[週刊ファイト04月02日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼初代タイガーマスク45周年プレ大会で噴き上がった理想と混沌と激闘
(C)SSPW 編集部編
・SSPW後楽園初代タイガーマスク45周年記念プレ大会激闘の記録
・佐山聡が道場設立と新世代育成を掲げ「新しいプロレスを提供する」と宣言
・村上和成が急きょ会場に現れ、平井丈雅代表へ迫り、土下座ではなく覚悟を要求
・黒潮TOKYOジャパンがレジェンド選手権初防衛と次期挑戦者シュレック指名
・ジャガー横田&藪下めぐみが雪崩式踵落としでSSPW女子タッグ王座V5
・SSPW後楽園激闘!各選手がそれぞれの持ち味で大会を支えた
▼追悼〝過激な仕掛け人〟新間寿さん天国へ旅立ち
SSPW後楽園初代タイガーマスク45周年記念プレ大会激闘の記録
■ 初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.38
ー初代タイガーマスク45周年記念プレ大会ー
日時:3月19日(木)
会場:後楽園ホール
<Wメインイベント2 レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
[王者]
○黒潮TOKYOジャパン
16分05秒 足極め逆さ押さえ込み
[挑戦者]
●関本大介
<Wメインイベント1 SSPW女子タッグ選手権試合 60分1本勝負>
[王者組]
○ジャガー横田 藪下めぐみ
13分36秒 雪崩式踵落とし⇒片エビ固め
[挑戦者組]
SAKI ●網倉理奈
<セミファイナル 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○船木誠勝 高橋“人喰い”義生 間下隼人
11分01秒 三角絞め
スーパー・タイガー 竹田誠志 ●阿部史典
<タッグマッチ 30分1本勝負>
○藤田和之 ケンドー・カシン
8分57秒 サッカーボールキック⇒体固め
関根“シュレック”秀樹 ●永尾颯樹
<タッグマッチ 30分1本勝負>
Sareee ○叶ミク
9分38秒 ロコモーション式ジャックナイフ
伊藤薫 ●志真うた
<タッグマッチ 30分1本勝負>
○タイガーマスク TAKAみちのく
8分50秒 チキンウイングアームロック
日高郁人 ●関札皓太
<タッグマッチ 30分1本勝負>
里奈 ○稲葉あずさ
11分04秒 アネゴエ⇒エビ固め
レディ・C ●ビッグ春華
佐山聡が道場設立と新世代育成を掲げ「新しいプロレスを提供する」と宣言

3月19日の後楽園ホールで行われた「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.38 ー初代タイガーマスク45周年記念プレ大会ー」は、単なる記念興行ではなく、初代タイガーマスク佐山聡が次の時代へ何を残すのかをはっきりと示した大会であった。第4試合終了後にリングへ上がった佐山聡は、これから道場を設立し、新しい選手を育成していく方針を明確に打ち出し、さらに「新しいプロレスを提供する」という強い言葉で今後の方向性を示したのである。45周年という節目を、過去の栄光を懐かしむ時間ではなく、未来を作るための号砲へ変えてみせたところに、この日の一番大きな意味があった。
しかも、その宣言の場には豪華な顔ぶれがそろった。サッカー界からラモス瑠偉、野球界から“大魔神”佐々木主浩、ボクシング界から内山高志、さらに俳優・中村繁之、サカナクションの山口一郎らが花束を贈呈し、ジャンルを超えて佐山聡という存在が敬意を集めていることをあらためて証明したのである。佐山聡自身も、ラモス瑠偉や佐々木主浩との旧交を喜び、初対面だった山口一郎の登場には会場の沸き方からその存在感を感じ取ったという。プロレスのリングに立つ人間の節目が、ここまで他競技や文化圏を横断して祝福されるのは、やはり初代タイガーマスクが単なる一レスラーではなく、日本の格闘文化そのものの象徴だからである。
さらにこの場では、4月29日の「ONE SAMURAI」において、佐山聡がONEのチャトリ・シットヨートンCEOと会談する予定であることも語られており、ストロングスタイルプロレスの未来像が単独の団体運営にとどまらず、より広い格闘技の接続まで見据えていることも印象的であった。45周年のプレ大会という名前を掲げながら、やっていたことは過去の回想ではなく、道場、育成、新世代、そして他団体・他競技との交差であり、これほど前向きなプレ大会はそう多くない。佐山聡がなお前へ行こうとしている、その事実自体がこの大会の熱源だったのである。
村上和成が急きょ会場に現れ、平井丈雅代表へ迫り、土下座ではなく覚悟を要求

