6・21RISE横浜!中村拓己の見所コラムと選手インタビュー

■那須川龍心インタビュー『自分自身試されている1戦だと思うので、期待以上の勝ち方をしてしっかりかまそうと思う』

‐-決戦10日前にガチスパーリングをしていることに驚いたのですが、いつもこんな感じですか?

那須川 今日が試合前、ラストのスパーリングだったんですけど、いつも通りです。

–動きが非常に良いように見えたのですが、ご自身ではどのように感じていますか?

那須川 いつもより動きが良くて、疲労は溜まっているんですけど、キレの具合がピッタリ合ってきて良い感じです。

–具体的にはどんな所が良い感じなのでしょうか?

那須川 減量していて体が軽くなってくるので、そのキレが出てきますし、パンチの威力は落ちるんですけど、その分キレが出てきたかな。

–今回はISKAの世界タイトルがかかった試合で、試合時間が3分3ラウンドになりましたけど、その辺りはどうですか?

那須川 3Rでも良いですけど5ラウンドを経験してみたかった気持ちもあります。

–やっぱり3ラウンドと5ラウンドだったら作戦の組み立て方が違ってきますか?

那須川 そうですね。前に5ラウンドの試合をやった時も1ラウンドで終わってしまったので、今回5ラウンドで決まった時に、“5ラウンド目ぐらいまでに倒そう”っていうプランを自分の中で立てていたのが、3分3ラウンドに変わってしまったので、プランは違ってきますよね。

–そのプランというのは綿密に立てられている感じですか?

那須川 綿密にプランを立てる感じではないですけど、漠然としたイメージで5ラウンドを戦ったら自分がどうなるのかを知ってみたかったですね。

–ちょうど3日前にはお兄さんの那須川天心選手がボクシングで世界前哨戦をクリアしましたけど、良い感じでタスキを渡された感じはありますか?

那須川 そのタスキを受け取ったからには繋げないといけないですね。今までそうやって繋げてきたので。それと今TEPPENが良い流れで来ているので、その流れにも乗りたいしっていう感じです。

–天心選手は試合後に、龍心選手へエールを送ってくれましたか?

那須川 エールは特になかったですけど、目の前でパンを食われましたね。笑

–ちなみに何パンを食べられたんですか?

那須川 自分の所にタイ人のトレーナーがいたんですけど、その人が地元に帰ってしまって、そのお見送りの時に、地元に有名なパン屋さんがあるからそこに寄って帰るわって言って、パンを買って来てそのパンを目の前で食われました。“こいつマジか”って思いましたよ。

–現在の体重は何kgくらいなのでしょうか?

那須川 今の体重は、朝に起きて残り5kgくらいですね。

–それは予定通りの体重ですか?

那須川 はい。タイトルマッチの時から減量のトレーナーにもついてもらって、それの通りにやっているので、今順調です。

–相手の階級がちょっと上だったと思うのですが、ご自身でフィジカルトレーニングなどの対策っていうのはやってきたのでしょうか?

那須川 対策っていうのはないですけど、普段からTEPPENで階級が上の選手とやっているので、今日2ラウンド目にスパーリングした選手も57.5kgで戦っている選手ですし、そういった選手とかと普通にやっているので問題はないですね。あと今回2週間タイでトレーニングをやってきたんですけど、そこの選手がほぼ階級上の選手で、そことも普通にやってきたので、全然問題はないかなという感じです。

–そのタイでの練習はどこのジムでやられていたんですか?

那須川 パタヤのヴェノムトレーニングキャンプという所ですね。

–じゃあMMAの選手とかもいたんですか?

那須川 いました。

–そういう選手ともスパーリングはやってきましたか?

那須川 やりました。結構野生的な動きというか、自分の意識している間とかリズムとかを無視して入ってくるので、本当に経験しておいて良かったなと思います。

–何が1番勉強になりましたか?

那須川 今やっている自分のリズムですかね。日本人のリズムと海外の選手のリズムとか戦い方が全然違うので、そこを試合で初めて経験するのではなくて練習で経験できたので、そこが大きかったですね。

–先ほどの天心選手の話で、天心選手が昇竜拳(ジャンピングアッパー)を出していましたが、ご自身では今回の試合で何か出したい技などはありますか?

那須川 ちょっとやってみたいなと思いましたね。自分は「はじめの一歩のカエルパンチじゃん」と思って、やってみたいなと思ったので、何かやります。

–天心選手がボクシングで「パンチ力がない」など色々言われて、本人も反省するような所があったと思うのですが、キックボクシングではパンチでKOする試合も多くあったと思います。お兄さんのパンチ力に関しては龍心選手はどのように思っていますか?

那須川 ないわけではないと思うんですけど、(キックボクシングでは)蹴りがあってのパンチだし、パンチがあっての蹴りなので、そこを制限されてパンチだけとなると、どうしてもディフェンスもしやすいですし、そこからどう当てていくかという工夫が必要なので、天心はそこに苦戦しているんじゃないですか。だから上手く打ち抜けないというか、ミートできていないと思うので。そこが自分は全く分からないので、天心がそこの技術を上げていけばもっともっといくんじゃないかなと思います。

–龍心選手は今4連続KO勝利をしていますが、ご自身のパンチ力をどう思っていますか?

那須川 タイミングだと思っているので、別にパンチ力があるわけではないと思うんですけど、パンチ力があると思っちゃうと、どうしても試合中に力んでしまうので、そこはパンチ力があると思わないようにして、タイミングで倒す意識をしています。

–SNSの方でお兄さんと同じように日記をつけていると思うのですが、ご自身に何かプラスになる事はありますか?

那須川 日記に書くことによって、練習していた時にどう思っていたとか、普段の日常からすごく目を向けられるようになりました。それで振り返る時間も自然とできるので、自分の身にもなりましたね。

–試合前のこのタイミングでタイに練習に行くというのは、今回が初めてですか?

那須川 初めてですね。

–ギリギリまでタイに行っていた感じがしたのですが、その辺りは調整方法が変わったりして不安などはありませんでしたか?

那須川 めちゃめちゃ不安でしたよ。そこで減量をしなければいけないですし、せっかくの美味しい料理も食べれないし、「うわー」ってなりましたね。だから今度は試合がない時期に練習で行こうかなと思っています。

–それでもこのタイミングで行こうと思ったのは、やっぱり対外国人選手に慣れるという事が、1番の理由でしたか?

