[ファイトクラブ]最後に札止め感動の大会となったが・・・新日/大阪オカダ、オスプレイ

[週刊ファイト2月15日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼最後に札止め感動の大会となったが・・・新日/大阪オカダ、オスプレイ
 photo & text by 西尾智幸
・追加席も完売!満員御礼の札止めで熱気もすごい
・大阪ラストのオカダカズチカ18回目の棚橋弘至との対戦
・試合後熱い抱擁にみんな涙
・ザックセイバーjr.とブライアン・ダニエルソンの職人芸
・返し返され地味なようで熱い会場が熱狂
・メイン金網は64分の死闘
・オスプレイ「必ず戻ってくる」と約束
・IWGPタッグは、お粗末な展開
・デスペラードがSHOにストロングスタイル入りを提案
・感動の大会であったが4時間40分は長すぎる


最後に札止め感動の大会となったが・・・新日/大阪オカダ、オスプレイ

■ THE NEW BEGINNING in OSAKA
日時:2024年2月11日(日) 17時開始
会場:大阪府立体育会館第一競技場(エディオンアリーナ大阪)
観衆:5327人(主催者発表:満員札止め)

 見事に増席分も含め、チケット完売。もともと、オカダはこの日NEVER6人タッグの防衛戦が組まれていたが、その後退団が決定しカードを変更。タイトル戦を1月24日後楽園大会に前倒しし、この日は棚橋とのシングルに変わった。そりゃあファンとしても6人タッグより、何かと因縁のあるこの大阪の地で、最後かもしれない一騎打ちのほうが興味あるに決まってる。

 南北の2階席には大型スクリーンが設置されていた為、その後ろの席は使用できなかったのだが、そこが使えれば、あと300人ほど増えていた。1週間前のスターダムとは、別の会場かと錯覚する。
 オカダは2012年の1・4東京ドームに凱旋帰国、そしていきなり当時のIWGP王者棚橋に「棚橋さん、お疲れ様でした」と挑戦表明。誰もが、実力不明の態度のデカい奴には期待するどころかブーイングだった。しかし、翌2月にこの大阪府立で挑戦し見事にベルト奪取! しかも、試合内容でも納得するしかなかった。いわゆるレインメーカー・ショックである。そこから計16回もシングルを行った両者。そしてこれでピリオドか? この日17回目となる闘いだ。

↑2012年のオカダ

《第5試合》
○オカダ・カズチカ
 16分50秒 レインメーカー⇒片エビ固め
●棚橋 弘至

 棚橋の入場は、現テーマ曲「LOVE&ENERGY」から初対決時の「HIGH ENERGY」に途中から変わり会場大興奮。オカダにも大コール。静かな立ち上がりから、まず大技を仕掛けたのは棚橋。フライングクロスボディからのドロップキック。オカダも反撃、コーナーに乗せた棚橋にハイアングルのドロップキック。ドラゴンスクリュー合戦。場外乱闘を経てオカダが踏みつけのカバー。今度は場内大ブーイング! 多くの大阪のファンは、どちら贔屓でもなく、試合そのものを楽しんでいる感じだ。棚橋も、いつも位以上にコンディションもよさそう。コーナーから場外へのハイフライアタックも高く飛んだ。受けたオカダは、マットのない床の部分に頭を強打。2階まで鈍い音が響いた。暫く動けない両者。

 そして棚橋がオカダを起こしてリングへ戻す。ロープに走った棚橋をフラップジャックで迎えたオカダ。しかし、自分も後ろに倒れることで更に後頭部に激痛がよぎったか頭を抱える。

 しかしその後、オカダはあえて顔を突き出して殴ってこいとばかり挑発したり、両者膝をついた状態で、感情むき出しのエルボーの打ち合い。そこからオカダは一気に畳み込みたいが、棚橋もうまくかわしたり、スリングブレイドなどで切り返すが、オカダも諦めない。ショートレンジラリアット、ツームストンパイルドライバー、それでも棚橋は一瞬の首固めで返すがカウント2。  
 ツームストンの体制で持ち上げようとするオカダだが逆に棚橋がオカダを持ち上げる。それを回避し逆に担ぎ上げ、オカダ式ランドスライド(?)からのレインメーカーで勝利。


 試合後、暫く起き上がれなかった両者だが、少しずつ近づき膝をついた状態で言葉を交わし、そのまま立ち上がると涙の抱擁。これには、客席ももらい涙。棚橋はリングを降りると、オカダはリング中央のライオンマークを見つめながら再び号泣。
 これで、両者の通算戦績は、オカダの9勝5敗3分けとなった。

技の切り替えし合戦ザックvs.ブライアン地味な攻防でも飽きさせない

《第7試合》
●ブライアン・ダニエルソン
 32分46秒 変型十字固め
○ザック・セイバーJr.

 これは職人芸だ。この2人にしかできない試合だったと思う。普通、ロープワークももほぼない関節中心だと、地味になってしまい途中で飽きてくる。まして、その試合を32分間も大観衆を飽きさせずに、何度も「オオーッ!」と唸らせたのだ。
 特に試合は序盤は、手足の取り合い中心だが、逃げ方だけでも観衆を沸かす!


 それに所々にサッカーボールキック、張り手などの打撃を入れることで、ピリッと締まる。また、何がどうなってるのか理解不能なグランドの関節は、2階席からは見辛い。しかし、見栄えのいい吊り天井やコブラツイスト、卍固めなどを挟むことで、インパクトもあるし、最後までどっちが勝つのかというハラハラ感もあった。最後は丸め込み合戦でザックが3を奪った。
 あっという間の32分。そしてザックは、昨年10月アメリカAEWでの黒星をチャラにした。


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