RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA中村拓己さん見どころコラム+選手インタビュー

「強者は、西から生まれんねん。」

これが今大会のABEMA制作のキービジュアルのキャッチコピーだ。このキャッチと共に、大阪在住のチャンピオンを含む全11選手が通天閣をバックにずらりと並ぶビジュアルはインパクト大だ。

大阪でのビッグマッチは2019年7月からスタートし、今年で6年目。5年前の大阪大会の出場選手を見返すと、大阪在住の現役チャンピオンは鈴木真彦のみ。それが今年は中村寛、中野椋太、数島大陸の3選手に増え、RISE全体を見ても7人のチャンピオンが大阪在住という状況だ。今やRISEにとって大阪大会は地方のビッグマッチという枠を超え、東京と並ぶ中心地になったと言っても過言ではない。

RISE WORLD SERIESと言えば、RISEの精鋭たちが海外の強豪と拳を交える“日本VS世界”だ。当然中村&数島の大阪王者コンビがここに名を連ね、2023年の年間MVP・田丸辰、大雅、白鳥大珠、南原健太と関東からもトップ選手たちが参戦し、豪華なメンバーが集まった。

マッチメイク的にも中村VSタリソン“Crazy Cyclone”フェレイラは当初3月の「RISE ELDORADO 2024」で予定されていたカード(※タリソンのバイク事故で消滅、今大会にスライド)で、大雅と“スーパーレックを追い詰めた男”ダニエル・プエルタスの一戦や、年末に予定されているRISE&GLORYの65kgトーナメントへの生き残りをかけた白鳥VSペトル・モラリなど、関東のビッグマッチで組まれてもおかしくないカードが並んだ。また宇佐美秀メイソンのRISE初参戦、那須川龍心VS塚本望夢のフライ級トップランカー対決など、全国のファンが大阪まで足を運びたくなるようなラインナップが揃っている。

そんな大阪大会のメインイベントはRISEスーパー・フライ級の絶対王者・大﨑一貴に地元・大阪の挑戦者・政所仁が挑む一戦だ。

2018年からRISEに参戦し、その実力を評価されていた政所だが、RISE伊藤隆代表が「強い選手だけど、今まではあと一歩が足りなかった」と話すように、どこか突き抜けきれない印象があった。しかし2023年7月に風音を激闘の末に破ると、8月にはスペインのルベン・セオアネをKO。11月のRISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメントでは1回戦で過去に敗れている花岡竜にKOでリベンジを果たし、決勝の長谷川海翔戦では右ハイキックでダウンを奪って勝利し、トーナメント優勝と大﨑への挑戦権を勝ち取った。まさに今まで政所に足りなかった「あと一歩」が出るようになった、そんな1年を過ごして急成長を遂げたと言っていいだろう。

一方の王者・大﨑は2020年9月にRISEスーパーフライ級王座に就くと、2023年4月にはISKAオリエンタルルール世界フライ級王座も獲得し、スーパーフライ級で確固たる地位を築いた。しかし昨年のRISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournamentでは準決勝で敗退。12月のジャルンスック・ブーンラナームエタイは延長判定2-1で辛くも勝ちを拾い、今年3月のジラリー・キャルービー戦も勝ちはしたものの、キャルービーのクリンチワークに苦しんで見せ場を作ることができなかった。大きな飛躍を遂げた政所とは対照的に、今の大﨑は思うような試合をできていない。

大﨑と政所は2020年7月のRISE後楽園大会で対戦し、この時は大﨑が延長判定勝利を収めている。政所にとってはキャリア的にも上り調子で、地元・大阪で迎えた王座奪取&リベンジのチャンス。これ以上ない舞台を前に「ずっとこのベルトが欲しかった。それプラス大阪ということで、今まで応援してくれている人たちにも悔しい思いをさせた分、たくさんの人に現地で試合を見てもらえることはありがたい。ホームでしっかり会場を揺らします」と燃えている。

もちろん大﨑もそう簡単にベルトを明け渡すつもりはない。この試合に向けて過酷な走り込み合宿を行い、「これから世界の強い選手と試合をしていきたい。ここで負けていられない」と格の違いを見せつけるつもりだ。

これまでの大阪大会はWORLD SERIES TournamentやDEAD OR ALIVEトーナメント、原口健飛VSペットパノムルンなど、どちらかと言えば飛び道具的な要素の強いカードがメインイベントに組まれてきた。今回のように通常のタイトルマッチがメインイベントを務めるのは初だ。今年の「ELDORADO」でも志朗VS田丸辰のRISE世界バンタム級タイトルマッチがメインイベントに組まれたが、今のRISEにはRISE内でストーリーを熟成させ、その2人がベルトをかけて戦うという王道のマッチメイクでビッグイベントを成立させる底力がある。しかも大阪大会でそれが出来るというのは、RISEがこれまで時間をかけて選手を育てて、大阪という場所にRISEを根付かせたことの証だろう。

「強者は、西から生まれんねん。」

このキャッチコピーの通り、RISEの歴

■中村寛インタビュー

–決戦まで約3週間と迫りました。コンディションはいかがですか?

中村 コンディションは良くなりました。

–ということは少し前までは悪かったんですね。

中村 はい。1ヶ月切って3週間切るまでは1週間以上ずっと寝込んでました。

–差し支えがなければ何故寝込んでいたのか教えていただけますか?

中村 オーバーワークに次ぐオーバーワークで免疫異常が発生して、40度以上の熱が続いていました。

–大丈夫ですか?

中村 最後の邪念を払ったと思っているので完全復活しました。

–それだけ自分を追い込んでオーバーワークになってしまったということですか?

中村 どうなんですかね。僕はオーバーワークだと思っていないので、想定していないオーバーワークではなかったです。

–でも体がへとへとだったら何となく疲れすぎているのが分かるじゃないですか。

中村 休むから限界を決めているっていうスタンスなので。って言っといて倒れてるやんて話なんですけどね。笑

–じゃあ今はもう大丈夫ですね。

中村 はい。食事も摂れるようになったので大丈夫です。

–前の試合では左手を痛めたようですが、それはもう大丈夫ですか?

中村 まだ分からないですね。ちょうど試合の日には治っているくらいなので。

–怪我が大丈夫かどうかは見切り発車ですか?

中村 そこはいけると思っています。

–今回の対戦相手がタリソン・フェレイラと聞いた時モチベーションは上がりましたか?

中村 今までは対戦相手によって上がり下がりはありましたけど、自分の無名の時と同じでこんな所で終わるやつちゃうぞって、その感覚でずっと練習ができているので相手が誰でも関係ないですね。今までだったらタリソンだったら嬉しいとかモチベーションが上がる時はありましたけど、今は自分を追求し過ぎてモチベーションが上がっています。

–今回は約3年ぶりの大阪大会での試合になりましたね。

中村 YA-MANとの試合以来ですね。めっちゃ久しぶりですよ。3年ぶりに自分の試合を大阪に持って帰ってきました。

–中村選手の周りの人は地元での試合ということで喜んでいるんじゃないですか?

中村 関西の方が応援していただいている方も多いですね。でも俺はどこで試合をしても盛り上げます。俺が試合をすれば試合をした場所で盛り上がるので場所は関係ないですけど、大阪出身のファイターとしては大阪に試合を持って来れたのは、駆け出しの選手や僕のことを応援してくれている大阪の人とかに勇気を与えられる試合ができると思っています。

–前戦の与座選手との試合以上の盛り上がりを期待しています。

中村 勝手に盛り上がりますよ。タリソンて全弾フルスイングでしょ。当たるって距離で僕はノーガードになるので当日は楽しみにしていてください。

–前戦では色々あって3ヶ月経ちましたが気持ちの整理はつきましたか?

中村 その日に気持ちの整理はついていました。自分の中で反省する部分はメンタル面だったので、1週間で反省してそれでも格闘技をやりたかったらプロとしてもう1回リングに上ろうと決めていました。プロ格闘家だったらそういう気持ちになったらダメだという事を学んだので、もう1回でもそういう事になるんだったらプロとしてリングに上がる資格は無いなって感じたので、そこに対してはすごい反省しました。

–プロ格闘家がそういう気持ちになったらダメだっていう、“そういう気持ち”とはどういう気持ちだったんですか?

中村 夜中にコンビニに行くみたいな気持ちになったらあかんなっていうだけです。笑 散歩して喫茶店に行くみたいな気持ちになったらダメだなって事ですよ。皆んなお金と時間を使って来てくれているのに、プロである以上は命をかけてリングに上がらないとダメですよね。

–いまいち自分の中で命をかけきれていなかったという事ですか?

中村 全然かけれていなかったですね。オフィシャルとかから写真が送られてくるじゃないですか。12月の試合と比べると全然顔つきも違うくて、12月は武士みたいな顔で入場できているのに3月の試合は夜道で月を眺めている、人獣っていうよりは中村寛みたいな顔でした。俺が何を言いたいかというと、人のせいってみんなしやすくて、対戦相手のせいにしたりとか。強いやつとやりたいと言っていて、それができない現状に対して他責になっていたら世の中上手いこといかないなって思いました。やっぱりプロでやっていくならそういう自分の考えを改めないと二度とリングに上がる資格もないですし、それこそ応援してもらっている方にも謝らないといけないなと思います。応援してくれたりサポートしてくれたりしているファンの方々に情けない事したなっていう気持ちなので。

–なるほど。

中村 だからそういう他責にするような気持ちが今後1回でもあれば二度とリングには上がらないと思ったので、普段は簡単に切り替えてしまう性格だけど、深く1週間ちゃんと反省したという事です。

–そういう意味では今回の試合では前回よりかなり良い状態の中村選手が見られると思いますが、どの辺りが向上していますか?

