[週刊ファイト1月2日]期間 [ファイトクラブ]
▼二刀流ファイター・ブランカ真帆デビュー1周年記念独占インタビュー!
photo & text by 西尾智幸
・筆者とブランカ真帆の出会い
・これはただの新人ではない
・デビュー翌月にはキックもプロデビュー
・まずGLEATに上がりたいが目標
・デビュー3か月で人気イベントBACHI×BACHI開始
・入江茂弘、”brother”YASSHIとの対戦で成長
・声掛け声援の有難さが元気の源
・ケガなく二刀流で結果を残す
二刀流ファイター・ブランカ真帆デビュー1周年記念独占インタビュー!
2023年11月5日、大阪の小さなインディー団体で1人の女子選手がデビューした。その名はブランカ真帆、当時34歳。なんの看板も持たずにデビューした選手としては、年齢的にはかなり遅めのデビュー。同世代だと、朱里、山下りな、カイリ・セインら今バリバリである。
元々、筆者が彼女を知ったのは、デビュー前2023年の9月、筆者が営んでいるバーE★SPOTにプロレス好きの常連さんが、「今度プロレスデビューするコと、とある交流会で知り合ったので、一度連れてきますね!」って流れで初対面。特に背も高くなく、全然レスラーらしくもないし、普通に美人さんだなーって第一印象。大会ポスター張らせてい頂きたいという事で、協力させて頂いた。その時に、プロレス話になり、筆者が昔からのプロレスファンで、またカメラマンもやっているという話になった時、折角のデビュー戦なので、写真を撮って頂けませんか? という流れになり快諾。
デビュー戦が、いきなり男子選手(キャプテン・アメムラ)とのシングル戦だったし、元々キックボクシングをアマチュアで何年も前からやっていたというバックボーンがあるにしろ、インディーで女子がデビューといえば、大体タッグマッチで先輩にフォローされながら、頑張りましたってイメージなんだが、実際試合を観てワー、キャーとうるさい感じでもなく、案外シュールな闘いだった。それを見た時、このコ違うなと思った。
また、この大会翌月には、音楽、美容、プロレス、ファッションショーなどを融合させた大きなイベントを真帆本人が総合プロデュースし、大盛況となった。
こちらも、このご縁から依頼を受け撮影をさせて頂いた。
プロレスでは、まだデビュー1か月の新人選手が、団体の長であるスペル・デルフィンや団体総監督の花園桃花まで巻き込んでイベントを主催するとは、もうこの段階で、ただの新人ではない事は明白。
その後、更に2か月後には本誌編集長のタダシ☆タナカをも唸らせた「BACHI×BACHI」を筆者の店で道端剛史とスタート。当初、毎回同じカードで何回出来るのと不安も大いにあったが、評判が評判を呼び、他店でのオファーも増え、この約11か月の間にvol.15まで開催された。
そして、プロレスデビューの1か月後にはキックボクシングもプロデビュー!
この1年の活躍もすごく、大日本、PURE-J、道頓堀、P.P.P.TOKYO、そしてGLEATなど各団体からも声がかかり、年間通して80試合をこなしている。
まだまだ、こんなもんじゃない! 2年目への期待も含め、本人が喋りたいままあれこれ語って貰った。この機会に、まだご存じない方はブランカ真帆という選手を知って頂けたらと思う。
諦めていた事も30歳を機にアクション‼ 夢はGLEATのリング
―まず、年齢的には遅いデビューだと思うんですけど、レスラーになろうと思ったきっかけは?
ブランカ真帆(以下真帆) 最初は、自分が観に行ってる時に元気貰ってたし、やっぱり輝いてる選手がかっこよく見えて、自分もやりたいなーと思った時期があったけど、大阪でプロレス出来る場所が分からなかったし、自分では出来ない、素質ないしと決めてました。
それで諦めていたけど、30代に突入し、30だし記念に新しい事始めたいなと思った時に、自分を振り返り今まで無理と決めつけてる事、そういう固定観念多いなと気付いて、それをぶっ壊すというテーマを作り、まずキックボクシングをやろうと。小さい頃から好きだったけど、その時はもあれも子供の頃から空手や格闘技をやってる人がやるものと決めつけていて、無理!って思ってたんです。その概念を外して、キックを“やるだけ”なら自分でも出来るやんってなって、ジムに通い出したんです。
で、いきなり「来月、試合があるんだけど」と言われたけど、まだルールも把握してなかったけど、「やりまーす」ってノリで返事しました。
それも負けたんだけど、試合ってこういうもんなんだって試合中に気付いて、そこから悔しい思いが沸き出て、そのまま継続してアマチュアで10戦ほどしました。
その中で、たまたま池本誠知さんと繋がりが出来たので、池本さんを観る為に再びプロレス観戦に行った大会が、GLEATでした。
その後、池本さんに「こんな団体があるよ」って紹介して頂いたのが、今所属している団体2point5。キックと同じように、憧れはあったから即やりたいですって池本さんに伝えて、しかも敷居も低いし誰でも出来るよって感じだったので(笑)、憧れのプロレスが出来る、やりたい道が見つかったとなって。
しかも年齢制限も特にないし、とりあえずやってみて、違うなと思えばやめればいいだけと軽く考える事にしました。
私は固定概念でプロレスずっと、やりたいと思ってたのにやらなかった。後悔するよりは、やってみて試合出来なくても先が開けるかなと思い、すぐ次の週から行きますって練習始めました。
―実際、デビューまで漕ぎつけて、1年間やってみてどうだった?
