[週刊ファイト11月6日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼ ペルセフォネ女子アマゾナス2025優勝コグマ葉月メキシコ遠征密着
(C)CMLL/Alexis Salazar/Andrea McCormick 泉井弘之介
・葉月、コグマCMLLメキシコ遠征レポート!アレナメヒコ大会から話題の中心となりそうだ
・メキシコ旋風:葉月&コグマがルチャ初体験-現地TV出演&記者会見で存在感
・葉月&コグマ、CMLLデビュー戦で勝利 アレナメヒコを熱狂に包む
・アレナコリセオ沸騰:葉月&コグマが同時フォールで圧勝 FWC旋風止まらず
・FWC止まらぬ快進撃:アレナメヒコで3連勝 メキシコファンがブーイングで認めた実力
・FWC快進撃続く:葉月&コグマがプエブラで4連勝 テッサ&スカディを撃破
・世界のFWC:葉月&コグマがグアダラハラ制覇 無敗のままグランプリへ突入
・CMLLグランプリ前日会見:葉月&コグマ&中島翔子が参戦意欲語る “日本勢躍進”の気配
・スターダム岡田社長がCMLL本部で会見:葉月&コグマの活躍が実を結ぶ業務提携
・女子アマゾナス2025メキシコ選抜チーム勝利
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葉月、コグマCMLLメキシコ遠征レポート!アレナメヒコ大会から話題の中心となりそうだ

15日(現地時間)、葉月とコグマがメキシコ入り。両者は「Grandprix de Amazonas2025」に日本代表でエントリーされているが、それに先立ち、今週よりCMLLのサーキットに参戦。17日のアレナメヒコ大会にて、メキシコマットデビューを果たす。
初日は空港でインタビュー収録を行なった後、スタジオへ移動し、CMLL情報番組の「CMLLインフォルマ」に出演。最初にアレナメヒコの感想を聞かれたコグマは「めっちゃ大きくて、あんな規模の会場で試合をしたことがないので17日がとても楽しみ」と、胸を躍らせる。
葉月はCMLLへの参戦について、「CMLLという大きな舞台に立てることはうれしいんですけど、葉月という選手一人の存在がまだまだ知られていないと思うので、この機会を存分に生かして、多くの人に広めたいなって思っています」と今回のツアーでの目標を掲げた。

また葉月は、来墨前の11日はスターダム後楽園大会にて、コグマからCMLL日本女子王座を奪取。「コグマがベルトを取ったのがアクシデントというのもあるので、チャンピオンでいていいのかなという不安もあったと思うので、自分は名乗りを上げたんですけど、(アメリカの)SPARKのベルトを持っていて、次はCMLLが取れる可能性が出てきた。今まで二冠を巻いたことがないので、このチャンスを自分がモノにしないといけないなって思ったし、普段タッグで組んでるコグマだからこそ、シングルで見せれるものがあるのかなと思って11日の試合は思いっきり戦いました」と盟友・コグマとのタイトル戦を振り返った。
今回、グランプリ参戦に際し、コグマは「私はスターダム代表で来ているんですけど、ルチャのいろんなことを経験したいし、やりたいです。いろんなことを吸収して、日本に帰っても、ルチャをやりたいなって思います」と思いを語りつつ、「たくさん楽しんで吸収してそして私が優勝したいと思います」とグランプリ制覇を意気込んだ。
また、現在欠場中のダーク・シルエタに関する質問が飛ぶと、葉月は「自分としても現王者として、やらなきゃいけないと思っているので、シルエタが完全復活したら、私はこの赤いベルト(CMLL日本女子)を賭けて戦いたいと思っているし、そのためにも完全復活してほしいなと思います」とエールを送った。
こうしてメキシコのファンへ番組を通じて挨拶を行った葉月、コグマ。17日のアレナメヒコ大会から話題の中心となりそうだ。



