[ファイトクラブ]鷹の爪大賞2025~今年はプロレス元年となる来年への礎だった

[週刊ファイト12月11日期間] [ファイトクラブ]公開中

▼鷹の爪大賞2025~今年はプロレス元年となる来年への礎だった
 by 安威川敏樹
・安威川敏樹が選ぶ鷹の爪大賞2025は棚橋弘至
・他団体との交流に積極的だった棚橋弘至
・時代に逆行するレスラー兼社長から、社長業に専念する来年に期待
・社長およびUJPW理事に専念しなければならないほど課題が山積み


 今年も残すところ1ヵ月となった。プロレス・ファンにとっての暮れとは紅白歌合戦や第九ではなく世界最強タッグ決定リーグ戦、そして鷹の爪大賞である。
 筆者の希望的観測ではあるが、来年の2026年はプロレス元年となるはずだ。そして、そのターニング・ポイントとなったのが2025年だったと振り返る時が必ず来る、と信じたい。

▼鷹の爪大賞2024、安威川敏樹編~来年への期待も込めて

[ファイトクラブ]鷹の爪大賞2024、安威川敏樹編~来年への期待も込めて

安威川敏樹が選ぶ鷹の爪大賞2025は棚橋弘至

 さて、安威川敏樹が選ぶ2025年の鷹の爪大賞は、棚橋弘至を推す。選考理由は、棚橋が来年の日本のプロレス界におけるキーパーソンとなるに違いないと考えるからだ。その前兆として積極的に活動していたのが今年である。
 ご存知の通り、2023年の暮れに棚橋は新日本プロレスの社長に就任した。そして来年の1月4日、東京ドームでのオカダ・カズチカ戦で現役引退する予定だ。つまり、今年がレスラー兼社長として事実上の最後の年となる。

 2025年の棚橋は、まず1月4日の東京ドームで引退を賭けてEVILとのランバージャック・デスマッチを敢行。もちろん負けるはずもなく、引退は回避されたが、1年にわたるファイナル・ロードが始まる。
 新日マットで主力選手として活動する傍ら、DDTプロレスリングやプロレスリング・ノアのような他団体とも絡んでいった。7月13日にはドラゴンゲートにとって年に一度のお祭り、神戸ワールド記念ホール大会にも登場している。

 棚橋は新日の社長でありながら、言わばライバル団体に塩を送ったわけだ。これは、昔の新日では考えられなかったことである。
 以前は新日が他団体と絡んだとき、必ず新日が優位になるよう仕向けていた。あわよくば、その団体を潰そうとしたことさえある。その犠牲になったのが国際プロレスであり、UWFインターナショナルだ。

 だが、棚橋の行動にそんな野望が感じられないのはなぜか。これは新日が業界内で独走しているという余裕もあるのだろうが、棚橋が思っているのは他団体との共存共栄に違いない。
 そして何よりも、日本のプロレス界を考えてのことだろう。ライバル団体同士の競争は必要だが、足の引っ張り合いはプロレス界にとってマイナスにしかならない。以前のプロレス団体は業界内で敵を出し抜くことしか考えてなかったが、もうそんな時代は終わった。というより、プロレス界が危機的状況とも言えるだろう。

時代に逆行するレスラー兼社長から、社長業に専念する来年に期待

 2026年の棚橋は、新日の社長業に専念することになる。言うまでもなく、昔から日本のプロレス団体はエース・レスラーが社長も担ってきた。力道山しかり、ジャイアント馬場しかり、アントニオ猪木しかり、である。しかも彼らは、プロレス団体のオーナーでもあった。
 だが、これは他のスポーツ界では考えられないことだ。例えるなら、大谷翔平がロサンゼルス・ドジャースの投手兼打者兼オーナー兼球団社長の四刀流を務めるようなものである。

 21世紀に入り、さすがに日本のプロレス界もメジャー団体は他企業を親会社とするケースが増えてきた。やはり経営のプロによる運営でなければ、プロ・スポーツ・ビジネスは成り立たなくなってきたのだ。
 その流れを作ったのが、他ならぬ新日本プロレスである。当初は新日の子会社化と、背広組による経営に反発が大きかったが、現在ではブシロードが親会社であることに異論を唱える意見は少ない。

 だが、2023年に棚橋が新日の社長に就任した時は、時代の流れに逆行することになると思い、筆者は否定的だった。しかし、レスラー兼社長であるのは実質2年間だけで、来年からは社長業に専念する。
 元レスラーで、プロレス団体の社長になった例としては日本プロレスの芳の里淳三、そして新日の坂口征二らがいた。日プロ最後の社長となった芳の里はともかく、坂口が社長だった時代は新日の経営が最も安定していたと言われる。

 このあたりがプロレス経営の難しさで、いくら経営のプロであろうとプロレスのことを全く知らない人が社長になったら、プロレスラーの気持ちを汲めずに失敗することが多い。
 プロレスラーも『受け身の取れないヤツ』のことは信用しない傾向にあり、様々な妨害に遭って、結局は経営のプロの方がギブアップしてしまう。

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