[週刊ファイト11月2日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼全日51周年:魔のトリオベルト戴冠 三冠戦頂上対決 中嶋勝彦登場!
photo & text by 西尾智幸
・1972年の旗揚げ前夜祭と同じ日に51周年大会
・青木真也、田村男児がグラップリングマッチ
・斉藤兄弟の試合後ヨシタツ大森隆男が襲撃
・魔のトリオがEruptionを破りTV6人タッグ王座獲得
・女性には手を出さない諏訪魔が赤井沙希を失神KO
・これぞ新生全日本、青柳優馬が宮原健斗相手にV5
・場内騒然とする中、中嶋勝彦が登場!
全日51周年:魔のトリオベルト戴冠 三冠戦頂上対決 中嶋勝彦登場!
ご存知のように、1972年に日本プロレスから独立しジャイアント馬場が全日本プロレスを設立。
当初は、日大講堂で旗揚げ興行2連戦を行う予定で、その初日となる10月21日の土曜日を日テレが初の生中継行う予定だったが、土曜日は同会場の予定がすでに詰まっており、仕方なく初日を東京の旭町体育館で旗揚げ前夜祭とし、“ブルーノ・サンマルチノ&テリー・ファンクvs.ジャイアント馬場&サンダー杉山”をメインに開催され生中継された。公式には翌22日が旗揚げ1戦目となり、メインではPWF世界ヘビー級王座争奪第1戦として馬場vs.サンマルチノが行われた。
それから51年。前夜祭と同じ東京、同じ日で同じ曜日に、51周年記念大会が行われた。
試合前に、選手全員が登場し、代表で渕正信がこのような話も含め感慨深く挨拶を行った。
その時は、まだ誰も生まれていなかったと後ろを見て言ったが、大森隆男が挙手したため、笑顔で握手をし、会場も笑いが起きた。とはいえ、大森でも当時は3歳である(笑)。
そう、ベテラン選手は少なくなり、『ゼンニチ新時代』がすでに到来! そんな選手達が丸51年を迎えたこの団体を大きくしていくのだ。会場も満員の観客で熱気ムンムン! そんな中、この記念大会のメインで行われたのが、今の全日本頂上対決と言われる青柳優馬vs.宮原健斗であった!
これぞゼンニチ新世代闘争! 止まる事のない激闘30分の三冠戦!
《第7試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負》
【第70代王者】
○青柳優馬
29分48秒 THE FOOL⇒エビ固め
【挑戦者】
●宮原健斗
☆第70代王者・青柳優馬が5度目の防衛に成功
両選手の入場はリングアナがコールするのはなく、まず本人からのこの試合への意気込みがビデオメッセージで流れ、その最後に例えば青柳は『それでは、青柳優馬入場します』と自身で入場をコール。そしてテーマ曲が流れ本人が登場。これは新鮮な感じがした。
試合は、ロックアップ、バックの取り合いなど、教科書通りの静かなスタートに思えたが、戦場を場外に移すと激しい攻撃の連続、しかも長い! 4分は場外戦が続いた。PWFルールは場外カウント10秒ではないのか?! などとヤボなことは言わないが(笑)。
リングに戻ると、青柳がダイビングボディアタック、ネックブリーカー、パイルドライバー、キャメルクラッチなどを次々に技を繰り出し優位に立つ。しかし、ここで宮原も反撃! 低空のドロップキックからエプロンでパイルドライバーを仕掛けようとするが、青柳はそれをこらえ、逆にロックスターバスターでエプロンに叩きつけたが、自身もそのまま場外へ転落。
リングに戻っても強烈な技の応酬。青柳のバックドロップ、ジャーマンに対し、宮原もジャーマン、ブレーンバスターで返す。その後もお互い意地の大技連発。しかし、カウント2.9止まり。
ここで、宮原が追い込む。ブラックアウトの乱打から顔面蹴り! 強烈な蹴り技の連続で青柳は動けない。レフェリーがダウンカウントを始める。しかしカウント9になっても立ち上がれない青柳。ここでレフェリーは「青柳、カウント取るぞ」と何度もいいつつも9で止めたまま。ここで終わらす訳にはいかない! そして不意に近づいた宮原だが、その瞬間うまく丸め込まれた!
