■梅井泰成インタビュー
「僕だけの見せ方というのがある、泥臭くても格闘技をジュニアからやっているエリートたちを倒して、安本選手からベルトを奪れば、いろんな人に勇気を見せれる」
–試合まで2週間を切りましたが、コンディションはいかがですか?
梅井 バリバリ絶好調です。
–減量の調子はどうですか?
梅井 減量も今日の朝で(4月9日)あと4kgくらいなので、進み具合も良いし、体の疲労もあるけどめっちゃ動き続けられています。
–先日のELDORADO 2025では志朗選手のセコンドに付いていましたが、刺激は受けましたか?
梅井 志朗さんはもちろんなんですけど、他の試合でも刺激を受けまくりました。
–それはかつての同門である、白鳥選手が戴冠したり那須川龍心選手がKO勝ちした部分になりますか?
梅井 そこが1番ですね。今練習を一緒にしている志朗さんと、龍心であったり大珠さんだったりとかが魅せてくれて、勇気をもらいました。
–勇気のバトンを受け継いだという感じですね。
梅井 勇気のバトンも勝利のバトンも受け継いだって感じです。笑
–志朗選手の試合の翌日には、志朗選手の趣味であるパン巡りにも付き合ったんですよね?
梅井 あれは僕が買いに行っただけです。
–“付き合った”ではなくて“買いに行った”ということですね。
梅井 「ここの場所近いだろ。買ってきて」って言われて、僕も試合前なんですけど買ってきました。
–朝何時くらいからですか?
梅井 そこのパン屋さんは10時半からしか開いていなくて、10時くらいから並んだんですけど、30分前でも人が並んでいたので人気なんだと思いました。
–美味しいパンだと聞きましたけど、一つくらいもらうことはできましたか?
梅井 僕は減量中なのでパンを食べれないじゃないですか、パン断ちしているので「何のために買っているんだろう」って思いました。笑
–小麦の焼けた匂いを嗅ぐのも減量中だと大変ですね。
梅井 だけど僕は匂いを楽しむタイプなんですよ。水抜きする時に付き添いを1人家に呼ぶんですけど、自分が絶対食べれないからその人に二郎系ラーメンを食べてもらったりとかするんですよ。
–すごいマゾですね。
梅井 匂いを楽しんで「食いてえ!」っていうのを楽しんでます。
–今回もそんな感じで最後の一絞りをやるんですね。
梅井 最後に自分がその時食べたいものを食べてもらって、匂いだけもらうみたいな感じです。
–そういう感じでいながらも有井渚海選手の対策はバッチリできていますか?
梅井 やってきている事が繋がっている手応えを先週の後半くらいから感じています。
–フェザー級で戦う有井選手を想像できていますか?
梅井 見た感じはそんなに小さくないじゃないですか。身長も高いし、フェザーで戦うからフィジカルがどうこうとかは別に思っていないです。彼自身が「フルパワーで戦える」と言っていたんですけど、フルパワーで戦ったからといって勝てるほど甘い世界ではないし、そこは勘違いしないでほしいです。
–有井選手が所属を変えてteam VASILEUSで練習している部分については意識されますか?
梅井 色々な所を転々としているイメージがあるので、そんなに大きく意識している事はないです。
–梅井選手も所属を変えた事がありますが、それで自分のリズムやスタイルが変わった部分とかはありましたか?
