[週刊ファイト07月24日]期間 [ファイトクラブ]公開中
年に一度、神戸でのビックマッチ。タイトルマッチ、スペシャルマッチと豪華なカードが出そろった。単に試合結果だけでなく、今回はかなりの深掘り。新日本での世代交代とセミファイナルで起こった炎上事件。
ここに今回は焦点を当てていきたいと思う。
▼NJ神戸 後藤革命再びならず ゲイブ-モロニー疑惑判定X大炎上検証
西尾智幸編 Photo:HIROKI、西尾智幸
・“神戸は何かが起きる”で、何が起きちゃったのか?
・辻陽太防衛も裏主役は後藤洋央紀か
・数年前と別物の新日本、この先は?
・究極のワクワク感、試合後の高揚感…それもう少し欲しい
・矢野通髪の毛が…田口隆祐3秒出ただけ?!
・外道のあっさり敗北に会場ざわめく
・上村優也、藤田晃生欠場でカード変更
・決裂カラムとコブ・同世代オジサン対決!
・天空歩人が世界を超えた“シュン”間
・GLOBALゲイブが死闘を制し初防衛も判定疑惑でSNS大炎上を検証
・なぜ、あんなに大炎上したのか?
・誰が悪い?どうすればよかったのか?
NJ神戸 後藤革命再びならず ゲイブ-モロニー疑惑判定X大炎上検証
■ 新日本プロレス DESTRUCTION in KOBE
日時:2026年9月27日(日) 16時開始
場所:兵庫・神戸ワールド記念ホール
観衆:4,870人(超満員)

1年ぶりに戻ってきた神戸ワールド記念ホール大会。今回も、盛り沢山のカードが用意された。
この日はあいにくの雨、いや毎日が雨と言っていいほど、今の日本の気候はおかしい。
そんなジメジメしたストレスを吹き飛ばしてくれるような熱い闘いを期待するかのように、超満員の観衆が訪れた。
神戸ワールドは、新日本にとっても“特別な場所”だ。
大舞台の緊張感と、関西ファン特有の熱気が混ざり合い、他の都市とは違う独特の空気が生まれる。
“神戸は何かが起きる”
近年にも邪道が突然オカダ・カズチカを裏切ったり、23年ぶりに突如鬼神ライガーが降臨、あとYOSHI-HASHI転倒事件(も神戸…。
今回もタイトル&スペシャルマッチが多いし、この先への布石となる一戦も多い。
さて、何が起きるのか? 何が起きちゃったのか? 全9試合完全網羅でお届けする。
先頭立って新日を引っ張っていく!辻陽太防衛も裏主役は後藤洋央紀か
<第9試合 IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者]○辻陽太
24分1秒 ファイヤーブラスター⇒片エビ固め
[挑戦者]●後藤洋央紀
※第89代王者が初防衛に成功

今年のG1公式戦(7.18札幌)は、後藤がIWGPヘビー級王者の辻に勝利。辻はこのリベンジの意味もあり、この対戦が決定。後藤革命は、まだまだ終わっていない。
10.12両国でこの勝者に挑戦するのが、今年のG1覇者の大岩亮平だ。大岩は、解説席に座りこの試合見届ける。
開始のゴングと同時に場内は両者への大コール。しかし、圧倒的に後藤への声援が多く、続・後藤革命への期待の高さを思わせる。
ロックアップから後藤がクリーンブレイクで試合が動き出す。序盤はロックアップ、リストの取り合い、ショルダータックルの応酬と、互いの力を測るような攻防が続く。

辻は場外へ後藤を追いやると、フェンスへの投げつけやトペ・スイシーダで一気に主導権を握る。リングに戻すとバックブリーカー連発から逆エビ固めで後藤を追い込み、挑発を交えながら試合の流れを支配していく。
しかし後藤も怒りを爆発させ、追走式ラリアットや村正、バックドロップで反撃。牛殺しを狙うが辻が切り返し、カーブ・ストンプやマーロウクラッシュで再びペースを奪う。両者のラリアット相打ちが続き、場内は大「後藤」コールに包まれる。

辻は雪崩式フランケンシュタイナー、ゲレーロスペシャルと畳みかけるが、後藤は執念でキックアウト。後藤も昇天・改やスーパー頭突きで逆転を狙うが、辻も必殺のジーンブラスター2連発。 しかし、後藤は意地で返し、昇天・改を繰り出すも逆にキックアウトされ一進一退の攻防となったが、最後は辻がファイヤーブラスター2連発。激闘の末、辻が後藤を沈め、初防衛を果たした。

試合後、辻は「アンタは強えよ。いや、最強だ」と後藤を称え、その後放送席の大岩をリングに上げる。
辻「大岩、両国でお前を迎え撃つ! 覚悟は…」大岩は、辻が決め台詞を言う前にマイクを強奪。大岩「覚悟は、できてます!」と先手を取った。
両国では、両者の覚悟を楽しみにしよう! ちなみに、記者は大岩に一票!