中村 エネルギーとか氣を鍛錬してきたのでそういう部分が良くなっています。ふざけてると思ってるでしょ?6月15日に試合を見てもらったらはっきりと分かりますよ。

–年内の目標はどう決めていますか?

中村 今回勝ったら今後変わるかもしれないですけど、前回あんな状態で負けて終わっているので今後誰であろうと決められた試合全部に出てしばいていこうかなと思っています。出るって決めたからには出て、どんな相手であろうがモチベーションも関係ないので、あえてぶっ倒すことだけを考えています。あとは自分に合った階級を見つけていこうかなと思いました。

–自分としては体重に関して思うところがあるんですか?

中村 1回60kgで計量オーバーしていて、その責任があって63kgでしか試合に出なくなったんですけど、63kgでベルトを獲ったので一つ証明はできました。その後ってなると実力で証明してきたからこそ、今より軽い階級がベストなのか重い階級がベストなのか、試行錯誤してやってみようかなと考えています。

–先ほど「相手のパンチが当たる距離になったらノーガードになる。」と仰っていましたがどういう事ですか?

中村 そのままです。打ち合いになって当たる距離になっても、絶対にノーガードでやってやろうと思っています。以上です。

–それは相手のパンチももらってみたいという事ですか?

中村 今アニメのワンピースで見聞色の覇気を見ているんですよ。見聞色の覇気はご存知ですか?

–全く分かりません。

中村 相手が何をしてくるか、どんな軌道で飛んでくるか先に未来を見るんですよ。そういう氣とかをコントロールして完璧に避けてとなると、ガードしたら簡単になるので自分の中でハンデを背負ってノーガードでもそれを避けて、こっちが当てて倒してやろうっていうのが目標です。だから自ずと勝手にヒリヒリして会場が手に汗握る試合になりますよ。

–ちなみにそれはスパーリングなどで試してみたんですか?

中村 試すというよりは自分が元々勝ち負け気にしないそういうスタイルなんです。あまりガードもしないですし、型に囚われない動きをしていたんですけど、変に頭が良くなって知識が身についてしまったので自分の元のスタイルに戻している感覚です。次の相手も強くて全弾フルスイングだから1発もらったら終わりだけど、そこでやってみる価値はあるかなと思っています。試合が始まってガッチガチにガードを固めていたら、威力がやばいんだろうなって笑いながら見といてください。笑

–自分の元のスタイルに戻るっていうのは何かきっかけがあったんですか?

中村 型にはまらない方が、自由に動いている方が強いんですよ。マニアックな話になるんですけど、勉強すればするほど追求すればするほど、格闘家だったら格闘技を知れば知るほど自分のスタンスとか、足の幅とか指1本分とかズレて来る部分があるんですよね。伝わらないかもしれないけど、そういう所を原点に戻した上で勝手に原点の動きをしているけど勝手に出る部分は成長している部分でもあるし、強くなっている部分に関してはその修正と成長の繰り返しだと思っているんですよね。だからテクニック的なことはベルトを獲ってからも増えたので、だからこそまた1個戻ってこようかなっていう感覚です。

–ものすごく簡単に言うと、より人獣に近づくって感じになるんですかね?

中村 ものすごく簡単に言うとそうです。笑 だから見ている側がもっと楽しみなおもろい試合になります。僕は全部目で見て紙一重で避けるタイプなので、相手のタリソンがどんな型で来ようが俺には当たらないです。

–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。

中村 6月15日に3年ぶりに大阪に中村寛の試合を持って帰ってきました。熱い声援が俺の力になるので、いっぱい氣を送ってください。僕が最高のエネルギーと結果とパワーを恩返しするので、楽しみにしていてください。あとは当日一緒に闘いましょう。ありがとうございました。

■山口兄弟インタビュー

–まずはお兄さんの裕人さん、お誕生日おめでとうございます。

裕人 プレゼントください。笑

–32歳になった心境はいかがですか?

裕人 おっさんやなって感じです。何も変わらないです。

–調子の方はいかがですか?まずは裕人さん教えてください。

裕人 いつも通り良いですね。体重がまだ結構あるんですけど、いつも通りいい感じです。

–侑馬さんの方はどうですか?

侑馬 調子いいです。

–公開練習では鈴木真彦さんがミットを持ってくれましたけど、真彦さんのトレーナーっぷりはどうですか?

裕人 まだまだですね。

–どの辺に改善点がありますか?

裕人 まず太り過ぎっすね。あいついま55kgから10kgくらい増えてますよ。

–ちょうど対戦相手にいいじゃないですか。

裕人 ちょうど過ぎるからもうちょい太ってもらいますよ。笑

–侑馬さんは真彦さんのミットについてはどうですか?

侑馬 上手にやってもらってます。笑

–最近はミットを持ってもらうことが多いんですか?

侑馬 そうですね。僕ら2人と真彦の3人で練習することも多いから、あいつはフリーだけど全然もう同志って感じです。

–これからの総仕上げも真彦さんと一緒にやる感じですね。

侑馬 そうですね。2人とも。

–裕人選手から今回の試合についてお聞きしたいのですが、以前弟さんと闘っている伊藤澄哉選手との試合になりましたがいかがですか?

裕人 弱くはないですよね。普通に強い。まぁ、いけんじゃないですか?全然いけますよ。

–いつも通り感覚でいけるって感じですね。

裕人 僕は基本的に感覚で生きているので。笑

–侑馬さんから見てお兄さんの試合はどうですか?

侑馬 差があると思います。裕人の方が1個近いくらいレベルの差があるから、今までの対戦相手と比べたらちょっと劣るかなって思います。

–侑馬さんは実際に伊藤選手と闘っているので比較することができますが、どの辺がお兄さんの方が上回っていると思いますか?

侑馬 攻撃力は確実に上回っているし、プロの試合でオープンフィンガーってなったら攻撃力がモノを言ってくるので、怖くなかったです。上手かったけど、怖さがないし強さがなかったって感じです。裕人は最近技術も付いてきてるし、怖さも強さもあるからレベルが違うかなって。

裕人 めっちゃちゃんとインタビューしてるやん。笑

–弟さんから持ち上げられましたが裕人さんいかがですか?

裕人 こいつ毎回めっちゃ褒めてくれるんですよ。毎回なのでいつも通り褒めてくれてます。

–侑馬さんから技術力が付いてきているという話もありましたが、実際に技術力が向上している実感はありますか?

裕人 分からへん。笑 僕ほんまにあまり考えてないんで分からないです。前は相手の映像とか全く見てなかったんですけど、今回は相手の試合を見る様にしました。最近は見てないですけど最初は結構見ていました。

–侑馬選手は対戦する山畑選手の実力をどう見ていますか?

侑馬 僕よりは劣るんじゃないですか。自分的には2個ぐらいレベルは下だと思っています。

–噂に聞いたら山畑選手がこの1戦で引退するんじゃないかという話がありますが、それは耳に入っていますか?

侑馬 なんか言ってましたね。でも僕と試合する1個前の試合が引退試合のつもりでやっていて、美味しい話が来たからまた復帰みたいな感じだったから、そういう人の引退ってあんまり重くないし、そんな引退しようかなって迷っている時点で僕とレベルが違います。僕はそこを振り切っているので覚悟が違います。

–裕人さんから見て今回の弟さんの試合はどうですか?

裕人 山畑はよく練習していたので両方知っています。昨日も会場で会って喋ったし。

–実際に練習を一緒にしてみて、山畑選手の評価はいかがですか?

裕人 練習は基本誰でも強いんで、試合で魅せれるか魅せられないかで山畑は試合で魅せれていないから、侑馬が魅せればいいんじゃないですか。練習は強いですよ。

–今回オープンフィンガーグローブマッチ(OFGM)ですが、どんな勝ち方を自分に期待しますか?

裕人 今回練習の仕方とか考え方を色々変えたので、今までとは違う自分を見せたいです。

–侑馬さんから見て裕人さんのどんなところが変わったんですか?

侑馬 僕も裕人もOFGMをやり出して、さすがにディフェンスしないといけないっていう意識をやっと持ち出しているから、今までよりディフェンスに意識を振っているというか、僕も裕人もそういう風な感覚を持っています。

裕人 僕最近知ったんですけどね、顎を下げたらあまりパンチが効かなくなってきましたね。笑 最近はいつも顎を下げています。

侑馬 まじでここ最近ずっと言ってます。もう2ヶ月くらい言ってます。大発見やーって。笑 なのでディフェンスにちょっと振ったら、今まで積み重ねてきた技術や知識を出せる様になってきた感覚があるから、裕人を見ていても同じ様な感覚なのかなと思います。

–今日は侑馬さんの方がしっかり喋ってくれますね。非常にありがたいです。

裕人 もう侑馬で全部行きたいね。

–侑馬さんは今回の試合ではどういう勝ち方を望んでいますか?

侑馬 もちろん倒しには行きますけど、それも自分の範囲内というか。今までは無理して倒しに行ったり無理に盛り上げようとしていた感じがあるから、俺も世間の評価に引っ張られがちやから、そういうところも気持ちを落ち着かせて冷静に戦いたいです。そろそろベテランの域だしベテランぽい戦い方とかそういう技術で戦っていかないと若いのを相手にできないなっていうのを感じ始めてます。

裕人 これを言ったのを覚えといてくださいね。これを覚えておきながら試合を見てください。絶対に振り回しますから。笑

–試合開始のゴングが鳴ったら、リセットされて考えていたことを忘れちゃいますか?

侑馬 それも山口兄弟です。笑

–ちなみに今回地元大阪ということで、山口兄弟の応援団はどれくらい来るんですか?

裕人 100人ぐらいじゃないですかね。

–いつもと同じくらいですか?