梅井 それはありますね。自分はニックさんを中心にして練習を組んでもらっていて、それを身につけるまでの時間というのはすごくかかったので、彼がどれくらいteam VASILEUSで練習しているのかは知らないですけど、練習で上手くいっているから試合でハマるよっていうものではないと思うんですよね。
–実戦の難しさですね。
梅井 練習とリングに上がるのでは違うじゃないですか。それこそ“練習番長”と言われるのがあるくらい試合と練習って違うと思うので、そこはあまり意識していないですね。
–先日の会見では有井選手に「フェザー級は甘くない」という事を強く主張していましたよね。
梅井 フェザー級はレベルも上がって層も厚くなっているし、会見で言わせてもらった「ランキングどんだけおんねん」っていう話もツッコミどころ満載なんですけど、僕が1番ムカついたというか何言ってんのと思ったのは、彼は1年前に試合を飛んで音信不通状態だったというのも聞いたし、それで会見という公の場で喋れる機会があるのに何の謝罪もしないであの場に出て、「僕がチャンピオンになったらもっとRISEを盛り上げれると思う」って発言したことですね。“いやいやお前何を言ってんねん”試合を飛ばして盛り上げるとか言える立場ではないでしょって。まずは試合をさせてもらえてありがとうございますじゃないのって。「試合を組まれない間も僕は格闘技と真剣に向き合ってきた」って言ってましたけど、他の格闘家はもっと真剣に向き合っているよっていうとこでしたね。
–“筋を通せ”という事ですね。
梅井 筋が通っていないと思いました。
–その会見でフェザー級のランカーが沢山いるという事もあって、フェザー級の1DAYトーナメントをやるのはどうかという事もぶちまけていましたけど、その気持ちは今も変わっていないですか?
梅井 やった方が皆の文句がないんじゃないかなと思います。実現できるかできないかは別として、上位の選手って下位ランカーと試合をしなかったりするじゃないですか。でもそれって試合をしないと仕方がない事で、今上位にいる人たちも皆んなそうやってきたと思うので、トーナメントだったら逃げれないからやってしまった方が良いんじゃないかなと思います。
–そのトーナメントは梅井選手の考えでは、16人制と8人制のどちらですか?
梅井 伊藤代表も言っていましたけど、16人制の1DAYは死にますね。だから多くて8人かなと思います。それが人間の限界でしょ。笑
–組み合わせは抽選か、上位が枠を優先的に決めれるって感じですか?
梅井 そこら辺は分からないですけど、抽選とかは面白いですよね。
–ではそういった事も今回の試合で勝ったらマイクでアピールしたいですか?
梅井 僕は結局今のチャンピオンからベルトを奪りたいっていう気持ちがモチベーションなので、今のフェザー級の価値の高まったベルトをチャンピオンから奪りたいです。僕だけが納得して挑戦するんじゃなくて、皆んなが納得する形で挑戦したいなっていうのがあるから、トーナメントで勝てば文句はないかなって思います。
–今の話を聞くとモチベーションはかなり高いですから、試合間隔が7ヶ月空いていても問題なさそうですね。
梅井 全部噛み合っているというか、練習環境の空気感とかも皆で意見を出し合っているからすごく良くて。僕もいっぱい言うし、その中でニックさんが昇華して上手く組み込んでくれるので、本当に良い空気でできていてマインドがめちゃくちゃ良いですね。
–最近の梅井選手の試合はいつも激闘で、そのまま突っ切れる時もありますけど、前回の試合のように最後にダウンを喫して逆転負けをしてしまうといったところもありますが、今回はどうですか?
梅井 そこは見直してきたというか作ってきたというか。自分はエリートではないしスター系ではないんですよね。どう頑張ってもそっち路線のタイプの人間ではないと、この7ヶ月間は考えてきました。逆に僕だけの見せ方というのがあると思っていて、泥臭くても格闘技をジュニアからやっているエリートたちを倒して、安本選手からベルトを奪れば、いろんな人に勇気を見せれるんじゃないかなと思っています。だからカッコつけようとか色は出さないです笑。
–最後に梅井選手の再起戦を待ち侘びているファンの皆様に熱いメッセージをお願いいたします。
梅井 今回の再起戦は絶対に強い姿で復活します。自分の中でも約束してきて、自分と向き合ったり自分と対話する時間っていうのがすごくあったので、殻を破る一つのきっかけなんかも見つけました。4月19日は殻を破った梅井泰成を見せます。一緒に勝ちましょう。
■有井渚海インタビュー
「僕は強さも華も魅力も持った、色んなお客さんを引き寄せられる選手になれると思っている」
–フェザー級への肉体改造はどうですか?