那須川 そうですね。タイミング的にもここしかなかったし、TEPPEN GYMには色んなタイプの選手がいるんですけど、今回の相手選手みたいなタイプが全くいないので、今後も役に立ちますし、経験するなら今のタイミングがベストなのかなというのがありました。

–ヴェノムのチーム的にはタイ人はほとんどいないですよね?

那須川 いなかったですね。

–多国的なチームだと思うのですが、色んなタイプの人と練習できましたか?

那須川 ダゲスタンの選手だったり、ジョージアの選手だったり、どこの国か分からない選手とかともやりました。

–今回の対戦相手も、ある意味何をやってくるか想像がつかない所もあるという点では、そういった人たちと初見で肌を合わせたというのが良い経験になりましたか?

那須川 タイに行った初日に練習をして、全然リズムが違うということに面を食らったので、それを経験できたというのはめちゃくちゃ良かったです。

–ナビル・アナン選手とかもいましたか?

那須川 いましたし、その弟もいました。

–一緒に練習はしましたか?

那須川 ナビルとは練習しなかったですけど、その弟とはマスをしましたね。

–今回の試合に関しては、初のビッグマッチでのメインイベントというところで、改めて試合が近づいてきた今の心境はいかがですか?

那須川 試されているなっていうのは正直なところで、“今後こいつをメインで使えるのか使えないのか”っていうのがRISEからの試練なのかなって思いました。やっぱドSなのは一貫しているなと思います笑。

–ガチな感じがしますね。

那須川 RISEも今『RUF presents 200万総取りトーナメント“GACHI!!”』をやっているじゃないですか。やっぱりガチだなって思いますね。

–キャリア的にも天心選手がISKAのタイトルに挑戦した時期と被ったりしていて、“こういう試合を受けていく時期だ”という自分の中での位置付けやテーマを持っていたぐらいのタイミングでしたか?

那須川 天心が獲ったタイミングと近いですし、天心が初めてISKAの試合を経験した時に、試合後に救急車で運ばれていたイメージがあるので、「今回は何があるか分からないぞ」って自分の中で強く思っています。そこの危機感は強く持っているので、見ておいて良かったなと思いました。

–今回は初参戦の外国人が相手というところで、日本人対決とか皆んながよく知っている選手とやるメインとはちょっと違って、龍心選手的にも本当のメインというようなシチュエーションになりました。その辺りについては「自分でも敢えて背負って戦う」もしくは「あまり考えないようにしている」という、どちらの考えでいますか?

那須川 今までの相手が、日本人のお客さんにも結構名前が知られていて、そこに「那須川龍心は通用するのか」という位置付けだったと思うんですけど。今回の相手は全く知らないので、自分の実力もそうですし、“見せ方”というか「どんなやつか分からない相手に、どう見せられるのか」が試されていますよね。本当に戦いですね。色んな戦いがあります。

–良い意味で皆の期待を裏切るようなパフォーマンスをやってみせて、龍心選手の言われている“革命”とか、もっとRISEを変えていきたいとか、もっと自分の高みを目指していきたいという感じですか?

那須川 やっぱり期待を超えていかなければいけないですし、期待以下の試合というのは自分でもしたくないです。倒すのが全てではないですけど、倒した方が見え方も分かりやすいですし、どう倒すかっていうのは今回の鍵かなと思います。だけど自分のパンチ力は過信せずに、タイミングで倒しに行こうかなと思っています。

–RISEも6月と8月にビッグマッチがあって、RIZINやお兄さんのボクシングとか、色々格闘技のビッグマッチがありますけど、その中でも自分の試合でインパクトとか自分の存在を見せたいという気持ちはありますか?

那須川 51.5kgでの試合はこれが最後かなと思っているので、これを獲って階級を上げて、どんどん上の選手に挑戦していって、年内には53kgのベルトも獲りたいと思っているので、それに向けての1戦かなと思っています。

–タイにいる時に風邪を引かれたと聞いたのですが、どのタイミングで引かれたのですか?

那須川 先週の金曜日の練習終わりぐらいに風邪を引いたんですけど、月曜日がラストの練習だったのに、それも出れず、帰る日までずっと風邪を引いていて。帰国してから2,3日くらい復帰するまでかかったので、1週間くらい風邪を引いていました。

–それは不安になる環境でしたね。

那須川 減量をして免疫が下がって、しかも慣れない場所でっていう最悪のコンディションが重なっている中で、寒暖差もあったので、急な風邪でしたね。

–それを踏まえて今日のスパーリングを見ると、完全に治った感じがしますね。

那須川 風邪は完全に治ったので、そこの不安はないですけど「もしかしたらコロナじゃないかな」という不安があったので、日本に帰ってから速攻で検査をしに行って、陰性だったので安心しました。「もしかして試合欠場もあり得るかも」とか想像して不安でした笑。

–そんな中で天心選手のカエルパンチの時に、天心選手が「もうちょっと自由に戦っていった方が良いんじゃないか」という話をして、龍心選手も意気投合していたと思うのですが、その辺りはどうでしたか?

那須川 試合終わりに控室で天心と会って、色々話して「遊びを入れたほうがリズムが出てくるよね」って感じだったので、俺もそうなのかなと思ってやってみたら、遊びを入れたりした方が自然と力も抜けて力みが取れるので、そういうのは兄弟なので感覚が一緒なんだなと感じます。

–ふと見ると、襟足が長くなってきていますが、これは天心選手の髪型に寄せていっているのでしょうか?

那須川 結構それは言われるんですけど、ずっと伸ばしてみたかったんですよ。襟足を育成している時に天心もちょうどあの髪型にしていたので、タイミングが被っちゃいました笑。あの髪型にはできないですけど、今回の試合では短くしようかどうしようかなって悩んでいます。

–また試合の時には違った髪型が見れるかもしれないんですね。

那須川 もしかしたら短くするかもしれないですし、長いままかもしれないです。

–天心選手が言っていた「遊んだ方がいい」というのは、天心選手が自分自身に向けて発言した言葉だったんですか?