裕人 いつもより少ないですね。なんか知らんけど。笑

侑馬 でも大阪だったら会場にいる人間みんなが僕らの試合を楽しみにして、全員僕らの試合を見に来ているみたいなもんです。

–最後に今回の試合にかける熱い意気込みをそれぞれ聞かせてください。

裕人 いつも通り盛り上げるので、楽しみにしといてください。

侑馬 久々に兄弟2人で勝てる流れを感じているので、2人でおもろい試合をしてKOして山口兄弟の株を上げて、尚且つ会場も爆発させる様な試合をします。

–楽しみにしています。ありがとうございました。

山口兄弟 ありがとうございました。


塚本望夢インタビュー『強くはなっているし成長もしているけど、僕には勝てへんよって感じ』

–STYLE高等学院のご卒業おめでとうございます。

塚本 ありがとうございます。

–高校生じゃなくなった気分はいかがですか?

塚本 高校卒業してまだ2ヶ月くらいしか経ってないんですけど、卒業してからすぐ1人でタイに行ったので、あまり卒業してから日本にはいませんでした。卒業旅行だけみんなで行ってその後タイに行ったって感じです。

–卒業旅行は楽しかったんですか?

塚本 楽しかったです。

–どこに行ったんですか?

塚本 日帰りで三重と奈良と大阪を食べ歩きとかしていました。

–体重は増えませんでしたか?

塚本 増えたんですけど、タイに行ってすぐに痩せたので大丈夫です。

–タイに1ヶ月って結構な長期間ですね。

塚本 そうですね。

–場所はゲーオサムリットですか?

塚本 ゲーオサムリットです。

–タイでの長期間の練習はどうでしたか?

塚本 めちゃめちゃ良かったですね。

–具体的にどんなところが良かったですか?

塚本 蹴りのタイミングとかメンタル強化が1番でしたね。

–周りに日本人の方はいましたか?

塚本 いなかったんですけど、その時にタイの旧正月でソンクラン祭りっていうのがあって、スポンサーの人が来たりとか北野克樹さんがずっとタイにいたので一緒にご飯を食べたりとか、あとは年下なんですけど後輩で兄弟2人でムエタイのためにタイに移住している子がいるんですけど、その子らと遊んだり試合を見に行ったりとかしていました。

–ゲーオサムリットはバンコクの郊外ですよね。

塚本 めちゃめちゃ田舎ですね。

–人が恋しくなったりしませんでしたか?

塚本 4日ぐらいでばり寂しくなりましたね。

–どうやって解消しましたか?

塚本 友達に電話をかけたりテレビ電話をしていました。

–タイに行ったのは初めてだったんですか?

塚本 初めてではないですね。中学校とか小学5年生の時に行っていたので、コロナが明けて久々に行きました。

–でしたらタイ料理の辛さとかそういうのは大丈夫だったんですね。

塚本 初めて行った時とか中学生くらいの時はあまり好きではなかったんですけど、今回は僕が大人になったのか分からないんですけど、普通にタイ料理を食べれました。

–今回の那須川龍心戦に向けて良い調整ができたということですね。

塚本 追い込みをやっていたので調整という言い方ではないかもしれないですけど、良い環境で練習はできたかなと思っています。

–そしたら完全にタイで気持ちの方は整いましたか?

塚本 試合が決まるって聞いていてタイに行ったので、タイに居る途中でカード発表されて、それでやらなあかんって思ってめちゃめちゃやっていました。

–タイでABEMAでRISEを見ようとしたら見れなかったんですよね?

塚本 試合も会見も見れなかったですね。Xで「呪ってでも勝つ」みたいなのを見たんですけど、呪えるものなら呪ってみーやって感じですね。笑

–その辺は大丈夫そうですね。

塚本 その辺は大丈夫なんですけど、RISEも見れなくてXで速報を見てました。

–事実上、フライ級の次期挑戦者決定戦と言われる試合になりました。対戦相手の那須川龍心選手とはアマチュアでもプロでも戦っていまよね。

塚本 最初は邪魔な事するなよって思っていましたけど、相手は1位なのでここを勝てば誰も文句はないですよね。

–最近の龍心選手を見ていてどうですか?

塚本 まあまあ強くはなっていますね。

–強くはなっているけど、自分の成長進化の方がもっと上にいっている感じですか?

塚本 強くはなっているし成長もしているけど、僕には勝てへんよって感じです。

–前回はトーナメントで戦いましたけど、今回の試合内容はどうなりそうですか?

塚本 前回もテクニック勝負になって、簡単に倒れないですし、今回もテクニック勝負になるかなと思うんですけど、前回より差は開くと思います。

–どの辺で差が開くと考えますか?

塚本 前まで僕は蹴らない選手だったので、中距離とかは距離の取り合いしかできなかったんですけど、中距離でも蹴れるようになって近距離でも崩したりできるようになりました。あとは蹴りのタイミングも相手が入りにくいので、蹴りがあってのパンチでバリエーションの差で開くと思います。

–タイに行ってバリエーションが増えたという事ですね。

塚本 パンチから必ず蹴りに繋げるのと、蹴りからパンチにみたいなバリエーションが増えました。

–それを今日の公開練習でも披露してくれたんですよね。

塚本 コンビネーションは全然見せてないですけど、蹴れるよってアピールでめっちゃ蹴っていました。

–パンチングミットを持ってくれていたのはどちらの方ですか?

塚本 僕がずっと行っている9+っていうジムのパンチトレーナーです。

–高校を卒業してからの練習環境はどんな感じになったんですか?

塚本 めっちゃ良いですね。タイでずっと5時半起きだったので、それを習慣付けて毎日6時半から練習しています。

–朝の6時半からですか?

塚本 6時半から走って昼練して、夜もまた練習で帰りに日サロに行く生活です。

–じゃあ夜は早く寝ちゃうんですね。

塚本 練習終わってご飯とか食べていたら11時くらいになるんですけど、12時過ぎにはもう寝ています。

–健康優良児みたいな生活になっていますね。

塚本 僕めちゃめちゃ優等生なんで早寝早起きです。笑

–盟友の長谷川海翔選手も大一番の試合が決まりました。長谷川選手から「一つ先のステージで待っている。」というようなメッセージがありましたけど、これには勇気付けられましたか?

塚本 兄弟みたいな関係で僕が1番上なんですけど、やっぱり1番上が引っ張らないといけないので、もう1回引っ張っていかないといけないですね。僕の試合が2週間先なので、次期挑戦者に相応しい試合内容で勝って、海翔も次勝ったらタイトルマッチかなと僕は思っているので、2人で早くベルトを巻きたいですね。

–今回の試合が塚本選手のほぼ地元である大阪でやるってことについてはどうですか?

塚本 めっちゃ嬉しいし、中学校の同級生とか高校を卒業して社会人になったみんなも来てくれるので、今回は去年よりも多く応援に来てくれるので嬉しいです。

–大阪で戦うっていうのは力の入りようが違いますか?

塚本 気持ちの入りようから違いますね。

–最後に今回の1戦に対する熱いメッセージをお願いいたします。

塚本 今回は地元大阪っていうことで、僕がタイに行っている間に身内で色々な事があって、お父さんの後輩が亡くなってしまったんですけど、みんなにも届けますし天国にも勝利を届けたいと思っています。応援お願いします。


数島大陸インタビュー『フライ級といえばスピーディーな試合、その中でしっかり倒せるのが数島大陸なので、そこを魅せていきたい』

■数島大陸インタビュー

チャンピオンになって初の大阪大会での凱旋試合が決定しました。心境はいかがでしょうか?

数島 東京でやってる時とは違う地元大阪での試合ということで、いつも応援に来れない人とかすごい人数の応援が来てくれるのでモチベーションがめちゃめちゃ高いです。

–チャンピオンになって周囲の反響はいかがですか?

数島 ランカーの時とチャンピオンになってからだと、初めての人と格闘技をやっているという話になってRISEのチャンピオンと言うとすごい食いついてきてくれるので、チャンピオンは良いなと思います。

–待遇とか良くなったりしたんですか?

数島 待遇良くなったかは分からないですけど、チャンピオンだからって言うことは言葉の前に絶対に付くようになりました。

–練習に対する取り組みは変わりましたか?

数島 今までとは変わらず自分の1個1個のレベルを上げていく事だけを考えて練習できているので、それは昔から変わらずできている事なので、特に変わったところはないですね。

–今回大阪大会ということで、東京での試合よりモチベーションが高かったりしますか?

数島 地元大阪でやる機会が年に1回しかないので、そこで色々な方々に見て貰えたり、自分の友達も大阪だったら来てくれる人が多いので、その人達に自分のやっている格闘技、キックボクシングという素晴らしい競技を見せれるのでモチベーションが高くなっています。

–お父さんが応援団を作っているみたいですが、応援団も来てくれますか?

数島 今回も大応援団が来てくれます。いつも東京にも来てくれるんですけど、大阪の方がお父さんの知り合いが多いので、その人たちが来てくれるのでそれもモチベーションの一つになっています。

–みんなバイクでエディオンアリーナまで来てくれるんですか?

数島 みんなにそう言ったら多分バイクでくるんですけど、さすがに車とかで来ると思います。笑

–対戦相手のスドロー選手の映像は見ていますか?

数島 3回くらいは見ました。

–映像を見てどうでしたか?

数島 身長が高いのはプロフィールで分かってたんですけど、結構ガツガツきて振り回してくるタイプなので、自分とめっちゃ噛み合いそうです。

–アグレッシブルな選手ですが、その辺についてはどうですか?

数島 カウンターを合わせるのが自分の武器の一つでもあるので、ガツガツ来てくれる方が相手の隙も多くなるので、僕としては闘いやすいです。

–2戦連続タイ人選手と闘うことになりましたが、前回の試合と比べると苦手意識は少ないですか?