有井 今までよりも1番良い練習ができているかなと思っています。階級を上げたので身体的にもパワーや体力も、過去一で仕上がっています。
–自分で日々練習していて、55kgの時とどういうところが1番変わったと思いますか?
有井 普段の練習が落ちていくというよりも上がっていく感じがします。減量で疲れると55kgの時は落ちていっちゃったりするんですけど、今は段々と上がっていっている感じがします。だから右肩上がりでめちゃくちゃ良い感じです。
–いつぐらいから減量に苦しんでいたんですか?
有井 減量はデビューの時からずっとですね。
–最高でどれくらい体重を落とした事がありますか?
有井 12〜13kgくらいですかね。
–その時は死んだような感じで落としていったんですか?
有井 あまり練習に身も入っていなくて、ただがむしゃらにやっていて頭も回っていない状態でした。
–今は頭が回った状態で練習ができているんですね。
有井 そうですね。笑
–新天地のジムはいかがですか?
有井 環境が良くて、世界で戦っている選手たちと同じ空間で一緒に練習しているので、めちゃくちゃ刺激をもらっていますし、自分がまだまだだなとも思えるし、めちゃくちゃ成長できます。
–見ているだけで、同じ空気を吸っているだけで成長できるような感じですか?
有井 一緒にマスはやるんですけどスパーリングはやらないので、見ているだけで刺激をもらっています。
–先日ONEで戦った武尊選手と野杁選手の戦いからはどのような刺激を受けましたか?
有井 今の自分と比べて、ほど遠すぎてすごいとしか言えないです。笑
–昔から憧れていた武尊選手などの練習や試合を見たりして、今の自分とは何が違いすぎると思いますか?
有井 自分もやり続ければそこにいけると思っているので、経験の差ですかね。
–ONEの試合の後、武尊選手が試合前に2ヶ所骨折していたと野杁選手から発言がありましたが、そういった現場を見ていてすごいなと思う部分はありましたか?
有井 普通の人間じゃできない事をやっているのですごいですよね。
–今回は武尊選手や野杁選手からどんなアドバイスを受けていますか?
有井 僕はトレーナーと1対1でやってもらっているので、そのトレーナーにアドバイスをもらったりするんですけど、武尊選手からはアドバイスはまだそこまでいただいていないです。
–トレーナーは渡辺さんですか?
有井 渡辺さんと高萩さんともう1人いるんですけど、その3人で話し合っていつもやっています。
–新しいジムで自分のスタイルとか何か変化した部分はありますか?
有井 スタイルも結構変わったと思います。変わったというか、自分の良いところを組み合わせて良くなってきた感じですかね。今まではパンチだけとか蹴りだけって感じだったんですけど、バランス良く強くなって、自分の良いところをいっぱい出せるようになりました。
–有井選手の試合を待ち侘びていたファンからすると、「お!」とびっくりするようなスタイルになっていますか?
有井 びっくりすると思いますし、自分自身それを試すのが楽しみです。毎日練習行くのにつれて右肩上がりで成長しているのを実感できているんですよね。だから今楽しいです。
–実戦の場に向かうのは1年4ヶ月ぶりになりますが、期待と不安のバランスはどれくらいありますか?
有井 今そこは考えていなくて、やってきた事をやれば勝手に試合を楽しめると思うので、考えすぎるとしんどくなってしまうから、とりあえず今はやれる事をやってその場を楽しんでやろうと思っています。今を生きたいというか、今やろうって感じです。
–対戦相手の梅井選手の対策は仕上がっていますか?
有井 良い感じに仕上がったので、勝手に倒せると思います。
–今のところ倒せるのは何ラウンドくらいを予想していますか?