那須川 天心と話していて「やっぱり遊びに行った方がいいのかな?」って聞かれたんですけど。僕は、僕とマスとか対面シャドーをやっている時の天心が1番強いと思っていて、何やって良いのか分からなくなるくらい色々なことをやってくるんですよ。その時ってやっぱり弟っていうのもあるから、ちょっと遊びを入れながらできて気が楽じゃないですか。そういう部分の遊びとかを話していて、「自分はそっちの方がやりづらいかな」っていうのを話しました。

–相手として、そっちの方が良いんじゃないかと言ったわけですね。それをフィードバックして、練習にも遊びを入れた方が良いよと話したんですね。

那須川 そうですね。それで振り返って「自分もやってみよう」と思ったらハマった感じですね。

–龍心選手はお兄さんの髪型をどのように見ていますか?

那須川 あれをカッコいいとは思えないですね笑。けど、めちゃくちゃ似合っていない訳でもないので、ちょっと様になりつつあるじゃないですか。それはすごいなと思いますね。

–“ダサいことをカッコよく見せる”というのがすごいという事ですか?

那須川 あの髪型に自信を持っているじゃないですか。だからそこの度胸はすげーなって思います笑。

–食べ物はささみチーズカツが好きなんですか?

那須川 めちゃくちゃ好きです。

–減量期は食べれていないですか?

那須川 試合が終わった後にいつも食べています。

–今はどれくらいささみチーズカツ断ちしているんですか?

那須川 2ヶ月前くらいから軽く節制し始めて減量しているので、2ヶ月くらいは食べてないですね。

–小さい時からそれが1番好きだったんですか?

那須川 小さい時からたまに出てきたので、それが好きですね。

–会場で天心選手のボクシングの試合を見て、どう思いましたか?

那須川 ボクシングをする能力の安定感が増してきているなと思いました。最初は緊張しましたけど、途中からは安心をして見れたので、安定感が増してきていますよね。

–それが“遊び”の部分の話での梃子になっているかもしれないですね。

那須川 ボクサーとして完成されてきているので、その中に“天心流”をどこに入れるかって話していたので、自分もキックボクシングのスタイルの中に“龍心流”を入れていかないといけないなと思うので、そこは見ていて勉強になります。

–カエルパンチはマスの中で出したりしていたんですか?

那須川 ふざけてやっていましたね。

–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。

那須川 6月21日の試合に来てくれる方々、今回自分が初めての大きい会場でのメインという事で、自分自身試されている1戦だと思うので、期待以上の勝ち方をしてしっかりかまそうと思うので、皆さん応援をよろしくお願いします。


■中村寛インタビュー『煽る気も何もなく、素直な気持ちで何をしたら(笠原に)負けるか分からない』

–今回の戦いの舞台は横浜ですけど、横浜での思い出は何かありますか?

中村 試合の前日の日は焼肉を食べに行く事が多いんですけど、その焼肉がハズレなかったことぐらいですかね。初めて行った所が美味しかったんですよ。今回も計量が終わったら、そこに行こうかなと思っています。

–初めて行くお店はリスクが高いですよね。

中村 銭湯に疲れを取りに行く時があるんですけど、たまにハズレを引くんですよね。お湯がめっちゃ熱いところだけの時はちょっとしんどいんですけど、良い感じの所を見つけたので調べてみたら閉業してました。笑 なので、また新しい所を探して、当たりであってほしいなと思います。

–髪の毛はシルバーに染まっていますが、これは今回の試合のためにその色にされたのですか?

中村 今まで坊主かツーブロックのスキンフェードだったので、5,6年ぶりに髪型を変えるというか。世界トーナメントだからと考えたわけではないんですけど「真っ白にしよう」っていうのがパッと降ってきたんですよね。真っ白の白髪にしていたんですけど、今は色が抜けて水色っぽかったりシルバーアッシュっぽい感じなんですけど、たまには楽しんでも良いなと思いました。

–色的にはシルバーウルフみたいですね笑。

中村 めっちゃ可愛いでしょ。笑 髭も繋いでいた部分を無くして、部分的に残して薄くしてみたんですけど、どう思います?

–似合っています。

中村 評判はめっちゃ良いんですけど、やっぱり黒に帰ってくるなっていうのは自分でも思うし、周りの意見でもあるので、これが見れるのもレアだと思ってください。笑

–今回トーナメントの準決勝を迎えましたが、気持ちは整ってきていますか?

中村 最近は気持ちに整い方もクソも何もないですね。ただその日が来たらしばくだけなので。妙に落ち着いているというか、一定になっている状態なので、これがすごいものを生むと確信しています。何も考えることないので、逆に脳を殺しているっていう感じですね。普段の生活でもあまり何も考えないし、言っている事が変わったりしても、自分を理解してくれている人としか関わっていないので、自分の力だったり自分の心技体の部分を信じてやるだけだと思っているし、差をどんどん広げていく努力はしていますよね。そのための残りの7人がいるので。どっちかと言うと相手側にモチベーションを作ったり、頑張っているかを聞いた方がいいんじゃないですかね。

–世間的には今回の1戦を、RISE対シュートボクシングという団体対抗戦という側面で見る人もいますけど、そこについてはいかがですか?

中村 僕も勝手にRISEを背負っています。1日1日毎分毎秒全て自分の行動や言動を、RISEを背負っている覚悟で生活しているので、勝手に背負わせてもらっていますよね。

–それはTHE MATCHの時と近いシチュエーションですか?

中村 僕も年々成長しているので、マインドの落とし込みどころにはなるんですけど、全てRISEっていう団体が僕の手にかかっていると思っているし、全てシュートボクシングの笠原選手の手にかかっていると思って来てほしいですよね。1個のミスも相手は許されないと思うし、僕も1個のミスをしたら倒れると思っているので。

–勝てば最高の評価を得られると思いますが、負けたら看板を背負っている以上何を言われるか分からないという、リスキーな1戦でもあると思いますが、そこについてはいかがですか?

中村 負けることはないですね。負ける可能性がないので、勝つのは当たり前の事でどう言った内容にするか、どういった差を相手側に叩き込むか。っていうところにしか焦点を合わせていないです。

–世間的な予想としては「笠原選手の方が有利なのではないか」という意見を言う方も結構いるようなのですが、そこについてはどうですか?