数年前とは別物!急速に新世代で回りはじめた新日本 別れるファン層
たった数年前、どれだけのひとが当時の若手2人が両国のメインで闘っていると想像できただろうか。

逆に言えば、ここ数年の新日本は、かつてないほど主力の入れ替わりが激しい時期に突入している。
日本人選手だけを見ても、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、内藤哲也、EVIL、飯伏幸太、柴田勝頼、高橋ヒロム…。
団体の“顔”と呼べる選手たちが、短期間のうちに次々とリングを離れていった。
これほど主力が一度に抜けた時期は、武藤敬司・小島聡らが退団した2002年をも上回る。
今、タイトル戦線に絡んでいるのは、辻陽太をはじめ、上村優也、成田蓮、海野翔太、ボルチン・オレッグ、大岩亮平、OSKAR、Yuto-Ice、藤田晃生、そしてウルフアロンら新世代である。
かつての新日本では考えられないほどの“急激な世代交代”が進んでいる。
新日本の歴史を振り返れば、世代交代はいつも段階的だった。
アントニオ猪木、坂口征二から藤波辰爾、長州力へ。そして闘魂三銃士から第三世代、新闘魂三銃士からオカダ・カズチカらへ。
旧世代と新世代が共存しながら、ゆっくりと時代が移り変わっていった。
だが、今の新日本はほぼ例のない“総入れ替え期”に突入している。
そうなると、近年のファンは今が中心だし違和感はないだろうが、少なくとも10年以上新日本を観てきたファンは、推し選手がいなくなり戸惑いの中、新世代への気持ちを切り替え出来ず、流れに乗り切れないひとも、少なくないのではないか? 実際、この神戸大会のメインでは、キャリア23年のベテラン・後藤洋央紀への声援の方が圧倒的に多かった。
先日の真壁刀義&矢野通によるG.B.H復活も大いに盛り上がり、9・19室蘭でのK.O.Bとの死闘も話題を呼んだ。
メインから少し距離を置いていたベテラン勢が、今回のようにスポットを浴びると、観客は一気に感情を寄せる。判官贔屓のような空気が生まれ、「もしかして…」という期待感を抱きながら感情移入し応援する。
それは、長年新日本を支えてきた選手たちが持つ“物語の厚み”ゆえだろう。
ただ、新体制なって客入りは2000年代の暗黒期のように落ち込んでいるわけではない。
今は、むしろ安定しており、満員の会場も多い。
ただ…これは記者としての率直な意見だが、試合の“スリリングさ”は以前ほど感じない。今もバチバチにやり合っているのは分かる。それでも、オカダvs.ケニー・オメガのような「これ、どうやって終わんの?」という究極のワクワク感、試合後の高揚感…それ、もう少し欲しい。
とはいえ、今の新世代のキャリアは、辻陽太でキャリア8年半、Yuto-Iceが5年半、大岩亮平は5年、ウルフアロンに至ってはまだ1年にも満たない。
確かに、かつての主役たちの個性は強烈だった。しかし、全員が全員ヤングライオンからそれが突出していたわけではない。
持って生まれたセンスはもちろんある。けれど、リングに立ち続けた時間が、彼らを“唯一無二”へと育てていった。新世代も同じ道を歩むだけだ。
「トランキーロ、あっせんなよ!」辞めていった選手の言葉を胸に(笑)、これからの新日本を楽しみに待ちたい。
矢野通髪の毛・田口隆祐出ただけ・外道にえぇ~・ウルフ前哨戦飛ぶ
<第1試合 20分1本勝負>
○海野翔太 ボルチン・オレッグ エル・デスペラード ミスティコ 矢野通
8分24秒 Second Chapter⇒片エビ固め
成田蓮 SANADA DOUKI SHO ●ディック東郷

