[ファイトクラブ]スターダム5名の退団を発表!シンデレラ・トーナメント歴史振り返ると

[週刊ファイト4月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼スターダム5名の退団を発表!シンデレラ・トーナメント歴史振り返ると
 by 甘井公平 w/編集部編







※現在エントリー作成中

 スターダムから公式にプレスリリースされているが、林下詩美、ジュリア、桜井まい、MIRAI、弓月の退団が確定となった。本誌ではすでに、この件をたっぷりと「尾張名古屋は新生で持つ!シンデレラ羽南に託す巻き返しスターダム」にて分析してあるが、あらためて甘井公平が「シンデレラトーナメントの歴史」を入稿してきたので、冒頭に収録する。

 「シンデレラエスカレーター効果」という言葉をご存じだろうか?
 東京の著名ファッションビルでは、一昔前まで「シングル・エスカレーター(二人並んで乗れない)」が主流であり、その両側は鏡貼り、もしくは各フロアが透けて見えるようになっていた。
 また、エスカレーターでビルを上り下りする際には、1フロアごとに必ずビルの端から端まで歩かねばならない(上り・下りをつなげていない)。要するにビルを縦横に回りつつ自身と他者を見比べながら歩く仕掛けなのだ。

【エスカレーター効果とは】
もともとイメージがあるものに対してギャップが生じた場合に、バランスを保持しようとする心理効果のこと

 これは毎年3月に上京してくる10代の女性たちに対し、「ここは東京ですよ」「あなた、浮いてますよ~」という意識を芽生えさせる定番手法であった。109もPARCOもルミネも、2010年頃までは判で押したようにこうだった(現在はバリアフリー対応や震災時の安全のため、ダブル併用に改装済)。
 上京して初めて歩く東京の街。まばゆいファッションビル内を歩く自分以外の女性客は、皆がファッションモデルか芸能人のように見え、ビル全体で「これでもか!」と自身のあか抜けなさを自覚させられる。そして彼女らはこぞってネットや雑誌で勉強し、服やアクセサリーや化粧品に惜しみなく金を使い、このビルを闊歩してサマになる女性となるべく努力と自己研磨を繰り返す。

 そう、ここでいう「シンデレラ効果」は一夜にして誕生したものではなく、企業側のマーケティングにより消費を喚起すべく、上京してきた女性のヴィジュアル・コンプレックスをベースにした、古典的なマーケティング戦略なのだ。

 スターダム『シンデレラトーナメント』の歴史を振り返ると、2015年の第1回優勝者はアイコン・岩谷。この頃は、美闘陽子の離脱後、紫雷イオ(Iyo Sky)、宝城カイリ(Kairi Sain)、岩谷麻優の「3人娘時代」である。ただし当時21歳の岩谷は圧倒的に(今以上に)線が細すぎ。とてもプロレスラーには見えず、明らかに見劣りした。
 この岩谷を「真のアイコン」にすべく企画されたのがこのトーナメントなのである。

 優勝者は興行の最後にドレスに着替えて登場。ガラスの靴のトロフィーを授与され、インタビュアーから「シンデレラが叶えたい夢は?」と聞かれるのが定番となっている。ちなみにトンパチ岩谷は、ここで(安川との喧嘩マッチで大怪我を負わせ無期限欠場中の)「世志虎ちゃんの復帰ぃ!」と答え、会場をドン引きさせてしまう。しかし、事前の調整と承認が入ることになり、第2回以降のシンデレラは例外なく「〇〇さんに挑戦したい」、「〇〇のベルトが欲しい」が模範回答となっている。

 歴代シンデレラは、2015年・16年「岩谷麻優」、2017年「トニー・ストーム」、2018年「渡辺桃」、2019年「星輝ありさ」、2020年「ジュリア」、2021年「上谷沙弥」、2022年-23年「MIRAI」、そして今年が「羽南」。どうだろう。ちなみに2020年のジュリアまで、準決勝・決勝戦はすべて後楽園ホールであった。

 たしかにガラスの靴を手にするだけあって、みな「シンデレラになる(=努力して垢抜けてゆく過程)」であったことがわかる。
 そして、見事に「東京出身者」がいない。ゆえにAZMやスターライトキッドは戴冠していない!

’24年03月28日号スターダム羽南シンデレラNJC辻 Gleat梅田 Sハンセン大阪 全日キック

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