中村 そうなんですか?!そんなことあるんですか?でも、俺にしか俺の強さは分からんと思うし、別にそこを何も気にする事とかは全くないですけど、世間も見る目がないんじゃないですか。向こうが勝つって思っているのって、どう考えても無理でしょうって思いますね。煽る気も何もなく、素直な気持ちで何をしたら負けるかが分からないです。チャンヒョン選手と戦って、チャンヒョン選手の気持ちも背負って、あれからめっちゃ進化しているので、比べ物にならないと思うし。相手が頑張って僕の対策をしてきたら、上っ面の技術の部分では噛み合うと思うんですけど、僕には絶対に通用しないですよ。

–対サウスポーという部分ではいかがでしょうか?

中村 でもサウスポーで来るかは分からないでしょ。なのでその日にならないと、どんな動きをしてくるかは分からないし、どう戦い方を変えてくるかも分からないし。そこは臨機応変になんでも対応できるように色んなパターンだったり、色んなものは僕ではなく、僕のチームが対策を練っているので、そのチームを信じていますし、僕は僕の動きをして、プラスでチームの対策を取り入れているだけなので、これと言って“対サウスポー対策”っていうのはないですね。僕、対サウスポーに対して「苦手ですか?」って聞かれることってよくあるんですよ。「左同士だからこう」みたいな浅い会話、僕はあまり分からなくて。左でも条件は一緒じゃないですか。前の手が当たりやすいとか、ジャブ開いている方同士とか。向こうもそうじゃないですか。だから一緒だと思っています。

–そういう発想というのは、やはり中村選手の格闘技のベースが日本拳法にあるからなのでしょうか?

中村 ていうよりかは、空手があるからですかね。空手で死ぬほど、数え切れないほどの試合数をこなしているので。次のポイントになるのが、立ち合いのところで、相手はめっちゃ集中していると思うし、手足の長さだったりとかまともに勝負してこないで自分の距離だけでやろうとしているのは、目に見えて分かっているので、その手の長さや足の長さだったりの細かいところで言うと、日本拳法が自分の良いポイントになっているかなと思いますけど。立ち合いの部分だけですね。

–中村選手の試合の前に、RIZINの札幌大会のメインイベントで木村柊也選手という日本拳法出身の方が出ますが、この選手のことはよくご存知ですか?

中村 知ってはいます。関わりは数回あって、一緒に練習もしていないので、お互いに知り合いって感じですね。今一緒のジムに所属しているとかでもないですけど、志は同じ人かなと。そういう選手かなと思っています。

–日本拳法がベースにあったら、キックボクシングに行ってもMMAに行っても、羽ばたける可能性が高くなるという風に思いますか?

中村 高くはないと思いますよ。日本拳法を頑張って格闘技を職業にしたい人の夢をぶち壊してしまうかもしれないですけど、現実を言えば、日本拳法と格闘技のMMAだったりキックボクシンとかボクシングとかは全く別物なので。バチンと当てて終わる競技なのか、バチンと当ててもパンチや蹴りが飛んでくる競技なのか。やっぱり“効かすと倒す”と“バチンと打ち込む”っていうのと、“プロテクターが付いてるか付いてないか”というのでは、全てが違いますよね。僕は日本拳法の良いところも取っているし、極真空手で死ぬほど体の打たれ強さだったり、パンチ力や持久力とかキック力とかをトップ取るまで物凄いやってきたので。それが日本拳法でも活かされて、日本拳法は4年しかやっていないですけど、パンパンパンとチャンピオンを獲って辞めましたけど。空手は10何年やっているので、そこは日本拳法をやっているからっていうのはないですね。ただ日本拳法でも、死ぬ気で相手を壊しにいってる人間は勝てるかもしれないです。

–中村選手もそうじゃないですか?

中村 僕は誰が相手でも“完全にメンタルを折ってやろう”と思ってやっているので、それは競技が変わっても一緒なので、活躍できているんじゃないんですかね。

–先日、大相撲の岸和田場所に行って色々なヒントを得たっていう話も聞きました。

中村 大相撲の協会の方にも応援していただいているので、関わりを持たせていただいているんですよ。大相撲を極めた人の立ち合いだったりとか集中力だったり、気持ちの部分とか心構えだったりとか、色んな事を取り入れるところはありますよね。あとは格闘技って拘ると、ステップを踏むという典型的な固定概念があるんですけど、僕はそれを全て消してやっているので、そういう所では取り入れる部分は沢山ありました。

–この間の大相撲岸和田場所では宇良関の立ち合いとかがあったんですよね。

中村 宇良関がすごいトリッキーな動きを見せていて、体の神経伝達というか連動をしていたので、「お!」ってなったところは帰ってから格闘技に取り入れるためにすぐやりましたよね。

–そう考えたら、極真空手、日本拳法、相撲と色んな格闘技からエッセンスを今の自分がやっているキックボクシングに取り入れているという事になりますね。

中村 この前発売されたFight&Lifeでも僕の記事がありましたけど、前の試合が終わってほとんど無傷だったので、元々怪我していた所を治療しつつ、できる練習をするためにタイで10日間練習して、次に向けたテクニックだったり自分の弱点を消しに行ったりしていました。だからムエタイも全て僕の技術の中に含まれ始めているので、どんどん強くなりますよね。笑

–今回のタイ遠征には、自分の弱点を消すために行っていたという事ですね。

中村 そうですね。どっちかと言うと長所を伸ばすと言うよりかは、長所はもう自分のメンタル次第で完成しているところがあるので、あとは落とさないように磨きつつ研ぎ澄ましていく一方で、弱い部分から目を背けていた部分を去年の9月からずっと見つめ直してやっていたから、1回戦ではどんな状態であれど、“圧倒して勝つ”っていうのはできたかなと思います。「絶対に俺が勝つでしょ」って言ってますけど、油断もしていなければ笠原選手を弱いと思ってもいないので。それにちょっとでも差を離していくために、そこと向き合ってやり続けています。

–中村選手の話を聞いていて、ワイルドに見えて実は細やかで色々な事を考えながら調整しているように見えるのですが、ご自分ではいかがですか?

中村 生活はワイルドですよ。でも格闘技はワイルドさだけでトップにはいけると思うんですけど、“トップで居続ける”のはできないと思っているので、僕はトップで居続ける人間なのでまた一つ進化するためにっていう所ですよね。口だけだったらなんぼでも言えるので、試合の日に見てもらえたら分かります。本気を出させてもらえたらありがたいなとは思います。

–もう一方の準決勝は気になりますか?