メキシコ旋風:葉月&コグマがルチャ初体験-現地TV出演&記者会見で存在感

10月16日(現地時間)、メキシコ2日目となる葉月、コグマは前日に続いて精力的に活動。午前中は女子のルチャ練習に初参加。ウルティモ・ゲレーロ指導のもと、ルチャドーラたちに加わり、本格的なルチャ練習を教わった。
終了後、葉月、コグマに対してメキシコのメディアによる共同会見が開かれた。葉月、コグマへの関心の高さを示すように、新聞、雑誌、ニュースサイトなど約20社のマスコミが参加した。



主な質問と回答は次の通り。
――昨日の「CMLLインフォルマ」でお二人はメキシコのスタイルを吸収したいといってましたが、どんなものを学んだり、やってみたいと思いますか。
葉月 日本では、タバタやシルエタだったりと、ちょっとだけルチャの選手と当たっただけで、本当に一部に過ぎなかったと思っています。ルチャって本当にいろんなテクニックが必要だと思うので、メキシコにいる機会の間にすべての経験を日本に持って帰るくらいの勢いで過ごしたいと思います。
コグマ 私のルチャに対してのイメージは回る、飛ぶというイメージがあります。私は飛ぶことが好きなので、いろんなところから飛びたいなって思っています。
――メキシコで1対1で戦うとすれば誰と戦いたいですか。
コグマ ダーク・シルエタともう一度試合をして、今度こそ決着を着けたいと思います。
――これまで日本でタバタとは対戦済みですが、メキシコには様々なタイプの選手がいます。彼女たちとどんな戦いをしていきたいですか。
葉月 今まで日本で経験してきたちょっとしたルチャというのはなかったかのように、一回気持ちの中でリセットして、新しいものをすべて吸収していきたいなと。日本に来日してくれて戦った選手から得たものはまだまだ一部に過ぎないと思っているので、どんな選手とも戦ったものを吸収していきたいです。
コグマ 17日アレナメヒコはベテランの選手、18日のアレナコリセオは新世代の選手、とそれぞれ異なるタイプの選手たちとの対戦と聞いています。どっちもタイプが違う選手だからこそ、私は楽しむしかないです。ベテランと言われている人たちがどれだけすごい技を持っていて、それを食らうのか、新世代と言われている選手たちがどれだけ勢いがあるのか、それを感じながら楽しみたいです。
――まだお二人は試合していないですが、実際にルチャと接してみての感想をお願いします。またこれからもメキシコに来てみたいと思いますか。
葉月 そうですね、先ほどルチャの練習に初めて参加させていただいて、吸収しなきゃいけないことが多すぎると実感したので、何回もメキシコに来て、もっともっと知りたいなと思います。
コグマ 私も今回は試合が中心だと思うんですけど、もし次に来れるなら毎日練習したいなと思います。ルチャって学ぶことがたくさんあって一回じゃ覚えきれないので、何回も練習して自分のものにしたいので、次来る時があれば長期で来たいなって思います。
――ルチャリブレとメキシコそのもので、それぞれ好きなことを教えてください。
葉月 ルチャといえば、飛んだり跳ねたり、つねにメリーゴールドのように回転しているイメージがあって、それがとても華やかに感じます。メキシコはタコスやステーキが有名と聞いているので、それを食べてみたいのと、あとこれからの期間が死者の日になると聞いているので、町がどのように変化していくのか、それが楽しみです。
コグマ ルチャはマスクマンがたくさんいるので、いろんな衣装が見れるし、マスクが見れる。マスクマンって素顔がわからないのでヒーロー感があります。だから、そのなかでお気に入りのマスクを見つけたいなっていうのと、メキシコそのものに関しては街並みが好きです。テレビやドラマや映画で見た街並みと「一緒だー」って思います。
