドゥシャンベにあるテニスアリーナで「ACA 209」を開催した。ACAとしては約11年ぶりとなるタジキスタン大会。会場には約4500人の観客が集まり、チケット収入も1000万を超えたと現地で報じられるなど、中央アジアでの格闘技人気を示す興行となった。メインイベントでは、地元タジキスタンのファリドゥン・オジロフが元M-1ミドル級王者アルチョム・フロロフと対戦。3者とも30-27をつける判定3-0で勝利を収めた。また、準メインイベントではブラジルのフェリペ・ブネスがアザム・ガフォロフを1R4分13秒、モディファイド・ツイスターで仕留める衝撃的なフィニッシュを披露した。
メインイベントはミドル級の一戦。地元タジキスタンのファリドゥン・オジロフが、ロシアのアルチョム・フロロフを迎え撃った。オジロフは「ターミネーター」の異名を持つタジキスタンの実力者。サンボやレスリングをバックボーンとし、2017年アジア室内競技大会のサンボで銅メダル、アジア選手権では銀メダルを獲得した実績を持つ。2016年にプロMMAデビューを果たし、Eagle FCミドル級王座を獲得。その後ACAに参戦し、近年はミドル級で実績を重ねてきた。試合前にはACAミドル級ランキング4~5位前後につけており、地元開催のメインを任される存在だった。対するフロロフは1991年生まれのロシア人ファイター。2017年にM-1 Challenge 84でカイオ・マガリャエスを5ラウンド判定で破り、M-1ミドル級王座を獲得した元王者である。その後もジョー・リッグスを相手に王座を防衛したが、ブルーノ・シウヴァに敗れてタイトルを失った。ACA移籍後もマゴメド・イスマイロフとの対戦など、タイトル戦線で実績を残してきた。試合前のランキングは2位であり、オジロフにとっては上位進出を懸けた重要な一戦だった。試合では両者がスタンドで重い打撃を交換し、組みの攻防も展開。オジロフは打撃とテイクダウンを組み合わせながら主導権を握った。2ラウンドにはフロロフの危険な攻撃を受ける場面もあったが、オジロフは立て直す。最終3ラウンドでは蹴りを交えながらグラウンドでのコントロールを強め、最後まで優位を維持した。判定はジャッジ3者とも30-27。オジロフがフロロフを完封する形で判定3-0の勝利を収めた。ランキング2位の元M-1王者を破ったことで、オジロフはACAミドル級のタイトル戦線に大きく前進。地元ファンの前でメインイベントを勝利で飾り、タジキスタン大会の主役となった。

ゴメインイベントでは、ブラジルのフェリペ・ブネスがタジキスタンのアザム・ガフォロフと対戦した。当初、この大会の準メインには元UFC・PFLファイターのローイク・ラジャボフとニコライ・アレクサヒンの対戦が予定されていた。しかし、ラジャボフが上腕二頭筋断裂によって欠場。代わってガフォロフとブネスのカードが組まれた。ブネスはブラジル・ナタール出身の柔術黒帯。ACA/ACBでの経験を経てUFCに参戦し、ホセ・ジョンソンをアームバーで破った実績を持つ。UFCではその後、ジョシュア・ヴァン、ラファエル・エステバン、エドガー・チャイレスを相手に敗戦。今回のACA参戦は、UFC退団後の再起を懸けた試合でもあった。一方のガフォロフはタジキスタン出身。WFCAフライ級王者の経験を持ち、ACAでもグランプリ進出やタイトル挑戦を経験してきた実力者だ。地元開催での勝利を狙っていたが、計量では58.70kgとなり、フライ級のリミットを約1kg超過。ブネスは57.65kgで計量をクリアしていた。
試合は1ラウンド中盤、ブネスが得意のグラウンド技術を発揮する展開となった。ブネスはガフォロフを捕らえると、背中側から首と身体を制御し、ツイスターの体勢へ。ガフォロフがタップしたものの、主審のマキシム・プロタソフが試合を止めなかったため、ブネスはいったん技を解いた。その後、再びポジションを作り直したブネスは、改めてモディファイド・ツイスターを極める。ガフォロフは逃れることができず、1ラウンド4分13秒で試合終了となった。ツイスターはMMAでも珍しいサブミッション技のひとつ。ブネスはUFC退団後の再起戦で、強烈なインパクトを残す勝利を手にした。このパフォーマンスはPerformance of the Nightにも選出された。ただし、ブネスは単発契約での出場だったため、ACAと再契約しない限りボーナスは支払われないと大会側から説明されている。ガフォロフにとっては地元大会での痛恨の敗戦となった。計量超過に続き、試合でも早い段階で一本を奪われる結果となった。
地元ファンの大声援を受けたタジキスタン大会は、ACAの中央アジア展開においても存在感を示す興行となった。
■ ACA 209:フロロフ vs. オジロフ
日時:10月30日(金)
会場:タジキスタン・ドゥシャンベ・テニスアリーナ
<ミドル級>
○ファリドゥン・オジロフ(タジキスタン)
判定3-0(3R 5:00)
●アルチョム・フロロフ(ロシア)
<フライ級>
○フェリペ・ブネス(ブラジル)
1R 4分13秒 サブミッション(モディファイド・ツイスター)
●アザム・ガフォロフ(タジキスタン)
<フェザー級>
○ベクルズ・ズフロフ(タジキスタン)
2R 1分28秒 TKO(ボディーショットからのグラウンド・ストライク)
●ヴィスハン・カジロフ(ロシア)
<ウェルター級>
○クアト・ハミトフ(カザフスタン)
2R 0分44秒 TKO(右フックからのグラウンド・ストライク)
●アレクセイ・マフノ(ロシア)
<フライ級>
○フィルダフス・ザリポフ(タジキスタン)
1R 1分25秒 サブミッション(スタンディング・リアネイキッドチョーク)
●ヴァギズ・イスマギロフ(ロシア)