AAAトリプレマニア有終の美!バンピーロ・カナディエンセ棺桶戦引退

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 8月17日(現地時間)にメキシコ合衆国メキシコシティで『AAA Triplemanía XXXII: Mexico City』が開催された。
 メキシコの二大ルチャリブレ団体のひとつAAA。1992年、CMLL(当時の団体名はEMLL)のブッカーを務めていたアントニオ・ペーニャが独立し、メキシコシティに設立して旗揚げ戦を開催した。アメリカンプロレスを意識したエンターテイメント性の強いプロレスを推し進めてメキシコを基盤に南米やアメリカへの人気を獲得していく。
 今大会は、AAA年間最大大会トリプレマニアで、近年は年に数回に分けて行っている。今回のが2024年最後にして集大成のトリプレマニアとなった。

 年間最大大会にふさわしくメインでは死のドゥームと呼ばれる敗者チームの選手が覆面を脱ぐか丸坊主になるマスカラ・コントラ・カベジェラ戦が行われた。サイコ・サーカス(マーダー・クラウン、デイブ・ザ・クラウン、パニック・クラウン)、ラ・セクタ(シベルネティコ、ダーク・クエルボ、ダーク・オズ)、ロス・バイパーズ(シコシス、アビスモ・ネグロ、フィスカル)と三チームで争われる。まず、サイコ・サーカスが脱出し、ラ・セクタとバイパーズのどちらが最後まで残るかとなり、最後の二人はシベルネティコとシコシスとなった。シコシスがよじ登って脱出しようとするが、シベルネティコがバットで殴りシコシスを叩き落して脱出。覆面レスラーのシコシスが負け残りとなり、覆面を脱いで、ルチャ歴27年、本名はフアン・ゴサレス・クルス、プエブラ出身と発表された。

 団体最高峰王座であるAAAメガ王座戦も組まれ、王者ニック・ネメスにアルベルト・エル・パトロン(アルベルト・デル・リオ)が挑んだ。ネメスのセコンドには、なんとWWEレジェンドであるJBL(ジョン・ブラッドショー・レイフィールド)が登場し、WWE以外に出場する事がほとんどないだけに、ビッグサプライズとなった。(メキシコから見て)外国勢であるネメスから、なんとかメキシコに王座を取り戻したいパトロンだけに、最後はレフェリーの隙をついてのローブローでフォール勝ち。何はともあれ王座をメキシコに取り戻した。

 メキシコ国外選手で最もメキシコで成功したプロレスラーと言われるバンピーロ・カナディエンセ引退試合が行われ、棺桶マッチで対戦相手は大会当日発表となったが、対戦相手なのかわからないが、次々とバンピーロと因縁のある選手がリングに押しかけてきた。ジェフ・ジャレット、サム・アドニス、シエン・カラス、チェスマン、パガノ、メカ・ウルフ、ピラタ・モルガン、オクタゴンJr.、コナン、ラ・パルカ、エル・メシアスと現役選手だけではなく、引退してる選手や亡くなっているラ・パルカ(死体として棺桶に入っている)まで登場してお祭り騒ぎとなった。最後はバンピーロがローブローからキックを叩き込み、メシアスを棺桶に葬り勝利。棺桶は炎に包まれ、バンピーロが勝ち名乗り。試合後、ファンへ感謝のアピールをした。

 AAA世界タッグ王座戦はトリプルスレッドで争われ、義理の親子であるネグロ・カサス、サイコ・クラウンの王者に、ドクトル・ワグナーJr.、ガレノ・デル・マルの親子チーム、そしてインド軍というかジェフ・ジャレット率いる反メキシコ軍としてラジ・デッシィ、サトナム・シンAEW勢が挑戦した。試合は六人が入り乱れる乱戦になり、当然、セコンドのジャレットも乱入を繰り返す。そして最後はリング中央でジャレットがカサスに必殺のギターショット、それをデッシィがフォールして、なんと王座が反メキシコ軍に流出してしまった。

 またオープニングで行われたバーダル杯は、オクタゴンJr.が優勝となったが、なんとケンゾー・スズキや、マルコ・コルレオーネという懐かしの大物が参戦。会場を盛り上げた。

 また2024年AAA殿堂入りとしてシコシス(初代)が選ばれ表彰された。

■ AAA Triplemanía XXXII: Mexico City
日時:2024年8月17日(現地時間)
会場:メキシコ合衆国メキシコシティ

<マスカラ・コントラ・カベジェラ金網マッチ>
○サイコ・サーカス(マーダー・クラウン、デイブ・ザ・クラウン、パニック・クラウン)
○ラ・セクタ(シベルネティコ、ダーク・クエルボ、ダーク・オズ)
 金網脱出
●ロス・バイパーズ(シコシス、アビスモ・ネグロ、フィスカル)

<AAAメガ王座タイトルマッチ>
○アルベルト・エル・パトロン(挑戦者)
 ピンフォール
●ニック・ネメス(王者)

<バンピーロ引退試合 棺桶マッチ>
○バンピーロ・カナディエンセ
 棺桶葬
●エル・メシアス
ジェフ・ジャレット、サム・アドニス、シエン・カラス、チェスマン、パガノ、メカ・ウルフ、ピラタ・モルガン、オクタゴンJr.、ラ・パルカ、コナン

<AAA世界クルーザー級王座タイトルマッチ>
○マット・リドル(挑戦者)
 ピンフォール
●コマンダー(王者) 
ラレド・キッド(挑戦者)

<AAA世界タッグ王座タイトル3WAYマッチ>
○ラジ・デッシィ、サトナム・シン(挑戦者)
 ピンフォール
●ネグロ・カサス、サイコ・クラウン(王者)
ドクトル・ワグナーJr.、ガレノ・デル・マル(挑戦者)

<バーダル杯>
優勝:オクタゴンJr.
参戦選手
エレヒード、ジェシー・クイーン、スンビード、Mr.イグアナ、ニーニョ・アンブルゲサ 、イエドラ、エストレジータ、オクタゴンJr.、マスカリータ・サグラーダ、チャーリー・マンソン、ヘビー・メタル、ケンゾー・スズキ、マルコ・コルレオーネ、ピンピネーラ、アラン・ストーン

<レイナ・デ・レイナス王座タイトルマッチ>
○フラマー(王者)
 ピンフォール
●ファビー(挑戦者)