9月8日(日)に開催される「RISE WORLD SERIES 2024 YOKOHAMA」の見どころコラムを中村拓己氏が語った。
RISE秋のビッグマッチ「RISE WORLD SERIES 2024 YOKOHAMA」は、RISEとして初進出となる横浜BUNTAI(旧・横浜文化体育館)で開催される。3月の“RISE年間最大のビッグマッチ”「RISE ELDORADO」、そして6月の“RISE西の聖地”エディオンアリーナ大阪大会に続く今大会は年末に開催される幕張メッセ大会、来年の「RISE ELDORADO」に向けたターニングポイントの大会と言っていいだろう。
メインイベントは王者・志朗VS挑戦者・田丸辰によるRISE世界バンタム級タイトルマッチだ。両者は3月「RISE ELDORADO」のメインイベントでRISE世界バンタム級王座をかけて対戦。RISEの世界タイトルを保持する志朗とRISEの世界トーナメント(RISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント)を制した田丸がRISE最高峰のベルトをかけて対戦するという究極の一戦だったが、1R終了とほぼ同時に偶発的なバッティングで志朗が鼻を骨折。2R開始直後にドクターが試合をストップし、ノーコンテストに終わっていた。
誰も予想していなかった消化不良の結末に終わり、志朗・田丸ともに試合後のバックステージインタビューで早期の再戦を希望。田丸が6月のRISE大阪大会でジョン・ヒョヌを三日月蹴りでKOし、志朗も同じ6月のRISE後楽園大会で“The Jewel”クリスティアン・マンゾに完勝し、約半年ぶりの再戦を迎えた。
この再戦を前にして志朗は「完全決着と完全勝利がテーマ。3回目はいらない」、田丸も「今回の試合でしっかり白黒つける。RISEの軽量級で一番強いことを証明する」と口揃えた。RISE伊藤隆代表も「この試合はファンとお互いが望んだカード。軽量級の最強決定戦です」とこの一戦に期待を込めつつ「決着をつけることで2人は時を進めることができる」と話した。この伊藤代表の言葉通り、ここで決着をつけない限り、志朗も田丸も次のステージへ進むことはできない。
志朗にとっては自分が優勝を逃したRISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント王者の田丸を倒すことで、堂々とRISEの中心に立つことが出来る。田丸にとってもトーナメント優勝に続いて志朗に勝ってRISEの世界タイトルを手にすることで、名実ともにRISEのエース=田丸ということを証明できる。志朗VS田丸の決着戦はRISEの世界王者を決めるだけでなく、今後のRISEの主役、RISEの軽量級の中心が誰かを決める戦いだ。
今大会では12月の幕張大会で行われるRISE×GLORY -65kg WORLD Tournament(仮)への出場権をかけた最終査定試合=チャド・コリンズVS麻火佑太郎、中野椋太VSイ・ソンヒョンが組まれた。このトーナメントにはRISE・GLORYからそれぞれ4選手ずつが選抜され、RISE枠で原口健飛と白鳥大珠、GLORY枠でGLORY世界フェザー級(65kg)王者のペットパノムルン・キャットムーカオの出場が内定しており、RISE枠の残り2つをかけて、コリンズと麻火、中野とソンヒョンが拳を交える形だ。トーナメントが内定している白鳥もファーパヤップ・GRABSとの前哨戦も決まっており、トーナメントの最後の椅子に誰が座るのか、トーナメントの行方を占う意味でも見逃せない試合が並んでいる。
-61.5kgで組まれた中村寛VSエン・ペンジェーと常陸飛雄馬VSアリシェル・カルメノフは来年計画されている世界トーナメント=RISE WORLD SERIES -61.5kgに向けた戦いだ。61.5kgという体重は60kgと63kgの選手たちが出場できる階級設定で、RISE伊藤代表は「この階級にはタレントが揃っている」とコメント。その一方で「今年の盛り上がりを見て最終判断したい」とも話しており、来年の世界トーナメントがどこまで盛り上がるかは、今大会で中村と常陸がどんなパフォーマンスを見せるかが重要になってくる。
それぞれの試合で勝者と敗者が決まるだけでなく、その勝者が今後のRISEのメインストリームに飛び出していく。ここからRISEの新たな潮流が生まれる、そんな秋の横浜決戦だ。
中村寛インタビュー 『テーマは一方的な暴力。9分間俺の前に立っていられるのは無理』
–今回の対戦相手は中国のエン・ペンジェー選手に決まりましたが、対戦が決まった時の心境はいかがでしたか?
中村 ほんまに強いんかな?って疑問でしたね。でも中国で39戦39勝って事は本当に強くなければ39戦無敗でいられないでしょ。今中国も格闘技が盛り上がっていて層も厚いので、実力はあるんじゃないですかね。
–海外でも試合はしているみたいで、海外での戦績は4勝1敗と負けはしているんですけど、中国国内では無敗なので強敵という事には変わりなさそうですね。
中村 戦績はどうでもいいですよ。戦績だけ見たら僕もめっちゃ強くはないですから。
–中村選手は自分のスタイルを貫いていくので、あまり相手の事を考えて戦うタイプではないですよね。
中村 毎回印象とか意気込みを聞かれんるんですけど、結構自分と戦っているので、周りは関係ないかなと思っています。自分が考えているのは過去一の状態を作ってさらに進化した姿を一緒に戦ってくれるファンやスポンサーのみんなにKO勝ちするところを見せたいという事だけです。
–そういう部分で先日の会見で言ったように、“一方的な暴力”とか“残虐的な暴力”みたいな表現を使われていたんですか?
中村 そういう感じになります。当日を楽しみに待っていてもらいたいんですけど、自分の状況とかを客観的に見ても相手にならないので、相手は「3分3ラウンドなら自分のペースで持っていく。制圧する」って言ってるみたいなんですけど、まあ無理ですよ。9分間俺の前に立っていられるのは無理なんで、楽しみにしておいてください。
–先日の会見では来年のワールドシリーズで61.5kgのトーナメントを開催すると伊藤代表から発表がありましたが、中村選手も熱望していてこの階級でのトーナメントとなりました。この61.5kgの階級でやりたかった理由はありますか?
中村 何を考えても出られないような試合を、手術明けで運動もできていないような状態で無理にやって60kgの計量で1回失敗しているので、その現実は受け入れていました。それから63kgの体に作っているかと言われたら作ってなくて、一旦63kgでベルトを獲ったら発言する権利があるかなと思って、それでベルトを獲ったので、自分の適正階級というかそこに合わせたいというところはあります。
–中村寛の本来のベスト体重はその辺りという事ですね。
中村 その辺りから60kgとかですね。僕身長が164cmしかないので、どの階級でやっても相手の方が大体デカいのであまり変わる事はないんです。今回の相手も僕より8センチ高くて、大体がデカいやつを倒すっていう事以外はあまり考えていないです。自分に合った自分のパフォーマンスを1番発揮できる体重に興味があったので、それでRISEにも話したことでこのトーナメントが出来上がったと思っているので、僕がいなかったらこのトーナメントは数字も注目度も成り立たないです。僕のためにあるトーナメントだし、僕が動いて作られたトーナメントなので、それに見合った勝ち方をするだけですね。
–伊藤代表からは大雅選手の他にチャンヒョン選手やタリソン選手、常陸選手などの名前も挙がっていましたが、誰と戦いたいというよりは自分が輝くトーナメントになるイメージですか?
中村 脇役は頑張ってくれという感じですね。
–ちなみにリベンジという部分ではチャンヒョン選手はどうですか?
中村 チャンヒョンが出るんやったら僕は指名しようと思っています。1回負けてるのにごちゃごちゃ言うのは、どんな状況であれ受け入れて前に行きたいタイプなんで、だから1勝したって言われようがそれはその時の自分が負けていたんでしょうがない事なんですけど、トーナメントで当たるってなったら必ず倒すという気持ちでやっています。また交わる時が来れば勝手に来るからって感じですね。
–現在RISEの63kgのベルトを持っていますが、ここについては今後どうしていくか考えはありますか?
中村 63kgで今僕のことを倒せるやつはいますか?1位から3位のやつを僕が倒してチャンピオンになったでしょ。そこにみんな負けているじゃないですか。順位もそんなに変わっていないし。それやったらその間に世界に挑戦させてくれっていう、僕のベルトを獲りたい人間が実績をちゃんと積んで来るまでの間、僕は世界に挑戦できますよねっていう話がこのトーナメントに関してのスタートなので、だから防衛戦をやるってなったらやるんじゃないですかね。僕はいつでもどの試合でもベルトをかける気でやっているので、以前のタリソン選手との試合の時もベルトがかかっている気持ちでやっていました。
–記者会見後に対戦相手の映像はご覧になられましたか?
中村 見ていないです。
–見ていないのは意図がありますか?
中村 何も考えていないだけですね。見るタイミングじゃないです。
–自分の中のタイミングですか?
