[週刊ファイト7月16日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼乱立するチャンピオン・ベルトに有田&福田のタッグが斬り込む!
by 安威川敏樹
・なぜ日本人は、いや世界中の人々はサッカーW杯に熱狂するのか
・4年に1度、開催されるスポーツ・イベント、サッカーW杯にWBC
・有田哲平と福田充徳がプロレスのチャンピオン・ベルトで大激論!
・フランス料理を毎日食べても飽きるだけ。朝食は味噌汁を飲みたい
FIFAワールドカップはサッカー日本代表が決勝トーナメント一回戦でブラジル代表に1-2で敗れた。それでも、日本代表は最多優勝を誇るブラジル代表に善戦したということで、日本列島は沸騰している。
大会の注目度は夏季オリンピックを上回ると言われているサッカーW杯、日本だけでなく世界中が熱狂の渦だ。

なぜ日本人は、いや世界中の人々はサッカーW杯に熱狂するのか
まさしく日本列島はサッカー・フィーバーである。連日、日本代表の成績がニュースやワイドショーで取り上げられ、深夜帯や早朝帯でも日本戦は高視聴率をマークした。
しかし、よく考えると日本代表はベスト32止まり。またしても決勝トーナメントでの初勝利を逃した。しかも、直近の2大会はベスト16敗退だったのに対し、今回はその戦績を下回っている。
そもそも、今大会は前回の32ヵ国から48ヵ国へと出場国が大幅に増加した。さらに、グループ・ステージで4チーム中3位(要するにブービー)でも、決勝トーナメント進出の可能性があったのである(日本代表は2位通過)。今回、日本代表の戦績は1勝1敗2分で勝ち越していない。しかも、日本代表が属したF組は、3ヵ国が全て決勝トーナメント初戦で敗退している。
そして、日本代表は今までW杯では歯が立たなかったブラジル代表に1点差負けという惜敗だったことが日本中を沸かせたが、今回のブラジル代表の前評判はさほど高くなかった。また、昨年に日本代表が破った時とは、ブラジル代表はガラリと選手を入れ替えたのである。
もう一つ見逃せないのは、サッカーは番狂わせが起きやすいスポーツということだ。点が入りにくいため多くの試合はロースコアになるので、強いチームになかなか点が入らない時に、弱いと思われていたチームにたまたま1点が入り、そのまま逃げ切ってしまう可能性も低くはない。
1996年のアトランタ・オリンピックでの日本vs.ブラジルが、まさしくそれだった。この試合は『マイアミの奇跡』と呼ばれ、1-0で日本五輪代表(23歳以下)が金メダル候補のブラジル五輪代表に勝ってしまったのである(この大会でのブラジルは銅メダル)。
今大会の、日本代表とブラジル代表との実力差が以前より縮まっていたのは間違いない。それは、日本代表が強くなったということと、今回のブラジル代表が今まで程の強さではないという、両方の原因が合わさったのだろう。ブラジル代表は優勝できないのではないかと予想されていた。
案の定、ブラジル代表はベスト8にも入れず日本代表に勝った次の試合でノルウェー代表に敗退。「ブラジルに善戦した」と大騒ぎしたマスコミとサッカー・ライターは猛省すべきである。
サッカーが世界一の人気を誇るスポーツである理由の一つが、ルールの判りやすさだ。ちょっとややこしいのはオフサイドぐらいで、『手を使わずにゴールすると1点となる』という、誰でも理解できるルールが、世界中の人から愛されている理由でもある。
そして、前述したようにロースコア・ゲームが多いため、ほとんどの試合が接戦になるのだ。いくら相手が強いと思っても、1点差や2点差ぐらいなら追い付けるのではないか? と期待を持たせてくれるのである。そのため、ファンが熱狂しやすく、フーリガンを生む土壌になっていると言えなくもない。
また、4年に1回しか開催しないという希少価値が、サッカーW杯を注目させるのだ。誰でも愛国心ぐらいは持っているので、母国代表が登場すると注目してしまうのである。
しかも、ルールが判りやすいのだから、普段はサッカーなど見なくても感情移入しやすい。さらに、実力差があっても接戦になりやすいので、誰もが固唾を飲んで試合を観るのだ。
▼この写真はサッカーW杯ではありません