中村 気にはしていないですけど、知ってはいます。

–当日も自分の試合だけに集中して、そっちの試合に注視することはなさそうですか?

中村 そりゃそうでしょ。皆そうだと思いますよ。

–トーナメントに出る選手は勝った方を気にしてると言いますよね。

中村 僕は全く気にしてないですよ。だって他のこと気にしていたら相手に失礼でしょ。フルパワー以上で倒しにいきますよ。

–あと最近は減塩生活にトライしたと聞きました。

中村 それ誰から聞いたんですか?

–SNSに上がっていました。

中村 最近気分で動きすぎて覚えてないな笑。

–どんな効果があったんですか?

中村 減塩生活では、必要なビタミンとミネラルは摂っていますけど、そういうのって心とか気とかが大事だと思うので、そういうのがストレスに変わらずに自分から進んでストイックと言われているようなものにできているので、普通に楽しくできています。めっちゃストイックだと思っていた食事も普通になって、その中でどうやったら美味しくなるかを考えて作ったりするのも楽しかったりしていて。そうするとクオリティは良いし塩分が低くなっていって、素材の味も楽しめています。だから野菜とか肉とか「これは美味いで!」っていうのがあったら皆んなに教えてもらいたいです。

–減塩料理を教えてほしいんですね。

中村 減塩というか、素材だけだったら減塩も何もないじゃないですか。逆に何かあれば送ってもらって買いたいぐらいです。素材のありのままをどう楽しめるかを最近考えたりしていて、だから蒸し料理をすると気分的に外食っぽくなるので、それを楽しんだりしています。

–苦しみの中に楽しみを生み出している感じがしますね。

中村 自由を求めてはいるんですよ。不自由だから自由を求めているのかなと思うし、自由になったら人生が面白くないと思うので、不自由でこそ正解かなと最近は思っています。その中で“不自由をどれだけ充実させるか”だなと思っているので、そういう意味では試合に対してもハングリー精神が剥き出しですよね。

–そうすると決戦の時だけ不自由な鎖を解き放つという事ですね。

中村 そうです。僕が無名の時とかお金がなかった時の私生活が物凄い苦しかったんですけど、すごくハングリー精神が剥き出しで捻くれていたんですよね。悪い意味ではなく、そう思えたのも今その感覚が戻ってきているからなんですけど、今物凄いハングリー精神が剥き出しなので、多分すごいですよ。それが言いたかっただけです。物凄いハングリー精神が上がっていて「なんでこんな所に出なあかんねん。俺はもっとでかいやろ」っていうのを結果で見せてやろうって思いながらずっとやっていたので、その余計な邪念がなかった時にカムバックしている感じなので、めっちゃ楽しみにしておいてもらえたらと思います。当日はギラギラしていますよ。

–前回の仕留め切れなかったチャンヒョン戦は反省したんですか?

中村 反省しました。「あそこでこういったら」とか「この時にこういう風な気持ちになっていた」とか。当日も寝れなかったですし、当日にすぐ反省し始めて次に向けてやりつつ、治療も完璧に完治させてっていう感じです。連戦なので、大きい怪我じゃなければ、怪我は誰にでも付きものだと思うので、大きい怪我だけしないように限界までギリギリまで突っ走ります。周りにサポートしてもらって、なんとか体をケアして、F1のピットストップのような事をずっとやってもらっていて、「もう1回走ってこい!」みたいな感じで、自分が生かされている今に感謝しています。

–それなのに巷の人たちは笠原選手の評価が高いですけど、そんな人たちに一言お願いします。

中村 それは良いんじゃないですか。否定する気も「何やコラ」って言うつもりもないし。ただそう見えるんじゃないですか?今までの穴だらけの僕を見ていたら、そう見えてもしょうがないだろうし、「噛み合うな」とか「これはいるな」とか思う事はあると思いますよ。 そう思う気持ちは分かりますけど、本質的な所を見たら見る目がないなと思います。自分が1番自分に期待しているし、自分の増している強さを知っているので。僕がこうやって言えるだけで、当日まで皆んなは分からないと思うのでしょうがないとは思います。でも、その意見があるからこそ俺の試合がABEMAで数字がめちゃくちゃ伸びている証拠なので。負けてほしいと思っている奴らも“見とけよ”って思っています。

–RISEのチャンピオンで、相手はシュートボクシングのチャンピオンで、RISEのリングで世界1を決めるために戦う事になりましたね。

中村 あの1回戦を見たら分かったでしょ。完全に僕が逆指名させてもらいましたけど、チャンヒョン選手vs僕が実質の決勝戦だったでしょ。見たら分かるんですけど、どんどん相手は弱くなっていくんですよ。それに対して自分がどれだけ強くなっていけるかなんですよ。自分が油断していったら絶対にどこかで足元をすくわれるので、その自分との戦いをコントロールしないと世界1になる資格はないんですよ。

–対戦相手と相手のバックにあるシュートボクシング協会という、大きいものに対してのメッセージはありますか?

中村 悪いことを言って良いんだったら、笠原選手の入場曲がJ-REXXXっていうアーティストの曲なんですけど。バカ正直にどうこうみたいな歌詞を入れて、気合を入れて「俺は純粋やで」ってフリしてますけど、シュートボクシング自体も汚いんですよ。僕からしたら、何も綺麗な所なんてカケラもないんですよ。正直者がどうとか、皆んなずる賢いから成功している奴ばっかりなのに、シュートボクシングもキックボクシング界も格闘技界もそうやし。言ったら悪いですけど、金とか知名度とか名誉が全てと言われている時点で、頭がおかしいんですよ。俺がそれに対してめちゃめちゃハングリー精神もあるから、言い方はめっちゃ悪いですけど、それだったら俺は金も地位も名誉も全て手に入れてから言いたい事を言ってやるし、“この世の中を正してやるわ”って俺は思っているので。そういう意味では嘘で塗り固められたものを壊す良いきっかけになったので、ぶち壊しに行きますよ。

–今回減量の調子はいかがですか?