数島 前回は初めてタイ人の選手と試合をして、しょっぱい試合をしてしまったんですけど、それが良い経験になっているので今回はしっかり自分の動きをします。

–どんな試合内容になりそうですか?

数島 RISEのリングでルールはキックボクシングなので、全局面で圧倒して最後はしっかり倒し切って会場も沸かせます。

–タイ人選手もキックボクシングに対して苦手意識が少なくなって来ています。スドロー選手もそういうタイプだと思いますが警戒している攻撃はありますか?

数島 タイ人の選手は基本ムエタイ上がりだと思うので、蹴りはみんな強くてその蹴りに対してどう対処していくかっていうのは自分のプランの中にもあります。だけど相手がキックボクシングに慣れてくれている方が、僕的には闘いやすいかなと思うので、そこら辺は問題ないです。

–相手の身長が今回も高いのですが、神の左は炸裂しますか?

数島 神の左を炸裂させたいところなんですけど、最近は神の左が全然降りてこないという事で、前回の試合のあと先生(及川会長)から1回神の左を捨てろと言われたので捨てます。実際に試合をして自分の動きが出たら蘇ってくると思うし、神の左以外にも倒せる技を作ってきているので、1ラウンド目から自分から攻めて倒しに行くので心配しなくても大丈夫です。

–前回、前々回は悪魔の右っていうのもありましたね。

数島 悪魔の右も松本選手との試合の時にはジャブが活きて、悪魔ではないですけど右を出せました。前回は悪魔が全然出なかったので今回は神と悪魔の両方が出るかもしれないですね。

–神と悪魔が両方降臨すると良いですね。

数島 両方降臨したら誰も僕のことを止められないですよ。笑

–同じ日に那須川龍心vs塚本望夢の試合があります。この試合についてはどのように見られていますか?

数島 勝った方と次に闘うという事は自分でも分かっているし、2人ともレベルが高い選手なので楽しみな部分はあるんですけど、僕も試合があるのでまずはそっちに集中して、どっちが上がってきてもかかって来いって感じです。

–どちらが勝ち上がるか、どちらと闘いたいとかは無いって事ですか?

数島 どちらが来ても攻略できる練習はずっとしてきているので、ほんまにどっちでも来いって感じです。

–勝敗についてはどう予想していますか?

数島 難しいところなんですけど、今回は那須川龍心君が勝つかなと思っています。

–どんな試合内容になると思いますか?

数島 僕の予想では那須川龍心君がテクニックでポイントアウトをして、前回の松本天志君と戦った時みたいに完封するかと思います。

–仮に那須川選手と試合が決まったら相手は完封を狙ってくると思いますが、そういうスタイルの相手はどうですか?

数島 相手のスタイルに合わせた攻略できる鍵は何個でもあるので、それが例えば反対の塚本望夢君が上がってきても攻略する鍵はあるので、やれるものならやってみろって感じです。

–今回の大阪大会では錚々たるメンバーが揃っていますが、その中でもどんな自分の色を魅せたいですか?

数島 いろんな選手がいて、いろんな自分の色があると思います。フライ級といえばスピーディーな試合で、その中でしっかり倒せるのが数島大陸の色なので、そこを魅せていきたいです。

–おそらくメインイベントになるであろう、1階級上のスーパーフライ級のタイトルマッチはどの様に見ていますか?

数島 2人ともトップの選手なので接戦になるとは思うんですけど、勝敗的には7対3くらいで政所選手が勝つかなと思います。

–実際に政所選手を練習で体験した時はどうでしたか?

数島 基本の動きももちろんできるんですけど、その中でトリッキーな動きと変則的な動きとしっかり倒せる力もあって、対峙してみて自分の肌で感じて強いなと思いました。そういうのもあって政所選手が勝つんじゃないかなと思っています。

–今回スドロー選手の試合をKOで締めて、“あのセリフ”を決めたいですか?

数島 去年は“あのセリフ”を大阪で皆で言うことができませんでした。それがあって数島大陸の試合は締まるので、今年はそこに繋がるように試合で魅せてインタビューでもみんなで締めたいと思っています。

–“あのセリフ”の誕生秘話や由来を教えてください。

数島 昔の僕はめちゃくちゃ泣き虫だったんですよ。1回戦とかですぐ負けてすぐ泣いていて。それでプロになる時にキャッチフレーズが欲しいなと思っていて、泣き虫だった自分をプロになってこれで泣かない様にしようってことで生まれました。

–試合に勝って最後に言えると良いですね。

数島 “あのセリフ”を言ったら数島大陸の色になるので、言わなかったら誰やねんって感じなので言いたいですね。

–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。

数島 今回地元大阪の大会で220人くらいの応援が来てくれるので、試合は全局面圧倒して倒して勝って、皆さんであの名ゼリフを言いましょう。皆さん期待と応援をお願いします。キックボクサーは泣かないぜ。


那須川龍心インタビュー『プレッシャーというのはあまり感じない。試合順が最後の方になったというのは期待も込められていると思うので、微妙な判定とかではなくて綺麗にスパッと倒した方が盛り上がる』

■那須川龍心インタビュー

–大会まであと10日となりましたがコンディションはいかがですか?

那須川 今は疲労が溜まっているんですけど、そんな中で試合でやる事の考えを擦り合

わせながらやっていく段階です。

–今週いっぱいくらいは追い込み真っ只中って感じですか?

那須川 今週で追い込みは終わりです。

–そこからは調整をしていくような段階ですね。

那須川 はい。疲労を抜きながらって感じです。

–今回、塚本望夢選手とは3回目の対戦となりましたが、最近の塚本選手に関してはどんな印象がありますか?

那須川 どこのインタビューでも言っているんですけど、良くも悪くも変わってないなっていう印象です。

–去年対戦してから変わっていないという事ですか?

那須川 アマチュアの時からそうですけど、良くも悪くも変わっていないという感じです。

–良くも悪くもという事は、良い部分も変わっていないという事ですか?

那須川 全体的にパワーとかキレとかスピードは上がってるんでしょうけど、ファイトスタイルは変わっていないですね。

–逆に龍心選手は前回の塚本戦以降は、大晦日のMMAを挟んで連勝中と好調をキープしている思いすが、勝てている要因はなんだと思いますか?

那須川 要因は色んなところから吸収して、色んな人の意見を聞いて柔軟に合わせて闘い方を変えているから勝てているんじゃないですかね。

–吸収できているっていう部分は自分の良さだったり強みだと思いますか?

那須川 良し悪しを勝手に決めつけず、とりあえず言われたことをやってみようっていう感じでやっているので、それが上手くはまってきているきているんじゃないかと思います。

–それは龍心選手の性格的なものなのか、それとも前回の敗戦があって悔しい思いもしてきたからそういう考えになったのでしょうか?

那須川 自分のファイトスタイル的に偏っていないというか、遠い距離もできるし近い距離もできるっていう柔軟な感じなので、それなら自分の中でコレと決めつけずになんでもできることはやっていこうと、アマチュアの時からずっとそんな考えでした。

–それがより良く出たのが前回の松本天志選手との試合だったと思います。

那須川 色んなところから吸収できることはしてきているので、今回もその成果が出せれば良いですね。

–塚本選手は約1ヶ月タイに修行に行って、インタビューでも技のバリエーションが相当増えてきたっていうような自信を持っていました。お互い進化して、龍心選手が塚本選手と対戦するにあたって警戒している部分はありますか?

那須川 避けるのとか技のバリエーションとか、そういう引き込みながらの攻撃が上手いと思うので、そこは気をつけながら自分のペースでマイペースに戦っていこうかなと思います。

–今回はどんな試合になると予想していますか?

那須川 最近は結構攻めている試合が多いんですけど、今回僕とやる時はあまり攻めてこないのかなとは思うので、前回と展開は似ているのかなと予想しています。僕が追って、塚本選手が回りながらっていう展開になると思うので、そこをどう変えていくかが重要で自分主体の展開になるのかなと思います。

–ランキングを見るとお互いの立場が変わったのかなと思うのですが、今までも塚本選手の存在を意識していた部分はありますか?

那須川 塚本選手が試合をやれば僕も見ますし、いつかリベンジしてやりたいと思ってましたし、だから常に意識はしてましたね。というか51.5kgのランキングに入っている選手は全員意識しています。

–今回試合順も後半の方に入っていて、期待や注目の表れかなという風にも見てとれますが、魅せなきゃいけないプレッシャーを感じたりはしますか?

那須川 プレッシャーというのはあまり感じないので、自分の闘いができれば良いなと思っています。試合順が最後の方になったというのは期待も込められていると思うので、微妙な判定とかではなくて綺麗にスパッと倒した方が盛り上がるだろうなとか色んなことを考えています。

–この試合をクリアしたらタイトルというものが目の前に近づいてくると思うのですが、その辺についてはどうですか?

那須川 そこはあまり考えすぎてはないですけど、これを勝てば付いてくるおまけみたいな感覚でいます。だから自分自身やっとここまで来たんだっていう感覚がなくて、一歩ずつ着実に上り詰めている感じですね。だから今回はこの一戦に集中しています。

–ではチャンピオンの数島選手を意識しているというよりは、目の前の試合を一歩一歩やってきたということですね。

那須川 そうですね。どの戦いもそうなんですけど、目の前のことに集中しないと足元掬われちゃうので、結果は勝ったとのご褒美みたいなイメージですね。

–数島選手に対してのイメージはありますか?

那須川 なんでもできるファーターのイメージです。

–いずれ対戦するっていう部分は見据えていますか?

那須川 普段から試合に出る度に見てはいたので、いつかやるんだろうなと思いながら見ていました。今回勝てば次っていうことなので、まずは目の前の試合に集中します。

–前回の松本戦で松本選手より優っていた点はどこだったと思いますか?

