映画『TRAVERS 2 Next Level』大山倍達-千葉真一を師と仰ぐ武道家・田部井淳!!

 俳優で空手道豊空会師範の田部井淳に独占インタビュー。大山倍達や千葉真一との出会い、池袋シネマ・ロサ他、全国順次公開中の主演映画『TRAVERS 2 Next Level』のエピソードなど、白善哲監督と共に語ってくれた。

―― 1963年生まれの田部井さんの空手との出会いについて教えてください

田部井:『空手バカ一代』という漫画です。勇気を振り絞って、怖さに立ち向かっていく主人公(極真空手創始者の大山倍達がモデル)の姿に憧れて、そういう男になりたいなと思って空手をやろうと思いました。10歳のときです。

―― 最初に入られたのが和道会で、次に極真空手ですね。

田部井:はい、そうです。近くにあった道場が和道会。空手の流派の違いがわからなくて、極真と同じぐらいに思っていました。空手のイロハやベースは同じですけど。ただ、憧れだった大山倍達先生の空手をやりたい気持ちが強くなり、後に極真会館にお世話になりました。

―― 大山総裁から声を掛けられたことはあるのでしょうか?

田部井:あります。18歳の時に。極真総本部合宿が静岡県浜岡でやっていたんですね。10日間か2週間ぐらい。全日本チャンピオンや世界チャンピオンの先輩方も来られているなか、自分は端っこにいました。ある朝の練習時ですが、外国人たちと稽古をしていたら、大山先生がこちらをじーっと睨んでいて。それで、いいとこ見せなきゃと思って、180度以上開く横の蹴上げを懸命にやりました。サボっていると思われたくなくて、脚をもっと高く上げたら、もっと怖い顔になって……。

―― ドキドキしますね。

田部井:その晩、みんなを大広間に集めて大山館長が話をする夜の館長講話という集まりがありました。すると、大山先生が「静岡から来た18歳、立ちなさい」と言われて。 やっぱ怒られるのかと思ったら、「いやー、君、素晴らしいよ。うまかった、君はもっとうまくなる」と褒められました。このときの様子、奇跡的にフィルムが残っているんですよ。

―― それは貴重な体験でしたね。でも、俳優の千葉真一氏が主宰するジャパンアクションクラブ(JAC)に所属するため、19歳のときに上京されます。

田部井:極真時代に挫折していたときに、千葉先生との出会いがありました。その頃、千葉先生がトヨタ自動車のコマーシャルに出ていたんですね。たまたま私の叔父がトヨタ自動車にいまして、接点ができたのです。千葉先生が、本当に空手をやっている180 センチ以上ある人材を探しているというので、当時東京の恵比寿にあったジャパンアクションクラブの事務所に行くことになりました。

―― 空手とはまた違うアクションの世界はいかがでしたか。

田部井:売り出し中だった黒崎輝さんに続いてデビューさせるつもりだったようで、黒崎さん主演の番組で端役やスタント、やられ役とか多くやりました。まずは現場を踏めということなのでしょう。

―― この頃のジャパンアクションクラブは人材豊富でしたね。

田部井:伊原剛志さんが13期で、堤真一さんは14期、自分は15期です。 外に出て行かれてから、ご自身の才能を発揮される方々が多いという意味では、ジャパクショングラブって虎の穴のようなところだったと思います。

―― 空手家やアクション俳優としていろいろな経験を積み、1995年には空手道豊空会を発足されます。

田部井:格闘技ではなく武道としての空手を目的とした武道団体を立ち上げました。武道空手を広く内外に普及させたいという夢を持って活動しています。

―― 2019年、アクション映画『TRAVERS』の主演に抜擢されます。それから約6年後には、続編となる『TRAVERS 2 Next Level』に出演。アクションの世界に再び戻られた手応えは?

田部井:30数年もやっていませんから、その間にアクション自体もの凄く進化していました。勘が鈍るどころかド素人ですよ。アクション監督が白善監督でなかったら、できなかったと思います。その頃、もう50代でしたから、命を預けるのに等しい覚悟でやらなきゃいけないなと。
アクション監督に命を預けられる人じゃなかったら本当に殺されますよね。白善監督に初めてお会いして何分間かお話をさせていただいたときに、この人なら命を預けられるなと本当に感じました。今も間違ってなかったと思います。白善監督がアクション監督でなかったら、やれていなかったですよ。

―― 白善監督は、田部井さんとの初対面の印象は?

白善:アクションの演出としての振付と武道家としての考え方って絶対に違いがあると思うので、多分揉めるなと思っていました。でも、初めてお会いしたときに、僕の想像していた空手家とか武道家のイメージとまったく違っていました。人間としても素晴らしい方ですし、僕の思い描いていた空手の力強い動きとまた違っていて、中国武術のような見たことないような動きにも驚きました。
僕のことを信頼してくださる気持ちも感じましたし、僕ももちろん受け止めて一緒にやっていこうと。最初の印象はお互い非常によかったと思います。

―― 今回、撮影で苦労された点はありますか。

白善:一番大変だったのは夏の時期の撮影ですね。淳さんに一日中、アクションだけやっていただいたとき、淳さんの顔がもう真っ黒になっていたことがありました。熱中症気味かなと思いながらも、僕もやめるわけにはいかないので、「淳さんまだ行きますか? もうお願いします」という感じで撮影を進めました。あとで聞いたら熱中症で。ちょっと今だから言えますけど。

田部井:帰って体温を測って、すぐ水風呂に入ったら、30分ぐらい気失っていたんです。ちょっとヤバかったですね。

白善:淳さんが、命をかけるってよくおっしゃいますけど、長年のケガやいろんな痛みを堪えながらやってくださっているのも見ていてわかります。だから、僕をはじめスタッフも弱音を吐けないし、みんなで支え合って相乗効果で乗り切れたと思っています。本当に戦場のような現場でしたね。


(撮影・文 シン上田)

『TRAVERS 2 Next Level』ストーリー
巨大犯罪グループ「蠍(さそり)」との死闘から6年後、素性を隠して暮らしていた武道空手家・高梨淳(田部井淳)と義理の娘・里菜(中野咲希)に、ふたたび「蠍」が放った最強部隊「クリーナー」の魔の手が……。命を狙われる高梨父娘は、過酷な戦いを強いられることに。

■上映スケジュール
2026/02/27~ 東京池袋シネマ・ロサ
2026/03/20~ 宇都宮ヒカリ座
2026/03/27〜 アップリンク京都
2026/03/28〜 大阪シアターセブン
2026/04/11〜 名古屋シネマスコーレ


■ 公式サイト


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