中村 1ヶ月前にいつもの試合の1週間前の体重になったんですよ。だからほとんど減量は終わったんですよ。いつも1週間前は66〜67kgくらいなんですけど、それが5月前にはその体重になってクオリティをバッチリ上げているんです。ずっと節制して頑張って蒸し野菜しているので。

–スーパーヘルシーですね笑。

中村 だから減量がないというか、落ち過ぎているわけでもないので、完璧に仕上げにいこうと思っています。

–そこからの方が楽ですもんね。

中村 その方が怪我しても無理して動かなくてもいいし、自分のペースで肩の力も抜けるし、試合モードでそのクオリティで3ラウンドを集中してやるとかも身についていくので、イメージも湧いています。

–あとは軽量に遅刻してこなければ大丈夫ですね。

中村 それだけはいつも心配されるので、引き続き心配していてください笑。


常陸飛雄馬インタビュー『(エン・ペンジェ−は)上手いですけど、面白くない、相手にダメージを与える距離まで突っ込んでいく』

–ニュースを見てびっくりしたのですが、TARGET SHIBUYAに南原健太選手が加入されたんですね。

常陸 そうなんですよ。新しく仲間が増えました。

–大きい仲間が加入していかがですか?

常陸 めちゃくちゃ良い練習になりますね。距離も全然違うので遠い距離の練習にもなりますし、軽く打ってもパワーがすごくて圧力もあるので、普段やっている階級よりも疲れるので、めちゃくちゃ良い練習になります。

–では結構一緒に練習されているんですね。

常陸 ほぼ毎日一緒に練習しています。

–ちょっと前の話になりますが、大相撲を観戦しに行かれていたみたいですね。

常陸 行きました。

–何か影響や刺激を受けたことはありましたか?

常陸 キックボクシングとは違う格闘技というか、スポーツというか。相撲は長くても1分以内なので、一瞬の勝負だなと思いましたね。それを毎日15日間やっているのもすごいんですけど、一瞬の集中力というか、爆発力がある中での駆け引きが面白かったですね。

–その一瞬の駆け引きをキックボクシングに応用できそうな部分はありましたか?

常陸 打って倒れる時は本当に一瞬なんですけど、それを3分3ラウンドでやるのがキックボクシングなので、相撲での一瞬の爆発力は良いなと思いました。

–今回は-61.5kg世界トーナメントの準決勝となりましたが、相手についてはご自分でも「過去一追い込まれた相手」という風に、エン・ペンジェー選手を表していましたよね。再戦するにあたっていかがでしょうか?

常陸 自分の求めるKOでの勝ち筋がめちゃくちゃ見えてきました。そこに対して自分の課題をクリアしていくっていう事を毎日やっているんですけど、修正して良くなってを繰り返しやっていて。上手くいかない日もあるんですけど、それを続けてみんなのおかげで本当に勝ち筋が見えてきた感じがします。

–試合前になると毎回、何か見えてくるものってあるんですか?

常陸 “今回はこれをやっていく”というか、これで倒すという練習をひたすらやっているんですけど、相手に対しての動きの練習なので、最初はしっくり来ないんですよね。それを試行錯誤しながら、色んな仲間や指導者の方にアドバイスをもらいつつ、自分の感覚を信じて完成させていくっていう感じですね。

–試合内容は前回と似たような展開になると思いますか。それとも全く違う展開になると思いますか?

常陸 もちろんそこは全く違う展開を見せられるかなと思います。

–それは常陸選手が前回の1月25日から、さらに成長と進化をしているからそういう風に思われるんですか?

常陸 あの時の自分と全く違うわけではないですけど、あのままいけば前回のような消耗戦になるし、あの時できなかった動きもいっぱいありましたし。新たな動きを練習しているので、それが出せればまた違った展開になりますし、自分ももっとやりやすく戦えると思うので、KOに繋げられるかなと思います。

–エン・ペンジェー選手の1回戦はどのようにご覧になられましたか?

常陸 やっぱり上手いですけど、面白くないですよね。あれをやられたら自分も面白くないですね。レダ選手側で見ていた感じで言うと、プレスというか距離が中途半端だと、毎回エン・ペンジェー選手に上手い感じで膝を合わされて、ストップされて回ってという感じになりますよね。あれよりさらに相手が嫌なところに行けないと、エン・ペンジェー選手は捕まえられないかなって思います。良い意味でも自分は勉強になりましたし、ああいう戦い方をしてくる可能性もあるので、そこは本当に厄介ですよね。

–逆に言うと、その試合を見た事で自分と戦った時とは別のエン・ペンジェー選手の穴が見えた部分もありますか?

常陸 穴というか、自分にはあの戦い方は通用しないぞって思いましたね。

–同じようにプレスをかけてきても通用しないという事ですね。

常陸 そうですね。自分の圧力はもっと出ると思うので、自分も当てられる可能性がありますけど、相手にダメージを与える距離まで突っ込んでいくので、自分にはあの戦い方は通用しないですね。自分とやったら倒しにいくので、つまらない試合にはならないと思います。

–常陸選手と試合をしたら、エン・ペンジェー選手も熱い試合になるという事ですね。

常陸 自然と激闘になると思います。

–もう一方の準決勝でもある、中村寛選手と笠原友希選手の試合について予想する余裕はありますか?

常陸 あまり気にしてはいないですけど、普通にファン目線で面白そうだなっていう感じで見ています。「どっちが勝つんだろう」みたいな。

–では、今のところどちらが勝つか分からないという予想ですか?

常陸 中村選手の仕上がり次第かなと思いますね。やっぱり笠原選手は上手いので、勝ちにこられると結構難しいかなと思う部分もあるんですけど。やっぱりそれは中村選手は自分と一緒で、いけるところまでいけるタイプなので、そこをどこまで踏み込めるか。仕上がり次第で笠原選手が本当に嫌な所に入り込めると思うので、そうなるとまた話が変わってきて、倒せる距離に行けるかどうかが鍵かなと思います。

–ファン目線というか、最後の方は選手目線でしたね。

常陸 自分とエン・ペンジェー選手もそういう構図ではあるので、上手さ勝負だと持っていかれてしまうので。どう自分の戦い方に持っていくかという所が、自分と中村選手の仕上がり次第かなと思います。本当に自分はこの準決勝のエン・ペンジェー選手が1番の山場というか、1番大事なところだと思っているので、丁寧に仕上げています。

–いつも以上に丁寧に仕上げているんですね。

常陸 再戦でもあるので、別々の相手と次戦うっていうよりも、どっちがどれだけ成長したかが分かりやすいと思うんですよね。そこは露骨に出る試合になると思うし、もちろん相手も成長してくるので、自分の成長がどれだけ相手に通用するかが楽しみですね。

–今は調整や減量も上手くいっていますか?

