バダ・ハリがウク・ユルジェンダルにKO負け!Glory 89

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 10月7日(現地時間)にブルガリア共和国アブルガスで「Glory 89」が開催された。
グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、入れ替わるように新たにキックボクシングの世界的メジャー団体として活動している。
 今大会は、あの悪童バダ・ハリの復帰戦が最も注目された。私生活のトラブルで選手としては長期活動出来なかったなどあったものの、近年はキックボクサーとして復活。現グローリーヘビー級王者であるリコ・ベホーベンからはダウンを奪い試合を有利に進めたものの足を負傷して敗れるなど不運なアクシデントもあったが、絶対王者からダウンを奪うなどまだまだ選手として衰えていない事を証明している。しかし、いつも相手を追い詰めるものの復帰後は逆転KO負けが続き、前戦2戦は、ファンが暴動を起こして試合中止ノーコンテスト(アルカディウシュ・ゾセク戦)、対戦相手の禁止薬物陽性でノーコンテスト(アリスター・オーフレイム戦)と不運な状況。一時は引退も示唆したものの、2023年末に行われるグローリーヘビー級トーナメントを現役生活最終章とするとして、トーナメント予選試合として、ウク・ユルジェンダルと対戦した。試合は、積極的に打ち合いせ攻めるバダ・ハリだが、1R終盤、ユルジェンダルをコーナーに追い詰めるも、カウンターを喰らってバダ・ハリがダウン。なんとか立ち上がるも、その後、ユルジェンダルが攻勢に出て、バダ・ハリは再度、ダウン。なんとか立ち上がり、2Rに突入するも、打たれ弱くなっているバダ・ハリはユルジェンダルとの打ちあいに負け、2度のダウンで、遂にレフェリーがストップ。バダ・ハリのKO負けとなった。

 またフェザー級王座戦も組まれ、王者ペットパノムルン・キャットムーカオがデビッド・メイヤの挑戦を受けた。ムエタイ強豪としてグローリー参戦、王者に君臨して更にライズのスーパーライト級王座も奪い二団体でそれぞれ王者になっているキャットムーカオが下馬評では有利になっている。試合はいつも通り、5Rをフルに使って僅差の判定でキャットムーカオが勝利して7度目の王座防衛を果たした。
 もう一つのヘビー級トーナメント予選はレヴィ・リグターズがローキックでマルティン・テルプストラの足を破壊し戦闘不能となり、TKO勝ちでトーナメント出場権を得た。

■ Glory 89
日時:2023年7月日(現地時間)
会場:ブルガリア共和国アブルガス

<フェザー級王座タイトルマッチ>
○ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/王者)
 判定
●ダビド・メヒア(スペイン/挑戦者)

<ライト級>
○ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア)
 判定
●ソリン・カリニウク(ルーマニア)

<ヘビー級グランプリ予選>
○レヴィ・リグターズ(オランダ)
 1R 1分58秒 TKO
●マルティン・テルプストラ(オランダ)

<ヘビー級グランプリ予選>
○ウク・ユルジェンダル(エストニア)
 2R 0分47秒 TKO
●バダ・ハリ(モロッコ)

<100キロ契約>
○ボグダン・ストイカ(ルーマニア)
 判定
●ルイス・タバレス(オランダ)

<ミドル級>
○アレクサンドル・ペトロフ(ブルガリア)
 判定
●カリム・マブルーク(オーストリア)

<ミドル級>
○モハメド・タチアシー(モロッコ/オランダ)
 2R 2分00秒 TKO
●エドゥアルド・アレクサニャン (ブルガリア)