那須川 技の正確性じゃないですかね。今まで勢いで来ていた分そこに頼っている部分があったので、そこを数島選手とやった時に直してくるのかなと思ったら、そんなに変わっていなかったので、その正確性で優ったのかなと思います。

–それは今まで積み上げてきたものの延長線上でそうなったのか、何かご自身の中で大きく変わった事はあったんですか?

那須川 大きく変わったというよりは今まで積み上げてきたものですかね。やっぱり練習でできて試合でできないなんて当たり前の世界なので、それをいかに試合で出せるかっていう点ですかね。練習でやったことを試合でできた感覚が前回はあったので、今回もその感覚がはまれば上手くいくのかなとは思っています。

–それは今までのキャリアを経てようやく自分の中で得てきたものがあったということですか?

那須川 自分の中で練習でやってきたことを試合で出せるようになったというか、自分の中で変わったと感じたのはRIZINが終わってからなんですよ。ああいう土壇場からの逆転を経験してから、自分ではあまり気付かなかったんですけど周りのトレーナーとかから「RIZINに出て度胸が付いたね」って言われました。

–試合でプレッシャーがかからない性格だとは思うんですけど、その辺で自分の動きを出しきれないとかではなくて、1段階上に上がった感じなんですかね?

那須川 自分を出せるようになったんじゃないですかね。今まではセコンドの指示を聞いてそれを淡々とやるっていう感じだったんですけど、自分の考えで自我が出るようになったのかなと思います。

–それは練習していても動きが違うんですか?

那須川 練習の時の動きは一緒なんですけど、試合となると相手も倒しにきているし殺気がぶつかり合う中で、どう萎縮せずに出せるかというところなので、萎縮せずに自分の動きをしっかり出すっていうのは大きな成長になりました。

–RIZINが終わって前回の試合って自信があるような感じが見受けられるんですけど、ご自身でも絶対負けないぞっていう自信がついている感覚はありますか?

那須川 言い表しづらいんですけど、そういうところを感覚的に掴めた気がします。

–精神的にはどうなんですか?

那須川 普段の試合からプレッシャーがかかることがないんですけど、良いマインドできてますね。

–MMAに挑戦したり、恋愛番組に出たりとかチャレンジする事が原動力になっているように見受けられますが、チャレンジすることの喜びはあるんですか?

那須川 喜びというか達成感というか、色んなことにチャレンジすることで繋がってくる縁もあると思うし、チャレンジすればするほど人の輪が広がっていくので、そういうところで良いパワーを皆んなからもらっています。

–やっぱり挑戦するっていうのは那須川家の遺伝子なのかなって思っちゃいました。笑

那須川 それもあるんじゃないですか。挑戦してみないと分からない事だらけだし、挑戦して失敗することは恥ずかしいことではないので、そこで成功しても失敗しても自分の得る事は沢山あるから、そういうところはあるんじゃないですかね。

–今回の試合について、前回と同じような展開になるかもしれないと仰っていましたが、そうすると接戦になりそうなイメージがあります。ご自身ではそこを突き破りたいみたいなところはありますか?

那須川 今僕が考えている展開は、僕がプレッシャーをかけて塚本選手が下がってそこで蹴ったりしてくると思うんですけど、そこの展開を変えていくことを考えています。そこを変えて自分のペースに持っていければ自分が圧倒できると思うので、そこに重きを置いています。

–おそらく相手もそんなことを予想して練習をしていると思いますが、その上をいく自信はありますか?

那須川 今やっていることがはまればスパッと倒せると思いますし、それがはまらなくても良い感覚で一歩ずつやりながら来れているので、そこがはまれば良い結果に繋がると思います。

–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。

那須川 今回プロになって初めての大阪での試合なんですけど、相手のホームですけどしっかりここで勝って自分の価値を上げてタイトルまで突っ走りたいと思うので、皆さん応援よろしくお願いします。


■白鳥大珠インタビュー

–前回の試合から3か月ぶりの試合になりますが、あの試合で負った首の怪我は問題ないですか?

白鳥 今は何も問題なく過ごしているんですけど、試合が終わって1か月くらいはちょっと動いただけでも首が痛かったです。でもそれはもう完治して普通にやれています。

–1か月くらいかかるような怪我だったんですね。

白鳥 2週間くらいで痛みは治ってきて、その後普通に動いたらミットを打っただけでも痛くなってきてしまったので、しばらくはガツガツできないなと思って、1か月くらいして病院もあちこち行ったりしてたんですけど今回の試合には支障がなく挑めます。

–今回の対戦相手は、前回中野椋太選手と対戦しているペトル選手になりましたが中野戦は見ましたか?

白鳥 その試合は見ています。ヨーロッパの選手だなという印象ですね。蹴りも思い切り良くてパワーがありそうだなという感じです。

–蹴りやパワー以外の部分で警戒している攻撃はありますか?

白鳥 バックスピンキックで過去の試合でKOしたりしているので、そういう特殊な攻撃には気をつけたいと思うんですけどその辺は問題ないので、前回のソンヒョン戦の反省を踏まえた闘い方を今回は見せれるかなと思っています。

–最近はウエイトトレーニングを取り入れているようですが、パワーアップしている実感はありますか?

白鳥 始めて2,3か月くらいしか経っていないので、すぐ効果が出るかと言われたらそうでもないですね。でも体の強さで海外の選手に対抗しようっていう考えが最初はなかったんですけど、やっぱりそれだとどうしても限界は来るなと思って、ある程度自分の体幹やフィジカルを強くしていかないと限界がきているなという思いもあったので、それが今回に何か効果が出ているかと言われたら試合をしてみないと分からないですけど、押し負けない強さは前回よりあると思います。

–前回ソンヒョン選手やザカリア選手と闘って、海外の選手と闘う機会が多い中でフィジカルを強化していこうと思ったんですか?

白鳥 そこばかりに重きを置いたわけではないですけど、ここ何戦か海外選手とやった中で、どうしても自分が下がってしまって圧力を感じる場面が多かったので、そこは自分でも試行錯誤しながらやっている段階なんですけど、必要最低限の事はやっておいた方がいいなという感じです。

–そんな中ONEに出た野杁選手とも練習をされていたようなんですけども、実際に手を合わせてみていかがでしたか?

白鳥 久々のマススパーですごい考えさせられる練習だったというか、ボコボコにやられたわけじゃないですけど、スパーリング中に「どうしよう」って思いが自分の中にありました。何回かやらせてもらったんですけど世界トップレベルの細かい技術を感じて、自分の中では収穫のあった練習になりました。

–その辺りは新しい刺激というか、今までやっている練習にプラスアルファで活かされている感じですか?

白鳥 自分より実績がある選手と練習する機会が中々ないし、自分らの階級も日本人は少なくなってきているので、その中で世界トップレベルの選手と拳を交えて得られるものっていうのは沢山あって、ここに来てまだまだ学べる事は沢山あるんだと実感しました。

–対戦相手のペトル選手については、前回中野選手と67.5kgで闘って、今回は適正体重の65kgで戦うことになりましたが、そこについて意識する事はありますか?

白鳥 別にそこは全く意識していないです。

–パワーがあるかなという感じはしますよね。

白鳥 この階級のヨーロッパ勢ってパワーはみんなあるんですよ。だからそこはもう一緒ですよね。それこそソンヒョンだって70kgで闘っていたりとか、パワーがあるのは当たり前だと思っているので、それ以外の部分を意識しています。

–前回の反省点というところでは、フィジカル差もあったという事ですか?

白鳥 もちろんそれもあるんですけど闘い方ですね。接近戦はダメだ、とにかく距離が詰まっちゃダメだっていうのを自分の中で悪く意識しすぎていた部分があって、ガードして打ち返すっていう接近戦での攻防が少なかったです。終えてみて思っているのが近い距離での攻防が必要になってくるなって、遠い距離をずっと保つのは難しい話で、どっちでも闘えるような練習を積んできました。最近は近い距離での練習が少なくて、いかに入れさせないっていう闘い方だけだったので、その辺が違った部分が今回は出せるんじゃないかと思っています。

–また進化した白鳥選手が見られるという事ですね。

白鳥 今までと違った部分も出していきたいし、ただ勝つだけじゃなくてアピールしていきたいです。自分自身がまずは満足した試合をやりたいです。

–どうしたら満足できますか?

白鳥 試合内容もそうですけど、会場の一体感を出したいです。自分が求めたいところって、ただ無難に判定とか完封じゃないんですよね。RISEっていうものを体現できる試合をしたいです。だからザカリア戦は100%ではないけど、割と満足できた試合でした。

–ザカリア戦に近い、それを超えるような試合をしたいという事ですね。

白鳥 その試合を1戦1戦超えていくと、また自分の進化を感じられると思っているので、新しい記憶を塗り替えるような試合を見せたいです。

–先日行われた会見では、伊藤代表から今後のスケジュールとして12月に幕張で大会が行われるという事と、GLORYと65kgのトーナメントの開催が発表されたんですけども、そのニュースってご覧になりましたか?

白鳥 記事を見ました。

–今回の大阪大会と9月にも横浜でビッグマッチが控えていますけど、そこで査定試合や予選が行われると発表されました。当然今回の白鳥選手もラインナップされてくるかなと思います。昨日の会見のニュースを見てさらに対世界という部分で意識しますか?