中村 自分の中のタイミングっていうか、まだ見ていないからタイミングじゃないって感じです。見たら何か変わりますか?
–相手の動きとかを見た方がシャドーをするにもイメージがしやすいんじゃないかなと思いました。
中村 身長が分かっているので大丈夫です。殴る位置は変わらないじゃないですか。あとはみんな動くので、前後に動いたら色々打つ場所が変わるので、どこでも打つ準備をしています。
–中国人選手が他団体でも活躍しているっていうのはご存知ですか?
中村 強い人が多いって事だけ聞いていたので、選手層が厚い中で無敗の人だからっていう感覚です。
–他団体に出場している中国人選手の映像とかはご覧になってないですか?
中村 ないですね。あるとしたらジャッキーチェンくらいですね。ジャッキーチェンはかっこいいですね。
–中国ってフィジカルが強くて体が強い選手が多いんですよ。アジアの中でも日本的な感じではなくてロシアに近いような体をしているんですけど、そう言った面は関係ないですか?
中村 強いやつは強いので、だから僕は強いじゃないですか。それで魅力があるから皆見るわけじゃないですか。その結果があるし、日本人でもフィジカルが強いやつは強いし、中国でもフィジカルが弱いやつは弱いので変わらないです。
–メンタルがすごく安定していると会見で言われていましたが、そのためにメンタルトレーニング的な事はしているんですか?
中村 以前の試合の時から話していた通り、呼吸や氣とかの練習ではないけど修行はしています。
–それは独学ですか?
中村 呼吸や氣を取り入れて、今は自分で応用しています。行き過ぎてもまた話が変わってきてしまうので、それを取り入れた上で自分なりに応用を効かせている感じに近いですね。
–その呼吸とはどう言った呼吸法なんですか?
中村 ヨガに近いようでヨガではない、吸って吐く感じです(笑)。吸って吐いていたら精神が整っていくんですけど、最近やっているのはいかに自分がどういう風な状態でニュートラルに戻していくかを意識して、戻したタイミングで感覚を研ぎ澄ますとちょっとポイントがずれていた事とかに気づけるようになりました。
–瞑想はやっていますか?
中村 さっきの呼吸法がどちらかというとヨガよりも瞑想ですね。
–先ほど身長についての話がありましたが、小さい頃からクラスの中では小柄な方だったんですか?
中村 クラスの中では後ろから2番目くらいでしたね。
–じゃあ小さい頃はその集団の中では大きい方だったんですね。
中村 小学校の時はそうですね。
–いつくらいからクラスの中で自分は小柄だなって思うようになりましたか?
中村 僕小6から今くらい身長があったんですよ。だからデカかったです。中学の卒業式くらいの時期に皆んなで整列したら、皆んなが自分より高くなってました。前から3番目か4番目くらいになっていて「嘘やろ」っていう感じでした。
–中学生くらいの時に喧嘩になった時とかは、体が小柄だとなめられたりしませんでしたか?
中村 小学生とか中学生の時から身長は関係ないくらい強かったです。
–じゃあデカいやつとかも全然関係なく相手にしていたって感じ?
中村 デカかったらしばいてました。っていう時期がありました(笑)。
–格闘技で戦う上で『自分よりも大きいやつをしばく』っていうのはテーマだと感じていますか?
中村 あんまり考えていないです。去年の12月に戦ったデカいやつと決まった時は、皆んな外国人選手はデカかったけど、その中でも群を抜いてデカいよなって事で話題になるなと思って言っていた部分はあります。逆に気になりますか?
–周りから見ると気になるなと思うんですけど、そうはならないですか?
中村 僕は分からないです。空手の軽量級で優勝した時に、横に重量級の選手が表彰式で座って写真の見てくれで負けるのが嫌だったんですよ。それで頑張って体重を増やして重量級で優勝したんですよ。日本拳法の時も無差別級だったので、身長190cmの体重100何十キロとか自衛隊の人とかと戦っても片手で投げたりしていたので、「負けず嫌いだったら何でもできる」って思うタイプです。競技を何かやるってなったら、それに対して真っ直ぐやっていたらできるかなと。
–相手の打ち下ろしてくるパンチに対しても、脅威だと感じた事はないですか?
中村 打ち下ろしてくるって意識して、アッパーをもらったら終わりでしょ。だから正解ってないなって思うんですよね(笑)。攻撃をもらわないのが1番ですけど、もらってしまっても立っておけばいいっていう感じです(笑)。
–言葉にすると簡単に感じてしまうんですけど、実現させているところが中村選手の凄いところですね。
中村 ありがとうございます。でもみんな難しく考えているだけで思っているより簡単ですよ。だって16勝している内の13勝はKOしているんですけど、3回はミスしているんですよ。ミスはあるものなので、やろうと思い続けたら意外となんとかなるもんなんですよ。
–次の試合もそういう感じの強気な姿勢を楽しみにしています。
中村 “一方的な暴力”でそれが弱いものイジメみたいに見えたらそれが正解です。その事だけを頭に入れてずっと練習しているので必ず形にします。
常陸飛雄馬インタビュー 「常陸がやっぱり1番強いんじゃないか」と思わせる試合をします
–前戦のK-1との対抗戦から約6ヶ月が経ち、ようやく再起戦が近づいてきました。今の心境や体調はいかがですか?
常陸 早く試合がしたいですね。半年空いてしまったので、前回勝てなかったこともありますし、“倒し切る力”というのが課題で残ったので今回は絶対に倒したいと思っています。そのために日々練習しているので、必ず良い結果で倒します。
–今回の試合のテーマは“倒し切る”ということになりますか?
常陸 倒し切るですね。今回の対戦相手は初めての外国人でデータが少ない中で、打たれ強さや体のパワーはあると予想しているので、そういった未知の選手を“倒し切る”というのが今回のテーマです。
–今回の対戦相手のカルメノフ選手ですがデータは集まりましたか?
常陸 試合は何試合か見れたので、こんな感じかなというのを元に対策しています。RISEにも1回試合しに来ているので、その試合を見る限りは強い選手だなと思っていたので楽しみです。
–国際戦という部分についてはどうですか?
常陸 さっき初めてって言ってしまったんですけど、初めての感覚ではあります。チャンヒョン・リー選手が馴染みすぎていて外国人選手枠ではない感じで話してしまっていました(笑)。その試合が1年半前で、外国人選手は今回で2回目ですけど体の強さは絶対あると思っているので、そういった部分に対しても自分の成長した姿を見せたいです。
–対世界ということで意識していることはありますか?
常陸 今回は61.5kgトーナメントの査定をされていると思うので、世界の選手に対してしっかり勝って世界トーナメントに参加したいです。「常陸がやっぱり1番強いんじゃないか」と思わせる試合をします。
–常陸選手にとっては、ご自身で設定した査定試合になるということですね。
常陸 そうですね。これを倒して勝てばみんなが認めてくれるんじゃないかなと思います。
–現時点で倒し切るのは、何ラウンドくらいになりそうですか?
常陸 理想は2ラウンド目で倒したいです。1ラウンド目は早過ぎるので、成長した自分を楽しみたいところもあります。
–倒し切るパターンはいくつか考えていますか?
常陸 さっき見せた右ミドルです(笑)。それは冗談ですけど、倒し切るパターンは何個も作ってあって、ハマればここで倒れるっていうところまで準備しているので、しっかり倒しきります。
–相手の空手ベースの回転系の技についてはどう考えていますか?
常陸 唯一そこに気をつけたいと思っています。でもそんなに怖くはないです。しっかり見ればガードもできるので、そんなに気にはしていないです。カウンターを合わせてやろうかなと思っています。
–対外国人選手という部分では、日本人と戦う時と違って燃える気持ちはあったりしますか?
常陸 日本人でも外国人でも変わらないですけど、色んなストーリーを感じて燃えています。今回で言うと世界トーナメントに繋がるっていうことやそのための外国人選手ということで燃えていますし、1回中村寛選手と戦っているという点でも燃えているので、そういったストーリーを含めて燃えています。日本人だから、外国人だからという部分はあまり気にしていないです。
–ちなみに本家の飛雄馬(巨人の星)は『大リーグボール』という必殺技を持っていますよね。
常陸 そうなんですか。うさぎ跳びと養成ギブスを着けているところしか見たことがないです(笑)。
–大リーグボールに匹敵するような常陸飛雄馬の必殺技はありませんか?
常陸 作らないとですね。次戦でお見せします。
–前回の江川戦での勝ち負けを抜きにしたとして、自分に足りなかった部分やそれを踏まえて今回の試合に向けて練習してきたことはありますか?
常陸 1番は倒せなかったという所が自分に足りていなかったと思っています。パンチを効かせた後に倒し切るところまで持っていきたいです。あとは後半の印象で相手に取られたという意見もありました。自分が判定までいっている時のパターンは大体そういうパターンなので、そこは常に意識して練習しています。さっきは2ラウンドで倒すって言ったんですけど、3ラウンドやってみたいなという気持ちもあります。3ラウンド目にKOで倒したことがなくて、3ラウンドまでいく時は判定までいくので、そこで倒せれば自分にとっての成長にもなると想定しています。
–普段は60kgですが、61.5kgで戦うとなると「1.5kg減量しなくてもいい」という余裕も出てきますか?