有井 梅井選手はどちらかと言えばディフェンスに徹底していて倒しづらい選手だと思うので、それをどう攻略するかはその日にならないと分からないですね。自分としてはしっかり倒しに行くつもりでやります。
–試合順はセミファイナルと発表されましたね。
有井 梅井選手のおかげですね。笑 ありがとうございますって感じです。
–試合順は後ろの方がモチベーションは高まりますか?
有井 そうですね、やっぱりあのポスターが嬉しかったです。「良いとこにいるじゃん」みたいな。笑
–ポスターでの自分の写真の大きさやどこに配列されているかっていうのは気になりますか?
有井 めちゃくちゃ気になります。ちゃんと大きく載ったのは今回が初めてでしたね。
–今回のポスターは気に入っているんですね。
有井 気に入っているので家にいっぱい飾ります。笑
–次はもっと大きく、メインイベントでという野望もありますか?
有井 安本くんのベルトを狙いに行くので、今年中に大きくポスターに載るんじゃないですかね。
–先日RISEでは年間最大イベントのELDORADOが行われました。去年は出場予定でしたけど残念ながら出れなくなってしまって、去年や今年のELDORADOはどういう風にご覧になっていましたか?
有井 やっぱりRISEはすごいですね。全試合レベルが高いし面白かったです。
–そこで自分はフェザー級でどういうポジションを勝ち得ていくという気持ちはありますか?
有井 強い選手はいっぱいいるので、僕は強さも華も魅力も持った、色んなお客さんを引き寄せられる選手になれると思っているので、もっと強くなっていきます。
–先日の会見で梅井選手は「まずフェザー級の舞台に上がってから言え」ぐらいのことを言っていましたけど、有井選手としては自分が立てばフェザー級のその部分は解消されると自信があるんですね。
有井 自信はあります。新しいフェザー級に自分が変えられると思っています。
–最後に有井選手の復帰を待ち侘びていたファンの方々に、熱いメッセージをお願いいたします。
有井 1年4ヶ月ぶりの試合で、色々あったんですけど、格闘技に対してずっと考えてきてやってきたので、その思いはリング上で全部見せれるかなと思います。自分の熱い気持ちをABEMAでも会場に来てくれる人にも見せたいです。
大森隆之介インタビュー「時代を変えるつもりで鈴木選手を終わらせにいく」
–喉の調子が悪そうですが、コンディションは仕上がってきていますか?
大森 めちゃくちゃ仕上がっています。体も今までで1番張りのある状態で体重を落とせました。
–前回はフェザー級で試合をして今回はバンタム級での試合ですが、1度階級を上げてまた落としてというのはキツさは感じないですか?
大森 それはちょっとしんどかったですね。57.5kgまで落としたら今まで通りリバウンドしたので、67.5kgまで増えてしまったので、結構きつかったです。笑
–10kg増えたんですね。
大森 それを見た瞬間「やばい!」って思って、ちゃんと節制しました。
–どれくらいから節制し始めましたか?
大森 1月の試合が終わった5日後には67.5kgになっていたので、そこから焦って落とし始めました。でも息上げは良い感じにできていますね。ただ前の試合は本当に体調不良で、追い込みはほとんどできていなかったので、前回からの“お釣り”みたいなのは全くないですね。今回ほんまに仕上げていけてるのが幸せです。
–前回の平野選手との試合はあまり調子が良くなかったということも仰っていましたけど、その辺については何が原因でしたか?
