[週刊ファイト2月19日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼「順調回復」発表と空手全国大会アンバサダー登場、大仁田厚が示した2月の現在地
(C)大仁田厚 編集部編
・頸椎損傷の診断から「順調に回復している」発表が持つ重み
・2月11日つくばでの空手全国大会「OYAJIバトル」アンバサダーの意味
・それでも闘える場がある価値を語った大仁田厚の現実
・本格復帰のPRと2月下旬の動線、つくばから名古屋、そして堺へ
・大仁田厚という存在が今、他競技の「本気」から力を得て復活へ
・頸椎損傷から復活:大仁田厚、OYAJIバトル登場にネット驚嘆
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頸椎損傷の診断から「順調に回復している」発表が持つ重み

大仁田厚は2月10日、プロレスマスコミへメールで頸椎損傷の診断から「順調に回復している」と発表し、自身の身体の状態を具体的な言葉で伝えたが、これは単なる近況報告ではなく、1月18日の広島産業会館大会で起きたアクシデントの衝撃を、次の予定へ向けて「現実的にどう収束させるか」という意思表示でもあった。
原因として語られたのは、大仁田が得意技としているテーブルパイルドライバーの失敗であり、机から落下したことがきっかけで試合後に頸椎損傷の診断を受けたという経緯で、リング上の危険と隣り合わせの選択が、結果として首という最重要部位に影響したことを本人の言葉が裏付けている。
しかし大仁田は、そこで恐怖や後退を前面に出すのではなく、「もうサポーター無しでも大丈夫です」と回復の手応えをアピールしたうえで、「基礎が身を助けたと言われました。首を鍛えていたし、身に染みついた受け身が、咄嗟に出たと。あとはやっぱり、プロレスの神様が守ってくれたのかな」と、事故の瞬間に身体が自動的に働いた感覚まで含めて言語化している。
ここで注目すべきは、復帰を焦らせるような煽りではなく、首を鍛えていたことと受け身という基礎が命を守ったという整理が入っている点であり、危うさと同居する大仁田のスタイルが、偶然ではなく「蓄積された技術の反射」で支えられていることを、本人が最も強い言葉で示した形になっているのである。
2月11日つくばでの空手全国大会「OYAJIバトル」アンバサダーの意味

頸椎損傷のニュースが生々しさを残す中で、大仁田は2月11日に茨城・つくばカピオメインアリーナで開催される第9回東日本空手チャンピオン王座決定戦において、同時開催されるOYAJIバトルのアンバサダーとして登場した。大仁田がアンバサダーを務める「OYAJIバトル」とは、40歳以上の空手選手による全国大会であり、本気で戦うオヤジ達の姿を少年少女に見せたいという主旨で、一般社団法人空手道中山道場の中山祐一師範が立ち上げたもので、2025年度の最終戦となった本大会はトーナメント戦で行われたという。
大仁田は表彰式のプレゼンターとして登壇し、年齢別のクラスで精いっぱいの勇姿を魅せた選手を称え、そこで発した言葉が、大仁田という存在の現在のモードを端的に表している。大仁田は「皆さんの姿からパワーをもらえます。自分は、来年古希電流爆破をできるよう、頑張ります。皆さんもケガに気をつけて続けてください!」と話し、空手の舞台に立ちながらも、最後は自分自身の次の挑戦、しかも「古希電流爆破」という極めて大仁田らしい目標へ接続させてみせた。ここには、格闘技という枠を越えて「闘う人間の熱量」を受け取り、それを自分の明日の燃料に変えるという、現役としての生々しい循環があるのだと感じる。
さらにこの場では、OYAJIバトル・ロイヤルマスターズ(60~64歳の部)で優勝し本日で引退すると言う川島浩幸さんが「OYAJIバトルに参加してみたら、楽しくてやみつきになりました。みなさん!楽しく元気にこれからも続けてください!」と語っているが、大仁田の立ち位置は、その引退の言葉をただ飾る役ではなく、年齢と闘いながら前へ進む人々を現場で受け止め、称え、そして自分もまた同じ方向へ進むと宣言する「同伴者」のように機能していたのである。
それでも闘える場がある価値を語った大仁田厚の現実

大会後、大仁田は年齢を重ねた身体の現実を隠すことなく言葉にしながら、それでもなお闘い続ける意味を、具体的な負傷や手術歴にまで踏み込んで語っている。大仁田は「年を取ると、体が思うように動かなくなる中、それでも自分の限界と向き合って戦える場があるのは素晴らしいことです。俺も、首はケガするし、両膝は人工関節だし、両腕にもチタンプレートが入っている。それでもまだプロレスができることがうれしい!まずは2月22日名古屋の、反省したことがない大仁田反省会!翌日は堺でプロレス!まだまだ頑張ります」と目を輝かせた。
ここで大仁田が強いのは、痛みや損耗を「だから無理はしない」という結論へ流さず、「それでもまだプロレスができることがうれしい」と肯定の核を置き、直近の日程まで具体的に挙げて未来を固定している点であり、首の負傷を抱えながらも、2月22日の名古屋でのトークイベント「反省したことがない大仁田反省会」、そして翌日の堺でのプロレスへと、生活の速度を落とさずに繋げていることが、そのまま大仁田の生き方の説明になっている。