――今日、リングに上がって練習されたと思うんですけど、リングから見た客席の風景はどうでしたか。
葉月 アレナメヒコの広さと客席の数は本当にすごいから、ここにどれだけのお客さんが来るんだろう、どれだけの歓声を浴びるんだろうっていうのが楽しみなのと、通路の上のほうにちっちゃいリングがポツンとあったりして、これもアレナメヒコの当たり前の風景なのかなって思いました。
コグマ アレナメヒコの第一印象は日本の両国国技館と感じが似ているなって。それと客席に傾斜が結構あったので、お客さんは見やすいんだろうなって。でも、見やすいっていうことは見られているということだから、それを意識して試合したいと思います。
――今回、グランプリで対戦するメキシコ選手についてどう思いますか。
葉月 初対戦を楽しみたいと思ったので、あえて事前に何も調べずに来たんですけど、このグランプリは日本人対メキシコ人という国籍的な戦いにもなると思います。グランプリは日本人の優勝者もいないので、私がこのCMLL日本女子のベルトを持っている以上、優勝して「世界の葉月」になりたいなって思います。
――お二人はタッグチームで活躍されていますが、CMLLにも女子のタッグベルトがあります。挑戦してみたいと思いますか。
コグマ タッグはもちろんタイミングが合えば狙っていきたいです。日本ではスターダムのタッグのベルトを何回も巻いている人たちは私たちしかいないし、ほかの団体のベルトも巻いてきたので、もちろん世界のベルトを狙っていきたいです。
――今回のグランプリで日本人は4人いることについて有利だと思いますか。
葉月 まず言語が通じることは有利だと思います。メキシコ人が知っている日本語は一部でしょうし、難しい言葉はわからないと思うので、それは有利に働くのかなって思います。
コグマ あと、元スターダムという括りで白川未奈とテクラの2人がいるので、そこで4人がまとまることも有利だと思います。
――たとえば白川未奈選手が味方だと思っていても敵になることもあると思いますが、そこについては?
葉月 それは頭にしっかり入れて自分たちも戦っていきたいなと。優勝者は一人しかいないので。最初は味方で一緒に戦っていても、後々残っていけば敵にはなると思うので、そこはしっかりと。そして優勝を目指します。
会見後、17日のアレナメヒコ大会で対戦するマルセラも登場し、FWCとのフォトセッションも開かれ、お開きとなった。
その後、アレナメヒコ内にて、メキシコのテレビ局「エスタジオ・デポルテス」の番組に出演。レポーターから「スペイン語の曲で知っている曲を歌ってください」と質問され、「デスパシート」と二人が答え、少しだけ歌を披露する場面も見られた。
そして夜には、プライベートでメキシコで活躍する日本人女性ボクサー・中井麻美から表敬訪問を受けて交流を深めるなど、試合前日から充実した一日となったようだ。
また、FWC絡みのカードとして、発表済みの17日アレナメヒコ、18日のアレナコリセオに次いで、19日以降の3大会についても発表された。
19日 アレナメヒコ 葉月&コグマ&カンジ 対 キラ&タバタ&カンデラ
20日 アレナプエブラ 葉月&コグマ 対 テッサ・ブランチャード&スカディ
21日 アレナコリセオ・デ・グアダラハラ 葉月&コグマ 対 キラ&メタリカ
これにより、17日のアレナメヒコから21日のアレナコリセオ・デ・グアダラハラまで5連戦となることが決定。5日間、メキシコ各地を回り、24日アレナメヒコでの「Grand Prix de Amazonas2025」を迎える。FWCのメキシコでの闘いがいよいよ幕を開ける。