常陸 怪我もなく減量も順調にいっています。

–いつも通りという感じですね。

常陸 いつも通り、着実と試合に向かっていってるって感じです。

–最後に、このトーナメントの準決勝を待ち侘びている常陸選手のファンに向けて、熱いメッセージをお願いいたします。

常陸 6月21日は必ず横浜BUNTAIを爆発させるので、楽しみにしていてください。次戦でとりあえず勝って、必ず決勝に行って優勝するので、楽しみにしていてください。


加藤有吾インタビュー『RISE SUMMER FIGHT SERIESは加藤有吾から始まる』

ー9か月ぶりのRISE参戦となりました

加藤「久々にRISEのリングに帰ってきました。今回はバンタム級(-55kg)ランカーとして強い加藤有吾をファンの皆さんに見せたいと思っています」

ー昨年12月にはONEに出場し勝利しましたが、その試合では怪我もあったそうですね

加藤「試合中に相手のバックヒジで眼窩底骨折を負ってしまって、殆ど何も見えない状態での試合になってしまったので焦りました。ただ、最初にダウンを奪われてから2度のダウンを取り返してKO勝利する過程で、失っていた荒々しさというか闘争本能を取り戻すことができました」

ー闘争本能?

加藤「ここ数年で技術は凄く伸びていたと思うんですが、その中で多少の粗さがあっても相手を倒し切るパンチだったりとか野性的な部分を失っていたのかなという気付きがありました。前回の試合では追い込まれてしまったんですけど、それにより自分が本来持っていた怖さを取り戻せたという収穫もありましたね」

ー今回のRISEでは礼司選手との対戦になりますが、礼司選手は2月のRISEデビュー戦で寺山選手からダウンを奪い番狂わせを起こしました。ハングリーな若手選手相手にやりにくさとかはありますか?

加藤「攻撃力のある選手ですし、ダウンを奪った跳びヒザ蹴りはもちろん警戒しています。ただ今回は加藤有吾の強さをファンやRISEの伊藤代表に見せる試合なので」

ーバンタム級(-55kg)はRISEの中でも特に盛り上がっている階級ですが、その中で改めて存在感を示したいと

加藤「名古屋で王者の大﨑(孔稀)選手が凄い試合をしましたし、自分も今回の試合でKO勝利して上位の選手と戦っていきます」

ー加藤選手はランキング3位ですが王座挑戦に向けて気になる相手は?Xでは1位の大森隆之介選手ともやりあっていましたが

加藤「大森は過去に戦って自分が勝利してますし興味ないです。ランキング1位なのも上手くやってんなと。もちろん今回の試合に集中していますが、敢えて名前を出すなら鈴木真彦選手とやりたいです」

ー2位の鈴木選手を希望なんですか

加藤「RISEに参戦した頃から意識していた選手ですし、ファイター同士でスタイルも似ているので噛み合うと思うんですよね。今回の試合で存在感を示して、年内には鈴木選手との試合を実現させたいです」

ー今回は鈴木選手も同じ大会に出場(第6試合で戸井田大輝選手と対戦)しますし、比べられる戦いにもなりそうですね

加藤「あと今回はRISE SUMMER FIGHT SERIESの開幕戦で自分はその1発目なんですよね。そこで凄い試合を見せて『RISEの夏は加藤の夏』ってところをめちゃくちゃアピールしていきたいです。アンバサダーに蝶野正洋さんが就任しましたし」

ープロレスが凄く好きらしいですね

加藤「格闘技を始めたルーツも新日本プロレスなので。蝶野さんがアンバサダーになったのは対戦カード発表の時に知ったんですが嬉しかったです。蝶野さんと言えば夏男なんですが、ならRISEの夏は加藤だってところを見せていかないと」

ー8月末までシリーズは続きますが、最初と最後が加藤選手になるっていう展開もあるかもしれないですね。最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

加藤「出たいです。久々にRISEのリングに帰ってきました。今回の試合はしっかりKOで勝利して強い加藤有吾が帰ってきたというところを見せたいと思います。RISE SUMMER FIGHT SERIESの幕開けに相応しい試合をして盛り上げるので楽しみにしていてください」

「那須川龍心に試されるメインイベンターの資質。RISEファイターが夏の試練に立ち向かう!」中村拓己さん見所コラム公開!

 この夏、約2カ月間で6大会を開催するRISE。そんなRISE夏の6連戦=RISE SUMMER FIGHT SERIESの皮切りとなる6.21横浜BUNTAI大会はRISEファイターたちが試練に立ち向かう1日となった。

 今大会のメインイベントを任されたのは、現在9連勝中の那須川龍心だ。昨年11月に数島大陸をKOしてRISEフライ級王座に就いた龍心は、今年3月のRISE両国大会ではタイのクマンドーイにKO勝ち。兄・天心が倒せなかったムエタイの強豪をマットに沈めるビッグサプライズを残した。

 そんな龍心にRISEが用意した試合はISKA K-1ルール 世界ストロー級(-51.5kg)王座決定戦。RISEでの王座戴冠からISKA世界王座決定戦という天心と同じ道を龍心も歩くことになる。そしてこの一戦は龍心にとって、様々なことが試される試合でもある。

 今回対戦するハマダ・アズマニは初来日で、フェザー級(-57kg)でISKAの世界タイトルも保持している実力者だが日本での知名度は決して高くない。龍心と数島の王座戦は数島との因縁で注目を集め、クマンドーイ戦は天心を苦しめたクマンドーイに挑むという点が熱を生んだが、アズマニにはそういったストーリー性があるわけではない。

 この試合がビッグマッチのメインイベントに相応しいものになるかどうかは、龍心がどんなテーマを持ってこの試合に臨み、どんなパフォーマンス見せるかにかかっている。龍心自身「今回の試合は『今後この選手をメインで使えるのか使えないのか』という、RISEからの試練だと思う」と“メインイベンター査定マッチ”と位置付けており、競技者として圧倒的な試合と勝ち方が出来るか、そしてプロとしてビッグマッチのメインを締められるか。龍心はメインイベンター、そしてRISEのエースの資質が試される戦いに挑む。