4年に1度、開催されるスポーツ・イベント、サッカーW杯にWBC
4年に1回の熱狂と言えば、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)もそうだろう。WBCの場合は、スケジュールの都合もあって正確に4年に1度というわけではないが(前回のWBCが開催されたのは3年前の2023年)、数年に1回だけ開催されるということで希少価値がある。
ただ、WBCの場合はサッカーW杯と違い、世界的なイベントとは言い難い。サッカーに比べて野球は世界的には広がっているわけではなく、強豪国が限定されているのだ。サッカーはほぼ全世界で行われているのに対し、野球は北米、中南米、東アジアぐらいしか盛んな地域がないのである。WBCでヨーロッパの出場国は、選手のほとんどが植民地の中南米出身か、その国のルーツを持つアメリカ人だ。
これは、サッカーに比べて野球のルールが非常に難解であることと無縁ではない。どうやって点を取るの? 打者が走者となってベースを一周すれば点が取れるんだよ。一周して点が入るのなら走ればいいじゃん。いやアウトになると走れないんだよ。アウトって何? つまり……三振したり、フライを相手に捕られたり、ゴロを打って一塁に到達できなかったり……。三振って何なの? 三振はストライクが三つで……。ストライクって何? つまり、空振りしたらストライクで……。今の打者は空振りしてないけど、審判がストライクって言ってるよ? だから、今のはストライク・ゾーンを球が通ったからで……。ストライク・ゾーンって、どこに線があるの?
外国語が話せる方、野球が盛んでない国の人に、野球のルールを説明してください。きっと5分で諦めるだろう。我々日本人は子供の頃から野球に慣れているので、野球のルールを自然に把握しているが、野球後進国の人達は野球のルールなんて微分・積分を解くぐらいの難問なのだ。
それでも、日本における野球人気は絶大である。日本国内のプロ野球(NPB)公式戦は、毎日のように行われているにも関わらず日本全国超満員。
ましてや大谷翔平をはじめとする、メジャー・リーグ(MLB)で活躍する日本人に関しては、まさしく過熱報道だ。

今年、行われたWBCでも有料ライブ配信のNetflix(ネトフリ)独占中継で、サッカーW杯と違い地上波放送は無かったにも関わらず、大フィーバーとなった。いかに野球が日本で認知されているのかが判るだろう。
その点、今回のサッカーW杯の日本戦の視聴率が低かったのが気になる。ブラジル戦が15.9%(関東地区)だったのは午前2時という深夜帯としては驚異的だが、昔のオバケ視聴率からすれば、低いように感じざるを得ない。むしろ、日曜の午後1時に試合開始されたチュニジア戦が30.2%(同)だったのが衝撃的だった。視聴しやすい日時に、この数字は過去のサッカーW杯日本戦から考えれば、かなり低い数字と思われる。
もちろん、そこにはBS放送や有料ネット配信を視聴した人に分散したという理由があるのだろう。とはいえ、以前ほどサッカーW杯が家族で楽しむコンテンツになっていないのかも知れない。
もっとも、Jリーグ誕生以前のサッカーW杯なんて、日本では全く認知されていなかった。今から40年前の1986年、今回と同じメキシコで開催されたサッカーW杯では、伝説の『マラドーナ5人抜き』があったのだが、サッカー・ファン以外には知られてなかったのである。
だが現在の日本は、W杯になると誰もがサッカーに熱狂するようになった。それは、Jリーグによるサッカー人気と、日本代表が常時W杯に出場するようになったからだろう。
普段はサッカーなど見なくても、4年に1度の祭典に興奮し、素人でも判りやすいルールと相まって愛国心が揺さぶられ、ほとんどの日本人がW杯に見入ってしまうのだ。
有田哲平と福田充徳がプロレスのチャンピオン・ベルトで大激論!
さて、ここからがようやくプロレスの話である。筆者が好きなYouTubeに『オマエ有田だろ!!』というチャンネルがあるが、これを視ている本誌読者も多いだろう。
それでも、知らない人のために説明すると、お笑いコンビ『くりぃむしちゅー』の有田哲平と、同じくお笑いコンビ『チュートリアル』の福田充徳がプロレスについて語り合うという動画だ。
有田は言わずと知れた大のプロレス・ファン、福田は有田ほどのプロレス通ではないとはいえ、そこそこのプロレス好きである。基本的には、福田が有田にプロレスについての質問をして、それに有田が答えるというパターンだ。有田はお笑い芸人なので、本誌と違ってプロレスの本質まで追求するような野暮(?)なマネはせず、面白おかしくプロレスについて語る。
その中に、『プロレス・ディベート噺』というコーナーがあった。これは、有田と福田がプロレスについて議論し合うという趣旨だ。つまり、片方がAという意見を主張し、もう片方がそれとは反対のBという意見を主張するという内容である。
もう2年も前に公開された動画だが、興味深いテーマがあった。それは『チャンピオン・ベルト乱立問題』である。
これだけ多くの団体がある日本プロレス界、しかも団体ごとにチャンピオン・ベルトがあるだけではなく、1つの団体内にも複数のチャンピオンが存在するのはいかがなものか? という問い掛けだ。
有田と福田がジャンケンでどちらの意見にするか決める。勝った方が『チャンピオン・ベルトが多いのはアリ』という意見、負けた方が『ナシ』という意見だ。
福田が思わず「(ジャンケンに)勝ちたいのか負けたいのか(判らへん)」と呟く。結局、ジャンケンで勝った有田が『アリ』、負けた福田が『ナシ』となった。
福田が「チャンピオン・ベルトはヘビー級とジュニア・ヘビー級の2本でいい」と主張すると、有田は「じゃあ、お笑いのコンテストはM-1だけでいいのか?」と斬り込む。さすが共にお笑い芸人、プロレスのタイトルからお笑いに持っていった。言うまでもなくチュートリアルは、M-1チャンピオンになったことがある。
福田は慌てて「ちょ、ちょ、ちょっと待って! それは話が変わってくる」と答えた。そもそも漫才でも、有田がボケ、福田がツッコミだから、このチャンネルも同じような役割になっていて面白い。