大森 免疫がちょっと弱いんですよね。もしその辺り詳しい人がいたら教えてほしいですね。笑
–今回はずっと戦いたいと言っていた鈴木真彦選手との対戦ですが、会見でも言っていましたが、改めてなぜそこまで鈴木選手を追いかけてきたのか教えてください。
大森 それが「なぜ?」と聞かれると意外と何もなくて。でも手の届かなかった選手が届くようになってきたという実感が自分の中にあって、その中で自分が勝った時に成長を実感できると思った選手が、僕がデビューした時からずっとトップを走っている鈴木真彦選手なのかなと思ったんですよね。だからそういう所で“勝ちたい”という気持ちが他の選手と戦うより強い気がしています。
–鈴木選手という、RISEを支えてきた1人の選手を超えることで、自分自身が今までやってきたことの成果を感じるために必要な1戦ということですね。
大森 そういう感覚ですね。
–客観的に見た鈴木選手は、ファイターとしてどんな印象がありますか?
大森 打ち合いで問答無用にどんどん前に突っ込んでくるというか、昔はそれがめちゃくちゃ強いイメージがありました。「これにどうやって勝つねん」みたいな。デビュー戦の時とかは勝てる気がしなくて、5ラウンドやっても体力が続くし怖かった印象が最初はありました。でも自分は自己評価が低いんですけど、「まだまだや」って思っていたのがそう思わなくなってきて、ちょっとずつ「俺の方が上手いな」って思うようになってきて、今は怖さというより楽しみが増えてきています。最近になって自分が“追いついたな”って感覚があります。
–タイトルマッチを経験して、色々な強い選手を超えて着実にステップアップしてきているから、その自信に繋がっているんですね。
大森 小さい目標をクリアしてきたから、大きい目標も大きく感じなくなったって感覚です。
–おそらく鈴木選手はフルラウンド前に出てくるような戦い方で来るのではないかと思うのですが、その戦い方には付き合いますか?それとも付き合わずに躱していくような戦い方になりますか?
大森 僕に関してはどっちもできるので、選べる立場ですよね。鈴木選手は接近戦にバロメーターを振り切っているというか、僕は割合的に7-3とか5-5くらいなので、展開によるかなとは思います。でも躱していったとしても打ち合うタイミングは絶対に来るし、そのタイミングで僕は倒す感覚というのを持っているので、打ち合いの中で倒すんだろうなという予感がしています。
–自分の方が距離やファイトスタイルの選択肢が多い分、その場の試合展開によって戦い方やスタイルを変えていく戦いになりそうですか?
大森 ただ格闘技って頑固なやつが強いじゃないですか。向こうは「一つのことをやっている方が強いぞ」と思っていると思いますけど、それは違うんですよ。僕は色んなことをやるっていうことを一つの事として見ているので、そこに迷いはないという感覚です。
–そういった部分では、柔軟に色んな事に対応していくスタイルを突き詰めているのが“大森隆之介スタイル”ですね。
大森 そうですね。なので鈴木選手とは対照的なスタイルですよね。
–一緒に練習している門口選手は今回の試合に関して何か言っていますか?
大森 EX ARESに関しては、今目標とか見る点を大事にしていて、「どこにゴールを設定してそのためにどこに届けたいのか」みたいな自分がどういうふうに動けば良いのかってことを大事にしているんですよ。鈴木選手って多分そうではなくて、どちらかというと無我夢中にやってきたファイターだと思うんです。僕は志を持っている者の大きさとかが、絶対にファイトスタイルに影響してくると思っているので、「そういう所をEX ARESとして見せたいね」って話はよくしています。
–朝の朝礼を練習前にみんなでやっているのを拝見したのですが、そういう部分も変えていこうっていう取組みなんですか?
大森 コーチングを勉強したりしているんですけど、“チェックイン”をすると、練習に入る前にリフレッシュして、自分が本当に今日やるべきことを頭にしっかり叩き込めたり、今ある感情をそのまま伝えるという事をやってから練習に入れるので、気分が上がってすごく良いなと思います。
–大森選手は「ファイターの意識的な部分の底上げや、ファンの開拓をしたい」と仰っていると思うんですけど、その辺りについて大森選手から見た最近のファイターはどういう風に映っていますか?
