怪獣プロレス第二戦「KAIJUMANIA」雷神矢口対ヒバゴンは試合続行不能の大波乱

 9月28日に旗揚げしたばかりの怪獣プロレスが4日、第2戦にして東京ドームシティ・プリズムホールに進出。今回もモンスターたちの超ド級バトルに豪華なキャスト陣が彩りを加え、独自の世界観で会場に詰めかけた500人(満員)の観衆を酔わせた。
 怪獣プロレスの代表兼プロデューサーを務める雷神矢口(矢口壹琅)のデビュー30年記念大会を兼ねて開催された11・4プリズムホールには、ゲストとして矢口の盟友・大仁田厚らに続き、少女時代から大の怪獣ファンだったという山本リンダさんが登場! このサプライズに〝本編〟の開始前から場内は沸きに沸いた。
 全6試合のうち最大の注目を集めたのは、やはりメインに組まれた矢口と伝説の超獣ヒバゴンの再対決。旗揚げ戦9・28秋葉原でヒバゴンの驚異的なパワーを持て余し、肋骨を折って完敗を喫した矢口は、雪辱をとげて自身の晴れ舞台を飾るべく負傷を押して大いに燃えた。対するヒバゴンも、矢口が狙ったコブラツイストを逆に決めるなどプロレスIQの発達を示した。骨折のダメージが色濃い矢口ばかりか、ロープに絡めた足首を痛めたヒバゴンも立っているのがやっとの様子で、レフェリーの要請を受けてリングインしたミスター高橋審判部長が両者の状態を見かねて痛み分けの断を下した。試合終盤にはエプロンで宙吊りになったヒバゴンを矢口が助け起こすシーンも見られ、あるいは人類とモンスターの間に友情のような心の通い合いが生まれたか…。
 一方、矢口に恨みを抱く花房五郎の細胞から父の地獄博士が創り出したバイオモンスター・キラーゴロゴは、9・28秋葉原のガッツリ星人に次いで矢口が差し向けた第2のカプセル怪獣・スーパーソルジャーMr.U.S.A.を万力のベアハッグで戦闘不能に追い込んで圧勝。これで矢口はゴロゴの挑戦を受けて立たざる得なくなった。凄まじい勢いのままゴロゴ親子の執念が結実するか、この日もゴロゴのファイトぶりを凝視した矢口は攻略のヒントを見出したか…。
 映像と音楽、演劇、舞踊のエッセンスがミックスされたバトルエンターテインメントは、旗揚げ戦からさらにスケールアップ。前回も出演した佐々木剛、高野浩幸らに萩原佐代子も新登場。もちろん、モンスターたちも思い思いに暴れ回り、それぞれの存在を強烈に主張した。みずからの記念マッチを勝利で祝うことはできなかった矢口だが、変わらぬ情熱と怪獣プロレスにかける思いを改めて訴え、長らく封印してきた「愛だ―!」を解禁。バックステージでは「弱小団体とは思っていませんよ。〝強小団体〟―ー強くて小さい団体を目指しているし、そう自負しています。だから、これからも胸を張って独自の道を進んでいきたい」と力強く宣言した。
(小野 仁)

■ KAIJU MANIA
日時:2023年11月4日 
会場:東京ドームシティ・プリズムホール
18時イベント開始 観衆=500人(満員)

<ハンディキャップマッチ15分1本勝負>
○星いぶき&咲蘭
(10分47秒、体固め)
●大巨獣ギョロン
 ※ダブルドロップキックからセコンド勢とともに押さえ込む

<シングルマッチ20分1本勝負>
○宇宙怪獣キングマンドラ
(8分49秒、片エビ固め)
●犬面人
 ※アバランシュホールド

<帰ってこなかったウルトラロビンSP ハンディキャップマッチ25分1本勝負>
○甲府星人&ガッツリ星人
(8分17秒、体固め)
●宇宙銀河戦士アンドロス
 ※コーナーポスト上でアンドロスの光線を受けたバランスを崩した甲府星人が勢いで覆いかぶさる形となり、ガッツリ星人と2人がかりで押さえ込む。当初はタッグマッチの予定だったが、ウルトラロビンが現れず試合形式を変更

<シングルマッチ30分1本勝負>
○大怪獣ブルゲーター
(4分20秒、片エビ固め)
●小さな巨獣マミトラー
 ※ギロチンドロップ

<シングルマッチ45分1本勝負>
○キラーゴロゴ
(6分11秒、レフェリーストップ)
●スーパーソルジャーMr.U.S.A.
 ※ベアハッグによる戦闘不能

<シングルマッチ60分1本勝負>
 
▲雷神矢口
(10分20秒、両者TKO)
▲ヒバゴン ※ともに肉体的ダメージが著しくミスター高橋審判部長が試合続行不能を宣告

雷神矢口コメント
「怪獣プロレスって、エンターテイメントなんですよ、見ての通り。総合エンターテイメント。誰もやったことのないエンターテイメント。批判を受けるかもしれない。でも、新しいものって、絶対そうじゃないですか。だけど、そんなこと気にもせず、オレは30年やってきたこと思ってきたことを、ここでぶつけたいし、それはプロレスラーの後輩たちへの置き土産なんですよ。プロレスってまだまだ捨てたもんじゃねぇよな、こんな可能性あるんだよなっていうのを伝えたい。 世界で今、大変な紛争が起きている。これが大きなうねりになってしまうかもしれない。だからこそ、プロレスって愛なんですよ。怪獣プロレスって、愛なんですよ。それを表現したかった。リアルとファンタジーが一緒に混在する世界。それって、これからの世界につながっていくんじゃないかって思ってます。
 これを見て何か感じるものがあったら、、、弱小団体ですよ、でも応援してもらえたらなと思います。弱小団体って今、言いましたけど、自分では絶対、そう思ってないです。〝強小団体〟―ー強くて小さい団体を目指しているし、そう自負しています。だから、これからも胸を張って独自の道を進んでいきたいと思います。
 胸いっぱいのプロレス、フロンティアスピリッツ。兄貴的存在の大仁田厚を引き継いでいるのはオレしかいないと思ってます。そこの部分、プロレスラーって必要じゃないですか。プロレスって、世界中の人が楽しめるエンターテイメントスポーツなんだよね。親子3代で楽しめるプロレスの本来の楽しさ。その可能性をオレは、思いっきり極限のこっち側で表現したい。
 来年アタマには、いろんなイベントをやっていこうと思ってます。今、声がかかっています。まだ発表の段階じゃないですけど。正式な大会は4月7日(日)に浅草花やしき花劇場で行います。浅草に桜を見に、そして怪獣を見に来てもらいたいなと思います。新しい怪獣も出ます。毎回出ますよ。
 今日は、ボクの憧れてた人たち、憧れてた戦隊ヒーローものの主人公の方たちが、一緒に面白いことやろうよ!って気持ちだけで(参加してくれて)、この大会ができたんで、それはオレの宝ですね。あと引退まで、そう遠くはないですね。大仁田さんと電流爆破やり続けてボロボロだし。最後の命をかけて…大げさじゃなくて命がけでやりたいし。あと一つ、これだけは言っておきたい。ハヤブサが亡くなる1か月前、この怪獣プロレスの話をしたら『それ面白いね! 矢口さん、一緒に運営させてよ』って。それがオレはずっと忘れられなくて。きっとハヤブサも見てくれていると感じて、今日ここまで頑張ってこられました。皆さんの矢口コールを受けて嬉しかったよね。ありがとうございました!」