白鳥 やっぱり自分の階級で世界トーナメントがあるっていうのは無視できないし、一度査定試合になるということは伊藤代表からも言われているので、今回の6月から9月、12月へとつながる試合で、自分自身も周りも納得させるような試合をしないといけないと思っています。あとはやっぱり65kgでやっている中でこいつだけは倒したいってやつが変わらずいるので、そこにもう一度たどり着かないといけないです。だからトーナメントだけを見据えているというよりは、そこまで見据えてやっているので、6月勝って9月もやると思うので自分自身も周りも納得するような試合をします。

–最終的にはトーナメントを超えてそのやりたい相手を見据えて、今着々とパワーアップしている段階ですね。

白鳥 闘ってみたい外国人選手は沢山いるんですけど、こいつだけは倒したいっていうのは変わらずあるので、とりあえず年内はそこを見据えてやってます。

–ちなみにその選手の名はまだ口に出さないって感じですか?

白鳥 だいたいわかると思うんですけど、今はあえて名前を出さないです。そこまでたどり着いた時にはっきりと名前を出します。

–前回の記者会見の時に「ラストチャンス」というような事も話されていたと思うのですが、その真意はどういったところにあるのでしょうか?

白鳥 前回ソンヒョンに負けて、正直その試合も12月の査定試合にはなっていたので、僕の中ではここで負けたらないかなと思っていたので、またこうやってチャンスをいただいたので、絶対に落とせないなっていう意味でのラストチャンスでした。ここで落としているようでは世界トーナメントに出るには役不足という事は分かっているので。

–引退とかを考えているわけではないって事ですね。

白鳥 引退しないですよ。「次負けたら引退します」って言っても喜ぶ人はいないので、ネガティブな考えはしないです。

–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。

白鳥 6月15日に対世界に向けて強さを発揮します。大阪は相性が良くて、今まで良い結果を出してきているのが大阪なので、大阪のファンの皆さんとABEMAで視聴している人もみんなが満足できる試合をしたいと思っているので、応援をお願いします。


宇佐美 秀 メイソン『今回の試合は言える事がないので何も言わないんですけど、とりあえず試合を見てもらえたら分かる』

■宇佐美 秀 メイソンインタビュー

–格闘技のキャリアという部分では空手が始めになるかと思いますが、空手自体は何歳からスタートしたんですか?

メイソン 幼稚園の年中くらいです。

–空手では新極真や新空手の大きな大会でも優勝されていると思うのですが、その後にキックボクシングやボクシングへと種目を変えていったんですか?

メイソン そうですね。空手をやっていて、色んな大会に出て優勝してやる事が少なくなってきたので、キックボクシングに行ってボクシングという形になりましたね。

–ある程度空手を極めて相手もいなくなってきたというところで、キックやボクシングの方で試合をやっていったような形ですね。

メイソン そうですね。

–それは幼少期の頃から強くなりたいという思いがあったんですか?

メイソン はい。僕は小さい時から仮面ライダーとかが好きで、強くなりたいっていう思いだけで空手を始めました。

–ヒーローみたいなところに強さの憧れがあったんですね。

メイソン そうですね。

–ヒーローからやんちゃをしていた時期もあったかと思うのですが、その間も格闘技の練習はしていたんですか?

メイソン 中学校の時はやっていたんですけど、中学を卒業してからはやっていないですね。

–その後カナダに留学されたんですか?

メイソン そうです。それで20歳の頃に日本に帰ってきて、ちょっとしてからまた格闘技を始めました。

–それはまた格闘技をやりたいと思うきっかけがあったんですか?

メイソン 日本に帰ってきてすぐにお兄ちゃんの試合を見に行って、それでお兄ちゃんが勝った時にすごいかっこいいなと思ったので、真面目にやってたら自分もこんな風になれてたんだろうなと思ったので、もう1回真面目に頑張ろうと思って格闘技を再開しました。

–その時お兄さんはまだボクシングをやられていた時ですか?

メイソン 僕が帰ってきた時はお兄ちゃんは総合の試合をしていました。

–MMAの練習も企画でやっていたと思うのですが、そこからキックをまずはやりたいと思ったのはどういった心境だったんですか? 

メイソン 最初は企画で総合をやっていたけど、その最後に負けてしまって、やっぱり立技が得意だったのでもう1回立技の方をやってみようかという事で、キックボクシングをまた始めました。

–ちなみにRISEの大阪大会まで約10日と迫ってきましたけれども、コンディション自体はいかがですか?

メイソン バッチリです。最高です。

–まだまだ追い込みをしているような状態ですか?

メイソン もちろんですね。僕は大体試合の1週間前まできっちり追い込むので、まだ追い込みです。

–具体的には1日どれぐらい練習しているんですか?

メイソン 毎日3部練ですね。

–濃密に3部練をやっているような感じですか?

メイソン 大体そんな感じです。

–減量自体は問題なく進んでいますか?

メイソン 問題なく進めています。

–試合に向けて気持ちは高まっているような状態ですか?

メイソン そうですね、高まっています。

–会見で中野選手と対峙した時に「特に印象はない」という様なことを仰っていましたけど、それは今も変わらない印象ですか?

メイソン 変わらないですね。

–ファイターとしての中野選手という部分に興味があったりしますか?

メイソン 正直ないです。

–それでは試合に関して、警戒している部分はありますか?

メイソン もちろんそれは何箇所かあるんですけど、その対策もやっているので問題ないです。

–ある程度イメージ通りに練習ができていて、試合に挑めるような感じですか?

メイソン そうですね。

–会見の時に、宇佐美選手はスピード、中野選手はパワーと言うようなワードも出ていましたが、具体的にどんな試合展開を想定していますか?

メイソン 今回の試合は言える事がないので何も言わないんですけど、とりあえず試合を見てもらえたら分かると思うので試合を見ておいてください。

–ちなみに今回中野選手をクリアしたとして、RISEで他に闘いたい選手はいますか?

メイソン あまり選手を知らないので分からないです。

–ちなみにベルトも特に興味がない様な発言をしていましたが、そこについても特に変わらずですか?

メイソン 変わっていないですね。

–単純に強い選手とこれからもどんどん試合をやっていきたいという様な感じですか?

メイソン ただ単に強い選手とやって、世界一目指して頑張っていこうという感じです。

–そういった部分では今RISEはGLORYと交流していて、試合を組まれたりしていますがそこについては興味はありますか?

メイソン そうですね。面白いと思います。

–海外進出や、海外の強い選手と闘いたいっていう希望はあるってことですね。

メイソン 強い選手となら誰とでもやりたいので希望はあります。

–そこは団体問わず試合をしていきたいという様な感じなんですね。

メイソン はい。

–一昨年の年末に巌流島でデビューして、そのデビューから振り返ってみて今までのこの道のりはどうですか?

メイソン すごい頑張ってきたなと自分は思います。

–順調ですか?

メイソン 自分の計画は順調ですよ。巌流島の時に比べたら、今は比べ物にならないくらい強くなっているので順調だと思います。

–今回はRISEのチャンピオンとの対戦ですが、国内レベルのチャンピオンであればもう自分の敵じゃないってくらいの気持ちがあるんですか?

メイソン もちろんです。通過点っていう風に自分は思っています。

–中野選手は左フックが非常に強い選手だと思うのですが、この左フックについてはどう思いますか?

メイソン 左フックはもちろん強い選手だと思います。でも、その対策もやっているので当たらないようにはします。

–あとRISEにはオープンフィンガーグローブマッチ(OFGM)があるんですけど、OFGMでの闘いには興味はありますか?

メイソン 元々MMAでずっとオープンフィンガーでやっていたので、できないことはないですけどね。あまり興味はないですね。

–じゃあ通常のボクシンググローブのキックボクシングルールで世界の競合と闘っていくというのが、自分としてはやりたい方向性ということですね。

メイソン はい。

–今最も力を入れている練習はありますか?

メイソン 全部の練習に力を入れて頑張っているんですけど、自分的にはフィジカルと技術練習ですかね。

–フィジカルに関しては元々空手をやっていたから強うそうですね。

メイソン 僕は元々ひょろひょろだったしそんなに強くなかったので、今凄いフィジカルを頑張っているって感じです。

–自分の苦手だと思っている部分を克服して、パーフェクトに近づいている感じですかね?

メイソン 自分の苦手な部分はないです。全部に対応していきます。

–ズバリ今回の試合、フィニッシュは決まりますか?

メイソン 2Rです。

–その理由は?

メイソン 理由なんかないです。2Rで倒れるんで見ておいてください。

–そもそもRISEで闘いたかったのか、それともオファーが来たからやってみようと思ったのか、どちらだったのでしょうか?

メイソン 僕は自分自身、どこの団体でも対戦相手が良ければ全然やるっていう気持ちでいつもいるんですけど、今回自分が所属している会社に「こういう話が来ているけどやろうか」っていう話だったので、ぜひやりたいですっていう風にお願いさせてもらいました。

–いきなりRISEのチャンピオンと対戦ですけど、やはりそのオファーが来た時に納得できるというかチャンピオンならという感じだったんですか?

メイソン 別にそんなこともないですけど、自分にとってチャンスだなと思ったので、大きい舞台で派手に倒してやろうと思ったので受けましたね。

–あとは地元大阪での試合ですが、地元での試合というのはいつもと気持ちが違いますか?

メイソン 前にも1回大阪で試合をしたんですけど、その時にやっぱり大阪は良いなと思ったので、大阪での試合がすごい好きですね。

–良太郎さんに教わる上で、宇佐美選手が1番良いなと思っている部分はどんなところですか?

メイソン もちろん技術もそうなんですけど、良太郎さんとはコーチだけじゃなくて選手同士の会話ができるので、色んな相談をしながらやっていけるのが良いところだなと自分は思います。

–具体的にはどんな相談をした時に、選手同士で良かったなと思いましたか?

メイソン 試合の作戦を練っている時とか、練習法ですね。ここはこうじゃないかとか、相談しながらやっているところですね。

–じゃあ中野戦に向けても試合の進め方は話し合っているんですか?

メイソン はい、もちろんです。

–お兄さんのパトリック選手もRIZINで近々試合があると思うんですけど、お兄さんとは連絡を取ったり話したりしているんですか?