大森 人によるっていうのが率直な意見ですね。頑張っているファイターは頑張っているし、逆に頑張っていてもミスっているやつもいるし。10人全員に好かれたら良いって訳じゃないですけど、刺さりすぎるのも良くないなと思っているので、本気で大きくしようと思っていくと自分1人とかファイターだけの力では限界があって色んな知見のある人と組まないと難しいかなと思っています。フェーズ的には良いかなと思っていて、ちょとずつSNSや外に向けるってことに対しては、みんな頑張っている印象があるので、ここからもうちょっと詰めていきたいなと思っています。
–ファイターの意識改革やファンの獲得を得るために、いま大森選手が取り入れている事ってあるんですか?
大森 僕が言いたいことは「SNSを使う事が全てではなくて、人に届くための努力が必要」っていうだけなので、皆に何かを感じてもらえるのが格闘技だと思っているので、SNSだったりタイミングだったりをもっと突き詰めていきたいです。今回はこの試合に懸けているので、正直全然できていないというかやっていないんですけど、格闘技には格闘技の本物の魅力があるぞって事を、ずっとSNSで発信してきた僕だからこそ、発信しないという手段を取って皆に届ける方法を模索しています。
–それが先日SNSに書いていた「俺なりの試合の見せ方」っていうのに繋がる訳ですね。
大森 そうですね。
–試合まで10日くらいですが、残りの期間でその過程や表現を見せたいと考えていますか?
大森 これをやりたいとかは思っていなくて、ただただ試合に勝つっていう事だけを考えています。ただやっぱり勝つだけだと面白くないので、テーマが必要だなと思いました。鈴木選手と試合をして自分がどうしたいかっていうテーマを絞り出すと、言葉は悪くなりますけど「鈴木選手の時代を終わらせたい」と思ったんですよね。今、天心から龍心になったように、鈴木真彦から大﨑孔稀に、門口佳佑から安本晴翔に変わって若い世代にチャンピオンが変わっている中で、鈴木選手がいなくなった方がきれいに新時代になるかなと思ったんですよ。だから時代を変えるつもりで終わらせにいきます。
–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
大森 今回の大会は自分の中ですごく思い入れのある大会で、SNSもあまりできないくらい集中してやってきているというか、それだけこの試合に懸けています。当日は1番試合がった僕が見れると思うので、楽しみにしていてください。勝手に応援したくなります。笑
鈴木真彦インタビュー 「圧倒的に気持ちをへし折って、ほんまに分からせたろうと思っています」
–鈴木選手は2月に28歳になられたばかりですが、考えてみると高校生の時からプロで戦っていますよね?
鈴木 そうですね。時の流れは早いもので、もう気が付いたら28歳になっていました。
–もう10年選手ですね。
鈴木 気持ちはまだ若手ですけど、ベテランの域になってきました。笑
–ベテランと呼ばれることに抵抗はありますか?
鈴木 良い意味でも経験を積んでいると思うので、まだまだここからいきたいですね。
–逆に10年前を振り返ってみて、高校生の時の方が良かったなと思う部分はありますか?
鈴木 若い勢いってあるじゃないですか。そういう勢いは前の方があったのかなと思いますけど、鈴木真彦はまだまだここからです。
–今回対戦する大森選手もファイトスタイルや気持ちに勢いを感じさせる選手ですが、その辺りについてはいかがですか?
鈴木 僕より若くて勢いのある選手だなと思います。
–この間の会見に乱入した伊東龍也選手はどうですか?
鈴木 あの人はちょっと分かんないです。笑 まだどういう方なのか分かってないです。戦いとかを見ていると、結構勢いがあるなと思いますね。
–今回の大会では鈴木選手の試合がメインイベントって発表されたばかりですけど、アンダーカードでは伊東選手や京谷選手などが絡むバンタム級の試合もあります。その辺は気になりますか?
