[週刊ファイト7月17日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼千両役者とは? 暴れん坊コンビ☆ブルーザー&クラッシャーへの喝采
by みぶ真也 編集部編
ハリウッド黄金期のスターというのは、ゲーリー・クーパーにせよクラーク・ゲーブルにせよ名演技者である必要はなかった。ただ自分流の個性の魅力で一貫すれば良かったのだ。
プロレスラーについてもそれは言え、キャラクターが際立っていればテクニックなど二の次、いやむしろ個性に合わない複雑な技を使っても観客からはそっぽを向かれる。

▼生傷男ディック・ザ・ブルーザー 粉砕者クラッシャー・リソワスキー
ジャイアント馬場は「昔はブルーザー、クラッシャー組、今ならハンセン、ブロディが最強のタッグチーム」と主張したが、まあ、全日が超獣コンビを持ち上げるのは当然としても、ブルーザー&クラッシャーがトップクラスのチームだったことは論を待たない。
一般にタッグチームというのは、超獣コンビのようにそれぞれが異なる個性を際立たせることによりチームワークを見せる。
さらに、BI砲や鶴龍でわかるように、メインとサブのレスラーに役割分担するのも試合の流れを作る一つの方法であり、日本では力道山、木村組以来お馴染みのパターンだ。
ディック・ザ・ブルーザー&クラッシャー・リソワスキーのコンビにはそうしたチームの相対化がない。個性も体格も年齢もほぼ同じ、ファイトスタイルも変わらない。
相手を殴って蹴って踏みつぶす…… 終始、それだけ。

アメリカ本国ではハリウッド・スターと同様、技がなくて華があるレスラーは人気を得る。デビュー当時、テクニシャンで正統派だったフレッド・ブラッシーがネックブリーカードロップ以外の技を封印して噛みつき反則レスラーにシフトしたのも、ダスティ・ローデスが得意技をエルボーに特化してアメリカン・ドリームになったのも賢い戦略だ。
キニスキー ブラジル ブルーザー リスワスキー
ブルーザー、クラッシャーのファイトスタイルが戦略的なものだったかどうか知らない。だが、「飯より好きな喧嘩をやって金が貰える」という理由でレスラーになっただとか、「警官時代はビールを飲みながらパトカーを運転して飲酒運転を取り締まってた」など“いかにも”というエピソードに溢れている。
リング上に立ってダミ声で怒鳴り散らすブルーザー、インタビューのマイクに噛みつくクラッシャー、まさにリングの華だった。