メイソン ちょこちょこします。でもあまり喋らないですけど。

–今回の試合に向けて頑張れよ的な話とかはしていますか?

メイソン もちろんしています。

–RIZINでは鈴木千裕選手がキックとMMAの二刀流でやっていますが、メイソン選手は今後MMAをやる予定はないですか?

メイソン 今のところはキック1本でやっているので分からないですけど、MMAも面白そうですけどね。

–全く可能性は0ではないという感じですか?

メイソン もちろん可能性は全然あると思いますよ。

–最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。

メイソン 大阪で中野選手をぶっ倒すので、ぜひ応援をよろしくお願いします。押忍。


■田丸辰インタビュー

–公開練習では切れ味鋭いパンチを見せていましたが、コンディションは良好ですか?

田丸 久々の-53kgで適正階級なので、切れ味もあって良い感じです。

–最近は54kgや55kgでの試合が多かったですが、減量は辛くないですか?

田丸 いつもよりは節制していますが筋肉もしっかり残っているし、いつも絞りきれていなかった分、今回は楽しみです。

–パワーを残しつつ、53kgに落としてスピードも上がっているような感じですか?

田丸 久々の53kgなので実際にやってみないと分からない部分はあるんですけど、キレやパワーは確実に昔と比べて上がっている実感があります。

–相当追い込んで練習をされていたと思いますが、追い込み期間はどんな練習内容を行っていますか?

田丸 基本的には相手の対策だったり、ミットの練習が増えるのと、走り込みやスパーリングが増えるんですけど、集中しながらやらないと怪我もしてしまいますし、強度も高いので良い集中力でできていました。

–その追い込み期間で体だけじゃなくて、精神的な部分も研ぎ澄まされていくような感じがしますか?

田丸 ご飯もなかなか食べられないところがあるので、ハングリー精神で「やってやるぞ」って気持ちにはなっています。

–今回のABEMAのキャッチコピーが『強者は西から生まれる』となっていますが、田丸選手は東京なので物申したい気持ちにはなりませんでしたか?

田丸 物申したいとかではないけど、関西にいるチャンピオンがRISEには多いので、東にも強いやつはいるぞっていう事を大阪で見せたいです。

–「俺がいるだろ」という気持ちですね。

田丸 東系男子なので。笑

–現状関西にいるチャンピオンの方が比率は多いですが、田丸選手から見て何が要因になっていると思いますか?

田丸 関東の選手に比べて関西の方が合同練習などの交流が多いなっていう勝手なイメージがあります。

–自分のジムで練習をされている選手が多いですよね。

田丸 環境が関東に比べて整っていないジムが多い中で、チャンピオンになる選手が多いっていうことは、ハングリー精神を持っている選手が関西には多いのかなと思います。

–そのハングリー精神の面では田丸選手も負けていないですよね。

田丸 まだまだいけるぞって思いはあります。関東の選手って環境がすごく良いので、それで満足しちゃう選手が結構いると思うんですけど、それで満足しているわけではないので、今のTRY HARD GYMもそうですけど環境が良くても結果が出ないと意味がないので、そこは意識的にやっています。

–今回の対戦相手はジョン・ヒョヌ選手になりましたが、映像はご覧になられましたか?

田丸 ちょいちょい見ています。

–どんな印象がありますか?

田丸 体つきもゴツくてパワーがあって、1発があるなっていう感じですね。

–フィジカルの強いパワーファイターですが、どう攻略していくかイメージはできていますか?

田丸 技術レベルやスピードは圧倒的な差があるのでそこを活かしつつ、53kgの中で誰がどう見てもパワーがある相手なので、そこでも勝負できるところを見せていきたいです。

–自分の得意分野プラス、相手の土俵にも乗って実力の差を見せつける試合展開ということですね。

田丸 ここは絶対にKOで勝たなければいけないので、そこをモチベーションに頑張っています。

–試合内容を重視しているんですね。

田丸 KO率も高い相手なんですけど、ちょっと苦戦しているようだと自分が目指している所には遠くなってしまうので、スターになるためにKOで勝ちたいです。

–「自分が目指しているところ」という風に仰いましたが、今後53kgでの目標はありますか?

田丸 1選手として、ただ勝つだけでは人気者にはなれないので、勝ち方や選手としてかっこいい人になりたいです。あと先日野杁選手がONEで負けてしまったんですけど、日本のトップ選手が海外で負けていくのを見て、世界は広いなというか悔しい気持ちがあるので、海外のファンからも舐められないような日本人ファイターになりたいです。

–そういった意味では以前も名前を出していましたが、プラジャンチャイ選手などとも対戦したい気持ちはありますか?

田丸 いきなりONEのチャンピオンとかは言わないですけど、海外の格闘技ファンが「こいつに勝ったら凄いよ」って認めるような選手と組んでもらってから、ONEのチャンピオンとかと試合ができたらいいですね。

–前回、志朗選手との試合が不完全燃焼に終わってしまいましたが、改めて志朗選手と白黒をつけたいという思いはありますか?

田丸 誰も納得しない内容だったので、年内には決着をつけて志朗選手の時代を終わらせたいです。

–短い時間でしたが志朗選手と手を合わせた時の手応えはいかがでしたか?

田丸 お互いに頭を使った1ラウンドだったのですが、自分自身この後の展開が楽しみだなと思いながら試合をしていたので、早く続きがしたいですね。

–ハイレベルな攻防をしている時間は楽しかったですか?

田丸 楽しかったというよりは「お前どんな引き出し持ってんの?」みたいな感覚ですね。向こうもそうだと思いますし、何を見せてくれるのかっていうワクワクした感じでした。

–大阪大会でのメインは同じ53kgのタイトルマッチになりましたが、この試合自体はどういう勝敗予想をされますか?

田丸 政所選手は勢いがすごいあるんですけど、5Rなのでそこの経験も含めて大﨑選手が有利だと自分は思っています。だけど僕的にはどっちでも良くて、両方に1勝1敗で終わっているので、勝った方といつかはやりたいです。

–どちらかというと政所選手と対戦したいという思いもあった?

田丸 個人的には政所選手に勝ってもらって、お互い良い状態で対戦して盛り上がるカードになると思うのですが、勝つのは大﨑選手かなっていう予想です。

–ご自身の試合をスカッと終わらせて、ゆっくりメインの試合を見届けたいですね。

田丸 僕も53kgの試合なので、比べられると思うし、変な試合はできないなと思っています。逆にメインを食うような試合内容で、KOで倒したいです。

–2024年も半分が終わりますが、今年もMVPを狙っていきたいですか?

田丸 3月の試合でやっちゃった感があるので、あそこで勝って今回も勝ってという感じだったら、MVPを狙えたかなって思っているので、今のままだとちょっとやばいですね。なので6月は本当にいい内容の試合をしないとなって思っています。

–今回の試合をクリアして、インパクトを残してMVPを狙っていきたいですね。

田丸 去年の波に続いているなっていう風に思わせるような試合をします。

–最後にファンの皆様に向けてメッセージをお願いします。

田丸 いつも応援してくれる皆さんありがとうございます。今回大阪で韓国人の選手と戦うんですけど、必ずKOで勝ってインパクトのある試合で大阪を沸かせたいなと思っているので、楽しみにしていてください。応援お願いします。


■大雅インタビュー

–公開練習では重たいパンチを披露していましたが、コンディションはいかがですか?

大雅 調子が良いのはもちろんなんですけど、今までで1番強くなっているなと実感があるので、試合が楽しみです。

–まだまだ進化している実感がありますか?

大雅 ここ最近が現役で1番伸びしろを感じています。

–1月にチャンヒョン戦に勝ってベルトを獲って、そういった部分で心技体が整ってきた感覚?

大雅 全部が良いですね。チャンヒョンに関してはスタイル的にも負けるわけがないと思っていたので、次の試合で本当に強くなっているのかどうか自分が試される試合になります。

–今回戦うプエルタス選手は大雅選手も対戦を望んでいたと聞いていますが、対戦を希望した理由はありますか?

大雅 去年ONEでタイトルマッチをやっていて、今は契約が切れていると聞いたので、もしかしたら試合ができるかもと思って聞いてもらったんですけど、そしたら本当に決まっちゃいました。笑

–契約的な問題も含めて情報が入っていたんですね。笑

大雅 コメントとかで「こいつと闘え」っていうのが何回か来ていて、そういうので知ってはいたのでもしかしたら闘えるんじゃないかなって思っていました。

–スーパーレック選手と対戦していたタイトルマッチは見ていたわけですね。

大雅 見ました。その試合を見てもそこまで差がない試合だったので、それだったら実際に試合をしてみて、スーパーレックとかがどのくらいのレベルでやっているのか、自分を試したいなって思いがありました。

–世界的な立ち位置がどの辺なのかを試したかったんですね。

大雅 はい。

–プエルタス選手は非常にタフなファイターですが、どういう戦い方を想定していますか?

大雅 基本的には上手く戦って、打ち合うところは打ち合ってという展開になると思うんですけど、今回はパワーにも自信があるので、打ち合う場面もいっぱい作っていきたいです。

–試合まであと5日なので、疲労も溜まっていると思いましたが表情も良くて調子の良さが伺えますね。

大雅 調子は良いっすね。笑

–ズバリKOする自信はありますか?

大雅 どんどん倒しに行けるようなスタイルに変えているので、勝手に倒すタイミングは作れるかなと思っています。

–RISEの伊藤代表が来年は61kg界隈でWORLD SERIESを開催したいと発言していましたが、当然その辺りも視野には入ってきていますか?