鈴木 見ているお客さんにも「バンタム級でもここまで差があるのか」って思ってもらえるように、そういうところを意識して良い勝ち方で最後にメインを締められたらなと思います。
–鈴木選手から見ても今のバンタム級はタレントが豊富だと思うのですが、RISEチャンピオンがいて世界チャンピオンもいて自分もいるという事で、階層の違いという部分は感じていますか?
鈴木 やっぱり目指している所が1番なので、そこに行くまでに倒さないといけない相手もいるし、結果を残していけば自ずとそこに辿り着くので、一戦一戦全力で行こうと思います。
–今回の対戦相手の大森選手の対策はバッチリですか?
鈴木 全部の試合でそうですけど、対策というよりかは“鈴木真彦”を全面に出していきます。特に今回は向こうも僕とずっとやりたいって言ってたと思うし、圧倒的に気持ちをへし折ってやろうと思っています。僕も向こうの気持ちに負けないように、ほんまに分からせたろうと思っています。
–そしたら1ラウンド目から仕掛けていきますか?
鈴木 1ラウンドから仕掛けます。向こうも警戒していると思いますけど、対戦してあっと驚かせたいですね。
–試合前やリングに上がっている時は緊張する方ですか?それとも気持ちが解放される方ですか?
鈴木 入場の時から緊張はなくなるんですけど、試合前のアップをしている時はめちゃくちゃ体が重たいですね。笑
–10代の頃から入場時は吹っ切れていたんですか?
鈴木 それは昔からですね。試合もこなしていくごとに、入場してスイッチが切り替わるというか、そういう部分も良くなってきています。
–今は子宝にも恵まれて守るべきものもできましたが、その辺は大きな武器になっていますか?
鈴木 やっぱり格好悪い背中は見せれないでしょ。かっこいい背中を見せたいし、めっちゃ練習で疲れて帰ってきても寝顔を見るとめちゃくちゃ癒されます。
–そろそろお父さんの活躍も分かってくるような年頃になってくるんじゃないですか?
鈴木 活躍とかはまだ分からないと思うけど、戦っている事は分かっていると思いますね。
–今回も後楽園ホールには奥さんとお子さんは応援に来てくれますか?
鈴木 今回も来てくれるので、良いところをしっかり見せます。
–それはそれで勇気100倍になりますね。
鈴木 絶対に何があっても負けられないですね。
–勝ったら次に何をしたいのか、方向性はある程度定めていますか?
鈴木 僕の目指す所は決まっているので、RISEの世界ベルトもですし、その前にRISEのベルトも取り返さないといけないし、先を見据えて1戦1戦やっていきます。
–来月の話になりますが、名古屋大会での大﨑孔稀vs門口佳佑の試合は、ノンタイトル戦ですが気になる部分はありますか?
鈴木 自分からすると全然面白くないなっていうのはありますね。門口選手がベルトを持ったままでチャンピオン対決とかだったらやる意味があると思うんですけど、今はもう王者ではないじゃないですか。それと現役の王者が戦うって事で盛り上がっていますけど「何がおもろいんやろう」って僕は思いますけどね。
–釘を刺したい感じはあるわけですね。
鈴木 バンタム級で盛り上がる試合は鈴木真彦がベルトを取り返す試合だと思ってほしいので、この2人の試合が気になるのは気になりますけど、そこまで自分の中には響いていないです。
–そういう鈴木選手に対して大森選手は「いつまでチャンピオンぶってんねん」という事を言っていましたが、その言葉に返す言葉はありますか?
鈴木 別にチャンピオンぶっているとかではないけど、リングの上で分からせてやろうと思っています。僕はすぐにベルトも取り返すし、1戦1戦結果を残していく事が大事なので、そんな事を言っているのも後悔させるぐらいにやってやります。
–今の練習環境はいかがですか?
鈴木 練習環境は全然変わっていないです。
–では道化倶楽部を拠点にしている形ですか?