葉月&コグマ、CMLLデビュー戦で勝利 アレナメヒコを熱狂に包む

一夜にして、世界のFWCへ―――。
そんな代名詞がぴたりと来る葉月&コグマのCMLLデビュー戦だった。

デビュー戦は聖地・アレナメヒコのリング。しかも10月はピンクリボン月間ということもあり、この日は女子選手のみの大会となった。女子のみとは言え、通常大会と変わらぬ入りとなり、特別参戦のメルセデス・モネ登場も話題を呼んだ。
そんななか、葉月、コグマはイギリスからグランプリ参戦のため来墨したカンジと多国籍軍トリオを結成。入場はカンジに続いてコグマ、葉月の順でアレナメヒコの巨大スクリーンの影から登場。メキシコ遠征前からかぶり始めたオーバーマスクを、ルチャの殿堂・アレナメヒコでも披露した。
グランプリ前とあって、試合前は対戦相手であるマルセラ、スヘイ、マグニフィカのメキシコ軍へ大きな声援が飛ぶ。いっぽうの多国籍軍には声援半分、ブーイング半分といったところ。喧騒の中、キャプテンである葉月とマルセラが向かい合ってにらみ合う。前日のFWC記者会見後に顔を合わせた両者だが、そのときの緊張感はこの日も変わらず。
いっぽうのコグマは場外に降り、ブーイングの飛ぶ客席へクマポーズを披露する。
キャプテン同士の先発でスタート。腕や足の取り合いからマルセラが早くも逆エビ固めで締め上げる。タックルは互角。ならばと葉月はエルボーの連打からロープ二段目を利用してのアームドラッグ。マルセラもアームドラッグで返す。
続いてはコグマとマグニフィカ。コグマはルチャ教室でウルティモ・ゲレーロから学んだジャベのテクニックを実戦で繰り出す。マグニフィカは投げで応戦。その後、コグマがブーイングを浴びると、あえてそのブーイングを両手で扇動。場内の音量が上がるに従って、座り込んで煽り続ける。日本では考えられないほどのブーイングの音量がアレナメヒコを支配した。

その後、イギリスのカンジが捕らえられ、コグマがカットに向かうもメキシコ軍に捕まり、3人がかりでの合体レッグスプレッドから低空ドロップキックの連携を浴びる。
同じく救出に入った葉月もメキシコ軍に捕まり、それぞれから攻撃を浴びる。そして3人がかりのストンピングを浴びせられる。思わずエプロンにいたコグマは観客席へブーイングを扇動するも、まだこの時点ではメキシコ軍への声援が上回り、反応は薄い。
ここでメキシコ軍が葉月、コグマ、カンジをリングの外へ放り投げるも、いずれもエプロンで着地。そして、それぞれがコーナーに上がり、3方向からダイビングボディアタックの競演を見せる。続けて低空ドロップキックも3方向から放つ。
その後、メキシコ軍の反撃を食らいトリプルフォールされる場面もあったが、3人ともカウント2でキックアウト。ここで標的にされたのは現CMLL日本女子王者の葉月。ロープに磔にされ、さんざんいたぶられる。
さらにマルセラのフェースバスター、スヘイのローキック、マグニフィカの鎌固めと連続攻撃を浴びたが、コグマ、カンジがカットに入る。
カンジがマグニフィカを捕らえドロップキック、葉月がセントーン、コグマがボディプレスと畳みかける。マルセラが葉月を捕らえると吊り天井へ。救出に入ったコグマがスヘイにバッククラッカー。カンジがドロップキックでマグニフィカをそれぞれ場外へ落とすと、コグマがコーナーに上りプランチャでアレナメヒコを舞う。続けてカンジもトペコンヒーローを見せる。
リング上はキャプテンの葉月とマルセラ。葉月がミサイルキック。カウント2。エルボー合戦からマルセラがキチンシンク。さらにダブルニードロップで葉月のお腹へ集中攻撃。マルセラがセカンドロープへ上るも、葉月が蹴りでバランスを崩させるとバッククラッカー。そしてトップロープへ上ると観客を両手で扇動し、歓声を一身に浴びたところでダイビングセントーン。

この一打にマルセラは返すことができず。なんと、実力者であるマルセラから堂々、3カウントを奪い、デビュー戦を白星で飾った。
終了後、互いのチーム同士が手を挙げると、明らかに葉月&コグマ&カンジのほうに声援が集中。これはメキシコのファンがFWCの実力を認めた証だった。デビュー戦としてはこれ以上にない最高の形でのスタートを切った。
「熱狂やばかったよね、何着てもウワーって! 試合勝った後もこのままここにずっといてもいいかなっていうくらいのレベルで」(葉月)
「しかもスターダムで味わえないほどのブーイングをいただきました」(コグマ)
「それはそれでよかったよね。でもこれはこれで最高のデビュー戦にもなったけど、まだ5連戦の残りとグランプリと続くので、最高にメキシコの風を浴びて帰りたいと思います」(葉月)
そう前を向いた葉月&コグマの続くカードは、18日(現地時間)アレナコリセオ大会における葉月&コグマ対サネリイ&メタリカ。ついに純粋のFWCがメキシコで始動する。