常陸 減量をしなくていいとかは思わないですけど、普段よりもベストコンディションに持っていけるかもしれないですね。
–普段の60kgの方が減量は厳しいですか?
常陸 1.5kgはだいぶ違いますね。それこそ今回の減量の仕上がりも楽しみで、当日は動きが悪いかもしれないし、もちろん良いようには持っていきたいんですけど。多分ベストコンディションに持っていけると思うので、1.5kgの感覚を実感したいと思っています。
–普段は何キロあるんですか?
常陸 68kg〜69kgで抑えるようにはしているんですけど、怪我とかで動けなくなった時は70kgを超えていましたね。
–最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
常陸 9月8日は横浜でその日1番の衝撃的なKOを見せるので、是非会場まで来て応援をよろしくお願いします。楽しみにしていてください。
梅井泰成インタビュー 『純粋に格闘技を楽しんで、その中で圧倒できればいい』
–既に顔がスッキリしていますが体重は絞れていますか?
梅井 やや落ちているくらいで、普段から絞れています。体重もあと5kgの減量くらいです。
–普段から絞れても良いと言うことはいつオファーが来ても良いように備えているということですか?
梅井 そういう理由もありますし、太っている時期がもったいないので日頃からより質の高い練習ができるようにする意味もあります。
–太っている時期がもったいないと思うようになったのはいつ頃からですか?
梅井 3年前ぐらいですね。
–何かきっかけがあったんですか?
梅井 元々TEPPEN GYMに所属していたんですけど、当時周りにいた那須川天心であったりとか、そういう選手を見た時に彼らは通常から良い質で練習していたんですよ。自分はその地位にも行けていないのに、オフで太っていて体のケアを怠っているのに上に行けるわけがないと思ってから、この時間はもったいないと思うようになって節制を始めました。
–外食も控えて自炊するようになったんですか?
梅井 そうですね。あとは食べるものを選んで調整するようにしています。
–今回の國枝戦ではどのようなテーマで試合をしますか?
梅井 前回も言ったんですけど、細かいことを考えすぎずに純粋に格闘技を楽しんで、その中で圧倒できればいいなというのがテーマです。
–先日は志朗選手などと蔵王へ合宿へ行ったと思うのですが、成果はありましたか?
梅井 大自然に囲まれて空気もよくて、その中で下半身のトレーニングやボクシングの技術面のトレーニングで良い収穫がありました。
–スキー場を走るというのはどうでしたか?
梅井 虫がヤバかったですね。蜂とかがいてそっちでも体力を持っていかれるという。蜂が怖かったのと草がいっぱい生えてて落とし穴みたいなところにはまったりして大変でした。
–落とし穴にはまったんですか?
梅井 溝みたいなのがあって、下りで結構はまりましたね。
–誰かがほったわけではないんですね(笑)?
梅井 掘っていたら相当悪いですよね(笑)。
–これからも合宿ではテーマを見つけて参加していきたいですか?
梅井 合宿で得られるものは、普段の練習と環境が変わったり新鮮さもあるので、入ってくるものであったり他競技の選手であったりと、普段練習しない方との練習で違う空気感があるので、良いものが得られるので参加したいです。
–今回の國枝選手との試合では戦略は立ててありますか?
梅井 だいたい自分の中で考えやプランはあるんですけど、そこに捉われすぎないようにしようと考えています。國枝選手もベテランで強敵なので、2ヶ月くらい前から決まっていて僕の対策もしてくると思いますし、そこに対しての対処もできるようにしておかないとダメなので、気を引き締めて練習しています。
–他の対戦カードもビッグマッチばかりで、その中で梅井選手の色を出すというのは大変なことだと思います。
梅井 かなり大変だと思います(苦笑)。僕がビッグマッチに出るのが2021年の大阪大会以来なんですよ。あの時KO勝ちして以来、KOで勝てていないんですよ。ビッグマッチで呼ばれる意味や求められているものは絶対あると思うので、その仕事をしっかりできるようにしたいです。
–國枝選手を見ていると、パンチの強打に自信があるように思うのですが、パンチの部分とテクニックに関してはどのように評価していますか?
梅井 拳が硬そうな感じのゴツゴツしたパンチを打っている印象ですね。あとは攻撃の軌道が読みづらい印象があるので、そこは気をつけないといけないと思っています。どちらかと言うと蹴りよりはパンチが上手くてボクシングテクニックがある印象です。
–「いくら強いパンチを持っていても当てられる技術がないと意味がない」とよく言いますけど、当てさせない自信はありますか?
梅井 ガチンコで打ち合ったら國枝選手の方がパワーはあるので、当てさせないようにするっていうのは僕の中でずっと考えています。相手には僕と対面して「面白くない」って思ってもらいたいですね。
–梅井選手は全国中学柔道大会出場で全国高校グレコローマン選手権にも出場していますが、今年やっていたパリオリンピックは興味を持って見ていましたか?
梅井 柔道は見れたり見れなかったりしたんですけど、レスリングは一通り見させていただきました。
–競技は違いますが刺激は受けましたか?
梅井 レスリングってアジアでも勝たないとダメで、そこで重い階級のグレコローマンとかフリースタイルって女子は元々強いんですけど、男子選手は中々勝てないんですよ。その中で金メダルがあんなに多いっていうのは痺れましたね。面識はなくてもすごく嬉しかったです。
–重い階級で金メダルを手にするのは相当大変なんですね。
梅井 外国人選手は体がえげつないので、その中でメダルラッシュだったのでびっくりしました。
–バックボーンが今に活きている部分はありますか?
梅井 最近ミックスの仕方がやっと分かってきて、純キックボクサーにならなくていいんだって。僕は組技もやってきたので、視野が広くなって近くなった押し合いの展開でも組技の技術が使えるというのが前回の試合でも少し出せました。
–押すような感じですか?
梅井 押すとか流すとかいなすとか。それは前回の試合から取り組んでいる瞑想で、落ち着いているからこそできていると思います。
–梅井選手の肩書を見て「MMAに行ったりしないのかな」って一瞬思うんですよね。
梅井 そう言っていた時期が実はあったんですよね(笑)。でも門口チャンピオンに負けてから「こんなので他競技に行っている場合じゃない」って思ってしまって、今はこのキックボクシングでもう1回チャンピオンになってもう1回RISEのベルトを巻きたいという想いがあるので、今は転向は考えていないです。
–今回の対戦相手は元K-1グループの選手なので、外敵を迎え撃つ門番的な立場が期待されていると思うのですが、そこについてはいかがでしょうか?
梅井 そこはあまり意識していなくて、國枝選手もグループを抜けてこれからRISEでやっていこうと思っているはずなんですよ。そのRISE1発目で僕を当てていただいたので、RISEの上位ランカーとしてレベルの高さを見せて勝たないといけないですね。
–先ほど門口選手の名前も出ましたが、タイトル挑戦に向けて今後のビジョンはどう考えていますか?
梅井 ビジョンは自分の中で一通りあるんですけど、門口チャンピオンに「今の梅井泰成とだったら試合をしたい」と思ってもらえるように、そこまで自分の価値を付けていきたいと思っています。
–そういった意味で今回の試合はどのような試合にしていきたいですか?
梅井 レベルの差と技術を見せて圧倒しないとダメですよね。内容は求められると思います。
–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
梅井 久々にRISEのWORLD SERIESに出していただくので、出させてもらう意味っていうのをしっかり理解しているので、その大会に相応しい試合をして勝ちます。会場でしか感じられない熱や感動など、もらえるものは絶対にあると思うので、まだチケットを買われていない方は是非会場で応援をお願いします。
國枝悠太インタビュー 『判定では勝てないから倒すしかない。それ(KO)しか狙っていないです』
–RISE初参戦ということで、今の心境を教えてください。
國枝 使ってくれるのはめっちゃ嬉しいし有難いですけど、何を求められているのかが気になります。
–逆に國枝選手はRISEに何を求めて参戦してきたんですか?
國枝 元々いた団体ではオープンフィンガーグローブマッチ(以下OFGM)は無かったので、57.5kgでOFGMで出ていきたいなと思っていたんですけど、いきなり嫌な相手とやることになったので何を求められているのかがめっちゃ気になります(笑)。
–新たな風や刺激を期待してのオファーだと思います。
國枝 梅井選手は負けが続いていて、前回の翔戦で久々の勝利だったと思うんですけど、僕を踏み台にしてここからまた上に行くぞっていう当て馬にされているんだとしたら、その期待には応えられないですね。
–会見の時に仰っていた「パンチ力でどこまで掻き乱せるか」というのは、梅井戦ではそこに懸けているような感じですか?