G.B.H復活は終わったのか、矢野通の髪が金髪でなくなっていた。あと、ミスティコは自分が取った訳でもないのに相変わらず、試合後のアピールが長い(笑)。
<第2試合 20分1本勝負>
○マスター・ワト YOH 田口隆祐
3分33秒 スワンダイブ式エルボースマッシュ⇒片エビ固め
●外道 石森太二 ロビー・エックス

なんだこの試合(笑)。中心になるのは、YHOとエックスが10・7後楽園でのIWGPJr.戦の前哨戦。ゴングからこの2人が登場し、いきなりガンガンに飛ばす。あと正式なタッチは外道とワトのみ。田口はノータッチでリングインしている石森にヒップアタックをあっさりかわされたのが唯一の仕事(笑)。ワトと外道2人になり、ワトがスワンダイブ式エルボースマッシュ。覆いかぶさるとカウント3.会場からは、これで終わり?とばかりに「えぇー?!」と一斉に声が上がる。
しかし、たまに外道や東郷が試合をすると結局やられるだけで、解りやす過ぎて面白くない…。
<第3試合 30分1本勝負>
○Yuto-Ice OSKAR 永井大貴
9分33秒 Cruella⇒片エビ固め
HENARE グレート-O-カーン ●ゼイン・ジェイ

10・6後楽園でのIWGPタッグ王座前哨戦。OSKARは徹底して右脚を狙われた。K.O.Bは、大阪で奪われたベルトの奪還となるか?
<第4試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負>
○大岩陵平 ザック・セイバーJr
10分8秒 THE GRIP⇒片エビ固め
ウルフアロン ●タイチ

本来は6人タッグの予定だったが、ウルフ組の上村優也が体調不良、大岩組の藤田晃生が右膝負傷のため欠場となった。ウルフのNEVER王座に挑戦が決定している藤田との前哨戦がこのカードの注目すべきところだったが、スペシャルではなくなってしまった。
ウルフは、デビュー1年目の選手というフレッシュさもなく、なんか中堅の貫禄になりつつある。
ならば、もっと強さと個性を追求してオンリーワンなスタイルに期待する!
決裂カラムとコブ・天空歩人が世界を超えた・同世代オジサン対決!
<第5試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負>
○カラム・ニューマン
13分53秒 MAKE WAY⇒体固め
●ジェフ・コブ

8.16両国国技館大会にて、新日本マット1年ぶりに復活。そしてUnbound Co.電撃加入で、元々所属していたUNITED EMPIRTEのカラム・ニューマンと決裂したジェフ・コブ。
その後、何度もタッグマッチで前哨戦を繰り広げてきたコブとカラムがスペシャルシングルマッチで雌雄を決した。
終盤コブが有利に攻めていたが、最後に股間攻撃を喰らい形勢逆転。MAKE WAYで仕留められてしまったが、勝ったもののカラムは脚を引きずって花道を帰るほどのダメージ。
この1回で終わる闘いではない。第2ラウンドにも期待だ!
<第6試合 WORLD認定TV選手権試合 15分1本勝負>
<挑戦者>○シュン・スカイウォーカー
10分12秒 SKYFALL⇒片エビ固め
<王者>●KONOSUKE TAKESHITA
※TAKESHITAが5度目の防衛に失敗、シュンが第11代王者となる

シュンはまさに旬で、新日本登場以来、いい感じで存在感を示しているのではないか?
今回は、世界のTAKESHITAをも食ってしまった。
確かに、EVILが不在になり、成田連のリーダーだけではちょっとインパクトに欠けたH.O.Tだったので、シュンの加入は二枚看板になり、勢力アップには十分なりうる。
まあ、その前にSANADAにはもっと頑張って欲しいけど。
試合終盤、やっぱりH.O.Tが乱入してきて、「あーあ」だった…。
そしてシュンがトミーズ健の“ケンちゃんパウダー”ならぬ、シュンちゃんパウダーまで放つ!
あ、スンマセン…大阪人しか分からんくだり(笑)。
てか、タイトルマッチくらいは、実力でもっと魅せて欲しいなぁとは思うが、棚橋社長もセコい反則や乱入を止めるつもりはないようなので、仕方ないですな。
じゃあ、今後シュンがどういう防衛ロードを行っていくのか、注目してみましょう。