大雅 まずここを勝たないと出る意味がないと思っているので、ここでレベルの違いを見せて勝って、来年はさらに強い選手を呼んでもらってそこで僕が1番になります。

–来年に向けても良いスタートを切れるような試合にしたいですね。

大雅 ここから先の試合は落とせないので、行けるところまで行きたいです。

–少し気が早い話ではありますが、WORLD SERIESが開催されたとして、こんな選手が出てきてほしいなとか対戦してみたい選手はいますか?

大雅 唯一いたのが今回のプエルタスだったので、可能ならスーパーレックとかロッタンとかと試合をしてみたいです。

–ビッグマッチが6月、9月、12月と控えていますが、直近ではどんな試合をやっていきたいですか?

大雅 常に挑戦していきたいので、そういう相手を用意してもらえたら僕も嬉しいですし、僕の階級の中心はRISEにあるという事を僕が証明できると思っているので、これからも勝ち続けていけるように頑張ります。

–最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。

大雅 いつも応援ありがとうございます。今回の相手もめちゃくちゃ強いんですけど、必ずKOで勝って早く世界で1番になれるように頑張ります。応援よろしくお願いします。


■麻原将平インタビュー

–麻原“選手”と呼べるのもあとわずかな期間となりましたが、長い間お疲れ様でした。

麻原 長い間ありがとうございます。

–キャリア16年ですよね?

麻原 この前僕もそれを見て長いなと思いました。

–ここまでキャリア16年を続けてこれた理由はなんですか?

麻原 たくさんの人に支えてもらってとかよく言うじゃないですか。若い頃は皆同じことを言ってるなと思ってたんですけど、この年まで現役をやって、まさにそれに尽きるなと思いました。色んな人に支えられてここまで闘えました。

–今年の9月3日に40歳になりますよね。30代で引退をするのは良い節目だと思ったからですか?

麻原 年齢とかはあまり考えていなかったんですよ。でも自分のジムを出して怪我も多くなって、年齢的にも色んなことが重なったタイミングでした。だから30代でっていう風には特に思ってませんでした。

–やり切った感じはありますか?

麻原 だいぶ前から1戦1戦最後のつもりでやっていて、試合前はこれが最後かなっていう気持ちだったので、かなりやり切りましたね。

–いつくらいの試合から「これが最後」と思って試合をしていたんですか?

麻原 イ・ソンヒョンと2回目のタイトルマッチをした時は最後のつもりで全力で挑もうと思っていました。まあ最後とは思ってないですけど、全部ぶつけて最後になってもいいやって気持ちでやっていました。

–これで麻原選手が引退してしまったら、同じく大ベテランのT-98選手もかなり悲しみますね。

麻原 結構彼とはやり取りをするので「お疲れ様でした」とは言ってましたけど、最古参のバトンを渡します。笑

–今気持ち的には晴れ晴れしていますか?

麻原 めっちゃ晴れ晴れしてます。でも全然自分がまだ引退するという感覚がないので、引退すると言ったものの気持ちはまだ選手のままだったんですけど、XとかInstagramでメッセージやコメントをもらって読んでいると、「自分は今回で選手として引退なんだな」と改めて実感するというか、寂しい気持ちになります。

–結局キャリアはRISEで始まりRISEで終わることになりましたね。

麻原 めちゃくちゃ嬉しいですね。RISEで大森のGOLD GYMでデビューしているので、RISEにはすごく思い出があります。色んな団体に出してもらったんですけど、RISEでデビューして引退セレモニーもしてもらえるっていうのはすごくありがたいですし嬉しいですね。

–デビュー戦もして、大会場でもたくさん試合をしましたね。やはりそれなりに選手としての満足感はありますか?

麻原 大きい会場は色々やらせてもらったので、それぞれに思い出もあってかなり満足感もあります。

–今振り返ってみて、RISEでのベストバウトってどの試合でしょうか?

麻原 自分的には何個かあるんですけど、裕樹さんとの試合と、イ・ソンヒョンとのタイトルマッチと、不可思選手との試合はよく覚えているし、ターニングポイントになるような試合でした。

–それぞれに色んな思い出があるわけですね。

麻原 めちゃめちゃありますね。

–裕樹さんとの試合はどんな事を覚えているんですか?

麻原 トーナメントでの試合だったんですけど、僕がデビューくらいの時からトップ戦線で戦っていてすごい選手だったので、いつか対戦して倒したいと思っていました。それで裕樹さんのトーナメント1回戦が終わって、僕が入場ゲートの前にいた時に「決勝で待ってるから、俺と闘いたいなら上がってこいよ」って言われてすごく熱くなりました。

–良い話ですね。

麻原 でしょ。笑 ただその試合は延長までいってギリギリ勝ったんですよ。結局決勝で裕樹さんと試合することになったんですけど、1日2試合のトーナメントで僕が1回戦で拳を痛めてしまって、練習していた右フックが出せない状態だったんですけど直前に閃いた左手のコンビネーションが上手く当たってダウンを取ることができたんですよ。その後逆にダウンを取られつつも最後打ち合いをして、なんとか勝った試合でした。

–ソンヒョン戦はどんな思い出が残っていますか?

麻原 生きてきてこんなに練習したことがないってくらい追い込んで、すごく自信もあったし、セコンドとの練習も全部完璧にして挑んだ試合だったので、絶対に勝てると思っていました。結果は5ラウンド戦って僅差の判定負けだったんですけど、勝ったらこうするっていう次の展望も考えていたので「人生終わった」っていうくらい何も考えられませんでした。

–不可思選手との試合はどんなところが印象に残っていますか?

麻原 あの時は試合前からバチバチだったじゃないですか。直樹選手との試合後にリングに上がってきた時も睨み合いになったし、エンタメ要素なしで因縁もあるような感じで、不可思選手との試合の入場前も睨み合っていました。バチバチだったのに5ラウンドっていう闘い方が上手くて支配されて負けて、すごく悔しかったから覚えています。

–そういう悔しさはどのように乗り越えて現役を続けてこれたのでしょうか?

麻原 ソンヒョンの時は、人生終わったと思ったからどうでもいいわって思って、それまで海外に行ったことがなかったんですけど1人でタイに行ったんですよ。それで言葉もわからないけどタイで練習して、そういう人達に触れ合って色々教えてもらっていくうちに、もう1回やりたいと思いました。不可思選手に負けた時は男の喧嘩に負けたって感じがあって、やる気を失くしている時にセコンドの先輩に新極真の緑代表と一緒に食事をする機会を作ってもらったんですけど、そこでどストレートな事を言われてもう1回頑張ろうと立ち上がれました。だから結局、色んな自分に関係してくれる人達に会って、色んな話を聞いて頑張ろうという気持ちをもらえました。

–キックボクシングの道を選んで間違いはなかったですか?

麻原 そうですね。今このインタビューで話していて改めてそうだなと思いました。

–これからはキックボクシングとどういう風に関わっていきますか?

麻原 今は大阪の森ノ宮で自分のジムをやっているんですよ。フィットネスを中心でやっているので、一般の人たちにもキックボクシングの良さや楽しさを広げていきたいです。

–いつか自分でもプロを育ててみたいという気持ちにはなりますかね。

麻原 そうなると僕はダメなんですよ。その人に全部集中して他を疎かにしてしまいそうなので。

–今やっている仕事を放棄してしまう可能性もあるって事ですね。

麻原 そうなんですよ。実際アマチュアでやりたいっていう人を、出稽古に連れて行ってあげたり、ジム終わりに走りについて行ったりとかしていたので、これが本当のプロを育てるってなったらそっちに全集中してしまいそうなんですよね。

–ちなみに麻原選手の引退については、パウンドフォーパウンドでお世話になった武蔵さんや森知行さんたちはなんと言ってらっしゃいますか?

麻原 お二人とは頻繁に連絡させてもらってるんですけど、残念だなってのとお疲れ様っていう感じで、最後に引退セレモニーは盛大にやろうよって言っていただいています。

–今回RISEの大会で行う引退セレモニーは、長く活動の拠点としている大阪で行えることになりましたが、このことに関してはいかがですか?

麻原 引退セレモニーを大阪で、しかもRISEの大きな大会でしてもらえるっていうのは本当に嬉しくてありがたいことですね。

–今から10カウントを聞いている自分を想像することはできますか?

麻原 全くできないですね。

–結構涙脆い方ですか?

麻原 僕全然泣かないんですよ。たぶん最後に泣いたのがイ・ソンヒョンに負けた時です。ほんまに涙が出ないので冷酷な人間だなって言われるんですけど涙が出ないです。

–少し意地悪な質問になってしまいますが、近い将来にもう一度復帰を考える時はありそうですか?

麻原 なんか既にもうあったりするんですよ。笑 試合を見たり、今のRISEのSNSから流れてくる煽り映像とかカッコいいので、あんなのを見ていたら熱くなるじゃないですか。そういうRISEの映像を見ていて、またやりたいなって思ってしまう時もあるんですよね。

–ちなみに今RISEで活躍している選手で、期待している選手はいますか?

麻原 いっぱいいますけど原口くんは、次はGLORYでタイトルマッチをやるしすごいなと思いますね。昔裕樹さんのところでスパーリングとかしたことがあるんですけど、すごい上手いのでこのままペットパノムルンを倒してベルトを獲ってほしいですね。他にも仲が良い選手は多いので、大﨑兄弟もめっちゃ良い子だし、数島大陸も会ったらふざけ合う仲だし、みんな強いので頑張ってほしいなと思います。

–最後に今まで麻原選手を応援してくれたファンの皆様に、最後のメッセージをお願いします。

麻原 長い間、応援していただいてありがとうございました。ここまで現役でやってこられたのもスポンサーの方、先輩、後輩、先生、家族と沢山の方々が応援をしてくれるおかげだと思うので、今回で引退しますけどまた第二の人生も頑張っていくので見守っていてください。

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