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2026年6月19日、ロシア・オムスクのG-Drive Arenaで開催されたACA 204の主役は、やはりこの男だった。
元Bellator世界ミドル級王者アレクサンダー・シュレメンコ。ロシアMMA黎明期から第一線を走り続けてきた42歳のベテランが、地元ファンの大歓声を背に見事な一本勝ちを飾った。
かつてBellatorの顔として活躍し、ゲガール・ムサシやケンドール・グローブら世界の強豪と拳を交えてきたシュレメンコ。80戦を超えるキャリアを積み重ねた今もなお、その闘志は衰えていない。
今回対戦したのはブルガリアのベテラン打撃家ニコラ・ディプチコフ。20を超えるKO勝利を誇る危険なストライカーであり、一発で試合を終わらせる力を持つ相手だった。
序盤は互いに慎重な立ち上がりとなった。ディプチコフは距離を保ちながら強烈なパンチを狙い、シュレメンコは前進しながらプレッシャーをかける。スタンドでは互角の攻防が続き、経験豊富なベテラン同士らしい駆け引きが展開された。
しかし勝負が動いたのは第2ラウンドだった。シュレメンコはケージ際へ追い込むと、一気に組み付いてテイクダウンを奪取。そのまま背後を制圧すると、逃げ場を失ったディプチコフの首へ腕を滑り込ませる。
最後はリアネイキッドチョーク。ディプチコフは耐えきれずタップアウトし、試合時間2分39秒で勝負は決した。派手なKOではない。しかし長年トップ戦線を経験してきた男らしい、冷静かつ確実なフィニッシュだった。
地元オムスクの観客も総立ちとなり、ロシアMMA界を代表するスターの勝利を祝福した。
一方、ヘビー級注目カードではエフゲニー・ゴンチャロフがハディス・イブラギモフとのロシア人対決を制した。
ヘビー級らしい重厚な打撃戦となった一戦は、ゴンチャロフが終始主導権を掌握。リーチを活かしたジャブとカウンターで試合をコントロールし、イブラギモフのパワーファイトを封じ込めた。イブラギモフも後半に反撃を試みたが決定打には至らず、3ラウンド終了。ジャッジ3者とも30-27をつける完勝で、ゴンチャロフがランキング戦線で存在感を示した。
ACAは近年、世界的な知名度こそUFCやPFLに及ばないものの、旧M-1やACBの流れを受け継ぐ東欧・ロシア圏最大級のMMA団体として質の高い大会を継続している。
その中で今回改めて証明されたのは、シュレメンコという存在の大きさだろう。42歳となった現在もトップクラスの競争力を維持し続ける元王者。そのキャリアは既にレジェンドの域に達している。
地元オムスクの夜を締めくくった一本勝ちは、ロシアMMA界の象徴がまだ終わっていないことを強く印象付けるものだった。
■ACA 204:シュレメンコ vs. ディプチコフ
日時:2026年6月19日(金)
会場:ロシア連邦オムスク・ G-ドライブ・アリーナ
<ミドル級>
○アレクサンダー・シュレメンコ(ロシア)
2R 2分39秒 サブミッション(リアネイキッドチョーク)
●ニコラ・ディプチコフ(ブルガリア)
<ヘビー級>
○エフゲニー・ゴンチャロフ(ロシア)
判定3-0
●ハディス・イブラギモフ(ロシア)
<ウェルター級>
○アレクセイ・シュルケヴィッチ(ロシア)
1R 3分21秒 TKO(パンチ)
●チェルシ・ドゥダエフ(ロシア)
<ヘビー級>
○アントン・ヴャジギン(ロシア)
1R 5分00秒 TKO(リタイア)
●ムハマド・ヴァハエフ(ロシア)
<ミドル級>
○ルスラン・シャミロフ(ロシア)
2R 1分36秒 TKO(パンチ)
●ドミトリー・アルィシェフ(ロシア)
