[ファイトクラブ]新春全日三冠中嶋デンプシー戦高評価!みのる-黒潮組み合わせ最高

[週刊ファイト1月18日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼新春全日三冠中嶋デンプシー戦高評価!みのる-黒潮組み合わせ最高
 photo & text by 西尾智幸
・中嶋デンプシー相手に辛うじての防衛
・ランカシャースタイルのデンプシーの妙技
・復帰の芦野祥太郎が早速三冠挑戦表明
・鈴木みのる黒潮TOKYOジャパンの見事なスイング
・タッグ2冠王者の斉藤兄弟余裕の圧殺勝利
・アクトレスガールズが大会に華を添えるも疑問
・大森隆男らベテラン勢が一気に退団!どうした全日?


新春全日三冠中嶋デンプシー戦高評価!みのる-黒潮組み合わせ最高

■ 全日本プロレス 新春ジャイアントシリーズ2024
日時:2024年1月3日(水) 11時30分開始
会場:東京・後楽園ホール 観衆1331人(主催者発表)

中嶋勝彦難敵チャーリー・デンプシーを撃破 海外では最高試合と評価

<第6試合 三冠ヘビー級選手権試合>
〇中嶋勝彦 【第71代王者】
 19分42秒 ノーザンライトボム⇒片エビ固め
●チャーリー・デンプシー【挑戦者】
※第71代王者・中嶋勝彦が2度目の防衛に成功

 ゴングが鳴り、組み合おうとするが、大”デンプシー”コールに憮然とする中嶋。

 グランドでは、腕や脚の取り合いとなるが、デンプシー有利に進められる。回転しての羽折り固めは、場内が沸いた。
 中嶋も延髄斬りで活路を生み出すと、ドラゴン・スクリューで反撃するも、ダブルアーム・スープレックス、ヒール・ホールド、投げっぱなしジャーマンなどで攻め込まれる。


 中嶋、あわやのシーンも多くデンプシー勝利かと思われたが、最後は中嶋が逆転のノーザンライトボム一発で勝利を得た。
このカードは海外からも注目されたようで、そもそも”20分尺”を貰えるシングル戦をNXTではやらせてもらったことがなかったデンプシーなんだが、マメにNXTを見ているフォロワーたちは口を揃えて「デンプシーが生涯最高の試合をやり遂げた」と高評価されている。そんな、誰一人としてチャーリーが王座奪取するなんか思ってないのだが、プロレスが底なし沼なのは負けて勝つことが出来る点に相違ない。
 この大きな反響は、1つに米国の日本通たちにとって、新春ノアの「飯伏幸太vs.丸藤正道」があまりにも酷い内容だったので、その反動もあるのだと思われる。

 試合後、「日本プロレス界の地形を変えるため、そして三冠ヘビー級というこのタイトルを上にあげるためデンプシー! NXTに持っていくから待っていてくれ」と衝撃発言。中嶋がノアを抜けた際、WWEもAEWも「そんな大物がフリーになったのなら興味ある」となり、かえって(本当は知らなかったクセに)「どんな選手なのか」と首脳陣のリサーチが始まった経緯があった。「ひょうたんから駒が出る」という諺があるのだが・・・。

 すると芦野祥太郎がリングに上がり、「三冠の価値? お前の闘魂スタイルなんかに価値はねぇよ。俺達全日本プロレス所属の人間は、その三冠のベルトに誇り持って戦ってんだよ」と迫り挑戦表明。この対戦は、1月27日の八王子大会で正式に決定した。

鈴木みのると黒潮TOKYOジャパン水と油の融合が凄い化学反応 !

<第2試合>
黒潮TOKYOジャパン
●立花誠吾
 12分19秒 ゴッチ式パイルドライバー⇒体固め
〇鈴木みのる
大森北斗

 メインの次はセミ…ではなく、第2試合を取り上げたい。
WWEから戻ってきた黒潮TOKYOジャパン(元イケメン二郎)、昨年の年末恒例の最強タッグリーグから全日へ参戦。年明けも引き続き参戦している。今回は立花とコンビでみのる&北斗と対戦。最初は、正直特に期待はしていなかった。“風になれ”で入場する鈴木。しかし、いつもより怖い表情で、まず記者(私)に50cmくらいまで近づき何かつぶやき思いっきり睨まれる。思わず、『スイマセン、今お金を持ってません』と言いそうになるくらいの気迫だった(笑)。そのあと、リングサイドのカメラマンらを蹴散らし何かイライラしているように見える。

 そして、“HELLO”が鳴ると、全く対照的な黒潮がご陽気に入場。客席に乱入したり鈴木以上に入場が長い。リング上でイラつく鈴木。一旦エプロンに上がり、リングインするのかと思いきや、イラつく鈴木を尻目に再び客席へ。最後にはブチ切れて、背後から蹴りを見舞い、そのまま場外乱闘へ。

 完全に場外も鈴木のペース。殴った後、片逆エビの状態で、階段を引き摺っていくエグイ攻撃。
更にイスで殴ろうとするがレフェリーが必死に止める。その間に、黒潮は柵の外にそっと出て何事もなかったかのように、客席の隅の方に歩いて行くが、鈴木はそれを見逃さず逮捕し連行(笑)。
「すみませんでしたぁ!」と謝る黒潮。反対側では、ずっと立花と北斗がやり合う。
 やっと、まともにリング上での攻防。立花のリバース・インディアン・デスロックが北斗に決まるや鈴木が止めに入ろうとすると、立花はガンを飛ばず。しかし、そのまま鈴木が蹴り上げると北斗の足が更に決まってしまい悲鳴。そして、会場が一番盛り上がったのがこの場面。

 3人、縦に並びEXILEのChoo Choo Trainダンスを踊り出した。しかし、鈴木は仁王立ち。腕を持って、こうやって回すとレクチャーし、再度スタート! だが、鈴木は付き合う気はなく立花を蹴り飛ばす。そこで、2人がかりで鈴木に頭突きをかますと、頭を抱えてクルクルと回り出した。そこに、2人のダンスを合わせると、会場大受け!! そのあと、立花がブレーンバスターで鈴木を投げるがそこまで。鈴木は、一瞬のスリーパーで動きを止めると、そのままゴッチ式パイルドライバー。立花はピクリともしなかった。
 しかし、真逆のスタイルの鈴木と黒潮が第2試合でこんなにスイングし、会場を盛り上げるとは思わなかった。流石、55歳にしていまだ各団体に引っ張り凧の鈴木とWWEを経験してきた黒潮である。

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