真帆 なんか怒濤の一年だった、とにかく突っ走て来ました。有難い事に沢山試合させて頂いて、大阪だけじゃなく東京や九州なども呼んで頂いて…。
またリングだけじゃなく、マットプロレスも含めていい経験させて頂きました。
でも、余り疲れも感じずに、体は元気です。逆に試合の間が開くと違う意味で疲れてくるけど、なんとか週に1~2試合はさせて頂いてますし、まだまだ突っ走れます!
―2point5だけじゃなく、大日本やPURE-Jなど予想以上に多くの団体に上がれたのでは?
真帆 はい、あと何といってもGLEAT! 池本さんきっかけで、まだ練習生の時もGLEATを(客として)観に行っていて、それでGLEATに上がるのを夢に掲げてやってきたのが、まさかの1年目で上がれた事は、何よりも嬉しかったです。
―デビューしてからも、GLEATに上がるのが夢って事をX(旧Twitter)に書いてたよね。
真帆 GLEATが本当に好きで、あの世界観がかっこいいと思っていたので、そのリングに上がれた事はひとつの夢が叶ったし、あと(GLEATの大会で)聖地・後楽園ホールに上がれた事も嬉しかった。でも、梅田のステラホールの方が、自分が何度も足を運んだ会場だったので、馴染んだ場所に自分が立ているって更に感動的でした。
今年7月以降、毎月10試合以上のオファーを頂き、それが継続しているのも嬉しいです!
―更にキックのプロデビュー(昨年12月)をして、現在は両方現役という余りいないパターンだと思うけどその辺はどう考えている?
真帆 キックデビューはプロレスのあとだし、全く別の競技だと思ってて、何だったら真逆だと思っています。プロレスは相手の技も受けて、更にそれ以上に返していくというのがあるけど、キックは相手のいいとこ出さないようにして、よけて貰わないようにしないといけない。でも、どっちも好きです!
本当はプロレスに専念して・・・というほうがいいんでしょうけど、でもキックをやってなかったら今の私はないと思うし。だからもうちょっと続けてみたいとは思うけど、でも両方やってみてその大変さが凄くあって、やっぱりプロレスの試合が増えた事でプロレスの練習を増やすとキックの練習量が減ってしまうし。
そこの兼ね合いが難しくて、キックの試合が決まっても、直前くらいまではプロレスの試合で、2週間くらい前から追い込みして、1週間前で調整かける感じで。
蹴りはキックで練習をしても、それをプロレスに使えるからいいけど、さっき言ったようなマイナスの点も多いから、悩みどころではあります…。
じゃあ、何でやってるのってなったら、「私らしいから」。どっちかをやってるだけより両方やってるほうが私らしいかなって気がする。だけど、ずっとどっちも負け続けてる(笑)。
―ファンとしてはそろそろ勝っているところを観たいと思うけど。特にプロレスは!
真帆 勝ちたい、勝負だから。この1年でプロレス80連敗してて、キックは3敗。
どっちも負け続けてるだけ、どっちもやってるだけになってるので、やっぱり両方とも勝たないと続けてる意味がないので、そこは今つらいところです。
―やっぱりGLEATで1勝してみたい?
それは夢の夢ですけど、やっぱり強い選手多いし、そこで勝とうと思うと・・・。
―某誌で見たけど、印象に残る試合はGLEATでのMICHIKO戦(24年9月22日)だと。
MICHIKO選手とシングルやった時、すごく評判良くて、周りの選手も絶賛して下さったんですけど、あれはほんとMICHIKO選手がすごく上手いし。でも、今まで自分がファンとして観てきた選手だから、自分の中でも、記憶に残る試合でもありました。
この1年 自身のターニングポイントとなる事が2つ!
実は、この1年の中でターニングポイントになる試合が2つあって、まず1つは道端剛史選手とのBACHI×BACHI。
あれは、私がやりたいプロレスをやるって事でUWFスタイルだったりとか、格闘技寄りの熱い闘い、至近距離で生身の人間を蹴る音を間近で観て貰ったり、あとは関節技がこんなに痛いんだってのを目の当たりで観て頂きたいってとこからやりだしました。
前回(2024年12月17日)で15回になって。今思い出したら、今年2月からやり始めたから、デビューして3か月くらいしか経ってない時にやり始めて、私はこんなプロレスがしたいって主張したい気持ちがあったんだと思います。で、考えて試行錯誤してやり続けたら、改めてこういうスタイルが好きって思えたから、これはターニングポイントになった。
―確かに、最初はうちの店で何かイベントやろうから始まったけど、トークショーとかではなく、まさか試合! どうなるのかなと思ったけど、毎回10数人来て下さって、週刊ファイトの編集長まで絶賛してくれて…。
編集長、東京からわざわざ来て下さって、ほんとに嬉しかったです!
先日、年内最終戦が終わり、来年は1月21日からBACHI×BACHIの闘い初めです!!
■ブランカ真帆【BACHIxBACHI】道端剛史 太鼓判イベント報告+手記公開