【最低で最高なタッグチーム】土肥羆が12・4新宿FACEにて初の自主興行を開催した。平日月曜夜開始で会場は超満員をマークする大盛況に加え、試合内容の満足度も高かったことから、2023年も残り1ヶ月を切ったタイミングながら年間ベスト興行の呼び声も高い興行は、配信視聴でも一見の価値あり。そんな土肥羆興行の全試合をレポートする。
[週刊ファイト12月14日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼新宿FACE超満員札止め!最低で最高な土肥羆興行圧巻
ネームバリュー頼らぬ抜群のテンポと緩急
photo & text by 鈴木太郎
・セミメイン前に成立した年間ベスト
・抜群だったテンポ×パワーバランス×緩急
・豪華OP阿部史典-アンディ・ウー10分ドローも平手打ち一枚上手の証
・男子顔負け打撃音木霊したPPPちゃんよたエチカ-ルミナス梅咲&高瀬
・今宵語る上で外せない静寂突き破る打撃光った佐藤光留-八須拳太郎
・DRAGON GATE土俵乗り込む元WRESTLE-1立花誠吾&佐藤嗣崇活躍
・全日本プロレス-ランズエンド6人タッグ青柳優馬制する
・土肥羆-KAI&小島聡!アニマル浜口ジム出身豪華競演
・確信に変わった土肥羆の過小評価っぷり
・パワーに留まらぬ土肥羆の器用さ
■土肥羆興行自主興行~最低で最高な夜~
■日時:2023年12月4日(月) 19:00開始
■会場:東京・新宿FACE
■観衆:400人(超満員札止め)
土肥こうじ&羆嵐による『最低で最高なタッグチーム』土肥羆が初の自主興行を開催した。平日月曜開催ながら、新宿FACEは満員札止めをマークした興行は、WRESTLE-1、全日本プロレス、ランズエンド、PPP TOKYO、VAMOSTARなど、土肥と羆嵐が10年前後に及ぶキャリアで歩み築いてきた人脈と経験、総力を結集するような内容となった。
キャリア初の自主興行とはいえ、内容は既に何度も自主興行を経験しているような安定感と緻密さを随所に感じさせた。セミファイナルには前三冠ヘビー級王者の青柳優馬を筆頭とした全日本プロレス所属勢、土肥羆が出場したメインイベントには新日本プロレスの小島聡が参戦するなど豪華布陣が興行を彩ったが、特筆すべきはオープニングから安定感のある試合が積み重なっていった事だろう。
オープニングの『阿部史典vs.アンディ・ウー』の熱戦から、男子顔負けの打撃音が響き渡った女子プロレスマッチ、無駄が極限まで削ぎ落された『佐藤光留vs.八須拳太郎』、DRAGON GATEの土俵に元WRESTLE-1勢が見事に乗り込んだ休憩前のタッグマッチと、セミメインを前にして興行の成功が約束される盛り上がりが成立していたのである。
土肥羆がキャリアの大半を過ごしたWRESTLE-1の元所属選手も参戦したものの、同様に元所属選手が集う河野真幸とアンディ・ウーによるVAMOSTAR興行とは差別化が成されていた。土肥がコーチを務めるPPP TOKYOの主力選手である三富兜翔や大谷譲二、土肥と同じWNC⇒WRESTLE-1というルートを辿っている黒潮TOKYOジャパン(黒潮イケメン二郎)といった、土肥羆と接点のありそうな有名どころの参戦も無し。
ただ、これが逆に土肥羆興行の特色を固めるのに貢献した印象も受ける。何故ならば、参戦選手のネームバリューに頼らずとも興行のテンポとパワーバランスと緩急が揃えば、年間ベスト興行級の内容が残せる事を土肥羆の2人が証明してみせたのだから。早くも第2回興行が待ち遠しくなる、”最低で最高”な土肥羆興行であった。
豪華OP阿部史典-アンディ・ウー10分ドローも平手打ち一枚上手の証
<第1試合 シングルマッチ>
△阿部史典
(10分00秒 時間切れ引き分け)
△アンディ・ウー
オープニングから阿部史典とアンディ・ウーによる豪華シングルが実現。双方強いエルボーにグラウンド技が光った一戦は10分では決着がつかずドローという結果も、試合後に阿部と対峙した際に一発を見舞ったアンディが上手だったか。