國枝 それしかないです。梅井選手はあまり動かないで僕の目の前で止まっていてほしいですね(笑)。
–立ち止まって殴り合ってくれたら倒し切る自信はあるということですね。
國枝 それだったら自信しかないです。
–門口選手や塚本選手など、仲が良いRISEファイターが多いと思うのですが、元々RISEの会場にも来たりしていて、RISEにはどの様な印象を持っていますか?
國枝 上手くて若い選手が多い印象でした。でも、元々いた団体よりはKOする選手が少ないなと感じたのですが、上手い選手同士で戦うからKOがあまり生まれないのかなと思います。
–そこに國枝選手が入ったら、今までのRISEとは違うファイトを見せられそうですか?
國枝 判定では勝てないから倒すしかないので、それしか狙っていないです。
–今回初参戦なので、どうしてもイメージ的に外敵と見られることが多いかもしれないですけど、今後RISEを主戦場にしていく考えはありますか?
國枝 もちろんです。これから引退するまでぜひ戦わせてください。
–以前はOFGMに興味があると仰っていましたが、RISEのタイトルには興味はありますか?
國枝 同じ階級では門口選手がチャンピオンじゃないですか。プライベートでも仲が良いので、リングに立つことは考えられないですね。なので門口君にはベルトを返上してほしいです(笑)。門口君は上でも下の階級でも通用するので、僕が梅井に勝ったら早くベルトを返上して空位にしてほしいですね。
–そうなったら狙いに行くってことですね。
國枝 もしくは(門口に)世界のベルトに行ってもらうかですね。
–OFGMで自分の持ち味を魅せていきたいような感じですね。
國枝 OFGMだったら魅せれると思っています。どっちにしろ勝っても負けても面白い試合はできます。
–今回の対戦相手の梅井選手にはどのような印象を持っていますか?
國枝 めっちゃやりたくない相手でした。嫌いなタイプだなと思って翔戦を現地で見ていたんですけど、「この選手めっちゃ上手いな。でも俺とやったら面白くない試合になるわ。」と思っていて、その1週間後に試合のオファーが来たのでそんな事を考えたらダメだなって思いました。
–会見の時に梅井選手は「レベルの違いが分かる」と仰っていましたが、それを聞いた時はどのように思いましたか?
國枝 パンチ力の違いを見せてやろうと思いました。
–それぞれの武器で戦っていくような試合になりそうですね。
國枝 そうですね。ただ当てて逃げるみたいな塩試合になるような戦いだけはするなって言っておいてください。
–K-1とRISEが対抗戦を見ていた時は、どんな思いがありましたか?
國枝 3月に対抗戦が行われていたじゃないですか。その後に平野凌我と僕で勝手に対抗戦をしていたんです。勝手に対抗戦をして勝手にやられちゃっていたので、その仕返しも含めて今後はRISEでやっていきたいです。
–先ほどRISEには上手い選手が多いと仰っていましたが、今後そのような選手と闘っていくことに関してはどう考えていますか?
國枝 そういう相手にどれだけ正面からぶつかっていけるかなと考えています。
–自分のペースに持っていくということですか?
國枝 パンチの打ち合いにどれだけ巻き込めるかだと思います。
–梅井選手は國枝選手のペースに付き合ってくれると思いますか?
國枝 絶対付き合ってくれないでしょ。性格悪そうな顔してますもんね。絶対打ち合わないよって顔をしますもん。
–そういう相手に対してはどうやって戦うんですか?
國枝 打ち合ってくれなかったら塩試合になるから、それだけは嫌なんですよ。なので頑張って巻き込むので、こういったインタビューとかSNSで今から打ち合うように仕向けていきます(笑)。梅井選手も男なんで、あんまり言われたら打ち合うしかなくなるじゃないですか。
–RISEに出るからには、違う風を吹かせたいという気持ちはありますか?
國枝 吹かせたいとかはないですけど、勝手に吹くんじゃないですか。
–ワンキャッチ・ワンアタックのルールについてはいかがですか?
國枝 元々K-1グループに行く前に、違う団体でワンキャッチ・ワンアタックも肘ありもやっていたので大丈夫です。
–会見の時も今のインタビューでも、OFGMを希望していますが、戦いたい選手はいますか?
國枝 RISEはEX ARESの選手と9plusにいる久津輪選手くらいしか知らなくて、フェザー級に誰がいるのか分からないんですよね。だからこの選手と戦ったら面白そうとか、OFGMに興味がある選手とかいるなら逆に教えてほしいです。
–気持ちとしては梅井戦が終わったらOFGMでやっていきたいと考えていますか?
國枝 とりあえずは梅井戦しか考えていないです。
–RISEに出て1発目の試合になるので大事な1戦になるかと思いますが、そこでインパクトを残せる自信はありますか?
國枝 僕が出たら勝手にインパクトが残ると思います。RISEの選手には内容な、山口兄弟のような打ち合いを見せたいです。
–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
國枝 初めまして。K-1グループを抜けてRISEに来ました國枝です。面白い試合をするので、アンチではなくて応援をお願いします。
志朗インタビュー 『今回は本当に完全決着。3回目はいらないだろうと思わせる試合をする』
–公開練習では良い感じに仕上がっているように見えました。コンディションはいかがですか?
志朗 疲労が溜まっている中で、スパーリングを週に14,15ラウンドできているので、充実した日々を送れているなと実感しています。
–前回の田丸辰戦の時と比べて、調整を変えている部分はありますか?
志朗 練習方法というか、前回の試合で3分間向き合って足りなかった部分とか良かった部分を照らし合わせて調整したり、減量方法も変えたりしているので体自体は良い感じに仕上がってきています。
–減量方法を変えたことに理由はありますか?
志朗 一緒に練習している井上直樹くんが「食事を味噌汁などの和食メインに変えたことで体の調子が良くなった」と言っていたので、自分も摂り入れるようにしています。ちょっと前まではスープ系ってあまり好きではなかったんですよ。飲むのが面倒くさいんで(笑)。でも井上直樹くんもトレーナーのニックさんも良いと言っていて、和食をメインにしてからは変わっている感じがします。
–その和食ダイエットに効果はありますか?
志朗 夏場は攣ることが多かったんですけど、味噌汁を飲むことで塩分が摂れて攣らなくなったり、良い方向に変わってきていますね。
–先日の蔵王での合宿の成果はいかがですか?
志朗 6年前のルンキット戦の前にも行った場所なんですけど、その時は試合も勝ったので今回は蔵王での合宿を選びました。色んな選手やボクサーを集めて、普段練習ができないような選手とできたので良い練習ができました。階段とかスキー場とか普段走らないような所も走って、精神的にも強くなったと思います。
–スキー場を走ったことで気持ちは整いましたか?
志朗 整ったというか、改めてスキー場は走るために作られたわけではないなと思いました。
–相当きつかったようですね。
志朗 きつかったですね。走り系は特にきつかったですし、そういった所が結果として出てくると思います。
–現時点で今回の田丸辰戦の戦略は立ててありますか?
志朗 前回の戦いの時は2,3パターンしかなかったものが、今回は倍の5,6パターンできています。5ラウンドがある中で色々想定して練習しているので、勝率は上がっているんじゃないかと思います。
–ムエタイベースの志朗選手としては、5ラウンド戦うという点では気持ち的に楽な部分はありますか?
志朗 5ラウンドなのでゆっくり行くか最初から行くか、駆け引きがあると思うのでそこは皆さん楽しみにしていてほしいです。
–ムエタイだと通常は3,4ラウンド辺りにクライマックスが来ると言われていますが、今回は何ラウンド目くらいにクライマックスが来ると期待していてよろしいですか?
志朗 選手自身は早いラウンドで決着がつくことに越したことはないので、早いラウンドで決着をつけたいとは思っています。今回は本当に完全決着で、3回目はいらないだろうと思わせる試合をするのがテーマです。
–改めてですけど足の筋肉がすごいですね。特にふくらはぎがすごいです。
志朗 本当ですか?味噌汁効果ですかね(笑)。結構走ったり有酸素とかステップとか色々な練習を沢山やっているので、同じ練習メンバーの中でも倍以上動いている自信があります。そこが今回体に出てきたんじゃないかなと思います。
–最近はパンチを重視していましたが、今回は蹴りにも注力されていますか?
志朗 日によってムエタイっぽくやってみようとか変えていました。ムエタイの良さってあるので、相手が入りづらいとかこれはハマるとかこれは危ないとか確認しながらやっています。
–それは試合中に有効だと分かったら切り替えられるような、バリエーションの豊富さに繋がるんですか?
志朗 バリエーションが多ければ多いほど瞬時に組み立てて対応できると思います。たとえば相手が想定外のことをした時に想定内だと思えるような気持ちが大事だと思うので、そう言った面も含めていろんな練習をしています。
–どうしてもKOを期待してしまうのですが、今回確率的にはKOで倒せそうですか?