そこから、また一進一退の攻防が始まる。 2人共タフだ!! そして、宮原が何度も逃れられていたシャットダウンスープレックスホールドが決まり、殆どの観客は宮原の勝利を確信するが、これを返した青柳。場内は、怒号のような歓声。もう一発を狙うが、青柳はこれをかわすと、ロックスターバスターからTHE FOOLでカウント3を奪ってみせた! 約30分激闘であった。
シャットダウンが決まらなかった時、宮原は悔しい表情をした。
流石に、試合終了後は、両者とも暫く立ち上がれず! 青柳がようやくマイクを持って喋り出した時、場内が騒然となる。黒のスーツ姿で現れたのは、なんと9月末でNOAHを退団したばかりの中嶋勝彦! まさかの全日に現れたのだ。
健介オフィスでは、先輩後輩の関係だった宮原に花束を持って来たようだ。しかし、その結果を見て「なんで負けてるんだよ! お前が勝つと思ってきたのに!!」とその花束を叩きつけて帰って行った。
ひとこと「応援しにきただけ」との言葉を残して会場を後にしたが、団体側からの何の発表のなく、今後の動向がますます気になるところだ!
▼ノアを去った中嶋勝彦の去就、最新情報
TV6人タッグ・女性に優しい諏訪魔が赤井沙希を失神KOし王座奪取!
《第5試合 全日本プロレスTV認定6人タッグ選手権試合 60分1本勝負》
【第6代王者組】
坂口征夫
●赤井沙希
岡谷英樹
12分14秒 万力スリーパー⇒レフェリーストップ
【挑戦者組】
○諏訪魔
尾崎魔弓
雪妃魔矢
☆諏訪魔&尾崎魔弓&雪妃魔矢が第7代王者となる
DDTに流出した6人タッグ王座、今回諏訪魔は尾崎魔弓、雪妃魔矢をパートナーに戴冠を狙う。
しかし、試合前から2人と1人とバラバラに入場。何やら不穏な空気が流れるまま、試合開始。
「赤井沙希出て来い!」と諏訪魔がいい、赤井もそれに応えるが、女性を殴れない心優しい(?)諏訪魔は組み合おうとせず、「無理だ!」となる。尾崎、雪妃に喝を入れられる。逆に試合にならない事に赤井が激怒し、エルボーを打ちこんでいくが、諏訪魔は反撃しない。雪妃が鞭で赤井を捕まえても、無理無理!
その分、雪妃、尾崎が男子相手にも奮闘する!
そして、ついに雪妃らの張り手に諏訪魔が覚醒! ダウンした赤井に重いニードロップを食らわしフォール。しかし、会場からは大ブーイング。「どうしたらいいんだよ!」と困惑気味の諏訪魔。攻めあぐんだ諏訪魔は、相手チームから総攻撃を食らう。
しかし、このままでは終われない諏訪魔は、3人を次々となぎ倒し、最後は赤井にラリアットからガッチリとスリーパーを決め、左右に振り回し、最後は全体重をかけて締め上げた。尾崎、雪妃も坂口、岡谷を固定しフォロー。動かなくなった赤井を見て、和田レフェリーが試合を止めた。
さっきまで、諏訪魔に“鞭”ばかり与えていた正危軍の2人だが勝利が確定すると、雪妃は頭なでなで、尾崎はハグの“飴”をご褒美!
試合後、諏訪魔はTシャツを持って正危軍入りを訴えるが、「正危軍は美人しかだめ! この3人は“魔”がつくトリオで“魔のトリオ”。正危軍とは、別なんだよ」って事で諏訪魔も納得した。
その他の試合結果/斉藤兄弟は試合後大森&ヨシタツに襲撃される