 準決勝を迎えたRISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg TournamentもRISEファイターにとっては試練の戦いだ。一回戦でチャンヒョン・リーを下した中村寛の対戦相手はシュートボクシング(SB)日本スーパーフェザー級王者の笠原友希。笠原は一回戦でパヌワット・TGTを左ストレートで眼窩底骨折に追い込み、文字通りパヌワットを粉砕して勝ち上がってきた。一回戦の勝ち方を見るかぎり、勢いに乗っているのは笠原の方だ。試合としてもRISEとSBの現役王者対決でもあり、中村にとって笠原戦は決勝に勝ち進むための高い壁だ。

 準決勝のもう一試合=常陸飛雄馬VSエン・ペンジェーは今年1月のRISE後楽園大会のリマッチ。前回は常陸が1Rにダウンを奪って判定勝利しているが、ペンジェーの猛反撃を逃げ切っての勝利だった。常陸は5カ月前に苦戦を強いられたペンジェーから再び勝利を収められるか。

 今大会から開幕するGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENTでは伊藤澄哉がペトル・モラリとの初の国際戦に臨み、ワンマッチでは花岡竜がRISEスーパーフライ級王者としての初陣で“マレーシアの天才児”モハメド・ミカイリ・ガザリを迎え撃ち、それぞれの形でVS世界という試練に挑む。

 また鈴木真彦VS戸井田大輝は再起に燃える鈴木にとって一階級上の戸井田に挑む試練であり、戸井田にとっては鈴木というビッグネームを超えられるかどうかの試練だ。前半戦の日本人対決も対戦相手との戦いはもちろん、それぞれの試練との戦いでもある。

 今大会はRISE SUMMER FIGHT SERIESの開幕戦であると同時に、2025年のRISEに向けたスタートともいえる大会だ。それぞれの試練を乗り越えて、その先にある未来にたどり着くのは誰だ!?

■ OURO presents RISE WORLD SERIES 2025 YOKOHAMA
日時:2025年6月21日(土)
会場:神奈川・横浜BUNTAI

<第14試合 ISKA K-1ルール 世界ストロー級(-51.5kg)王座決定戦 3分3R延長1R>
那須川龍心(TEAM TEPPEN)
vs.
ハマダ・アズマニ(アルティメットファイトスクール)

<第13試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kgトーナメント準決勝① 3分3R延長1R>
中村寛(BK GYM)
vs.
笠原友希(シーザージム)

<第12試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kgトーナメント準決勝② 3分3R延長1R>
常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA)
vs.
エン・ペンジェー(仏山温拿拳館)

<第11試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 3分3R延長1R>
笠原弘希(シーザージム)
vs.
ロンペット(W-BEAST GYM)

<第10試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 3分3R延長1R>
伊藤澄哉(戦ジム)
vs.
ペトル・モラリ(Kickboxing fearless)

<第9試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 3分3R延長1R>
アユーブ・ブーラス
vs.
アイトール・クリート

<第8試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT 3分3R延長1R>
ボボ・サッコ
vs.
ヤン・カッファ(ARJ GYM)

<第7試合 SuperFight! -54kg契約 3分3R延長1R>
花岡竜(橋本道場)
vs.
モハメド・ミカイリ・ガザリ(Rentap Muay Thai)

<第6試合 -57kg契約 3分3R延長1R>
鈴木真彦(TEAM 寿)
vs.
戸井田大輝(TOP LEAD GYM)

<第5試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R>
裕樹(ANCHOR GYM)
vs.
北井智大(チームドラゴン)

<第4試合 -61.5kg契約 3分3R延長1R>
GUMP(TEAM TEPPEN)
vs.
髙橋亮(TRIANGLE)

<第3試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
伊東龍也(HAYATO GYM)
vs.
松下武蔵(GOD SIDE GYM)

<第2試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R延長1R>
チャッピー吉沼(TANG TANG FIGHT CLUB)
vs.
安彦考真(Yogibo DATSURIKI GYM)

<第1試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
加藤有吾(RIKIX)
vs.
礼司(楠誠会館)

<オープニングファイト③ ウェルター級(-67.5kg) 3分3R>
財津大樹(TEAM BEYOND)
vs.
琉樺(LA GYM JAPAN)

<オープニングファイト② フライ級(-51.5kg) 3分3R>
水野夢斗(TEAM TEPPEN)
vs.
空龍(ホライズンキックボクシングジム)

<オープニングファイト① スーパーフライ級(-53kg) 3分3R>
小野琥大(TARGET)
vs.
光希(TEAM ONE)

■ RISE189
日時:2025年6月29日(日)
会場:東京・後楽園ホール

<RISE QUEENフライ級(-52kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R>
[王者] テッサ・デ・コム(Fight team Vlaardingen)
vs.
[挑戦者] 小林愛三(NEXT LEVEL渋谷)

<RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!! スーパーライト級(-65kg)一回戦① 3分3R延長1R>
山口裕人(道化倶楽部)
vs.
木村“ケルベロス”颯太(心将塾)

<RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!! スーパーライト級(-65kg)一回戦② 3分3R延長1R>
スアレック・TEPPEN GYM(TEAM TEPPEN)
vs.
ケースケ(HIDE’S KICK)

<RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!! スーパーライト級(-65kg)リザーブマッチ 3分3R延長1R>
野村太一(K’Bスポーツジム)
vs.
森本現暉(猛者連精華支部華一門)

<フライ級(-51.5kg) 3分3R延長1R>
松本天志(TARGET SHIBUYA)
vs.
平山裕翔(TEAM TEPPEN)

<スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R延長1R>
細越竜之介(team AKATSUKI)
vs.
近藤大晟(及川道場)

<フライ級(-51.5kg) 3分3R延長1R>
麗也(team AKATSUKI)
vs.
伊藤琉之助(EX ARES)

<フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R>
寺山遼冴(ARK FIGHT GYM)
vs.
吉田晄成(TEAM TEPPEN)

<フライ級(-52kg) 3分3R延長1R>
Melty輝(team AKATSUKI)
vs.
YAYAウィラサクレック(WSRフェアテックス幕張)

<フェザー級(-57.5kg) 3分3R>
藤井海人(EX ARES)
vs.
羅 粋(TARGET)