志朗 相手があってのスポーツなのでなんとも言えないですけど。これが当たれば倒せるって技が結構あるので、確率的にはなんとも言えないですけど、今回はしっかりとKOを狙っていこうと思っています。
–先ほど「勝率が上がった」と仰っていましたが、現時点では何割くらい自分の方に分があると思っていますか?
志朗 全てで100です。
–現在31歳になりましたが、ランニング時の疲れ具合など自分の体に変化はありましたか?
志朗 かかりつけの医者にも言われたんですけど、30歳を超えるとアキレス腱とかの断裂するリスクが何倍にも上がるらしいんですよ。それを言われた時に歳をとったんだなと思いました。疲労とかも感じやすくなったと思います。
–疲労は感じながらもトレーニングを続けられる秘策はありますか?
志朗 そういう時は頭を使った技術面の練習に切り替えています。20代の中盤の時までは「疲労が溜まっていても俺ならいけるでしょ」ってやっていたんですけど、最近は「今日は技術練習に切り替えよう」って考えるようになりました。
–それでも5ラウンドを戦う上でのスタミナは問題ないという事ですか?
志朗 全然問題ないです。実践練習は3分3ラウンドではなくて2ラウンドやって1回休んでを繰り返しやっていて、不規則にラウンド数を決めてやっているので、その練習が結構精神的にくるんですよね。そういう練習で精神的にもスタミナ的にもいつもよりハードにやっています。
–年齢を重ねることによって疲れやすくなった時に休むということは、むしろ怪我の予防とかになりそうですね。
志朗 怪我をしたらその分練習ができない期間が空いてしまうので、そう言った面も意識して怪我も少なく万全な状態で試合に挑めています。
–最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
志朗 自分がKOをして世界チャンピオンの強さを見せたいと思いますので、9月8日は応援をよろしくお願いします。
田丸辰インタビュー 『色々と裏をかいてくるだろうと思うけど、余裕で志朗選手の考えていることを超えていける自信がある』
–もうすでに顔がすっきりしている感じがありますね。
田丸 やっぱり減量に入ると痩せてきますね。普段が不摂生しているので。
–結構極端なんですね。
田丸 そうですね。メリハリをもってやっています。
–55kgの自分はどうですか?何回か試合はやっていますが53kgの時と比べて減量とかはどうですか?
田丸 普段よりすごい気を付けて摂生している感じはないので、良くとらえると減量を気にせずに動けているっていうのもあります。悪く言うと減量がない分飢えている感じがないので、そこのメリハリがつけづらいなというのはありました。
–飢えている自分になりたいですか?
田丸 それはもう減量が後半になってくるにつれて勝手にそうなってくるので、そんなに気にしてはないです。
–通常の田丸辰と飢えたときの田丸辰ではやはり違うものですか?
田丸 その分疲れとかも溜まってきますけど、練習の集中時間だったり、練習中のキレとか殺気は、減量しているのとしていないのでは変わってきます。
–これから食べるものも徐々に減量食へと変えていきますか?
田丸 減量に入ってからはそんなに変わらないですけど、量とかはちょっとずつ減ってくるかなって感じですね。
–もう既に志朗選手に勝ったらこれを食べようとかあれをしようとか、いろいろ考えている時期ですか?
田丸 まだそこまでではないですけど、試合が終わったら次どこ行こうかなとかちょっと考えてはいますね。
–8月下旬までの話になりますけど、2024年の田丸辰というのはご自分でどのように分析していますか?
田丸 一回ノーコンテストがあったので、去年自分が想像している以上にうまく行き過ぎたっていうのもあるんですけど、去年を超えるくらいの勢いで今年は行きたいなと思っていました。まだそこまではいけていないので、9月の試合でどうなるかって感じですね。
–では、今回の横浜決戦から猛チャージを仕掛ける感じになりますかね?
田丸 そうですね。今回の試合でしっかり白黒つけば、RISEの軽量級で本当に1番強いって周りへの証明にもなると思うので、今回の試合は一区切りになるのかなと思います。
–既に対志朗のイメージはバッチリついていますか?
田丸 毎回そうなんですけど、試合が決まった時から勝てるって自信はあって、それをこの追い込み期間とか対策で自信を確信に変えていく作業をしているので、もうすぐで確信に変わるかなというのはありますね。
–今確信はパーセンテージで言うと何パーセントくらいまで固まってきていますか?
田丸 現段階で70~80パーセントくらいにはなっています。自信は試合が決まっているときには120パーセントあるんですけど、そんな感じです。
–ファンの中にはやはり、今回の試合は「テクニカルでお互いに裏の裏までをかきあうような攻防が続くのではないか」という予想もありますが、そこについてはいかがですか?
田丸 志朗選手が僕の裏をかいてくるだろうと思っているんですけど、余裕で志朗選手の考えていることを超えていける自信があるので、それほど展開が変わるってことはないんじゃないかなと思っています。
–志朗選手の中の田丸辰を遥かに超える田丸辰が現れるってことですかね?
田丸 そうなります。
–ヒントとして横浜にはどんな田丸辰が現れますか?
田丸 志朗でも何もできないっていうのをみんなに見せつけたいなっていう。だから焦っている志朗選手が見れるんじゃないかな?逆に僕はそんなに今までと変えてっていうのはなくて、今まで通りの自分を見せるだけだと思っています。志朗選手が焦っていたり上手くいかない姿ってあまり見ることがないのでそういう姿を見せます。
–いつもポーカーフェイスの志朗選手が初めてパニックになるような感じですか?
田丸 そうですね。5ラウンドなので、特にラウンドを重ねるごとに差が開いてきたりするので序盤から自分のペースで試合を終わらせます。
–現時点では何ラウンドくらいがキーポイントだと思いますか?
田丸 前回の試合では1ラウンド目がカギになるかなと言っていましたけど、向こうが変わっていなければ今回も同じで1ラウンド目に前回と同じような感覚で、勝敗が決まります。
–山梨合宿があったと思いますが、その期間はどれくらいでしたか?
田丸 走ったのは2日間くらいですね。
–キツい合宿でしたか?
田丸 大橋ボクシングジムの八重樫さんにメニューを考えてもらって、普段ボクサーが走っているようなメニューで走ったんですけどめちゃくちゃきつかったです。
–どのくらい走ったかわからないですけど、表現するとしたらどのようなきつさでしたか?
田丸 走った次の日はみんな歩けなかったです。そのあと台風になってしまったので、最終日は走らなくてよくてラッキーでした。走って帰ってきて、その日は休んで、次の日でもまともに練習できないくらいに追い込みました。
–追い込みとか練習とか普段からやってきている人でもそうなるってことですね。
田丸 走りに関して言えば人生で1番きつかったです。
–走りと他にはどんなことをやりましたか?
田丸 初日は午前中TRY HARD GYMで、そこから移動して、2日目は1日中走り込みだけでした。普通に脱水症状や熱中症になった人もいましたし、走っている途中に吐いちゃったりする人もいました。身体的にもメンタル的な部分でもすごく鍛えられたトレーニングでした。
–そこまでの追い込みをするのは久しぶりでしたか?
田丸 もともとそんなに走るタイプではないので、走りでそこまで追い込むのは初めてかもしれないです。
–ということはスタミナが今回ついている感じですか?
田丸 走るスタミナとキックボクシングのスタミナってちょっと違うので、そこは大きくどれだけ変わっているのかは自分ではわからないですが、疲れたときやもう一歩前に出たいときに出る力はつきました。
–合宿中、追い込みをしているときは、乗り越えるためにどんなことを考えていましたか?
田丸 最初からメニューが決まっていて、それをやり切ろうと思っていました。
–志朗選手のことは一切頭になかったですか?
田丸 何も考えてないです。
–あと関係ないかもしれないですけど、オリンピックは見たり気にしたりしましたか?
田丸 そんなに見てはいないですけど、一応SNSで話は入ってくるので。格闘技も世界的に注目が集まるようになってほしいです。
–そうやって自分たちも注目を集めていきたいですね。
田丸 それを引っ張っていく1人にならないといけないなと感じます。
–対戦相手のことは会見で色々話されているので今更感もありますが、下からの追い上げについてはいかがでしょうか。花岡選手と長谷川選手の試合は結構騒がれていますが、田丸選手はどう思っていますか?
田丸 10代とか20代ですごくレベルが高くて強い選手だなって思います。でも自分も15,6の頃から今の僕くらいの年代の人達にくらいついて勝っていたので、強い選手は何才だろうと強いし若いからって油断とかはなく一選手として見ています。
–そのうちもしかしたら対戦があるのかなという気持ちで見ていますか?
田丸 全然あると思います。僕もそうだったのでチャンピオンクラスとやりたいって10代の頃から思っていて、鈴木選手の試合とかもそうですけど、そういう選手がどんどん出てくるのがRISEなので、自分も足元すくわれないようにとは思っています。
–ひょっとしたら胸を貸すこともあるかもしれないと?
