BRAVE Combat Federationが世界規模の拡大をさらに加速させる中、2025年5月17日にスイス・ジュネーブの名門アリーナ「アレナ・ド・ジュネーヴ」で開催されるBRAVE CF 94のメインイベントが発表された。Warriors Night Championship(WNC)との共同開催により、スイスはBRAVE CFが大会を実施する世界で36番目、ヨーロッパで17番目の国となる。
メインイベントでは、リトアニアのKOマシン パベル・ダイリドコ(9勝2敗)が、無敗のアメリカ人グラップラー オディ・デラニー(5勝0敗)を相手に、BRAVE CFヘビー級王座の初防衛戦に挑む。
「The Experiment」の異名を持つダイリドコは、6フィート4インチ(約193cm)、244ポンド(約110kg)の巨体を誇り、ここまで5連続フィニッシュ勝利中。その破壊的なパワーと打撃精度で王座を獲得し、BRAVE CF 70では膝蹴りでの衝撃的なKO勝利も記録した。今回は、王者としてリトアニアの誇りを背負いスイスのケージに上がる。
一方のデラニーは、NCAAオールアメリカンのレスリング実績を持ち、プロMMAでは5戦全勝すべて一本勝ち。マルセロ・“ピットブル”・サントスの黒帯を持ち、ブラボチョークやカーフクランクといった珍しい関節技で仕留める柔術の達人として知られる。PTSDとの戦いを乗り越え、メンタルヘルス活動家としても注目を集める存在だ。
この試合は単なる「打撃 vs 寝技」の構図に留まらず、欧州のKO王とアメリカの寝技職人による、まさに異文化格闘技の頂上決戦。ダイリドコが防衛に成功すればヨーロッパ最強ヘビー級としての地位を確立。対するデラニーが勝利すれば、BRAVE CF史上3人目のアメリカ人世界王者の称号を手にすることとなる。
BRAVE CF 94は、「Year of the BRAVE」キャンペーンの一環として開催される2025年欧州シリーズの中核イベントであり、世界中のトップ選手とスイス出身のスター選手たちが多数登場予定。世界中のMMAファン必見の一夜となるだろう。
BRAVE CF 94「ザ・ピープルズ・メインイベント」
ケヴィン・ルアール vs. アフマド・ラバン、ジュネーブで激突へ
BRAVE Combat Federationのスイス初上陸となるBRAVE CF 94において、地元スイスのケヴィン・ルアールとレバノンのアフマド“ザ・シャドウ”ラバンが77kg契約で対戦する。この一戦は、2025年5月17日にジュネーブのアリーナ・ド・ジュネーブで開催される大会の中でも注目のカードであり、ルアールの経験と耐久力が、ラバンの爆発的な打撃力と交錯する見逃せない戦いとなる。
ケヴィン・ルアール(10勝8敗)は、スイスMMA界のベテランであり、その多才さとフィニッシュ能力で知られる。BRAVE CF 31でのイブラヒマ・マネ戦、BRAVE CF 36でのイオン・スルドゥ戦における印象的なKO勝利は、彼が一発で試合を変える力を持っていることを証明した。最近は黒星が続いているものの、ホームでの復活を期し、再びケージでその存在感を示す意欲に満ちている。
対するアフマド・ラバン(13勝6敗)は、“ザ・シャドウ”の異名を持つキックボクシング出身のストライカーで、その創造的かつ俊敏な打撃スタイルが特徴。BRAVE CF 65ではカール・ブースを相手に見事な判定勝利を収め、その適応力と試合巧者ぶりを示した。一方、BRAVE CF 80ではジャック・グラントにサブミッションで敗れたが、それ以降、グラウンドスキルの向上に注力し、MMAファイターとしての進化を続けている。
両者はこれまでに合わせて10回のBRAVE CF出場経験を持ち、幾多の印象深い場面をファンに届けてきた。そして今回、両者はキャリアの分岐点に立たされている。ルアールにとってこの試合は、地元スイスのMMA界を鼓舞する勝利を挙げ、自らのトップコンテンダーとしての地位を再確認する絶好の機会となる。一方ラバンにとっては、キックボクサーから総合格闘家への移行を完成させ、BRAVE CF内での存在感を確立するための重要な試合である。
この一戦は早くも“ファイト・オブ・ザ・ナイト”候補と目されており、「ザ・ピープルズ・メインイベント」の称号にふさわしい期待が寄せられている。ルアールは圧倒的なフィジカルとノックアウトパワーで勝利を狙い、ラバンは独特のステップと多彩な打撃でそれに対抗する構えだ。
「Year of the BRAVE」キャンペーンの一環として開催されるBRAVE CF 94では、14か国からの選手が出場予定。グローバルな舞台で真の実力が試される中、このルアール vs. ラバン戦は、戦略と感情、そして競技精神が火花を散らす一戦となるだろう。
ストライカー vs. サブミッションマスター
ロホレ vs. アブドゥルザコフ、BRAVE CF 94スーパーウェルター級で激突
BRAVE CF 94では、フランスのアレックス“ダ・キラ・キング”ロホレとポーランドのサブミッション巧者マンスール“ボルズ”アブドゥルザコフによる、スタイルの異なる注目の一戦が行われる。パワーvs精密さ、一撃必殺の破壊力vs絶え間ないプレッシャー──MMAファンが夢見る、純度の高い勝負がここにある。
マンスール・アブドゥルザコフ(11勝5敗)は、明確な目的とプランを持ってこの試合に臨む。ロホレを“深い海”に引きずり込み、打撃のリズムを完全に封じる構えだ。11勝中8つを一本勝ちで挙げるアブドゥルザコフは、ポーランドのミハウ・ピエトルザクを2024年6月に三角絞めで沈めるなど、冷徹な精度でフィニッシュを積み重ねてきた。今回の試合は、単なる一戦ではなく、BRAVE CFのグローバルステージでの“お披露目の場”でもあり、サブミッションこそが主役であることを証明する機会でもある。
だが、アレックス・ロホレ(25勝11敗)はその真逆を地で行く存在だ。フランスが誇るノックアウトアーティストは、2024年にマルチン・バンデルとジフコ・ストイメノフをいずれも1R TKOで沈め、その殺傷能力の高さを再び示した。13度のKO勝ちに加え、BAMMAやCage Warriorsといった欧州の主要団体でも実績を残してきたロホレは、立ち技での勝負となれば一瞬で試合を終わらせる可能性を秘めている。
この試合は単なる“グラップラーvsストライカー”ではなく、勝利がキャリアに与える意味を熟知する二人のベテランによる高リスク・高報酬の衝突である。アブドゥルザコフにとっては、ポーランドに新たなスター誕生を告げる試金石であり、ロホレにとっては、自身の遺産を賭けた闘いだ。サブミッションの脅威を封じ、BRAVE CFきってのフィニッシャーとしての地位を確立するためには、何より勝利が必要となる。
両者ともにこの一戦を“ステートメント勝利”にしたいと狙っており、開始直後から火花が散る展開が予想される。試合が最終ラウンドまで持ち込まれる可能性は低く、観客にとっては間違いなく一瞬たりとも目が離せない激戦となるだろう。