鈴木 ずっと道化倶楽部でやっています。
–ELDORADO 2025での山口裕人vsYURAの試合はどういう風にご覧になりましたか?
鈴木 もうちょっと見たかったですよね。あれはYURA選手の“山口裕人の良い所が出る前に決着をつける”っていう作戦だったと思うし、上手かったなって感じですね。
–ELDORADO 2025から得た刺激はありましたか?
鈴木 全部の試合がレベル高かったですけど、1番に思ったのは自分がこの試合に出ていないっていうのが悔しくて、来年は絶対に出たいなと思いました。
–来年はELDORADOのメインを狙っていきたいですね。
鈴木 僕だったらもっと面白い試合ができるし、それを言葉だけじゃなくて試合で見せていきたいです。
–後楽園ホールに集まってくれるファンとABEMAで視聴してくれる皆様にメッセージをお願いいたします。
鈴木 バンタム級は僕が盛り上げていきたいし、僕の試合を見ていたら間違いがないので、他の試合に興味がないと思わせれるような試合をしてメインをしっかり締めます。
■ RISE187
日時:2025年4月19日(土) 開場17:00/開始17:15予定
会場:東京・後楽園ホール
<第11試合 メインイベント バンタム級(-55kg) 3分3R 延長1R>
鈴木真彦(TEAM 寿/同級1位、第7代RISEバンタム級王者)
vs.
大森隆之介(EX ARES/同級3位、フェザー級5位)
<第10試合 セミファイナル フェザー級(-57.5kg) 3分3R 延長1R>
梅井泰成(Mouton/同級4位、第4代RISEフェザー級王者)
vs.
有井渚海(team VASILEUS/バンタム級14位)
<第9試合 バンタム級(-55kg) 3分3R 延長1R>
伊東龍也(HAYATO GYM/同級5位、Stand up King of Rookie 2022 -55kg級優勝)
vs.
良星(KSR GYM/同級7位、第8代Bigbangスーパーバンタム級王者)
<第8試合 バンタム級(-55kg) 3分3R 延長1R>
京谷祐希(TEAM TEPPEN/同級6位)
vs.
翼(TARGET/同級11位)
<第7試合 スーパーライト級(-65kg) 3分3R 延長1R>
伊藤澄哉(戦ジム/ライト級2位)
vs.
石田 迅(LEGEND GYM/第4代DEEP☆KICK -65kg王者)
<第6試合 ライト級(-63kg) 3分3R 延長1R>
北井智大(チームドラゴン/同級4位)
vs.
奥山雅仁(OISHI GYM/CKC 2023 -63kgトーナメント優勝、S-BATTLEライト級王者)
<第5試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R 延長1R>
戸井田大輝(TOP LEAD GYM/同級10位)
vs.
久津輪将充(RMC/9+nine plus lab./同級15位)
<第4試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R 延長1R>
門脇碧泉(TARGET/同級19位、Stand up King of Rookie 2023 -57.5kg級優勝)
vs.
簗 丈一(TEAM Aimhigh/同級22位、Stand up King of Rookie 2024 -57.5kg級優勝)
※門脇は正道会館・戸田道場より所属変更
<第3試合 バンタム級(-55kg) 3分3R 延長1R>
奥村将真(TEAM TEPPEN/同級15位、Stand up King of Rookie 2024 -55kg級優勝)
vs.
菊川 蓮(MMA IKUSU/第2代PRINCE REVOLUTION -55kg王者、第6代PRINCE REVOLUTION -58kg王者)
<第2試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R 延長1R>
児玉侑慎(正道会館KCIEL/同級16位、Stand up King of Rookie 2024 -60kg級優勝)
vs.
吉田晄成(TEAM TEPPEN)
<第1試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R>
相沢 晟(TARGET)
vs.
紀 空(Croire/第9回K-1アマチュア全日本大会 Aクラス -55kg 優勝・大会MVP)