田丸 胸を貸すっていう気持ちは正直ないですけど、まあ自分を倒してくれるんだったらこっちも全力で潰すことだけを考えます。
–今はまだそこまでは考えられないですよね。
田丸 僕も一応まだ20代前半なので、それこそ志朗選手とかもそうですけど、今まで自分が減量とかやっていた時に引っ張っていた選手を引きずり下ろしていきたいです。
–自分たちの時代にしたいって感じですか?
田丸 まずは僕が引っ張っていかなければと思っています。
–前回の試合はノーコンテストになってしまいましたが、今回の試合はご自身の中ではどういう位置づけですか?けじめをつけるとかそういう感じですか?メラメラした気持ちとかってどうなのかなって思っているのですが。
田丸 自分の中でノーコンテストになってしまってまず1番は、「俺のほうが強かったでしょ」って見せつけたかったですけど、誰もが納得できない形で終わってしまったので、そこのもやもやは払拭させたいですね。2番目は、軽量級の中で本当に強いって言われている志朗選手にしっかり圧倒的な差で勝って、「今のRISEの軽量級では田丸が一番だな」って一択だけにしたいでです。
–最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
田丸 いつも応援してくださっている皆様ありがとうございます。9月8日、志朗選手との完全決着で僕が圧倒的な差を見せつけて勝って、RISEを引っ張っていこうと思っているので応援よろしくお願いします。期待していてください。
那須川龍心インタビュー 『(気をつけている事は)腕十字ですかね(笑)』『3ラウンドを通して倒しにいく』
–先日は合宿に参加されていましたが、かなりしごかれましたか?
那須川 めちゃくちゃきつかったですね。しかも2回行ったので。
–2回はどこに行かれたんですか?
那須川 淡路島と那須の湯本というところです。
–どちらもきつかったですか?
那須川 そうですね。会長がずっと見ていたので手を抜けなかったです(笑)。
–龍心選手の足がパンパンという噂も耳にしました。
那須川 昨日合宿を終えて帰ってきたところなので、足がパンパンで肉離れしそうで危ないです。ギリギリ一歩手前って状態です。
–試合前ですがギリギリそこまで追い込んだことに理由はありますか?
那須川 今回の試合に勝つためという事もありますし、今後を見据えてという事もあります。
–今後を見据えてとなると、タイトルマッチということになりますか?
那須川 タイトルマッチですね。そこは大1番なので勝たないと意味がないので、タイトルマッチを見据えています。
–今回の試合は前哨戦という意味合いもありますか?
那須川 前哨戦だと思うんですけど、気を抜いてしまうと何があるか分からないのが格闘技なので、そこは気を抜かずしっかり対策もしています。次を見ていないかと言われたら嘘になるけど、相手のこともしっかり見ているので気は抜いていないです。
–先日、お兄さんの那須川天心さんがボクシングでタイトルマッチが発表されましたが、それは良い刺激になりましたか?
那須川 刺激になるかと言われたらなりますけど、天心がボクシングに転向したことでスタートラインが一緒になったと思っていたので、先にベルトを獲りたいなって考えがあったんですけど、今回天心が先にタイトルマッチを行うので、これでベルトを獲られたら先に越されちゃうなって感じですね。
–会見の時に、天心選手とまた一緒に練習をやると仰っていましたが、もう再開はされていますか?
那須川 天心もイベントがあったりとか、どこか行ったりとかしていたのでまだ一緒にはやっていないですけど、天心が教えてもらっている人のところに行って練習しています。
–それはパンチの練習ですか?
那須川 格闘技ではなくて体の使い方を教えてくれる武術的なところです。
–効果はありますか?
那須川 間合いとか隙とか呼吸とか色々ある中で、すぐにできるものではないので全然まだまだできないです。
–いつ頃からそこに行っていますか?
那須川 そこに行ったのは1週間前くらいです。その人には3月の松本天志戦の直近くらいから教えてもらっていて、今回初めてマンツーマンで教えてもらいました。
–武術的なもので間違いないですね?
那須川 武術と言うのか心構えと言うのか、間合いとかの見えないものを教えてもらっています。
–合気道とはまた違う内容ですか?
那須川 そういう感じの類だと思います。
–天心さんはそのトレーニングによってどんな効果を得られたか話していますか?
那須川 それをやることによって、相手の動きが読めると言っていました。相手が抜いている時や気を張っているときなどが読めてくると。
–天心さんはいつ頃からその先生の下でトレーニングをされているんですか?
那須川 たぶんボクシング転向後だと思います。
–実際に天心さんの試合を見ていて、そのトレーニングが活かされている動きや場面はありましたか?
那須川 見ていて分かる部分もありますし、実際にマスをした時に本当に嫌なところを突いてくるので、見るよりやってみた方が分かりやすいですね。
–龍心選手は天心さんと昔から練習していると思いますが、まだ天心さんの成長や変化している部分を感じますか?
那須川 常に変化していると思いますし、そこに追い付かないといけないと思っています。僕も変化していかないと、格闘技の技術は変化していくものなので、その最先端に行っておかないとなと思っています。
–改めて今回の相手は年末のRIZINで戦ったジョンミン選手との対戦になります。前の会見では「腕十字に気を付ける」と仰っていましたが、実際のところRISEルールではどんなところに気をつけないといけないですか?
那須川 うーん。。。腕十字ですかね(笑)
–フリを出したわけではないんです(笑)
那須川 本当のことを言うと、攻撃を振ってくるのでフック系には気をつけたいなと思っています。
–1ラウンドの時はジョンミン選手の打撃も入っていた場面があったと思うのですが、威力やスピードなどはいかがでしたか?
那須川 腕十字を極められたイメージしかないので、パンチをもらっていたイメージがなかったんですけど、MMAなので距離は遠かったです。
–-先ほど油断をしないという話がありましたが、その中で何ラウンドに決着をつけたいか、どんな流れで勝つかイメージはありますでしょうか?
那須川 1ラウンドで倒そうとして倒せなかった時のスタミナの消費があるので、3ラウンドを通して倒しに行きます。
–3ラウンドを戦う理由としては、色々やってみたい事があるのでしょうか_?
那須川 それもありますし、1ラウンド目に倒そうと思って倒れなかった時とか、あと一歩の時だった時の切り替えが難しいと思うので「3ラウンドを通して倒しにいく過程で、1ラウンドで倒れたとしたらラッキーだよね」っていうイメージを持つようにしています。
–公開練習では力強いパンチを打っていましたが、自分のパンチの殺傷能力の高まりは感じていますか?
那須川 やっている中で力の伝え方とかが分かってきたので、ミットでやっている感じのパワーの伝え方を相手にもできたら倒れると思うので、そこが今の課題ですね。
–ちょっと前の龍心選手は、ポイントを取って上手くいなしてという戦い方でしたけど、最近は倒すということに自信が出てきたんですか?
那須川 まだパンチを効かせて倒した事がないので自信はないですけど、それを今回で試せればなと思います。やっぱり試合と練習では全然違うので、練習だったら最近いい感じに当てられるようになってきているので、それを試合で出したいです。
–自分の将来像的にはそういう選手に成長していきたいという事ですね。
那須川 そうですね。やっぱり倒せる選手ってかっこいいじゃないですか。周りから見ていても分かりやすいし、憧れる存在にもなると思うので、そういうところを目指していきたいです。
–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いいたします。
那須川 9月8日の試合で次のタイトル戦に向けて期待されるような勝ち方をするので、皆さん応援をよろしくお願いします。
白鳥大珠インタビュー 『久々にパンチでスカッと倒したい。今回は自分の圧勝で終わらせる』
–調子はいかがですか?
白鳥 徐々に上がってきています。
–先日TEPPEN GYMで合宿をしていましたが、どちらへ行かれたんですか?
白鳥 僕は行ってないです(笑)。
–個人で今回のファーパヤップ戦の調整をされていたんですね。
白鳥 自分で考えてきた事もありますし、今回は減量がいつもより多かったので、体調管理を含めて合宿に参加しないでやっていました。
–その減量についてですが、体重は結構増えていたんですか?
白鳥 今までの体重よりも3,4kg増えていたので、不安はありましたけど順調に落ちてきているので問題はないです。
–暴食してしまったとか何か原因はありますか?
白鳥 体を大きくするトレーニングをしていて、それで食事量も少し多めに取るようにしていたので、筋肉もついて体重が増えてきました。
–今は順調に落ちつつあるという状況なわけですね。
白鳥 最後まできっちり調整していくので問題はないです。
–今回の対戦相手はサウスポーですが、サウスポー同士の戦いは過去に経験してきたことはありましたか?
白鳥 最後に戦ったサウスポーがゴンナパーで、あとはその前の秀樹選手もサウスポーでしたね。
–サウスポーは得意ですか?不得意ですか?
白鳥 そんなに苦手意識はないですけど、オーソドックスの方がやりやすいです。
–対サウスポーの対策はされていますか?