この日の後楽園ホールでもっとも生々しい空気を生んだ場面のひとつが、欠場となっていた村上和成の突然の登場であった。もともとこの大会では村上和成の出場が予定されていたが、諸事情によりカードが組まれず欠場となり、そのまま波風なく流れるかに見えた空気を、本人が会場に姿を現したことで一気にひっくり返したのである。試合前の恒例あいさつの場面で村上和成は南側客席から姿を現し、リングにいた平井丈雅代表へ無言の圧力をかけ、会場にはただならぬ緊張が走った。
平井丈雅代表が「次の大会こそ村上選手が納得いく試合を組んでこのリングに戻ってきてもらうことを約束します」と応じたところ、村上和成はリングのエプロンへ上がり、「どうなってんだ!」と迫った。その勢いに押されて平井丈雅代表は土下座まで見せたが、村上和成が怒ったのは、その謝罪の形だけで済ませようとする空気そのものであった。「そういうこといってんじゃないんだよ。お前の気持ちを伝えろと言ってんだよ。お前の気持ちをくんで納得して今回試合をキャンセルさせてもらったんだよ。お前が言うから飲んでやったんだよ。それが土下座して謝ればいいと思ったら大間違いだよ。お前の熱い気持ちを伝えろ。納得いく試合組めよ。それが筋だろ」と吐き捨てた言葉は、乱暴に見えて、実は極めて真っ当である。村上和成はただ怒鳴ったのではない。リングに上がる者として、またそのカードを期待していた観客に対して、ちゃんと筋を通せと言ったのである。
そして村上和成は、ファンへ向けても「おい、みんなこいつのカードに期待してやってくれ」と訴えた。自分が納得できるカードが組まれなかった、その怒りの矛先を単なる自己主張では終わらせず、次に何を見せるのかという期待へと転化させたところに、村上和成らしい現場感覚がある。対する平井丈雅代表も「男だと思う。佐山先生のプロレスに対する真摯な思いを真面目に受け止めているからこそいまこのような言葉をもらった。皆さまが納得いくカードを組みます。待っていてください」と応じており、この一幕は単なるトラブルではなく、団体の覚悟が問われた時間だったのである。後楽園ホールの観客にとっても、この大会は祝祭一色ではなく、理想を掲げるなら現場の責任も伴うのだと突きつけられた、生きた瞬間であった。
黒潮TOKYOジャパンがレジェンド選手権初防衛と次期挑戦者シュレック指名

Wメインイベント2として行われたレジェンド選手権試合は、第21代王者・黒潮TOKYOジャパンに関本大介が挑むという、色合いのまったく違う2人がぶつかる興味深いタイトルマッチとなった。そして結末は16分05秒、黒潮TOKYOジャパンが足極め逆さ押さえ込みで関本大介を下し、初防衛に成功したのである。体格、破壊力、圧力では関本大介が優位に見える構図であり、実際に試合中も逆エビ固めで黒潮の腰を徹底的に痛めつけ、串刺しスピアー、セントーン、パワーボム、投げっぱなしジャーマンと重戦車のような攻めで何度も勝機を作ったが、それでも黒潮TOKYOジャパンは倒れ切らなかった。