白鳥 今は基本的にはサウスポーとしか練習していないです。サウスポーだからこそ入りやすい技も見つけたので、いけると思っています。
–その技は試合中に出ますか?
白鳥 それは言わないでおきます。対オーソドックスとは違うフィニッシュパターンが出るかもしれないです。
–SNSで「今回の試合で自分がムエタイ選手が得意なのかどうか分かるだろう」というような投稿をしていましたね。
白鳥 セクサン戦を経て、ゴンナパーと戦う時に格闘技ファンの間では「ムエタイが得意だから相性が良いんじゃないか」と言われていて、実際に戦ったらやられてしまいました。僕的にはムエタイスタイルの選手に苦手意識はないですけど、ゴンナパーに関してはムエタイというよりは日本人に近くて、ムエタイもありつつ今のK-1のルールに特化したファイトスタイルだと感じました。次の相手は普段肘ありでやっている選手なので、完全にムエタイなのでバッチリはまると思います。
–バッチリはまるとしたら、どんなフィニッシュを期待していたらいいですか?
白鳥 前回の僕のKO勝ちが膝でのフィニッシュだったので、久々にパンチでスカッと倒したいなというイメージを持ちながら練習しています。65kgの査定試合が他にも組まれていますが、そこと比べられる試合にもなるので、今回は自分の圧勝で終わらせます。
–他の選手と比べられることは意識しますか?
白鳥 伊藤代表からは12月のトーナメントはほぼ確定と言われていますが、それに対して不満の声もちらほら聞いたりするので、そこに対してや他の試合に対して「今の俺はこんなに強いから」ってアピールする試合になると思っています。
–体を大きくしているのは12月の試合を見越してトレーニングしているんですか?
白鳥 12月の試合を見越してやっています。原口くんがRISEのトップで戦っている選手ですけど、この間のGLORYでのタイトルマッチを見て、技術の差はそこまでないけど海外の強い選手と比べると首相撲だったりフィジカルの差が出ているなと思いました。だから自分も早い段階で準備をしておかないとって。今までは技術やスピードで勝負できると思っていたんですけど、63kgから65kgに階級を上げて、客観的に見ても体の線が細かったので、この階級で世界と戦っていくには必要なことだったのでトレーニングを取り入れ始めました。
–原口vsペッチ戦を見て始めたことだったんですか?
白鳥 ソンヒョン戦が終わってから始めたことですね。ソンヒョン戦で色々な課題が見えたので、試合が終わってすぐ取り入れました。
–今回はパンチでKOしたいということですが、そのパンチの殺傷能力はどれくらい強化されてきましたか?
白鳥 インパクトの瞬間を意識してやってきました。倒したいっていう気持ちが前に出過ぎると倒せない事の方が多いんですけど、最後のインパクトの瞬間だけを意識して、体を大きくしてもスピードが落ちることはないので、今回は今までとは違った重い1発を見せます。
–体を大きくするために食事量を増やしたと仰っていましたが、体重は1番重くて何キロくらいまで増えましたか?
白鳥 今がマックス76kgですね。基本的に72kgから73kgだったんですけど、3月くらいから食事内容も変えてきました。今までは試合が終わったら一気にオフに切り替えて外食ばかりだったんですよ。それもやめて、試合が終わっても予定がない限りは基本的に朝から夜まで全部自炊をしています。
–自分で作るメニューの中で定番のものはありますか?
白鳥 定番というようなものはないです。別に人に振る舞うわけじゃないので(笑)。凝っているわけでもないので、Youtubeのショート動画で美味しそうなメニューを見つけて材料だけ自分で決めて今日の献立を決めてます。
–材料に関してはタンパク質が多めになるようにしてますか?
白鳥 タンパク質多めで脂質も減らしています。フィジカルを見てもらっているジムが栄養管理をガッツリやっているところなので、そこから知識を得て食事が大事だなと思いました。食事内容で普段の練習内容だったりパフォーマンスが全く違うことを実感できているので、本当にこだわってやっています。
–前回のインタビューで「原口選手になめられている」というような話がありましたが、今回の肉体改造などを経て年末のトーナメントで見返したいというような気持ちはありますか?
白鳥 12月がありますけど今はそこを見たくないという気持ちもあります。9月の試合まで迫っている時期だし、僕は1戦1戦大事にやってきているので今はそこを見ています。だけど今回問われるのは内容だと思うので、きっちり同階級の選手全員に見してやろうって気持ちは強いです。原口くんに関しては1回負けているので、絶対にやり返すという気持ちは変わらないです。彼が65kgで世界と戦っていくとなって僕も65kgに階級を上げましたし、ゆくゆくはさらに階級を上げていきたいっていう野望もありますけど、彼のことを倒してから次に進みたいですね。
–原口戦をやらないことには前に進めないですね。
白鳥 やっぱりRISEで「俺がエースだ」っていうポジションにもなっていると思うので、そこを倒すのが次なるステップだったり目標が見えてくるのかなと思っています。
–最後にファンの皆さまへメッセージをお願いいたします。
白鳥 9月8日はバッチリ仕上げて強い白鳥大珠を見せます。今回は自分の中のテーマとして、とにかく内容で見せて必ず倒し切る試合をしますので、是非会場で応援をよろしくお願いします。
麻火佑太郎インタビュー 『KOで勝つなら1ラウンドで、判定だったらもらわずに当てるスタイルを徹底して勝つ』
–キレのある公開練習でした。いつもあんな感じで練習されているんですか?
麻火 あれを7ラウンドやっています。
–あの動きを7ラウンドやるのはしんどそうですね。
麻火 今日は緊張していたのでいつもより疲れてしまったんですけど、いつもミットをトレーナーが持ってくれているので、本当に感謝ですね。
–時折テコンドーのような動きを入れているような印象だったのですが、意識して入れられているんですか?
麻火 元々ムエタイのジムだったので、どちらかというとムエタイのミットだったんですけど、トレーナーが日本のスタイルや僕のスタイルを理解してくれて、ああいう技を取り入れてくれるようになりました。
–地元で長らくテコンドーをやってきたと思いますが、今の自分にも取り入れたいという気持ちはありますか?
麻火 自分と他の選手では違うスタイルがあるので、これからも自分のスタイルで上に行きたいので、変わらず蹴り技を使っていきます。
–先日8月20日に誕生日を迎えられて、25歳になった心境としてはいかがですか?
麻火 23歳24歳と勝ち続けることができたので、25歳も負けないように毎日コツコツやっていきたいと思います。
–チャド・コリンズ戦が発表されてから周囲の反響はいかがでしたか?
麻火 やっぱり負け予想は多いんですけど、あまり周りの意見は気にしないですし、下馬評が不利というのはセクサン戦で慣れたのであとはやるだけですね。
–セクサン戦を経て周囲の反響はあまり気にしないようになったという事ですか?
麻火 元々気にするタイプではなくて、見なければいいかなと思っています。でも今の時代SNSがあるので、言われてもしょうがないんですけど、結果で見せればいいかなと思っています。
–SNSを見ないようにしているんですか?
麻火 自然と毎日毎日必死にやっていたらあまりSNSを見なくなって、とにかく自分の目の前のことに集中してやっています。
–チャド・コリンズ選手は本当に強豪だと思いますが、印象は以前の会見の時から変わっていないですか?
麻火 印象自体は変わらないですけど、チャド・コリンズ選手に対しての自分が勝つ自信は日に日に増しているので、あと2週間でどれだけ100%に持っていけるかが肝ですね。
–麻火選手がチャド・コリンズ選手に勝てる根拠はどこになりますか?
麻火 僕のスタイルは他の日本人にはないスタイルですし、チャド・コリンズ選手はムエタイスタイルだったり足のステップを使わない日本人選手に勝ってきているので、僕がチャド・コリンズ選手の勝ち方を皆さんに教えます(笑)。
–今までのチャド・コリンズ選手の試合を見ていると、相手をしぶとく削ってくる戦い方をしていますが、それに対応できる自信はありますか?
麻火 正直セクサン選手よりも圧力が強いと思いますし、自分が想像している以上のものがあると思いますが、僕も日に日に成長している自覚があります。今は対峙した時の楽しみの方が大きいので、上手くいなして自分のスタイルで戦いたいです。
–ご自分のスタイルですが、イメージしている選手はいらっしゃいますか?
麻火 昔から色んな選手を見てきて、長野にいた時からずっと参考にしてきたのはペトロシアン選手です。攻撃をもらわずに当てるサウスポーっていうのが自分の理想なんですけど、ペトロシアン選手が持っていないものも僕は持っているので、色んなものをミックスしながらもらわずに当てるというスタイルを決めたいです。
–もらわずに当てるディフェンスの練習はどのように取り組んでいますか?
麻火 シャドーボクシングをひたすらやっています。なあなあにしてやる人もいますが、僕はシャドーが1番大事だと思っていて、そこでできない動きは試合でもできないですし、ディフェンスを意識しながら徹底して行っています。
–先日の会見では体の強では正直勝てないという話がありましたが、体の強化という点においては取り組まれていますか?
麻火 もちろんずっとやっているんですけど、フィジカルで勝とうと思っていないだけでフィジカルは強化しています。ここに来る前にもフィジカルトレーニングをして来ましたし、本当に毎日毎週成長しているのでそこまでフィジカルに差は出ないと思うんですけど、フィジカルだけで勝負をすると差が出てしまうかなと思っています。
–実際はどういったフィジカルトレーニングやられているんですか?
麻火 川口にあるエムズというところでフィジカルトレーニングをしているのですが、そこでは心拍の強化をしていてとにかく心拍が高い状態でも動いて、しっかり呼吸を戻すというトレーニングなのですが、どれだけ攻めてもしっかり回復するということを意識しています。
–梅野源治選手から今回の試合に関してアドバイスはありますか?
麻火 梅野選手からは強い選手だけど勝ったら大きいよねと言ってくれています。自分はまだ知名度もないですし、SNSもキャラクターがあるわけではないので、しっかりと強い選手に勝っていく事で自分の価値を上げていきたいです。勝っていって梅野さんのような世界に羽ばたける、世界を獲れるような選手になりたいです。
–今回は勝つならKOか判定のどちらになりそうですか?
麻火 KOで勝つなら1ラウンドで、判定だったらもらわずに当てるスタイルを徹底して勝つと思います。中には自分の攻撃もしっかり効かせる場面があると思うので、どちらかの展開になる可能性が高いと思います。
–12月のトーナメントという事もあり査定試合的な部分もありますが、インパクトを残して勝ちたいのかそれとも確実に勝つことを意識しますか?
麻火 ずっとトーナメントのことは言っていましたけど、今はその先の事を考えていなくて、とにかくチャド・コリンズ戦だけを考えています。その試合の結果で自分の選択肢が広がってくるので、今はとにかく9月の試合のことしか考えていないです。
–チャド・コリンズ戦は元々麻火選手がリング上で対戦希望を要求したところから始まったと思いますが、実際に対戦が決まった時はどういう感情でしたか?
麻火 チャド・コリンズ選手の名前は昨年の大田区での試合後の勝利者インタビューでも出させていただいていたのですが、ずっと戦いたい相手だったけど自分がまだその位置にいけてなかったというのがあって、すごく悔しかったです。この1年間、本当に目の前の試合を積み重ねていった結果こうして試合が決まったので、やっとこの位置まで来れたんだなと思いました。組んでいただいたのは皆さまのおかげなので、全てをひっくり返して勝ちたいと思います。
–麻火選手の話し方や言葉遣いを聞くと頭が良さそうだなと感じるのですが、学校の成績はどうでしたか?
麻火 学校の成績は全然良くなかったですし、全く頭が良くないのでそうやってイメージを持っていただけるのはプラスなことなので嬉しいです。だけど実はすごいバカですし、バカだからこそ一生懸命格闘技と向き合うことができています。有名になりたいというよりかは、とにかく毎日自分を更新していくという事だけを考えるようになってから調子が良くなりました。
–格闘技に関しては理詰めで考えていくことが多いですか?
麻火 6歳から空手やテコンドーをやっていく中で「センスがあるね」と言ってもらえることが多かったんですけど勝てないことがあって、センスがあるだけではなくて毎日コツコツ積み上げて来た人が強いなというのを感じました。「センスがあるね」っていうのは褒め言葉ではないと思っていて、「強いね」と言われないと格闘家として意味がないと思っているので、その強さを求め始めてそこだけを意識しています。
–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
麻火 毎日毎日、9月8日にチャド・コリンズ選手に勝つためだけに練習しています。残り2週間となりましたけど、残り期間でしっかり仕上げて何があっても必ず僕が勝つので、是非9月8日の僕の試合を楽しみにしていてください。よろしくお願いします。
■ RUF presents RISE WORLD SERIES 2024 YOKOHAMA
日時:2024年9月8日(日)
会場:神奈川・横浜BUNTAI
<メインイベント(第13試合) RISE世界バンタム級(-55kg)タイトルマッチ 3分5R 無制限延長R>
志朗(王者/BeWELLキックボクシングジム/初代RISE世界バンタム級王者)
vs.
田丸 辰(挑戦者/TRY HARD GYM/RISE WORLD SERIES 2023 -54kgトーナメント王者、初代RISEフライ級王者、初代RISEスーパーフライ級王者)
<セミファイナル(第12試合) Super Fight! -61.5kg契約3分3R延長1R>
中村 寛(日本/BK GYM/第8代RISEライト級王者)
vs.
エン・ペンジェー(中国/仏山温拿拳館)
<第11試合 Super Fight! スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R>
チャド・コリンズ(オーストラリア/Strikeforce/第2代RISE世界スーパーライト級王者、WBCムエタイ世界スーパーライト級王者)
vs.
麻火佑太郎(日本/PHOENIX/スーパーライト級4位)
<第10試合 Super Fight! スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R>
中野椋太(日本/誠至会/第3代RISEウェルター級王者)
vs.
イ・ソンヒョン(韓国/RAON/スーパーライト級1位、第4代RISEミドル級王者、第2代RISEライト級王者)
<第9試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R>
白鳥大珠(日本/TEAM TEPPEN/同級2位、RISE WORLD SERIES 2019-61kgトーナメント王者)
vs.
ファーパヤップ・GRABS(タイ/GRABS)
<第8試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R>
那須川龍心(日本/TEAM TEPPEN/フライ級1位)
vs.
シン・ジョンミン(韓国/オーサムマルチジム)
<第7試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R>
梅井泰成(Mouton/同級3位、第4代RISEフェザー級王者)
vs.
國枝悠太(Never mind/9+nine plus lab/AJKNフェザー級王者)
<第6試合 -61.5kg契約 3分3R延長1R>
常陸飛雄馬(日本/TARGET SHIBUYA/スーパーフェザー級2位)
vs.
アリシェル・カルメノフ(カザフスタン/Nural sports school)
<第5試合 ウェルター級(-67.5kg)3分R延長1R>
ペトル・モラリ(モルドバ/Kickboxing fearless/WKU WORLD-65kg王者、ウェルター級1位)
vs.
實方拓海(日本/TSK japan/ウェルター級4位)
<第4試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
加藤有吾(RIKIX/同級3位)
vs.
松下武蔵(GOD SIDE GYM/同級9位)
<第3試合 スーパーフライ級(-53kg)3分R延長1R>
塚本望夢(team Bonds/初代DEEP☆KICK -51kg王者、フライ級3位)
vs.
弾丸風太(TEAM KAZE/フライ級7位)
<第2試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R>
奥平将太(KSR GYM/スーパーフェザー級10位)
vs.
細越竜之介(team AKATSUKI)
<第1試合 バンタム級(-55kg)3分3R延長1R>
良星(KSR GYM/同級6位、第4代Bigbangスーパーバンタム級王者)
vs.
彪司(TEAM TEPPEN/同級11位、Stand Up King of Rookie2021-53kg級優勝)
<オープニングファイト③ フライ級(-51.5kg)3分3R>
酒井柚樹(TEAM TEPPEN)
vs.
野嶋琉生(TARGET SHIBUYA)
<オープニングファイト② ミニフライ級(-49kg)3分3R>
宮﨑若菜(TRY HARD GYM/同級4位)
vs.
登島優音(NEXT LEVEL渋谷)
<オープニングファイト① ライト級(-63kg)3分3R>
G-REX(TEAM TEPPEN)
vs.
杉田優牙(D−BLAZE /2023年Amateur RISE Nova全日本トーナメント-55kg級優勝)
VIP(柵内・特典有) 80,000円
アリーナSRS 25,000円 ※残りわずか!
アリーナRS席 15,000円 ※残りわずか!
スタンドSS席 15,000円 完売
スタンドS席 10,000円
スタンドA席 6,000円
小中高生シート 2,000円(当日券のみ)
※当日は500円プラス
※未就学児は保護者膝上に限り無料
「小中高生シート」は当日のみに販売されるチケットとなります。前売券にて全席種完売の際には発売されませんので予めご了承ください。
※「小中高生シート」をご購入の場合は、当日券売場にて対象となるご本人様同伴の上で、年齢の確認できる身分証明書(学生証・健康保険証など)をご提示ください。
※前売券で事前に購入されたチケットと当日にのみ発売される「小中高生シート」を別々に購入された場合は、連番でのご用意は致しかねます。連番を希望される場合は、前売券または当日券でまとめてのご購入をお願い致します。前売券での購入は「小中高生」のお客様でも前売料金となります。
※チケットを紛失されたり、当日にお忘れになった場合など、いかなる理由でも再発行はいたしかねます。ご購入の証明があってもご入場できませんので、大切に保管しお持ちください。
【販売】
・イープラス https://eplus.jp/rise/(PC&スマートフォン)
ファミリーマート 店内Famiポート
・チケットぴあ http://pia.jp/t/ (セブンイレブン各店)